表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界の神はインモラル  作者: アリス
第8章
103/319

寝耳に水

いらっしゃいませぇヽ(=´▽`=)ノ

本日もお越し頂きまして、誠にありがとうございます!

「ホンマ、ええ性格してはるわ」


兄の発言を受けて、ランドルが呆れたようにツッコんだ。


政治の中枢にいるからこそ、こういう小さなほころびが

組織の分裂、崩壊のきっかけになることを父も兄もよく知っている。

今回のことが(くさび)になればいいとでも思っているのだろう。


神殿側は神殿側で、表向きは王家に歯向かう素振りは見せず

自分達を支持し、支援する彼らを邪険にすることはできずにいるが

結局のところ、神殿や神官を担ぎ上げて

自分達が甘い汁を吸おうとしている連中が大半なのだ。

それが透けて見えるから、ランドル達も本気で取り合おうとはしなかった。


「しかし今回は、無記名、()つ即日投開票を行うつもりだ。そこまでの期待はできんと思うぞ」

「えぇ、それは承知の上です。すぐにどうこうなるほどの仲間割れはしないでしょうね。ですが無記名であれば、かえって疑心暗鬼に陥りやすくなります。…まぁ、王族派にも同じことが言えるわけですが」

「現に、我々の間だけでもこれだけ意見が割れていますし、混乱は避けられないでしょうね」

「ともかく、全ては明日決まる。どのような結果になっても、皆、頼んだぞ」

「「「ハッ!」」」


そして翌日の議会。

定例のものが終わり、鬼の同行について是非を問えば、案の定紛糾した。


ちら、と陛下を伺えば「うーん、やっぱりそうなるよねー」

とでも言いたげな顔をしていた。


ひとしきり会場が騒ぎ終えると、頃合いを見計らい陛下が口を開いた。


「予想はしていたが、やはり話し合いでは決まらんな。ノービス、アンソニー、準備を」

「「かしこまりました」」


声を掛けられた2人が投票の準備を始めると、誰かが疑問の声を上げる。


「陛下、これは一体・・・何をなさるおつもりですか?」

「んん?見ての通りだ。今、この場で、無記名による投票を行い是非を決する」


当然ながら会場がザワついた。

陛下はそんな会場を見回しニヤリと笑うと言葉を続けた。


「根回しや結託などはして欲しくないからな。この場での即日投開票とする。()()()()()()()()()()()()皆の最良の判断を期待している」


この提案に歯噛みをしたのは神殿派の貴族達だ。

もし奴等に時間を与えていたら、間違いなく結託していたことだろう。

そして恐らくは同行に賛成していた。


連れてきた鬼から何か有益な情報が得られれば

賛成した自分達の手柄とアピールし、何か問題が起きれば

俺達がそれに対処できようとできまいと、俺達を責める口実にしたはずだ。


そんな理由からも意味がある即日投開票。

不満を漏らす者もいたが、特に滞りなく投票は済み、その場で開票。

結果、鬼の同行に関しては、反対多数で否決されたのであった。


その後、珍しく神殿組から報告があると呼び出された。

議会後に緊急会議が行われるのは最早恒例になりつつある。


「最近、城下でとある噂を耳にしまして。…鬼が実は洗脳されていて、それが解ければ本当は安全な存在だ。という話が出回っているようでして…」

「何だと?まさかとは思うが、あの時の箝口令を破ったものがいるのか?」

「情報の出どころはまだ確定やないが、騎士団の連中ががそう話しとるのを聞いた言うヤツがおるそうやで」

「なんてことだ…一体誰が…」

「ダレル、犯人探しはとりあえず後だ。今回の投票で鬼の同行が否決された以上、それを覆す事はできない。連れて来られないなら、こちらから会いに行くしかなかろう。真実を(つまび)らかにし、間違いのない情報を伝えなければならない。…民の命に関わる話だ」

「はい」


これはどうやら、急いだほうが良さそうだ。

ここまでお読み頂きありがとうございました。

次回更新は31日、木曜日を予定しております。


よろしくお願い致しますm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ