表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
看過と執念  作者: 京
1/7

1

気がつくと目の前に、見目麗しい男性がいた。



頭2つ分ほど高いその顔は結構至近距離にあって、しかもその男性と私は手を繋いでいた。


状況が理解できず硬直する私の耳に、優雅なクラシック音楽が聞こえてきた。

可笑しい。音楽を聴くのは好きだけどクラシックはあまり聴かないのに。



「……ロッティ?」



茫然と立ち竦む私に目の前の男性が声を掛ける。


(ロッティ?)


何そのメルヘンな名前。


胡乱げに見上げると男性もまた怪訝そうな表情をしていて、それを見てある確信を持った。


その瞬間、男性に握られている手と支えられている腰に意識が行き、湧き上がった拒否反応に従って振り払うように男性から逃れる。

驚いたように目を見開く男性と目が合い、怖くなって素早く逸らす。

男性とこんな至近距離にいて、手を握り合い身体に触れさせていたなんて信じられない。


勢いよく後退りしようとして、がくんとバランスを崩した。どうにか踏ん張って倒れずに済んだが、視線を下に向けて驚愕した。


シルクのような生地の真っ赤なドレス。裾はふんわりとした大きなフリルが幾重にも重ねられ、胸元には煌びやかな宝石が散りばめられている。

そっとドレスの裾を少し持ち上げるとドレスと同じ真っ赤な色で、細く尖った高いヒールの靴を履いている白い脚が見えた。


何これ。



「どうされたんです?ロッティ」


様子の可笑しい私にまた男性が声を掛けてくるが、今はそれどころではない。


周囲を見渡すと私と似たようなドレスを着た女性たちや、紳士服のようなものを着た男性で溢れかえっていた。


目の前の男性も、高価そうな白い礼服で両肩には金色の肩章がついていて、左胸には紋章が描かれていた。


私がいる空間は大理石でできた大広間のようなところで、赤い絨毯が敷かれている。見たこともない高価そうな綺麗な料理がテーブルの上に並び、楽器を演奏する人たちも見えた。



まるで舞踏会だ。



自分の中の確信が正しいと分かり、血の気が引いていく。




「ーーここ、どこなん…?」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ