第2話 戦争かよっ!
「この学園広すぎだろー!!」
俺、神代裕真は現在迷ってます!!理由は広いから!
「あー。くそ、どうする?何で科学魔術学部だけ遠いんだよ。おい、何やってんだよ校長。殴るぞ?蹴るぞ?刺すぞ?」
思考が危ない方向へ行き始めた時に誰かが声をかけてきた。
「あのー」
振り向くとそこにいたのは……誰だろう。女子ということしか分からない。
「私多分キミと同じ科学魔術学部なんだけどー」
「おう。俺も科学魔術学部だよ」
その女子は俺と同じ黒髪黒目で、身長は160か?腰まであるその黒髪をツインテールにしている。
ちなみになぜ俺がツインテールだと分かったのかと言うと、姉さんと妹がその髪型にしてたことがあったからだ。その時妹に「ツインテールって言うんだよ」と教えてもらったのであり、断じて幼女趣味とかではない!ホントだぞ!
……って、何で幼女趣味って言ってるんだーー!ほぼ断言してるに近いぞ俺!!
「で、お前も迷ったのか?」
「うんそうだよ!」
全然迷ってなさそうだ。
「地図なくしちゃったんだ……」
「マジで?俺の見せようか?」
「ありがとー」
なんて言うか、天然?礼儀正しそうなタイプだな。
「でも、地図あるのに迷うってキミ面白いねー」
前言撤回。こいつはただのバカだ。
「私は1−Bの九条凛音。よろしくね」
「俺は1−Bの神代裕真。よろしく。って同じクラスか」
名前だけの自己紹介を済ませた後、俺らは長い廊下を歩いていた。
「う〜ん」
「どうした?うなって」
すごい悩み事だったらどうしよう…。
「いや、キミをどうやって呼ぼうかなー。って」
「それぐらいで悩んでどうするんだ!!」
真剣に悩んだ俺がバカだった!
「神代君?神代?裕真君?裕真?ゆう?ゆうゆう?かーくん?ゆっくん?あっ!」
「なんだ?」
何か変な呼び方にされそうだ……。つーかゆっくんって姉さんと妹が「2人の専売特許」って言ってたじゃねーかよ!!
「ゆーくん!」
「おいーーーー!!」
「おうわっ」
「何がおうわっ。だよ!何だよそれぇ!」
俺は勇者だ!こんな変な名前つけてくるモンスターになんか負けんぞ!!
勇者:カミシロユウマのターン。
「あのなぁ、俺は16だぞ!高1だぞ!てめぇの頭はどうなってんだ!!このバカ野郎!」
攻撃:精神的攻撃!!(悪口)
モンスターに10のダメージ!
モンスター:クジョウリンネのターン。
「じゃあ、ゆうゆうとか、ゆうの方がよかった?ごめんねっ。気づいてあげられなくて」
魔法:天然の言葉!!
「ぐはっ!」
勇者に1000のダメージ!!勇者は敗れた。 GAME OVER
「じゃ、ゆーくんでいいよ。マシそうだし。と言うより裕真っていう選択肢は?」
「裕真は何となくダメなんだー」
「はぁ……」
と言いあいのようなことをしているとまた誰かが声をかけてきた。
「おーい。お前らも科学魔術学部?」
「おう」
「うん」
「俺は1−Bの如月絢。よろしくな」
そいつは俺らと同じ黒髪黒目で後ろ髪が俺と同じぐらいの長さで、イタズラそうにその黒目は輝いていた。身長は俺よりも少し上か?もしかして俺の168cmという身長は平均なのか?
「う〜ん。じゃあ、あーくん!」
「はぁ!」
如月絢は固まった。
やっぱ、驚くよな。うん。
「うん。ゆーくんとあーくん。あっ、私九条凛音」
「俺は神代裕真」
「じゃあ、凛音と裕真だな」
「俺も凛音と絢で」
「えー」
「「うるさい!!」」
おっ、ハモった。
その後は、あんま記憶に残らないような話をして、ようやく科学魔術学部の校舎についた。
俺が扉を開ける。
ギィ―――。そんな音をたてて扉が開いた。
そこには、大きな広場。
「「はあっ!?」」
俺と絢はそろって声をあげた。
「楽しそうだねー」
凛音は間延びした声をあげた。
そこでは、戦争をしていた。
「くそっ、負けるなー!大砲用意!!」
と、眼鏡をかけた男が言っている。ブレザーのネクタイが緑なので3年だろう。
「相手は大砲をぶっ放す気だー!!シールド用意!!」
と茶色の髪を腰まで伸ばした女が言ってる。ブレザーのネクタイが赤だから2年だろう。ちなみに俺たち1年のネクタイの色は青だ。
「大砲!発射!!」
「シールド展開!!」
ドカーン!ドカーン!
そんな音をして、大砲の弾が周囲を飛び回る。壁に当たってもまた戻ってくるので広場は大惨事となった。
「おいおい、これは何だよ」
「知るかっ!」
絢が聞いてきたのでとっさに言い返す。
「あっ、こっちに気づいたみたいだよー」
3年が言う。
「こちらに味方してくれー!!キミらが来れば僕たちの勝利は明確なものとなる!」
2年が言う。
「こちらに味方しろ!!こちらは危険な状況なのだ!君らが来ることにより逆転できるかもしれない!!」
どっちに味方すりゃいいんだ!?
「私は、ゆーくんが決めた方でいーよー?」
「俺も裕真が決めた方でいいぜ?」
う〜ん、どっちもめんどくさいだけなんじゃねぇの?
と俺は思ったが、結局考える。
「じゃあ、不利な方に」
「じゃあ2年生だねー」
「行くかぁー」
2人の了解も得たところで俺は2人に叫ぶ。
「おうっ、俺たちは、2年に味方しますよーーーー!!!」
そして俺たちは2年の方に小走りで向かう。
「よく来てくれた。私は星夜奏だ。早速だが、あの弾丸の処理を頼みたい」
「はい。てか何故戦争?」
俺が聞くと奏さんは
「理由は無い。ただ遊びたかっただけだ」
と言いきった。
「はぁ?」
「いいから行け!!」
科学魔術学部は何かヤバい!!!!
俺はそう言おうとしたけど、凛音と絢がすごいやる気を出しちゃったから何にも言えなかった。
頑張るしかないのか……。
読んでくれてありがとうございましたー!!