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桃太郎の続編

作者: 森中 隼人

桃太郎一同は鬼を退治した後、鬼ヶ島を去っていった。


しかし彼らは重大なミスを犯していた。鬼ヶ島にはもう一匹鬼がいたのである。桃太郎が退治した鬼の子供が。あいつらを許さない。なんとしてでもお父さんの仇をとってやる。小鬼は決心した。タイムマシンに乗り、桃太郎が生まれてくるずっと前に遡り、桃太郎が存在しない「今」を作りだすことにした。


小鬼は10年遡り、桃太郎の両親を探す旅に出た。もちろん「退治」するためである。しかし「人退治」は上手くいかなかった。小鬼は体格が小さかった事から人間の子供たちにいじめられたのである。石を投げられ、棒で叩かれ、散々な目に遭った。体が赤く目立ったため、人だけでなく動物からもいじめられた。4羽のカラスが小鬼を一斉につつきだし、小鬼は今にも泣き出しそうになった。


その時である。どこからか、キジ、犬、猿が走ってきてカラスを追い払ってくれた。小鬼は礼を言って、立ち去ろうとすると呼び止められた。振り返ると、優しそうな若い夫婦がいた。どうやらキジ等の飼い主であったようだ。


彼らは疲れ切った小鬼を自分の家まで迎え入れ、暖かい食事を与えた。人間の優しさに初めて触れ、小鬼は涙が止まらなくなった。自分の親の仇である人間にもこんなにも優しい人がいたのだと。さらにはここに住みなさいよと若夫婦は言ってくれた。


結局小鬼は1年間、若夫婦、キジ等と共に過ごすこととなった。1年後、小鬼は当初の目的を忘れていた。若夫婦に良くしてもらえただけでなく、キジ等と親しい友達になることができ幸せだったからである。しかし、小鬼は元の時代に戻らなくてはならなかった。タイムリミットが迫っていたからである。小鬼は充分に礼を言った後、未来へと帰っていった。


「寂しくなるわね。あの子との思い出にお腹の子供に桃ってつけましょうよ。あの子、桃大好きだったじゃない。」「そうしようか。男の子だったら桃太郎とかどうだい。」


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― 新着の感想 ―
[良い点] 文章力が素晴らしいです。 [気になる点] 重箱の隅を突くようですが、段落ごとにインデントがあった方が読みやすかったと思います。数字も、算用数字ではなく漢数字の方が、日本語の文章にマッチする…
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