プレゼント
これは、プレゼント。
大事な大事なプレゼント。
「僕は貴女に一つプレゼントをする。
見えるかな?ここに一つの箱があるんだ。
」
そう言って貴女に箱を手渡す。
僕からの大切なプレゼントだ。
「ほら、開けて見て?うん。良いよ、ここで開けて欲しい...あ!!ちょっと待って!?」
僕は止める、貴女の手を、ちょっとまだ、心の準備ができてないみたい。
「あのさ、箱の中、何が入ってると思う?へへっ、当てて見てよ、君は何が欲しいかな?」
僕は意地悪をする。恥ずかしくて、むず痒くて、意地悪をする。
「うそうそ!開けて良いよ!僕から君への、初めてのプレゼントだ!」
「え!?何も入ってない??おかしいなぁ、いっぱい詰め込んだんだけどなぁ。目に見えなくて、必死だったんだけどなぁ。本当に入ってない??」
僕は確認する。目に見えないそのプレゼントを、君に見てもらうために。
「僕...俺さ...やっぱなんでも無い!こんなところじゃやっぱり恥ずかしい。ちゃんと入れたんだから!君に受け取って欲しい。」
目に見えないそれを俺は押し付ける。もう一生離れたくない。この気持ちは一体、何処から来るんだろうか、何処にあるんだろうか。
俺には見える。何処にあるかわからないけれど、ハッキリと分かる。
君には伝わるかな?見えるかな?
この気持ちが。
「ちゃんと、受け取ってね、これが俺のプレゼント。俺から君への、初めてのプレゼント」
ちょっとずるいかな?でも、今俺が出来るプレゼントって、これ位しか無いからさ。
「大好きだよ」
目に見えない。大事で大事で、とっても大事な、初めて感じたこの気持ち。
俺は貴方に届けられただろうか。