表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

プレゼント

作者: 溝端翔

これは、プレゼント。

大事な大事なプレゼント。


「僕は貴女に一つプレゼントをする。

見えるかな?ここに一つの箱があるんだ。


そう言って貴女に箱を手渡す。

僕からの大切なプレゼントだ。


「ほら、開けて見て?うん。良いよ、ここで開けて欲しい...あ!!ちょっと待って!?」


僕は止める、貴女の手を、ちょっとまだ、心の準備ができてないみたい。


「あのさ、箱の中、何が入ってると思う?へへっ、当てて見てよ、君は何が欲しいかな?」


僕は意地悪をする。恥ずかしくて、むず痒くて、意地悪をする。


「うそうそ!開けて良いよ!僕から君への、初めてのプレゼントだ!」


「え!?何も入ってない??おかしいなぁ、いっぱい詰め込んだんだけどなぁ。目に見えなくて、必死だったんだけどなぁ。本当に入ってない??」


僕は確認する。目に見えないそのプレゼントを、君に見てもらうために。


「僕...俺さ...やっぱなんでも無い!こんなところじゃやっぱり恥ずかしい。ちゃんと入れたんだから!君に受け取って欲しい。」


目に見えないそれを俺は押し付ける。もう一生離れたくない。この気持ちは一体、何処から来るんだろうか、何処にあるんだろうか。

俺には見える。何処にあるかわからないけれど、ハッキリと分かる。

君には伝わるかな?見えるかな?

この気持ちが。


「ちゃんと、受け取ってね、これが俺のプレゼント。俺から君への、初めてのプレゼント」


ちょっとずるいかな?でも、今俺が出来るプレゼントって、これ位しか無いからさ。


「大好きだよ」


目に見えない。大事で大事で、とっても大事な、初めて感じたこの気持ち。

俺は貴方に届けられただろうか。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ