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第3話 天然天使との出会い(後)

主人公たちの名字に反応したアナタは、多分K県人です(笑)

 う〜、あれから大変だった。


 図書室から帰って入部届けを書いていたから、クラス中に読書部に入った事が知れ渡ったけど。


 運が悪い事に、その後のホームルームで生徒会役員を決める事になって、全会一致で図書委員になってしまった(涙)。


 まあ、学級委員長になるよりはマシなんだろうけどね。


 放課後になったので、顧問の先生に入部届を出した後、一度、読書部に挨拶に行こうか。



 ***************



 入部届を出した後、図書室へと向かう途中である。


 しかし、ロケーションが悪い図書室だなあ。


 利用者が少ないはずだよ。


 などと愚痴ってると、図書室の扉が見えた。




 静かに図書室の中に入ると、中には恵先輩が待っていた。



 「やっと来たね」


 「届けを出してきました」


 「そう、よかった」



 恵先輩はそう言いながらニッコリと笑った。



 「さあ、こちらに行きましょうか」



 と、恵先輩は後ろから僕の両肩を押しながら、図書準備室の方へと向かった。



 「ほら、入った、入った」



 そのまま恵先輩に押されながら準備室の方に入ると、中には、静先輩ともう一人、女の子がテーブルに座っていた。



 「あー、その子が話題の新人君ね(わくわく)」



 と、その女の子が(しゃべ)った。


 女の子を見ると、髪型はセミロングのボブでタレ目をした美人さんで、第一印象としてはキレイと言うよりはカワイイ系の美人さんです。


 上靴を見ると2年生なので、静先輩と同じか。



 「始めまして、私は、西里(にしざと) のどかって言うの。

のどかって呼んでね(ペコリ)」



 のどか先輩か、雰囲気がふんわり、ぽやぽやしていて本当に長閑(のどか)だなあ。



 「今年は大当たりだよ、こんなに可愛い子が来てくれたから(ニンマリ)」



 え、ええ〜、今まで可愛いとか何回も言われてたけど(本当は嬉しくない)、初対面の女の子から正面切って可愛いと言われたことは無い。


 思わず顔が赤くなった。




 「あ〜、赤くなった、可愛いなあ(ニマ、ニマ)」


 「ハイハイ、新人をいじって遊ばない。

さあ、秋人君、自己紹介をお願い」




 と言って、恵先輩は場を仕切り直した。




 「はい、始めまして伊倉 秋人と言います、A中学から来ました、どうぞよろしくお願いします」


 「うん、秋人君ね、へえ〜、A中学から来たのかあ。

ところで、今日はここに来たけど、やはり幽霊になるのかなあ(しゅん)」




 途端に、のどか先輩がしょげてしまった。


 自分が悪くないのに、なんだか罪悪感が湧いて来た。




 「あっ、いえ、僕は図書委員になったので、どっちにしろ図書室には出てこないと行けなくなったんですけど・・・」




 と、シドロモドロになりながら答えると。




 「え、そうなの、偶然だね、奇遇だね。

実は私も図書委員なんだよ(エッヘン)」




 と、のどか先輩が言った、すると。




 「・・・実は、私も図書委員なの」


 「で、私が図書委員長なんですよ」




 静先輩と恵先輩もそれぞれ言った。


 と言うことは、どうやっても、この人たちとは関わる訳か。



 「はははは」



 僕は乾いた笑いしか出てこなかった。



 「そうだ、折角一緒に活動するのだしお互いの距離感を縮めるために、秋人君じゃなくて”あきちゃん”じゃチョット言い辛いし、”あっちゃん”て呼んでいいかな?(ドヤッ)」




 突然、のどか先輩が突拍子も無い事を言い出した。




 「それもいいかも」


 「ちょっと、のどか!」




 恵先輩が同調し、静先輩が(たしな)めた。


  


 「ねえ、ダメかなあ(ウルッ)」




 のどか先輩が上目遣いで、懇願する様な瞳で尋ねて来た。


 ううっ、駄目だこの人に強請(ねだ)られるとノーとは言えない。




 「わっ、分かりましたよ!いいですよ!」 


 「やったぁ〜(ブイ)」




 のどか先輩は小さくガッツポーズをした。




 「も〜、のどかは〜。

・・・でもいいの、秋人君は・・・」




 静先輩は視線を地面に向けたまま、尋ねて来た。


 打ち解けるまでに、時間が掛かりそうだなあ。




 「しょうがないですよ、そうだ静先輩もそう言っても良いですよ。」


 「・・・え、でも、だって・・・」




 ん〜、こう言う人こそ、言った方がいいんだけど。




 「はい、はい、これで決まったね。

これからは”秋人君”じゃなく、”あっちゃん”と呼ぶことに決定!」



 と、恵先輩がいつの間にか決めてしまった。



 これで僕は、”あっちゃん”と呼ばれることになったが、それがいつの間にか”あーちゃん”に変わっていった。


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不思議な先輩女子と、平凡な後輩男子との不思議な話。
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