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第115話 バレンタインデー3

 その日の昼休み時間。



 休み時間が終わるまで、美咲先輩に(もてあそ)ばれたけど。


 その後、クラスに帰ると、男子連中の視線が痛いこと、痛いこと。


 授業が直ぐに始まったので、追求までには至らなかったけど。


 だけど、授業が終わると、それが始まるのが目に見える。


 幸い、次が昼休みなので、急いで教室を出ればなんとか・・・。



 「キ〜ンコ〜ン、カ〜ンコ〜ン」



 チャイムが鳴ると、同時にダッシュをして、教室を脱出する。


 背後から、何か声が聞こえるけど、そんな事には構ってられない。


 取りあえず、腹ごしらえをする為に、食堂へと向かう。



 ***************



 「ふう〜」



 昼食を取って、満腹になった僕は、その足で図書室へと向かう。


 図書室に向かって、廊下を歩いていると、



 「こんにちは、あーちゃん」



 と、言いながら、翠先輩がとある教室から、出て来た。


 そうだった、この教室は複数の部活の共同部室だった。


 その教室から、出て来た先輩は、格好はこの学校の制服であるが。


 またコンタクトだろうか、眼鏡を掛けてなくて、髪も後ろで束ねてないので、いつもの野暮ったい感じはしない。


 それどころか、頬が(わず)かに紅潮していて、何だか、恥じらっているので。

いつもと違い、清楚な印象すら受ける。



 「ねえ、あーちゃん、こっちに来て・・・」



 そう言って、僕を教室へと恥ずかしそうに誘う。


 普段はそうではないけど、僕と二人だけの時には、まるでキャラクターが別人になってしまう。


 やっぱり、あの事が原因かなあ。(第85話参照)


 そんな事を考えながら、教室へと入って行った。



 ***************



 教室へと入ると、カバンが置いてある机に先輩が行くので、僕もそれに付いていく。


 先輩がその席で立ち止まったので、僕も立ち止まって先輩に言った。



 「先輩は今日、どうして学校に来たのですか?」


 「今日は、学校に手続に来たの。

それよりも、今日は、バレンタインデーでしょう・・・」



 そう言うと、先輩がカバンを(あさ)ると、リボンが付いた(つつみ)を取り出した。



 「はい、プレゼント・・・」


 「ありがとうございます」



 先輩が、その包を僕に差し出すと、僕はお礼を言った。



 「それでね・・・、あーちゃん、お願いがあるのだけど」


 「ん?」



 

 先輩が包を渡すと、僕に言いにくそうに言い出す。



 「ねえ、またギュっとして欲しいの」


 「・・・別にいいですけど?」



 まあ、それくらいなら・・・、と思っていると。


 イキナリ、先輩が、僕の制服のボタンを外し始めた。



 「せ、先輩、何を!」


 「あのね、あーちゃんの肌の暖かさが忘れられないの。

だから、あーちゃん、私を温めながら、ギュっとしてよ・・・」



 僕の前ボタンを外すと、中のシャツに向かって抱き付いた。



 「あーちゃん、暖かいよ・・・」



 うっとりしながら、そう言う先輩。


 

 「はあ、しょうがないなあ」



 溜め息を付くと、僕は、開いた制服の前を、抱き付いた先輩の後ろに包むように被せ、その上から、先輩を抱き締める。



 「あーちゃん・・・」



 消え入りそうな声で、そう言うと、僕を抱く腕の力が強まる。


 図書室に急ぎたいのだけど、そうな状況では無いので、先輩が満足するまで、そうしていた。



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不思議な先輩女子と、平凡な後輩男子との不思議な話。
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