第115話 バレンタインデー3
その日の昼休み時間。
休み時間が終わるまで、美咲先輩に弄ばれたけど。
その後、クラスに帰ると、男子連中の視線が痛いこと、痛いこと。
授業が直ぐに始まったので、追求までには至らなかったけど。
だけど、授業が終わると、それが始まるのが目に見える。
幸い、次が昼休みなので、急いで教室を出ればなんとか・・・。
「キ〜ンコ〜ン、カ〜ンコ〜ン」
チャイムが鳴ると、同時にダッシュをして、教室を脱出する。
背後から、何か声が聞こえるけど、そんな事には構ってられない。
取りあえず、腹ごしらえをする為に、食堂へと向かう。
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「ふう〜」
昼食を取って、満腹になった僕は、その足で図書室へと向かう。
図書室に向かって、廊下を歩いていると、
「こんにちは、あーちゃん」
と、言いながら、翠先輩がとある教室から、出て来た。
そうだった、この教室は複数の部活の共同部室だった。
その教室から、出て来た先輩は、格好はこの学校の制服であるが。
またコンタクトだろうか、眼鏡を掛けてなくて、髪も後ろで束ねてないので、いつもの野暮ったい感じはしない。
それどころか、頬が僅かに紅潮していて、何だか、恥じらっているので。
いつもと違い、清楚な印象すら受ける。
「ねえ、あーちゃん、こっちに来て・・・」
そう言って、僕を教室へと恥ずかしそうに誘う。
普段はそうではないけど、僕と二人だけの時には、まるでキャラクターが別人になってしまう。
やっぱり、あの事が原因かなあ。(第85話参照)
そんな事を考えながら、教室へと入って行った。
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教室へと入ると、カバンが置いてある机に先輩が行くので、僕もそれに付いていく。
先輩がその席で立ち止まったので、僕も立ち止まって先輩に言った。
「先輩は今日、どうして学校に来たのですか?」
「今日は、学校に手続に来たの。
それよりも、今日は、バレンタインデーでしょう・・・」
そう言うと、先輩がカバンを漁ると、リボンが付いた包を取り出した。
「はい、プレゼント・・・」
「ありがとうございます」
先輩が、その包を僕に差し出すと、僕はお礼を言った。
「それでね・・・、あーちゃん、お願いがあるのだけど」
「ん?」
先輩が包を渡すと、僕に言いにくそうに言い出す。
「ねえ、またギュっとして欲しいの」
「・・・別にいいですけど?」
まあ、それくらいなら・・・、と思っていると。
イキナリ、先輩が、僕の制服のボタンを外し始めた。
「せ、先輩、何を!」
「あのね、あーちゃんの肌の暖かさが忘れられないの。
だから、あーちゃん、私を温めながら、ギュっとしてよ・・・」
僕の前ボタンを外すと、中のシャツに向かって抱き付いた。
「あーちゃん、暖かいよ・・・」
うっとりしながら、そう言う先輩。
「はあ、しょうがないなあ」
溜め息を付くと、僕は、開いた制服の前を、抱き付いた先輩の後ろに包むように被せ、その上から、先輩を抱き締める。
「あーちゃん・・・」
消え入りそうな声で、そう言うと、僕を抱く腕の力が強まる。
図書室に急ぎたいのだけど、そうな状況では無いので、先輩が満足するまで、そうしていた。




