表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
113/136

第113話 バレンタインデー1

 ある日の朝。



 朝、教室に着いて、体を温めていると。



 「伊倉君、先輩が呼んでいるよ」



 クラスメイトの女子がそう言って、廊下を指差した。


 ”はっ!”、と思い、廊下の方を見ると。


 僕に向かって、小さく手を振る、恵先輩と有佐先輩の姿があった。


 その姿を認めると、僕は席を立って、廊下の方に向かった。



 「先輩! どうしたんですか今日は?」


 「うん、今日は朝から、学校に用があったから、それに今日は」


 「バレンタインデーばい」


 「そう言えば、そうでしたね・・・」



 僕がそう言うと、恵先輩と有佐先輩が続けてそう答えた。


 そうだった、今日は2月14日でした・・・。


 そう思うと、背後から殺気がする。


 ”はっ!”として、後ろを見ると。


 何人ものクラスの男子が、どす黒いオーラを(まと)わせながら、こちらを(にら)んでいる。



 「(ヒエーーー!)」


 「せ、先輩、こっちにいきましょう!」


 「ちょっ、ちょっと、あーちゃん」


 「どぎゃんしたと? 急に」



 男子連中の圧力に抗しきれず、僕は、先輩達を廊下の角の向こうへと、背中を押した。



 ***************



 「ここまで来れば大丈夫」



 そう言って僕は、一息付く。


 不思議そうな顔をしながら、先輩達が。



 「それでは、改めまして」


 「はい、チョコレート」



 と、僕にチョコレートを手渡せてくれた。



 「どうも、ありがとうございます」



 僕がお礼を言うと、先輩達はそんな僕を見て、ニコニコと笑顔を見せる。



 「それに、あーちゃん」


 「これだけじゃ、無かとたい」


 「むんぎゅ」



 そして、恵先輩と有佐先輩がそう言うと、僕に抱き付いた。


 恵先輩が前、有佐先輩が後ろから抱き付いて、丁度、僕は先輩達から前後に挟まれた、サンドウイッチ状態になる。



 「久しぶりに合ったから」


 「こぎゃんしても、よかよね」



 僕に抱き付いたまま、先輩達がそう言った。


 何だか廊下の角から、殺気がするので見ていると。


 教室から付けて来たのだろう、廊下の角から、何人もの男子がこちらを睨みつけている。



 「(ちょ、ちょっとぉ)」



 恐らく、このまま教室に帰っても、無事に済みそうに無いなあ・・・。


 その事を知ってか知らずか、先輩達は、相変わらずに僕の前後から抱き付いている。



 「ハハハハ・・・」



 僕は、今の天国の様な状況と、教室に帰ってからの地獄を考えると、乾いた笑いが自然に出て来たのだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不思議な先輩女子と、平凡な後輩男子との不思議な話。
夏の涼風
姉弟物の短編を取り揃えていますので、どうか、お越し下さい。
星空プロフィール
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ