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第111話 ぬくぬく天然天使4

 ある日の放課後。



 ホームルームが終わると、教室から図書室へと向かう。


 図書室に入ると、カウンターに向かい。



 「静先輩、麗子先輩、お疲れ様です」


 「あーちゃん、のどかが中にいるからね〜」


 「分かりました〜」



 二人に挨拶すると、静先輩からそう言われると、返事をして準備室に入る。



 「ガシャッ」



 準備室のドアを開くと、中の長椅子の上で、のどか先輩が毛布に(くる)まっていた。



 「先輩、どうしたんですか?」


 「うん、寒くて寒くて、(たま)らないの」



 そう言いながら、両手に握った毛布の端を、自分の胸元に引き寄せた。


 う〜ん、先輩の寒がりはどうしようも無いなあ。


 確かに、今日は特別寒いんだけども。



 「それで、その毛布はどこから持って来たですか?」


 「ん〜、これは、手芸部から借りて来たの〜」



 そう言えば、手芸部にあったなあ。(第109話参照)



 「それで、暖かくなったんですか?」


 「それが、何かイマイチなんだよね」



 毛布を被っているのにも関わらず、まだ満足していない様子である。



 「ねえ、あーちゃん、お願いがあるんだけど。

私と一緒に、毛布に包まって欲しいの」



 そう言って、上目遣いで僕におねだりする先輩。



 「・・・しょうが無いですね、分かりましたよ」


 「あーちゃん、ありがとう」



 僕は溜め息を吐きながらそう言うと、先輩は笑顔でお礼を言った。


 そう言った後、僕はおもむろに学生服の上着を脱いだ。



 「あーちゃん、何してるの?」


 「この方が、一緒に包まった時に暖かいでしょう」


 「あーちゃん、ごめんね」



 上着を脱ぐと、僕は先輩の隣に座った。


 僕が隣に座ると、先輩が毛布を僕にも被せる。



 「あれ、毛布が足りないですよ」


 「あーん、冷たい風が入ってくるよ」



 毛布の面積が足りなくて、2人分の体を包み込め切れない。


 毛布に隙間が出来て、そこから冷たい空気が入ってくる。


 僕がどうしょうと考えたが、そうすると先輩が急に、僕の膝の上に横座りに乗った。



 「これで、どうかなぁ」



 そうすると、毛布が二人を完全に包み込んだ。



 「ふふふん、暖かいなぁ♪」



 暖かくなって、上機嫌の先輩。


 そんな先輩をもっと温めてやろうと思い、先輩を抱き締めてやる事にした。


 上機嫌のまま、ニコニコしている先輩。



 「あっ!」



 先輩を抱き締めると、先輩が小さく声を上げた。


 そうやって、しばらくの間、先輩を抱いていると。



 「あーちゃん、暖かいよぉ・・・」



 先輩が目を閉じて、気持ち良さそうにそう(つぶや)いた。


 そんな先輩を、もうしばらく抱いていると。



 「(コテン)」



 急に僕の方に倒れ込んだ。


 何かと思い、先輩を見ると。



 「すー、すー」



 眠り込んだらしく、寝息を立てている。


 ”ハアー”と一回、溜め息を吐き出すと、良い夢を見れる様に、寝ている先輩の背中を撫でてやる。


 そうして、先輩が起きるまで、そのままの状態でいた。



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不思議な先輩女子と、平凡な後輩男子との不思議な話。
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姉弟物の短編を取り揃えていますので、どうか、お越し下さい。
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