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メメント・モリ (2014/3)
ほのかな青を溶かしてうかぶ
その花はまるで
宵闇に咲いているように
落日を背に
ゆるり手招く
死の淵 ただよう一輪
生の滸を拒み 寄りつかず
着飾るは哀色
明日を観よ
鎮かなる湖面に現実をうつし
未来を射よ
静かなる叫びに耳をすませて
惑えよ旅人
望むる未知は、何処へと
きみを誘うだろうか
忘れよ旅人
手招くウタに耳を寄せ
忘却の滸にて首を濯いだなら
きみは笑うだろうか
声も無く
きみは嗤うだろうか
踏み固めた過去に遺すは追想
着飾るは哀色
醒めやらぬ現のかなたへと
歩み去りしは遠き日の祈りと