きっと君が飲み込んだ
きっと君が飲み込んだ言葉。
聞こえないけど気づいてる。
誰でもいいなら俺でもいいだろ
――君でもいいから選べないの。
口にしないから気づかれない。
嫌いなところ数えあげたら
あっというまに指は埋まるね。
素敵なところ数えあげても
折り曲げたままの指は開けずに……
しってる? それでも手は繋げたの
絡められない指と指
ゆるやかに手首を絞める
いつまでも折り曲げられない 君の指
きしむ骨は私のもの
きしむ心は君のもの
いつしか喉元にせり上がる、苦み。
なにもなかったはずの場所に、
毒素が溜まっていく不快感。
ねぇ、
「誰でもいいなら、俺でもいいだろ」
と
もしも君が泣いたなら
振り払う理由きっと見つけられなかった。
先回りして言葉を奪った
小ズルい駆け引き
ごめんね、謝らないけど。
私は君を選ばない。
姉弟のように寄り添った日
そこにあった時間は嘘ではないけれど
愛せないより愛さないの方が
まだ救われる気がするじゃない?
素敵なところ数えあげても
あっというまに指は埋まるの。
嫌いなところ数えあげたら
折り曲げたままの指を無くせるのかな
飲み込んだ言葉の答えなんて知らなくていい。
しってる? それでも手は繋げたの
絡みきらない糸の罠
ひそやかに未来を奪う
いつまでも解きほぐせない 故意患い
腐る心は私のもの
腐る瞳は君のもの
蝕むとわかっているんだもの、決して。
君でもいいけど君だから選べないの
きっと私が飲み込んだ言葉。