表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ノートの切れ端  作者: 本宮愁
20歳
6/91

きっと君が飲み込んだ

きっと君が飲み込んだ言葉。

聞こえないけど気づいてる。

誰でもいいなら俺でもいいだろ

――君でもいいから選べないの。

口にしないから気づかれない。


嫌いなところ数えあげたら

あっというまに指は埋まるね。

素敵なところ数えあげても

折り曲げたままの指は開けずに……


しってる? それでも手は繋げたの

絡められない指と指

ゆるやかに手首クビを絞める

いつまでも折り曲げられない 君の指

きしむ骨は私のもの

きしむ心は君のもの

いつしか喉元にせり上がる、苦み。


なにもなかったはずの場所に、

毒素が溜まっていく不快感。



ねぇ、



「誰でもいいなら、俺でもいいだろ」




もしも君が泣いたなら

振り払う理由きっと見つけられなかった。


先回りして言葉を奪った

小ズルい駆け引き


ごめんね、謝らないけど。

私は君を選ばない。


姉弟のように寄り添った日

そこにあった時間は嘘ではないけれど

愛せないより愛さないの方が

まだ救われる気がするじゃない?


素敵なところ数えあげても

あっというまに指は埋まるの。

嫌いなところ数えあげたら

折り曲げたままの指を無くせるのかな


飲み込んだ言葉の答えなんて知らなくていい。


しってる? それでも手は繋げたの

絡みきらない糸の罠

ひそやかに未来アスを奪う

いつまでも解きほぐせない 故意患い

腐る心は私のもの

腐る瞳は君のもの

蝕むとわかっているんだもの、決して。


君でもいいけど君だから選べないの

きっと私が飲み込んだ言葉。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ