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刻白(2009/1)
小さな文字盤に立ち竦む針
もう二度とその音色が時を刻む事はない
僕らの指針は壊れてしまったね
温かな時間をこの胸にだけ深く刻みつけて
優しすぎた微笑みは僕らを互いに傷つけたね
偽り合った温もりの時間
忘れないでとは言わないよ
ただ、――僕の心にだけ留めておかせて
あと少しだけ 愛しい思い出に映る君を。
好きだよ、言葉じゃ伝えきれない想いを
願いに変えて 風に託すよ
どうか君が 微笑みを失う事の無いように
それがたとえ僕の隣でなくとも。
呟く吐息は白く 冬の空に溶けた――
初出:某所サークル掲示板




