7.「お前、調子に乗ってんじゃねえぞ!」
恵茉は高学年になってから、塾に強制的に入れられた。その効果があってか、塾と学校の宿題さえやっていれば、特に勉強をしなくても、学校でも塾でも上位の成績をキープできていた。後々思えば、まぐれの連続だったとも言える。
そんな中、学校で国語の宿題で書いた詩が学年代表に選ばれ、学校がその学区の全家庭に無料で配布しているフリーペーパーに掲載された。そのフリーペーパーは作文や読書感想文などの優秀な作品が選ばれるものです。仮に、なろう小学校発行の「なろうの芽」とでもしておきましょう。
恵茉はその「なろうの芽」には今回の詩以外にも、読書感想文や俳句など、数回にわたって掲載された。見栄っ張りな恵理子には格好の自慢のネタになったようで、恵理子はママ友から「恵茉ちゃんは文学少女ね」などと言われてすっかり浮かれていた。
そんなある日のこと、恵茉は自分の部屋で本を読んでいたら部屋のドアが蹴破るかのように開けられ武が不機嫌な表情で踏み込んできて大声を上げた。
「お前なあ、調子に乗ってんじゃねえぞ!」
といきなりの暴言である。
成績が上位をキープして、作文や詩も数回にわたって選ばれている妹が気に入らず、暴言を吐いたのである。
この時期の武は「作文は、思ったことを何でもそのまま書けば良い。」という先生の言葉を真に受けて嫌いなクラスメイトの悪口を書き、学校でも家でも厳重注意を受けたばかりなので、なおさら気に入らなかったらしい。
そして、この時期の恵茉はまだ武の成績を知らなかったので、そこまで武が恵茉を攻撃する理由を知らなかった。




