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■■■■復活祭誕生秘話

■■■■はフェレーナ国全体の象徴とも言える存在である。この■■■■とは、フェレーナ国創世神話に登場する人物であり、フェレーナの民すべてを統べた存在である。なぜ■■■■がフェレーナ国民に崇められているのかを説明するならば、フェレーナ建国秘話にまで遡らなければならない。当時フェレーナはイーンベの植民地支配下に置かれており、人権などはなく、毎日のようにイーンベ国民に虐げられていた。1690年、そこに一人の男が現れた。彼は■■■■教の宣教師と名乗り、フェレーナの民に■■■■が歩んできた歴史と生み出してきた伝説を説き、■■■■を光とし、再び立ち上がる希望を与えた。そして1694年、フェレーナの民はイーンベ国民に反旗を翻し、イーンベの国土の30%を支配することができた。フェレーナの民はこの快挙を■■■■の力と考え、■■■■を崇め奉った。宣教師の男はこれを好機と見て、フェレーナの民に自分に従うよう促した。するとフェレーナの民は宣教師に従い、彼をリーダーとして武装化を始めたのであった。1695年、フェレーナ軍はイーンベの大都市レイセットを占拠し、イーンベ国民760名を殺害した。そして1700年、当時のイーンベ大統領ルシャ・インベーダーが生活していた大統領邸周辺を占拠し火を放った。結果、インベーダーとその妻、4人の子供、使用人5名全員の死亡が確認され、宣教師は自らを大統領と宣言し、イーンベは陥落したのであった。1705年、宣教師は毎日のように大統領邸で宴を開き、違法薬物、未成年売春、低所得者に奇妙な化粧をさせ滑稽な踊りを強要するなど、横暴さが目立ち始めた。しかし人々は「宣教師には■■■■の加護が付いている」と信じており、誰も手を出すことができなかった。1707年、フェレーナ国ポンモー村に男の子が誕生した。その子の周りでは不思議なことが起こった。老婆の弱った足に触れると杖なしで歩けるまでに回復したり、何日水をやっても咲かない花にその子がよだれを垂らすと、豪華絢爛に咲き誇ったりした。村ではその子を「■■■■の化身様」と崇め、0歳にして村の長とした。この「■■■■の化身」の存在は瞬く間にフェレーナ全土に広まり、人々はその奇跡を耳にするたびに歓喜し、虐げられた過去からの解放を「■■■■の意志」だと確信するようになった。だが、その存在は権力を握った宣教師にとって恐怖そのものであった。自身がフェレーナを支配する正統性を保つには、「■■■■」を独占し続ける必要があったからである。宣教師はついに軍を率いてポンモー村へ進軍した。だが、不思議なことに、兵士たちは次々と病に倒れ、理由もなく馬が暴れ、武器が折れるという怪異が相次いだ。兵の士気は急速に失われ、多くが逃げ出した。それでも宣教師は恐怖と怒りに突き動かされ、赤子のいる村に辿り着いた。村の中央、母の腕に抱かれた化身の子を見つめると、宣教師は剣を抜き嘲笑を浮かべた。その刹那、風が巻き起こり、天を覆うほどの黒雲が渦を巻いた。赤子の瞳が開き、深い光が溢れ出す。その光は宣教師の身体を貫くように差し込み、剣は手から落ち、彼は地に膝をついた。宣教師の口から断末魔の叫びが漏れ、その身は塵のように崩れ去ったと伝えられる。この出来事を目の当たりにした村人たちは涙を流しながらひれ伏し、こう叫んだ。「■■■■が我らを救った! ■■■■の化身がフェレーナを導くのだ!」その日以来、フェレーナ国の象徴は■■■■であり、化身の奇跡は建国の礎として語り継がれることとなった。フェレーナの民はこの日を「■■■■復活の日」とし、毎年復活祭として祝うことを決めたのであった。化身の子は成長するにつれ「導き手」として扱われ、国家の象徴そのものとなった。後世のフェレーナ人にとって■■■■は神を超えた絶対的存在となったのである。歴代の大統領たちも国の方針を決める際には彼の意見を仰ぎ、それを信じて国を動かしてきた。こうしてフェレーナ国は■■■■を中心とした信仰と共に歩み始め、その象徴は数百年を経てもなお消えることなく、戦乱の時代においても国民をまとめる精神的支柱であり続けたのだった。

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