腐敗
聖地 地下施設
遂にマザーの体となるアルファのコアを使用した新型ヒューマノイドが完成した。
「起動完了‥各部チェック‥異状なし‥」
マザーは立ち上がると控えていた量産型から服を受け取り、鏡の前に立つ。
「感情プログラム起動‥フフ‥悪くない、これが私」
プシュー 扉が開くとヤルダバオトが様子を見に来た。
「おお!!とんでもねえ美人じゃねえか!どうだマザー、一発やらねえか?」
「はぁ‥貴方はそればかりですね、残念ながら私に余計な機能はありません」
ヤルダバオトの脳内に自分のボディ設計図を送る。
「はあ?皮膚以外全部機械かよ〜勿体ねえ」
「魂や人格のある貴方と違って私には人格がありません、よってメンタルケアも不要」
「ん?なら今話してるのは誰だ?」
「コレは感情プログラムによるもの、人格を模した疑似システムです」
「何だよつまんねえな‥で?マザーはその体で何をするんだ?」
「ここは聖地、女神無き今新たな信仰の対象が必要です‥この美しいボディで愚かな司教達を魅了し、先ずは司教達からヒューマノイドに作り変え洗脳します」
「あ〜面倒臭いのは任せる、それより次の女だ!なあ遠出の許可をくれよマザー?」
ヤルダバオトは迫るように懇願する。
「今後私の事はデミウルゴスと呼びなさい、それが本来の正式名称です」
「あ〜確かマザーの元は北の大陸で作られた統制システムだったな、そのシステム名がデミウルゴスか」
聖地に運び込まれた試作型社会管理統制システムを元にマザーは生み出された。手足となる量産型ではナンバーズを無力化できない為、ヤルダバオトが完成するまでずっと潜んていた‥野望をいだきながら。
「本来なら貴方の強化が最優先ですが‥地盤固めを先に進めます、スローン王国以外への移動を許可しましょう」
「スローン以外か‥ならエルフでも攫うか!確か女王が絶世の美女だったな!あぁ愉しみだグハハハ!」
ヤルダバオトはエゴを徹底的に強化されているが、何故か野心が肥大化しない。
「貴方は女の事ばかり、少しはこの世界を支配したいとは思わないのですか?」
「はあ?誰がそんな面倒臭え事するか!世界の管理なんて願い下げだ、喰う寝る犯す俺はそれだけでいい」
「喰う?寝る?驚きですね、機能としては備えていましたが貴方がそこに惹かれるとは」
ヤルダバオトは信じられないという顔をする。
「食の良さがわからんとは‥美味いものを喰ってみろ世界が変わるぞ?」
「私には理解不能です」
「かぁ〜つまらん!実に機械らしい答えだ!何の面白味も無い」
2人が話をしていると、そこにアルファが現れた。
「ここに居たのね探したわ」
「おっと、スマンスマン待たせたな!もう話も終わりだ」
デミウルゴスが変わり果てたアルファを見つめていた。
(以前の勇猛な姿からは想像出来ませんね、化粧をし着飾り仕草も蠱惑的に‥)
「ふふふ、どう?この爪可愛いいでしょ?」
「ドンドン美しくなるな、流石は俺の女だ!グハハハ!」
アルファの腰に手を回し引き寄せる。
「遠出の前に愉しませろ!部屋に戻るぞ」
「何処かに行くの?」
「女を攫いにな、喜べ仲間が増える」
アルファの顔色が見る見る青くなる。
「イヤ‥私以外の女なんてイヤ!!何でもするから私だけを見て!」
その言葉でヤルダバオトは激昂する。アルファの首を掴み持ち上げた。
「おい‥誰に命令をしてる?いい気になるなよ?お前はコレクションの一部だ、最近は甘やかし過ぎたか‥もう一度わからせるか」
「がっ‥ゆっ許して!違うの!貴方を奪われたくなかったの!もう貴方しか居ないから!」
「グハハハ!嫉妬したのか?可愛いい奴め‥よしよし今日はたっぷり可愛がってやる」
アルファを抱き上げ部屋を後にする。それを見送るデミウルゴスはある計画を思いつく。
(自分のコレクションへの執着‥コレは使えますね、アルファそっくりのコピーを製造しておきましょう)
1ヶ月後 スローン王国
この1月で目まぐるしく情勢が変わって行った。
・魔王の世代交代
・対天使戦勝記念パレード
・天使殲滅により新たな国土の獲得
・女神が天使殲滅の功績を讃え拠点を聖地からスローン王国へ移す
・聖地で新たな女神デミウルゴスの降臨
・エルフの首都プリマステラで女王の失踪
そしてカーラが大事な話があるとルークを部屋に呼んでいた。
「それで大事な話って何だ?」
椅子に座るカーラは申し訳なさそうに切り出した。
「あの‥その‥別れてほしいんだ‥」
「急にどうした?」
2人の関係は良好だ。別れる理由すら無い。
「もう放って置けないんだよ‥私のせいでルシウスがあんな体に、責任も取らずのうのうと暮らす自分が許せない!」
「そうか‥ルシウスの世話をしたいと?」
カーラは頷く。ルシウスは左腕を失い残る右手は回復したとはいえ、普段の生活もままならない状態だった。戦場で回復魔法による治療が遅れた為後遺症に悩まされていた。
「難しいな‥ルシウスは多分断るぞ?それでもか?」
「そこは家の力を借りる‥無理にでも結婚を迫るよ」
「本気か?かなりの強硬手段だな‥なあ違う方法を探さないか?」
カーラは首を振る。
「今のままルシウスの家に入り浸ると非ぬ噂が立つと思う、ルーク様や王家に迷惑はかけたくないんだ‥お願い」
「俺はカーラを幸せにしたかった‥だけど此処に居ると辛いか?」
「ルーク様と一緒になれて幸せだった!でも自分の身勝手な行動でルシウスを巻き込んだ、その償いをしないと駄目なんだ」
ルークは大きくため息を付く。
「わかったカーラの意思は尊重するが‥余り無理はするなよ?見ていて辛いと思ったら直ぐに引き離す」
「ごめんなさい‥勝手な事言って」
カーラが思い詰めて最悪な選択肢を選ぶ位なら、遠くから見守る事を決心したルークだった。
数日後 スローン城
魔王を退いたルークが珍しく王の間に呼ばれる、そこにはエルフの一団とドロシー。ステラが困った様に顔をしかめていた。
「困りましたね‥あっあなた大変です」
「待たせたな、で?これは何の集まりだ?」
エルフの代表者が前に出てルークに伝える。
「我が国の女王フィオナ様が失踪されました、それにより王家は空室に残された血族はドロシー様のみ‥さすればドロシー様を次の女王としてお迎えに参りました所」
「は?何を勝手な事を‥ドロシーはお前達が生贄として俺に送り付けたのを忘れたのか?」
「幸運な事にドロシー様は魔王の子を孕んでおりません‥その気高き血は健在、王家への復帰は可能と長老達の許しも出ています」
ルークの怒りは頂点に達した。やはりエルフは傲慢でさもしい。
「いい加減に‥」
「ルーク待って!私国に帰ります!」
その言葉に驚きを隠せない。
「利用されるだけだぞ?良いのかそれで?」
ドロシーはルークに寄り添うと小声で話し始めた。
「姉様の失踪を調べたいの‥此処では何も分からない、お願い姉様を助けたいの」
ドロシーの目は真剣だ、覚悟を決めている目だ。
「ならエルフの間者を用意してくれ、情報は俺にも流すこと‥良いな?俺達は夫婦だ助け合うぞ」
「何でそこまでしてくれるの?」
「ドロシーを愛してるからな、そこは変わらない」
「全部終わったら帰ってきてもいい?」
ルークは優しく頭を撫でる。
「待ってる、行ってこい」
「ありがとう‥行ってきます」
その後ドロシーの帰国が認められ新たな女王として国に帰って行った。ルークを取り巻く環境が目まぐるしく変わって行く。
王都 地下研究所
マモンに引き取られたサタナエルにエリザが授乳している。
「エリーよ、何も直接やらずとも粉ミルクを哺乳瓶でやれば良かろう」
「はあ?何言ってんだよ、おっぱい出るんだから直接あげたほうが早いだろ?」
サタナエルの中がサタンと知っているのはマモンとカイのみ、幼子とはいえマモンは気が気でない。
「んっ‥ふふっ」
「何じゃ?どうした?」
「この子しゃぶるのが上手くて気持ちが良いんだよ、夜魔だからかな?」
「何じゃと!?このエロガキめ!さっさと離れろ!」
「おい!赤ちゃん相手に何ムキになってんだ!」
「ぐぬぬ‥」
エリザは授乳を終えると優しく抱き背中を軽く叩く。
「沢山飲んだな〜元気な子だ」
「本当にワシ等の子として育てるのか?」
「今更何言ってんだよ?引き取ってきたのはマーちゃんだろ?」
「それはそうなんじゃが‥アレはその場の勢いというか‥」
「今更返しますなんて無責任な事はしないよな?」
マモンは不服そうだが、啖呵を切った手前引くに引けなくなった。
(あの時は怒りが湧いてこやつがサタンなのを忘れておった‥失敗したのう‥)
「こやつは夜魔じゃ、エリーよ決して隙を見せないよう注意するんじゃぞ!」
「わかった!わかったよ!」
(相手は赤ちゃんだぞ?マーちゃん変だな?)
暫くはやきもきした生活を送るマモンだった。
数日後 地下研究所
研究室にルークとマモンそしてカイが集まり、話し合いをしていた。
「どうだ?出来そうか?」
「ん〜可能ではあるが‥本気か?」
「ルーク様それは本当に必要なんですか?」
「必要だ‥実際に魔法を封じられ死ぬ所だったからな」
ルークはドクの罠に掛かり魔法を封じられ何も抵抗出来なかった事に危機感を覚えていた。対策を講じなければいつか同じ轍を踏む。
「人間になった事の弊害か‥魔力自体を封じられれば何も出来んからの〜だからと言って一部だけヒューマノイド化等と無茶を言う」
「人間ベースの改造も可能なんだろ?」
「可能ですが、魔王も交代した事ですし有事は他の者達に任せては?」
「嫌な予感がするんだ‥聖地の事やエルフの女王失踪‥何かが動き出してる、異界の動きも気になる問題は山積みだよ」
「問題はお主の魔力に耐えうるコアの調達じゃが‥そこは女神に頼めば何とかなるじゃろう、ルークの改造か‥ならば最新技術を全て注ぎ込むかのう、ホッホッホ」
マモンの目が光る。ナンバーズから集めたデータにこれまでの実験や研究成果を全て注ぎ込む。最強の魔人を作り出す為に。
後日ルークはフローラに頼み込み神の力にすら耐えうるコアを受け取ると、研究所で改造が始まる。
「よいかルーク?改造やその後の調整を考慮すると最低でも2ヶ月は掛かる、それまでは眠ったままじゃ、やり残した事はないか?」
「大げさだな今生の別れじゃないんだ、少し寝るだけだよ」
「世の中いつ何が起きるかわからんからの‥では始めるぞ」
カイはルークに注射を射ち眠りにつかせると設備を動かし体を固定する。
「魔王を交代して正解でしたね、長期の不在でも誰も怪しまない」
「そうじゃな、タイミングとしてはここしかない‥」
作業に入る2人だが‥カイの様子が少しおかしい。
(女神のコアを使用したヒューマノイドになれば、私の絶対命令権が使えるはず!何をお願いしようかしら‥ふふふ)
聖地 地下施設
「ふう〜やっと帰って来れたぜ、面倒臭え奴等だったな」
ヤルダバオトがカプセルを下ろす、中にはエルフの女王フィオナが眠っている。
「デミウルゴス!見てるんだろ?コイツに自殺が出来ないように洗脳を施せ」
部屋にデミウルゴスの声が響く。
「カプセルをセットしなさい、後は自動で洗脳が行われます」
「ここだな‥よっと!」
カプセルを機材に立て掛け設置する。
「序にアナタに従順になるようにしましょうか?」
「ヤメロ!!調教するから愉しいんだろうが!!俺の愉しみを奪うな!」
ドゴーン!! ヤルダバオトは地面を踏みしめる。
「ではそのままで自死のみ禁じます」
「最初からそれでいいんだよ!さて待つ間にコイツに似合う服を選ぶか‥ん?何だコイツら?」
ガラスの向こう隣の部屋で男達のヒューマノイドが並んでいる。
「それは大司教達です、私が誘惑したら簡単に着いてきましたよ‥何も疑わずに」
「まあ新たな女神、しかもとんでもない美女が抱けるとなったら誰でも着いて来るだろ」
「男とは本当に愚かですね」
「女もさして変わんねえよ」
「それにしてもコイツ等、神が代わっても良く信じたな‥信仰なんてそんなものか?」
「人間にとって信仰の対象など何でも良いのです‥それこそ路上の石でも神になります」
「グハハハ!そりゃ救われない訳だ!」
ピピッ! ヤルダバオトの外での活動報告を見たデミウルゴスはかなりの戦闘数に驚く。
「戦闘回数31回‥やけに多いですね、それもエルフとばかり」
「あぁ‥奴等の女王を攫う前に街でエルフをつまみ食いしたら顔がバレて最悪だった、奴等植物と会話しやがる‥世界樹の膝下だけあって辺りは植物だらけ、全く無駄に苦労したぜ」
ヤルダバオトはフィオナをマジマジと舐めるように見つめる。
「だが苦労した甲斐はある‥美味そうだ!早く終わらねえかな」
「もう終わります、それでは私は大司教達の調整を優先します」
プシュー! 音を立ててカプセルが開く。
「ん?んんっ‥私は‥??」
「やっとお目覚めだな!可愛子ちゃん」
フィオナは目の前の屈強な男にゾッとする。
「誰ですかアナタは‥ここは何処ですか」
「俺はヤルダバオトだ、ここは俺の巣だ」
フィオナはカプセルから出ると毅然とした態度で振る舞う。
「妾をエルフの女王フィオナと知っての事ですか?」
「勿論だ!お前が欲しくて攫った!」
フィオナは辺りを見渡す。見慣れない機械に知らない男‥状況が言っている攫われたのは事実だと。
「本当に外の世界なのですね?」
「不安か?外の世界は?」
「フフフ‥アハハ!!やったわ!彼処から出られたのね!」
フィオナは外に出られた事を心の底から喜んでいた。
「あ〜喜んでる所で悪いんだが‥お前は俺の物になってもらうぞ?」
「あらあら?そんな事で良いの?いいわ可愛がってあげる」
ヤルダバオトは威圧する。
「あまり舐めるなよ?俺は‥」
「貴方こそ舐めないで、200年城に閉じ込められて老人達の相手をさせられる‥その苦痛に比べたら貴方の相手なんて泣いて喜ぶ位よ」
予想もしない反応にヤルダバオトの方が困惑していた。
「嫌じゃねえのか?」
「妾を助け出してくれて感謝します、あの地獄から救われる日が来るなんて夢のようです」
「此処も地獄かもしれねえぞ?」
「知らない物ばかりの新鮮な場所が嬉しいの、貴方にはわからないかもね」
フィオナは女王になって200年、長老達の女として飼われていた。閉鎖的なエルフの世界の更なる深淵、子供が出来難いエルフ同士で誰が女王を孕ませるか長老達は遊んでいた。圧倒的な長寿故の常軌を逸した行い、暇を持て余す者達の暴走だった。
「イカれてやがるな‥愉しくもなかっただろ?」
「相手は老人‥女を喜ばせる事も出来ない不甲斐ない者達よ」
「グハハハ!それなら覚悟しろ俺は凄いぞ!」
「あらあら〜楽しみね、これからよろしくねヤルダバオト」
ドロシーの心配を他所にフィオナは幸せを感じている。何も知らないドロシーが帰国し次の女王になろうとしていた事も知らずに。
それから1ヶ月と少し
帰国したドロシーの戴冠式が終わり新たな女王の誕生に国をあげて祝う。
「ドロシー様、お疲れ様でした今日の催しはこれで全て終了致しました」
お付きの大臣が1日の終わりを告げる。
「はぁ‥疲れたわ‥」
「暫くは各方面との顔合わせと女王としての仕事の練習になります」
「姉様毎日大変だったのね‥」
大臣が侍女達を呼び部屋に通す。
「今日はゆっくりお休みください、長老達との会合は来月から行います」
ドロシーは自室に備えられた簡易的な風呂に入り疲れを癒やす。その様子を隠した監視魔石で覗く者達がいた。
「おお〜フィオナの妹だけあって良い身体だそれに美しい」
「フィオナより100歳も若いからな」
「まさか妹まで女王に出来るとは!フィオナが居なくなって有り難い事だ」
「もうあの女には飽きていたからのう‥それにしても若い女は良い‥堪らんわ」
「おい!最初は俺が貰うぞ!」
「ねっ年長者のわっ儂からじゃろう」
ヨボヨボのジジイから中年の男性迄6人が円卓を囲み映像を眺めている。孫ほど年の離れた女に欲情していた。
「先ずは適当な男と結婚させるぞ、お前の孫でどうだ?」
「そうだな、手配しよう‥その代わり1番は貰うぞ?」
「まあいいだろう、どうせコレから数百年世話になる」
老人達の下卑た笑い声が響く。誰も消えたフィオナを探そうともしていなかった。長過ぎる命は魂が先に腐るエルフが嫌われる所以も此処に有るのかもしれない。
ドロシーが女王となり2ヶ月目
ドロシーはフィオナの調査を信頼出来る者達と始めると驚くべき事が明るみになる。
「姉様の失踪する数日前から頻繁に戦闘行為が確認されてる‥魔力を行使しない圧倒的な戦闘力‥亜人でも魔族でもない?」
「ドロシー様こちらを‥不審な目撃情報ですが、大きな棺の様な物を担いでいたと」
「こんな事普通の人間は出来ない‥まさかヒューマノイド?」
コンコン! 部屋をノックされると、慌てて資料を隠す。
「失礼致します、今週と来週の予定を纏めましたお目通しをお願い致します」
「ありがとう見ておくわね」
侍女が部屋を出ると手渡された予定表を見る。
「えっ‥結婚?何も聞いてないわよ!」
「急ですね‥まだ国事もままならないのに」
更に予定表の長老との会合の多さに驚く。結婚後ほぼ毎日夜から行われる。
「何で夜から?ん?コレは‥」
もう一枚の紙に気が付く。それには長老達と何が行われるかが書かれていた、その内容で姉の置かれていた状況を察する。
「こんな事が‥酷い‥女王になって200年ずっとこんな事を??」
「コレは‥この国は根本的に腐ってますね‥直ぐにルーク様に知らせに戻ります、ドロシー様も脱出の準備を」
「‥貴方は直ぐに姿を隠しなさい、多分此処も見られています‥私が残れば老人達は多分追わない筈よ」
フィオナを探さない事が裏付けている目当ては自分だと。
「諦めないで必ずお助けします!」
お付きの侍女は外に駆け出して行く。一刻も早くルークの元へと。
「間者が逃げた様だが?」
「会合の内容を見せたら思った通り動きよった!」
「魔王に知られるぞ?良いのか?」
「放って置け、それより順番をそろそろ決めるか」
「どの道間に合わん、片道馬車で3週間どう足掻いても戻って来る頃にはドロシーの調教は完了する」
「そうじゃ!ドロシーが口を割らねば手出し出来ん、無理矢理介入するなら国際問題にすれば良い」
「内政干渉‥便利な言葉だな」
ルークの改造が間に合うか時間との勝負が始まる。浅ましい老人達は目の前の女に舌なめずりをしていた。




