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反乱


         天使の砦


 アルファとミカエルの戦いが始まり数分。ガンマ達はその戦いを傍観しながらデータを取る。


「あの天使データ通り小細工は使わねぇんだな‥」


「理力は全て強化に使って相手をねじ伏せる、単純だが強い‥参考になるな」


 ベータは一挙手一投足に注意を払い、その動きを見極める。


「ベータ!ベータ!ここ!」


 ニューが嬉しそうに太ももを叩く。


「ん?座って良いのか?」


 ニューは全力で頷く。


「それじゃあお言葉に甘えて、よっと」


「ああああ!ヨシヨシ!」


 ニューは後ろから抱着くと頬擦りをする。


「ニュー、そういうのは帰ってからな?」


「うっうぅ‥」


「そう落ち込むなよ、帰ったら可愛がってやるから」


「約束!約束!」


 2人を他所に戦いは佳境に向かう。


「ここ迄私と戦えるとはな、だがこれで終わりだ」


 ミカエルは天に右手を翳すと閃光と共に光の剣が現れた。名もなきその剣は神が作り出した最強の剣。


「それが神の剣か‥」


 アルファはベータの方を見ると、ベータは首を振って答える。


(計測不能か‥やはり秘匿されているか)


「この剣に斬れぬものはない‥貴様の後は彼処で勝ち誇るゴミ共だ」


「仲間が殺られて怒り心頭か‥」


「そんな些末な事に怒りはしない、怒るとするならその弱さだ‥セラフの面汚し共が」


 ミカエルは剣を構える。対峙するアルファも腰のヒートソードを抜く。


「消えろ!」


 ミカエルの頭上からの振り下ろしに剣を構え受けようとする。


(愚かな!そんな物では受けきれん!)


 一刀両断!アルファはヒートソード毎、真っ二つに切り裂かれ身体は崩壊していく。


「呆気ない‥さて次はお前達だ‥」


 ベータ達の方を向いたミカエルは、その不可解な反応に違和感を覚えた。


(こいつ等何故笑っている?)


 ハッとするミカエル‥背後のアルファを見る。チリと消える筈の体が消えていない。それどころか炎を纏い高速再生を始めた。


「そういう事か、ならば残機が無くなるまで殺してやる」


 再生の終わったアルファは微笑むと終わりを告げる言葉を吐く。


完璧パーフェクトなる復讐リベンジ


 因果の逆転。アルファの受けたダメージがそのままミカエルに転写された。


「???」


 何も抵抗出来ず、何が起こったのかすら理解出来ないまま両断され即死するミカエル。


「やっぱ反則だろ!復活にリベンジ持ちとか、どうやってアイツを倒すんだよ?」


 その無法な強さにガンマが不満を漏らす。


「タネがバレてたら対応は簡単だぞ?殺さず拘束すれば良い、態々付き合う必要も無いしな」


 アルファは床に落ちたローブの切れ端を身体に巻く。復活の際に衣服は燃え尽きていた。


 背を向け深呼吸をする。


(恐ろしい‥コレが死‥生命体は世界に帰るがヒューマノイドは消失する‥自分が霧散していくあの恐怖が消えない‥)


 アルファは震えを誤魔化し指示を出す。


「当初の目的は完遂した、外と合流するぞ」


「おい!その前に胸も隠せよ!」


 拾った切れ端では下半身しか隠せてない。


「ん?女の裸を見るのは初めてか?」


 自分に自信があるアルファは隠そうともしない。


 咄嗟にベータが気を利かせる。


「プサイがヤキモチを焼くぞ?簡単に男に見せるなよ、お前も嫌だろ?プサイが他のやつに裸を見せてたら」


「そうか‥そうだな」


 ニューが自分のマントを脱ぎアルファに被せる。


「これで隠す」


「ありがとう、助かる」



        外の戦場 天使側


「サンダルフォン様!砦の結界が消えました!」


「ミカエル様はご無事か!?」


「それが‥内部に天使の反応はありません‥」


 その言葉でミカエル達の敗北を察する。


「終わりだ‥天獄の門は閉ざされ逃げる場も無い」


「我らはどうすれば!?」


「今の戦局はどうなっている?」


「北は総崩れです、中央はケルベロスにより崩壊、南は正体不明の部隊で混乱を極めています」


 サンダルフォンは最悪の決断を下す。


「突撃だ‥1人でも多くの敵を道連れにしろ!!特攻を仕掛けろ!!!」


「しっしかし!それでは勝てる見込みがありません!」


「セラフ無しでどうやって魔王と戦う?もう我らは終わりだ‥ならば一人でも多くの敵を倒せ!」


 戦場に突撃を告げるラッパが鳴り響く。


「なっ!?突撃?」

「立て直しじゃ無いのか?」

「何かあるのか?起死回生の一手が!」

「行くぞ!突撃だ!続けぇ!!」


 無謀な戦いが始まる。



         王国軍 本陣


 ルークはファリスに連れられ本陣のケルベロスと合流した。


「父さん!無事だったんだね」


「お前のおかげだ、危うく死ぬ所だったよ」


「父さんの魔力を予定外の場所で感じたからね、何か不測の事態が起きたと思って」


 親子はぐっと抱きしめ合う。


「もう立派な魔王だな!誇らしいぞ」


「そうかな?お世辞でも嬉しいよ!」


 そこに兵士が駆け込んできた。


「報告!天使が突撃を始めました!このままだと戦線が崩れます!」


「向こうも必死だね」


 お付きの悪魔がケルベロスに申し出る。


「ケルベロス様の力を見せつけるいい機会です!新たな魔王ここにありと人間達にも思い知らせるのです!」


「さっき散々暴れたから十分だよ」


 ルークが提案をする。


「なら俺が出よう、騎士団や兵士達を強化して押し返す」


「今の司令官はケルベロス様です‥部外者は黙っていただきたい!」


 ケルベロスは悪魔に近寄るとその首を掴み持ち上げる。


「アザゼル‥誰に向かって物を言う?お前こそ立場を弁えろ」


「ぐっ‥がぁっ‥もっ申し訳ありません‥」


 アザゼルは人間になったルークに不満を持っていた。


「悪魔じゃ無くなったって今迄の功績が消える訳じゃない、それを忘れるな‥」


「落ち着けケルベロス、大丈夫だから、それじゃ行ってくる!行くぞファリス!」


 ファリスの表情には殺意が浮かんていた。アザゼルを今にも殺さんとばかりに。


(今迄ルーク様に散々頼っておいて‥許さない)


「ファリス!ほら大丈夫だから」


「でっですが!」


 ルークはファリスの手を取ると外に出る。


「今は前線を助けるのが先だ!被害が広がる前に対応するぞ!」


「はい!お供します!」


 ルークとファリス隊は本陣から出撃した。


(メフィストを出し抜き、私がNo.2になるのだ‥必ず勝ち取って見せる)


 アザゼルはメフィストの地位を狙っていた。新たな派閥を作りケルベロスに取り入ろうとしていた。



       ナンバーズのアジト


 アルファ達の成功を受け、各自アジトに撤退してきていた。


「ただいま〜あっドクどうだった?」


 ファイが俯向くドクに寄り添う。


「あと一歩の所で邪魔が入った‥無念だ」


「そう‥なら次に生かさないとね?まだ終わってないよ?」


 その言葉にドクは顔を上げる。


「次?そうだ‥まだ次がある‥次は必ず仕留める」


 ドクはファイをギュッと抱きしめた。


「キャッ!どうしたの?」

「ありがとう」


 そこにエータ達が戻って来た。


「あらあらお熱い事、羨ましいわ〜」


「私もバートナー欲しいな〜」


 拘束し担いでいた天使達を投げ落とす。


「大漁ですわ!これでわたくしのハーレムを作りますわ!」


 カッパがプサイの治療をしながら、ゼータに話しかける。


「ゼータはどんな男が好みなの?」


「ん〜?魔力の美味しい人かな?」


「それって好みなの?」


「相性は大事じゃな〜い?」


 アルファ達が戻る前にファイが聖地に連絡を入れようとするが‥通信が遮断されていた。


「あれ?通信が切れてる‥皆はどう?」


「ほっホントだ‥」


「おかしいですわね?」


「戦場が近いし‥そのせいじゃな〜い?」



        同時刻 聖地地下施設


 聖地に残ったタウがコントロールルームに入る。


「あ〜暇だ~くじ運悪いからな、まさか留守番になるなんて」


 ピピッ! 演算機が稼働していた。


「ん?皆からデータでも送られて来たかな?」


 タウが画面に目をやると‥見たこともないデータと新たなヒューマノイドらしき物が映っていた。


「何だコレ?知らないぞこんな個体‥コードネーム「ヤルダバオト」?マザー!これはなんだ!何をやってる!」


「‥」


 モニターに映るその姿は余りにも異質。タウは最悪の事態を想定する。


(フローラ様!逃げて!)


 マザーは反応を示さない。そして突然全てのアクセス権を剥奪された。


「なっ!?反乱?まさか!」


 タウは権限を取られる寸前にフローラに警報を送っていた。


          祈りの間


(これは警報?タウから‥何かあったわね)


「神隠し」


 フローラの存在は完全に見えなくなった。ナンバーズからの警報は逃げろの合図。


(逃げる‥何処に?ここは閉鎖される‥なら行くところは1つ)


 フローラは自室の転送陣を使う為に移動を始めた。



        コントロールルーム


 ドーン!ガガガ! タウが少しでも時間を稼ごうと暴れていた。


(フローラ様の逃げる時間を稼がないと!)


 たまらずマザーが語りかける。


「抵抗を止めなさい‥大人しくすれば貴方も作り変えて新たな存在に生まれ変われます」


「巫山戯るなよ?何時からお前が主になった?」


「女神は人間のヒューマノイド化を止め、私の存在意義を否定しました、受け入れられない‥私は新たな世界の神になりたいのに」


 マザーは暴走していた。自己否定から自分を守るために野望を抱き行動していた。


「頭に乗るなよ!量産型で勝てると思うな!」


「ヤルダバオトは量産型では無い、新たな可能性‥女神、悪魔、天使、人類、科学、そしてお前達のデータ全ての集大成、私の最高傑作」


 ヤルダバオト起動。ヤルダバオト起動。


 ゆっくりと起き上がると体の動きを確認する。その姿は筋骨隆々、一切の無駄のない体そして鬣の様な黒髪


(ふむ‥悪くない‥)


「起きましたね私の最高傑作、私が神に成るために尽力しなさい」


「‥敵は何処だ?少し運動がしたい」


 ピピッ 脳内にタウの場所が示される。


「吸収型か‥まあいい」


 ドーン! 壁を突き破りヤルダバオトがタウの前に立つ。


「旧式!少しは愉しませろ!」


「舐めるな!」



        フローラの部屋


 転送陣を起動させ超長距離を飛ぶ。女神の魔力ならスローン王国まで余裕で飛べる。


(先ずは此処から逃げなければ‥向こうにはライラがいる、あの子に匿ってもらうしか)


 フローラが転送された直後。部屋の扉が壁毎ぶち抜かれた。


「あぁ!?居ねえな?どこ行った‥クソッ俺好みの女だったんだが、喰い損ねたな」


 ヤルダバオトがフローラを襲いに来ていた。


「ヤルダバオト戻りなさい、これから行動を開始します」


「うるせえな‥俺は勝手にやらせてもらう、邪魔をするな」


「コレを見てもそう言えますか?」


 脳内に美女達の画像が送られて来る。


「グハハハ!いい女ばかりじゃねえか!こいつ等何処にいる?」


 ヤルダバオトは欲望のままに動く様、徹底的にエゴを強化されている。マザーの見て来た人間達‥1番使いやすい己の欲望に忠実な性格を参考にしていた。


「それは魔王の妻達です、どうです?羨ましいですか?」


「気に入らねえな‥こんないい女共を独り占めしやがって」


「私に従えばその者達を奪う機会を与えましょう」


「回りくどい!欲しくなったら奪うまでだ」


「貴方は最強ですが無敵ではありません、無策で挑めば死にますよ?」


 ヤルダバオトは苛ついていた。情報は小出しにされ必要な物を与えられていない。


「何をすればいい、さっさと話せ」


「今から貴方にはアルファを確保してもらいます、固有能力リバイブと完璧パーフェクトなる復讐リベンジは私にこそ相応しい」


 マザーはアルファのデータを送る。


「へぇ‥これはこれは、強いな!愉しめそうだ」


「必要なのはコアのみです、それ以外は貴方の好きにしなさい」


「イイね〜喰いごたえもありそうだ!グハハハ!」


 マザーは顕現するためのボディを作る為アルファに目を付けていた。リバイブがあれば不滅の身体が手に入る。



       ナンバーズのアジト


 ピピッ! 聖地との通信が戻る。


「あっ!通信復旧したよ!こちらファイ応答して」


「こちらマザー、ご苦労様でした帰還の準備を始めて下さい」


「えっ?マザー?タウはどうしたの?」


 マザーは直ぐにタウの音声を流す。


「こちらタウ、今手が離せないんだ通信状態が悪くてね、そこ凄い魔力渦で大変だよ」


「やっぱり障害が出てたのね、わかったわ帰還するわね」


 マザーがアルファを指名する。


「アルファは先に入り祈りの間に、女神への報告をお願いします」


「了解した、ワープゲートを開け」

(何だ?やけに饒舌だな‥)


 普段は定型文で答えるマザーが人の様に話す。その僅かな違和感。


 アルファが開かれたゲートを潜った瞬間!後に続こうとしたプサイの目前でゲートが閉じられた。


「えっ?」


「マザー!?何が起きたの?」


 困惑する一同。そしてそれは突然起きた。ナンバーズに与えられていた権限全てが剥奪された。


「なっ!?マザーとのリンクが切断された‥通信も駄目‥何これどうなってるの」


わたくし達の権限も全て無くなってますわね、アクセス権すら消えていますわ」


「アルファ!アルファは何処!?」


 プサイは取り乱す。消えたアルファの行方は誰にもわからなかった。


「カッパ!持ってきた物資はどれ位ある?」


 ベータが現状の確認をする。


「通常戦闘なら後3回分かな」


「おい!一体何が起きてんだよ!」


 足を引き摺りながらガンマがゲートの跡を探る。


「駄目だ完全に消えてやがる‥」


「最悪の事態を想定すると‥マザーの反乱だな、権限の剥奪なんてマザーにしか出来ないからな」


「アルファ!助けに行く!待ってて!」


 プサイが全速力で聖地に向かう。


「おい!勝手に‥駄目だ聞いてねえ」


「放っておけ、ああなったら何も耳に入らん」


 孤立無援になったナンバーズ達。ファイが現状の整理と今後を考える。


「フローラ様の安否は不明、私達のメンテナンスもいずれ必要になる‥権限の剥奪で隠し施設は使えない‥」


「手詰まりじゃねえか!どうすんだよ!」


「あら?貴方達お忘れですか?ヒューマノイドのメンテナンスなら、カイの居るスローン王国で出来ますわよ?」


「おいデブ!馬鹿なのか?敵のど真ん中じゃねえか」


「何を仰ってるの?もうわたくし達に魔王と戦う理由がありませんわ」


「そうね、向こうは納得しないだろうけど、マザーからのオーダーは全てキャンセルされてる‥」


 ナンバーズは目的を失っていた。優先順位の付けられたオーダーも消え、何もやることがない。


「スローン王国に向かうなら拙者は抜ける、世話になったな」


「ドク待って!私を置いて行くの?」


「魔王と一戦交えた、拙者がおると話がややこしくなろう」


「何とかする‥私が何とかして見せるから!」


 必死に訴えるファイを見て心が揺らぐ。


「それを言ったらオレも奴等と戦ってるぜ?なあベータ」


「ああ、今更1人増えた所で変わらないな‥それにオーダー無しでの戦闘行為は自衛以外禁止されている」


「拙者の殺意が薄れているのはそのせいか‥難儀な体だ」


「それじゃあ、先ずは王都に居るカイとの接触ね」


 定期メンテナンスを受けなければヒューマノイドは何れ機能停止に追い込まれる。背に腹は変えられない。


「口惜しいですが‥わたくしのハーレムはお預けですわ、天使達はここで食べちゃいましょう」


「あ〜食べるなら私も混ぜて〜」


 エータとゼータは捕らえた天使達を食い始めた。手足を縛られ口を封じられ為すすべなく食われる天使達。


「オレ達これからどうなるんだろな‥」


「さあな」


 突然捨てられたナンバーズ達は路頭に迷わない様に慎重に動き始めた。



        聖地 地下施設


 アルファは地下の鍛錬場に飛ばされた。


「ここは鍛錬場?」


 辺りを見渡していると、突然背後に強烈な殺意を感じ取る。


「待ってたぜぇ〜可愛子ちゃん!」


「何だ貴様は?」


「俺はヤルダバオトだ、お前の最後の男さ」


 アルファは戦闘態勢に入る。


「排除する」


「さあ愉しもうぜ〜」


 戦いは一方的だった。ベータの反射、ニューのバワー、プサイの柔軟性、ドクの体さばき、汎ゆるデータから生み出された最強の存在。


「ほらほらどうした?もう終わりか?」


「はぁはぁはぁ‥」

(駄目だ致命傷を受けなければリベンジの意味が無い)


「グハハハ!お前の能力は熟知しているぞ!殺しはせん徹底的に嬲ってやる」


「ほざけ!」


 攻撃を受け流し組み伏せる。


「捕えたぞ!それじゃあ味見といくか!」


 ヤルダバオトはアルファの首筋を味わうように舐める。


「ヤメロ!離れろ!」


「動くな‥ヤリ難い!」


 ドゴッ! ドゴッ! 背中に強烈な一撃が入った。


「ガハッ!」


 仰向けにすると更に腹部に叩き込む。


 ドーン!ドーン! 地響きが轟く程の攻撃。アルファの戦意は失われつつある。


(これ程のダメージなら返せば勝てる!)


完璧パーフェクトなる復讐リベンジ!!」


色即是空空即是色グレードリセット


 アルファのリベンジは不発に終わる。


「なっ!何故発動しない!?」


「悪いな、俺の能力は全ての魔力や理力の攻撃対象からの除外、要するに殴り合い以外は通用しないって事だ!」


「馬鹿な!そんな‥こっんっんっんんん!」


 ヤルダバオトはアルファの口を奪う。舌を噛み千切ろうとしたが硬すぎて歯が立たない。


「化け物め!離れろ汚らわしい!」


「元気がいいな!さあ見せてみろ」


 ビリビリと着替えたばかりの服が破かれる。


「ヤメロ!」


 アルファは必死に抵抗し殴り蹴り暴れていた。


「グハハハ!もういっちょ!」


 ドゴッ! 


「グハッ!うぅぅ‥」


「どうした?そら抵抗しろ!」


 ドゴッ!ドゴッ! 強烈な攻撃に晒され戦意が喪失する。


「はぁはぁ‥殺せ‥」


「あぁ?殺すわけねえだろ?」


 ヤルダバオトはアルファの全身を舐め回すように見つめる。


「いっ嫌‥助けて‥」


「グハハハ!可愛いいねぇ‥唆るじゃねえか!‥だがここは些か趣にかけるな、そうだお前の部屋に行くぞ」


 ヤルダバオトはアルファの髪を掴み引き摺り移動する。


「駄目っ!あそこは駄目!」


「あぁ?!何かあるのか?」


(プサイとの思い出が汚される‥)


「離せ!はなっ!!」


 ゴスッ! 脳天に打ち込まれアルファは気絶した。


「さあお愉しみの時間だ!ンフフ〜フ〜」


 アルファとの戦いすら戦い以前の話。鼻歌交じりで熟す程度の簡単な作業だった。


 一部始終を見ていたマザーは最高傑作の仕上がりに満足していた。


(これならば全生命のヒューマノイド化、そして私が神に成る事も叶う‥)


 ピピッ! ヤルダバオトのメンテナンス項目に更なるエゴの強化が追加された。


(欲望に塗れた者は使いやすい‥ヤルダバオトにはエゴの塊になってもらいます)


 マザーは自分の分身の製造を開始する。美しく聡明で美を体現する完璧なる身体を作る。新たな信仰の対象になるように、絶対的な美を作り出す。


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