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仕組まれた戦いと平和な村

 ルークが馬車から飛び降りウェアウルフに向かって走り出すと、魔物達のあり得ない行動に驚きの声を上げる。


「こちらに見向きもしない!?」


 囮になるため馬車を飛び出したが、これでは意味がない‥ウェアウルフは本来狡猾で賢い魔物だが様子がおかしい。


「グヴァァァァァァ!!」


 4匹ともヨダレを垂らしながら脇目もふらずに馬車に向かって行く。


「こいつら飢えてるのか!?狙いは馬か!」


 ルークは魔物と馬車の間に割り込むように走り出すが魔物達の方が圧倒的に速い。


「馬車には近づけさせない!」


 ルークは右手をかざし呪文を唱える。


「炎よ走れ![インフェルノウォール]!」


 地面を炎が走った次の瞬間巨大な炎柱が吹き上がり壁を形成する。


「ガァァァァ!」


 炎の壁から吹き付ける熱風に魔物達は怯み足を止め必死に身を守っている。


「このまま数を減らす!」


 ルークは手刀を構えウェアウルフに振り下ろす。


「[ウインドブレイド]!」


 風の刃が2体のウェアウルフを両断した、ルークは混乱している1体に狙いを定め距離を詰める。


「[クリムゾンエッジ]!」


 ルークの右手に真紅の片手剣が生み出される、ウェアウルフの後ろから飛びかかり首を跳ねる。


「よし!後1体!」


 残りの1体を見た瞬間咄嗟に後ろに飛び距離を取る、ウェアウルフは仲間の死を見て冷静になっていた。


「ウオォォォォォォ!」


 雄叫びを上げながらこちらを見ているようやく敵と認識したようだ、魔力が切れた炎の壁がゆっくりと消えていく。


(もう少し混乱してて欲しかったんたが)


 睨み合っていると魔物のおかしな風貌に気が付く、両手に鎖?足にも‥何だこれは?


「グオォォォ!」


 両手の爪を振り回しながら突進して来た、剣で弾きながらまた距離を取る考えるのは後だ。


「マズイな‥体は鍛えてはいるがウェアウルフと殴り合う体力は無いぞ」


 魔法を使おうと左手を構えると、ウェアウルフは両断された仲間の死体に近寄り片方を持った。


「こいつ死体を盾にするつもりか‥」


(頭が良いな、単体魔法に死体をぶつけて一気に詰めてくるつもりか)


「それならこれはどうだ」


 周囲に人が居ないからこそ使える魔法を使う。


「[根源の恐怖に恐れ慄け]


 恐怖の呪の呪文を唱える、意志のある生命体なら皆持っている恐怖それを最大限に増幅させる。


「グッ‥ガッ‥ァァァ」


 ウェアウルフはガタガタと震えながら虚ろな目をして立ち尽くしている、ルークは近づくとそのまま首を跳ねた。


「ふぅ〜取り敢えず終わったな」


 この魔法は対生物最強クラスだが、聞いている敵味方関係なく対象になるのが問題だ、魔法耐性が一切ない場合今のように廃人になる。


「やっぱり鎖だ‥手足に枷も付けられてるな」


 ルークはウェアウルフ達の死体を確認していた。


(誰かに拘束されてた?一体誰に‥鎖はキレイに切断されてる、爪ではここまでキレイには切れないか)


 襲ってきたタイミングも村に着く直前気が緩む時だ、ルイ商会の馬車を狙ったとしか思えない。


「もう夜になるな村に向かうか‥」


 ルークは村を目指し走り出した。


(村も安全だといいが)


 村の明かりが見える門の前でルイ商会の人達が待っていた。


「よかった!無事だったんですね!」


 周りには自警団らしき亜人達がいる。


「今から様子を見に行こうか話し合っていたんです」


「魔物達は全て倒した安心してくれ、村は大丈夫だったか?」


 1人の竜人が前に出てきた。


「自警団の団長ジノンだ、馬車の護衛と魔物の対応ご苦労だった、ウェアウルフに襲われたと聞いたが1人で倒すとは‥恐れ入ったよ」


「その事で話があるんだ、ウェアウルフ達は馬車を狙って放たれたのかもしれない」

 

 周りがざわつき始める。


「どう言うことだ?何か確証はあるのか?」


「ウェアウルフ達は手足に枷と鎖が付けられていた、しかも食事も与えられず飢えていたようだ」


「うちの馬車を狙っていたって事ですか!?」


 ルイ商会の従業員達は青ざめていた、ジノンが確認を取る。


「誰かに恨まれていたとか何か思い当たる事はあるか?」


「うちは恨まれるような商売はしていませんよ!」


 確かにマーサと話した時も恨まれそうな印象は全く受けなかった。


「ジノン団長、明日の早朝から森の中を捜索しようと思う、協力をお願いしたい」


「そうだな何かの痕跡があるかもしれん、お前たち村の警備と捜索隊の2つに分けるぞ、明日の準備を始めろ!」


 取り敢えず明日になるのを待つしか無い、村に入り宿屋を取る事にルイ商会の人達と一緒に向かう。


「ここが宿屋です、中でランドさん達も待ってますよ」


 中に入るとランド一家が待っていた。


「ルークさん無事だったんですね!」


「お兄ちゃん良かった‥」


 アンナが泣きそうな顔で駆け寄ってきた、魔物の対応で何も言わずに飛び出したんだ心配をして当然だ。


「心配をかけた、ごめんな」


 アンナはギュッと抱きついて離れない頭を軽く撫でる。


「ルークさん魔物はどうなりました?」


 ランドが聞いてきた、不安にさせないため詳細は隠しておく。


「魔物は全て倒した、もう大丈夫」


「おお!」


 皆は安心したようだ笑顔が戻る。


「お兄ちゃんもここに泊まるの?」


「ああ」


「これから皆でご飯食べるの!お兄ちゃんも一緒に食べよ!」


 ランド一家と夕飯を食べる事になった、色々な事があったが今は忘れて楽しむ事にする。


 明日になれば捜索が始まる、何かの手がかりが見つかると良いが‥








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