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国境近くの村へ

 ギルドからの連絡で出発は予定通り明日のようだ、準備も兼ねてカイラの町での観光を楽しみながら1日を終えた‥


 翌朝10時に指定された場所に向かう。


「確かこの辺りのはずだよな‥」


 メモに書かれたルイ商会を探していると、馬車が2台見えてきた丁度荷物を乗せている、荷物を数えながらリストの確認をしていた従業員と目が合う。


「おはようございます、もしかして依頼を受けた冒険者ですか?」


「おはよう、ここがルイ商会かな?」


「はい!皆さんお待ちです中にどうぞ」


 中に入ると5人の亜人と1人の女性が話していた、こちらに気づくと女性から声がかかる。


「依頼を受けてくれた冒険者かしら?」


「冒険者のルークだ護衛の依頼を受けて来た」


「よろしくルーク、誰も依頼を受けてくれないから困ってたのよ助かるわ」


「私はここの責任者のマーサ、今回の依頼はこの一家を国境近くのバーズ村に荷馬車と共に送り届ける事」


 獣人族の一家だ、両親と子供3人不安そうにしているので軽く挨拶をした。


「依頼を受けたルークだ、安心してくれ大きな声では言えないが女神信仰はしていない」


 フローラ教では無い事を聞くと一家は安心したようで父親から握手を求めてきた。


「ありがとう!私はランドだ、バーズ村に移住を決めたは良いが村に向かう定期便が無くてね、ルイ商会の荷物と一緒に運んでもらおうと思ったんだが‥」


 ランドはマーサの方を向く。


「最初はルイ商会からの依頼として出したんだけど、亜人が居るのは聞いてないって何度も断られてね、仕方なくランドさんから依頼を出したのよ」


「大変だったな、でももう大丈夫!必ず送り届ける」


 子供たちは安心したようで母親と笑顔で話している


 マーサがテーブルに書類とお金を置く。


「ここにサインをお願い報酬は先に払うわね」


「先で良いのか?到着してからでも構わないが」


「村にギルドや教会は無いのよ、お金が下ろせないからここで受け取って」


 マーサから銀貨20枚を受け取る。


「確かに受け取った、出発はいつ頃になる?」

 

「日が暮れる前に到着したいから準備が出来次第ね」


 少しすると外にいた従業員から仕事の完了が伝えられる。


「積み込み終わりました!何時でも出発出来ます!」


 ランド一家はマーサに感謝を伝えた後先頭の馬車に乗り込んだ、気になったのでマーサに話を聞く。


「ルイ商会の人達は亜人を嫌がらないんだな」


「うちの代表の奥様が竜人なのよ、それにドワーフやエルフとの取引も多いから従業員も異種族に慣れててね、ルイ商会に入った殆どが女神信仰辞めてるわね」


(なるほどしっかり現実を見てるからか、変な先入観もちゃんと相手と向き合えば壁も無くなっていく)


「良い会社だな」


 マーサはウインクして返してきた。


「冒険者辞めたくなったらいつでも歓迎するわよ」


 どうやら本気のようだ返答に困っていると従業員から呼ばれる。


「冒険者さん出発しますよ〜」


「すまない!今行く」


 馬車に乗り込むとマーサと従業員に見送られながら馬車が走り出す。


 南の交易用ゲートを抜けてバーズ村へと街道を進むと、御者が警戒の魔石を馬車の魔装具に付ける魔物対策だ。


「もしもの時は冒険者さん頼みます」


「ああ、任せてくれ」


 魔物が近くに居ると魔石が警告しを発する反応があればすぐに探索魔法で探す、ルークはランド一家の前に座る。


「ルークお兄ちゃんはどんなお仕事なの?」


「お兄ちゃんは魔法使いなんだ」


 少女は目を輝かせている。


「魔法!見せて見せて!」


「その人形良いかな?」


 人形を受け取ると、魔力で物を浮かせて動かす呪文のいらない魔法の基礎を見せる。


「すごい!ダンスしてる!」


 子供たちは魔法に興味津々のようだ、じっと見つめていたお姉ちゃんが真剣な顔で聞いてきた。


「私も魔法使いになれる?」


「頑張れば誰でもなれるよ、頑張り続ける事が出来るならね」


 魔法の創造は個人のイメージ力の鍛錬その繰り返しだ、魔法の数だけ創造する必要がある努力と根気が無いとスタートラインにすら立てない。


「魔法使いになりたい!魔石は嫌い!」


 亜人を敵視している教会が魔石を管理している以上嫌悪感は理解出来る、ランドも娘が本気なのを感じていた。


「ルークさん娘は魔法使いになれますか?」


(布教用に魔力のコントロールと基礎訓練の教本2冊を持っていてよかった)


 荷物から取り出して少女に渡す。


「名前聞いていいかな?」


「私はアンナ」


「この2冊をアンナにあげる、2年訓練して本の通りに出来るようになったら魔法学校の中等部への入学が出来る、本に推薦状を書いてるのでこの本を無くさないように」


「はい!」


 アンナは2冊の本を大事そうに抱えている。


「推薦状まで書いて頂けるなんて、ありがとうございます」


 ランド夫妻からの感謝を受け少し後ろめたさが‥


(布教用に入門書持ち歩いてるなんて口が裂けても言えない)


「よし!時間もあるから魔法のコツも少し教えよう!」


 簡単な魔法の話や世間話をしながら馬車は進んでいく。


 街道を走って6時間子供たちは疲れて眠っている、流石に話す話題も無くなりカイラで買った古い魔法書を読んでいると御者が伝えてきた。


「この先の街道を少し外れて20分ほどでバーズ村に着きます」


 本を閉じると御者の隣に座った。


「この辺りは山に囲まれて日暮れが早いな」


 日が暮れると魔物が活発になる、町や村は魔石の結界に守られていて野生の魔物は近寄れないが、魔禍なら無効化しながら近づいてくる。


「今何か聞こえませんでした?」


 御者が辺りを見ながら警戒の魔石を確認する、反応は無いが‥すると微かに遠吠えが聞こえた。


「遠くに何か居るな‥村まで後どの位かかる?」


「もう少し後7分くらいです!」


 ルークは確認の為広範囲探索魔法を使う。


「天空より見渡せ[フィールドサーチ]」


 呪文を唱えると上空に魔力の玉が生まれ周囲数kmの視覚情報が入ってくる、呪文を長くしてるのは誤発動を防ぐ為である。


「マズイな左の森から魔物が数匹向かってきてる、かなり速いな馬のスピードは上げれるか?」


「スピードを上げると後ろの荷馬車が離されます!」


 荷馬車も護衛対象だ仕方が無い馬車を降り迎え撃つ覚悟を決める。


「このまま村に向かってくれ!俺は降りて魔物を迎え撃つ!」


「わかりました!ご武運を!」


 [身体強化]と[暗視]の魔法をかけ馬車を飛び降りる。


 身体強化により視力も一気に良くなる、森から4匹のウェアウルフが飛び出たのを確認すると、ルークは魔物に向かって走り出していた‥


 




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