無敵のリリス
ケルベロスvsレヴィアタン
ケルベロスの全力の魔力放出で修練場の温度がドンドン上がっていく。ドレイクは2人を守る為に障壁を張る。
「さあ始めるよ!先ずはコイツだ!」
ケルベロスは黒炎を右腕に集め全身全霊の一撃を放つ。
「燃え尽きろ!インファナルフレイム!!」
躱せ無いと判断したレヴィアタンは、魔力障壁を全力展開する。
「グウウゥゥゥ!!」
全力の魔力障壁も虚しく次々と砕けていく。
「ハハハ!もっと早く展開しないと!此の儘だと丸焦げだよ!」
「クソがぁ!クソがぁぁぁ!!!」
ケルベロスは慢心しない、万全な状態での初手で最高の一撃を撃ち込んだ。遂にレヴィアタンの最期の障壁が突破された。
「ギイィィイアアァァァァ!!!」
全身を黒炎で焼かれのたうち回る、叫び声を上げながら消えない炎を必死に消そうとしていた。
「ホラホラ次はそっちの番だよ」
パチン! 指を鳴らすと黒炎が消えていく。
「はぁはぁはぁ‥舐めた真似を、後悔しても知らんぞ!!」
レヴィアタンの火傷が回復していく、体勢を立て直すと再び魔力を開放する。
「舐めやがって!私を誰だと思ってる!」
「御託はいいからかかってこいよ、ほら」
ケルベロスは両手を広げ打って来いと待ち構える。
「死ね‥死ねぇ!アビサルインパクト!!」
レヴィアタンの右腕が歪に巨大化すると、超高速でケルベロスの腹に渾身の一撃を叩き込む。
「ぐっ!!」
ケルベロスの体が浮き上がり、一瞬で修練場の壁に叩き付けられ壁に減り込む。
「グハハハハ!お前の番は回って来ない!!」
ドゴゴゴゴ!! 距離を詰めたレヴィアタンが減り込んだ体に立て続けに攻撃を打ち込む。
「死ね!死ねぇ!しっ‥ぐあああ!!」
レヴィアタンの顔が苦痛に歪む、両腕の先の感覚が無くなり。手首から強烈な痛みが走る。
「ああああ‥無い!私の拳が無い!!」
「ふぅ〜痛いなぁ‥お返しだ吹っ飛べぇ!」
ドゴッ!! 強烈な蹴りで吹き飛ぶレヴィアタン。空中で体勢を整えると両足でブレーキを掛ける。
ケルベロスは両手に千切った拳を掴んでいた。そのまま黒炎で燃やし尽くす。
「何だ‥何だその肉体強度は!!有り得ない!」
「あぁコレ?父さんの真似だよ、父さんは殆ど障壁無しで戦ってた‥内包する魔力が桁違いなんだ、それを真似してみた、放出してた魔力を全て体に詰め込んだんだよ」
ケルベロスは構えると死の宣告を告げる。
「さあここからはお互い好きに暴れよう、もう止まらないよ?」
「まっ待て!この私がお前の妻になってやろう!あのエルフなんかより比べ物にならん快楽を与えてやれる!どうだ味わって見たくないか?」
ケルベロスの地雷を見事に踏み抜く。
「‥死ね」
そこからはもう戦いとは呼べない、一方的な虐殺だった。
「まっ!グッ‥ガッ!何だ!?痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!ヤメロー!!」
ケルベロスは捉えられない速さで、少しずつ少しずつレヴィアタンの体を引き千切り、黒炎で灰にする。
「グッ!アァ?痛い痛い痛い!?!?止めてもう止めて!!」
飛び散る血飛沫と削れていく体‥レヴィアタンは抵抗出来ずその場にへたり込む。ジワジワと削られ最期には血溜まりだけがその場に残った。
「クックックッ‥ハハハハハハ!!ケルベロス良くやった!見たかエキドナ!俺達の子は凄いぞ!」
息子の成長に満足するルーク、隣で見ていたエキドナも涙を流していた。
「最強の悪魔の1人とか言われてから、もっと強いと期待してたのに‥残念だよ、これなら今のドレイクと戦った方が楽しめそうだ」
ケルベロスはドレイクの方を向く。
「ドレイクー!どうだ手合わせしてみないか〜?」
「勘弁してよ、僕目覚めたばかりでフラフラだよ!」
「ん〜なら今度やろうな!」
ケルベロスとドレイクはライバルとして、これからお互い高め合っていくことになる。
崩れた 研究所内
「酷い有り様じゃ、こりゃあ復旧に数ヶ月は掛かるぞ‥」
ガブリエルが様子を見に来た。
「うわ〜滅茶苦茶ね‥マモン、データベースは無事?」
「データベースは地下深くにある大丈夫じゃ、それより試験的に作っておったプロトタイプヒューマノイドがほぼ全滅‥悲しいのう」
「また作れば良いわよ、ソレより今のドレイクの魔力凄いわね‥多分貴方より強いわよ」
「ホッホッホ!ワシとエリザの自慢の子じゃ当然じゃよ!」
その日の夜、ルーク主催のパーティが開かれた、記録していたケルベロスとドレイクの戦いのお披露目だ。
「流石は次期魔王とマモン様の息子‥ルーク様!これなら我々も安泰ですな!」
メフィストは次世代の子達の成長に可能性を感じている。
「メフィスト!2人の世話役任せるぞ、先導者としてのあり方を教え込んてくれ」
「はっ!お任せ下さい!」
「それと‥ニーナに子が出来た事黙ってたな?」
「そっそれは‥私事でして‥」
「水臭い!お前が居なければ、今の俺達は存在しないと断言してもいい!この場で盛大に祝うぞ!」
夜遅くまで盛大な宴は続く。
深夜 ルークの部屋
ルークは少し休む為に椅子に座り、飲み物を飲んでいた。
「はぁはぁはぁ‥ルーク様、凄すぎ‥アハハ」
ベッドでミューが横になっている。暫くして息を整えるとルークの隣に座る。
「何か良い事あったの?」
「ケルベロスの戦いを見てたら、こっち迄滾って来てな」
「戦ってみたい?」
「流石に子供と全力では戦えない、でも楽しいだろうな‥」
「悪い顔〜でもミューには分かるよ!ルーク様が本気で戦える相手って、まだ居ないよね?」
ルークはミューを抱き寄せる。
「ミューは俺の本気の姿を見てるからな」
「そうだよ、あの姿知ってるのミューだけ!ミューは特別なの!」
ルークは今まで何度も戦って来たが、本来の魔王の姿で戦った事は無い。ベルゼブブやミカエルと戦った時も、その力を見せる事は無かった。
「駄目だな‥まだ収まらない、ミュー頼む」
「うん!ルーク様の全部受け止めるよ!」
ルークは部屋に強力無比な結界を張った。
「ミュー‥俺の可愛いミュー、滅茶苦茶にしてやる」
ルークの姿が変わる。魔王に相応しい悍ましい悪魔の姿に。
「アハッ!こわ〜い、ミューが欲しいんでしょ?ホラホラ〜」
ミューはベッドに飛び乗りルークを誘う。それに覆い被さるルーク。
「悪い子だ‥俺を挑発するなんて‥」
ミューはルークを見るとゴクリと生唾を飲む。
城の応接間 家族会議
ルークの妻達が集まり、家族会議を始めようとしていた。
「あの‥何故私も呼ばれたのでしょうか?」
ドロシーが自分は場違いでは無いのかと問う。
「えぇ〜家族会議ならドロシーママも居ないとダメでしょ」
「ママって‥その呼び方止めて下さい」
「やだよ〜ママはママだし」
そうしていると、リリスは桁違いの魔力を感じた。
「あっ‥パパが結界を張ったね、本気でやるんだ」
「リリスちゃん!言わなくていいから!」
「だってママ達は良いの〜あの人形に取られて」
エキドナがヤレヤレと話す。
「本気のルークが相手なんて、私達の体が壊れてしまいます、アレで発散出来るなら助かります」
「そうですね、普通にしてても凄いのに‥」
「あら〜あの子の本気はそんなに凄いの?今度お願いして見ようかしら?」
「ヘンリエッタママはドワーフだからいけそ〜」
「リリスちゃん失礼だから止めなさい!」
ゴホンッ! ステラが咳き込み話を始める。
「今回集まって頂いたのは、各国からの同盟協議、その前に行われる魔王へ送られる花嫁達との結婚です、現在申し込みが有るのは隣国オルテア、アグレスト公国、エゼキエルのオブザーバーになったルイ商会、他にもいくつかの少数部族からの話も来ています」
「凄っパパ、モテモテじゃん!」
リリスは喜ぶが周りは深刻な顔をしていた。
「良く無いですね、これでは示しがつきません」
「ヒルデママ〜示しって??」
「この国の王はあくまでステラ様、みなルーク‥魔王しか見ていない、このままではこの国の王がルークと見られます」
「何かマズイの?」
「国民が反発しかねないって事よリリスちゃん」
リリスは疑問をぶつける。
「そもそも何で今更こんな話が来たの?」
ヘンリエッタがリリスの疑問に答えた。
「王国とその同盟国に許されている物、銃火器が欲しいのよ‥困った事ね〜」
「でもアレって戦争には使えないんでしょ?」
「う〜ん、「今は」ね?この国ではレゾナンスギアの装着が徹底されてるけど、他国で製造を始めたらどうかしら?守られると思う?」
「あっ‥嘘つきの人間達には無理だ!!」
「そういう事、この国にはルークちゃんがいる、絶対的なルール誰も歯向かわないでしょ?でも他は違う、騙し騙され、裏切り裏切られ‥誰かの足を引っ張り誰かに蹴落とされる、そんな国ばかりよ?」
「こっわ‥流石ヘンリエッタママ年期が違うわ‥」
「伊達に長生きしてませんよ〜フフフ」
解禁された魔法に並ぶ強力な銃火器、各国は喉から手が出るほど欲しがっていた。
「でも、今でも王国以外は作れないんだし、これからもそうすれば良いだけじゃない?」
「リリスちゃん、多分情報はいつか漏れると思う‥嫁いできた妻やその側近達の中にスパイは必ず居るよ」
「えぇ!?魔王が怖くないの?」
「それだけ人間の欲は深いのよ」
ステラがここに居る皆に指示を出す。
「ルークが戦いに専念出来る様に、私達が団結して新たに来る妻達の監視をします、定期的にお茶会と称し報告会をやります、全員参加するように」
団結を促す中で1人元気の無い者がいた。
「モリガン?元気が無いわね、何かあったの?」
ステラが心配そうに声を掛ける。
「あっあの、お兄様が覚醒したのは何より嬉しい事なのに‥心から喜べませんの、わたくしだけ何もしていない様で」
「えぇ〜モリっちそんな事気にしてたの?」
ライラがモリガンに優しく尋ねる。
「モリガンはどうしたいの?戦いたい?それとも何かの役に立ちたい?」
「戦いは‥無理ですわ、お兄様みたいに強くはなれません本能で解ります‥役に立つ‥そうだ!わたくしがルーク様の子供を産めば!ケルベロスの様な!」
妻達はその言葉にガッカリする。
「モリガン、それではレヴィアタンと何ら変わりませんよ?」
「あっ‥」
「ケルベロスは私とルークの愛の結晶、他の子達もそうです、強さなんて後からついてきます」
「それなら‥わたくしはどうすれば」
「パパとじっくり話し合ってみたら〜?うちがガツンと言うよ、大事な話があるから時間開けとけって」
「そうですわね、リリス‥あの、ありがとう」
ブリュンヒルデが最期にこれから訪れる懸念をリリスに伝える。
「もうすぐ私の出産に伴い、騎士団長の座を退く事になります、その事で大事な話が」
「何か不都合でも?」
「はい、次期団長候補のヘクトールがリリスさんの熱狂的なファンなんです‥多分襲名後リリスさんに結婚を申し込むと思います」
「それは‥リリスにはルシウスがいるのではなくて?」
「あ〜やっぱり面倒臭い事になっちゃたか〜」
ステラはリリスに話す、ヘクトールの事を。
「ヘクトールは今年で40‥有力貴族の一角でヒルデを支えた功績があります、結婚を断るのは無理だと思って下さい」
「いいよ、うちそいつと結婚するよ〜」
「「えっ」」
余りの受け入れの速さにみな驚く。
「あっ貴方ルシウスはどうされますの!?」
「ん〜別れるよ?当たり前じゃん」
「良いのそれで?」
「だって〜うちから何度も許嫁の話をしても、まだ待ってくれの一点張りだもん!女が皆「男を待つ」と思ったら大間違いだよ?」
ヒルデは頭を抱える。
「あの子また引き篭もるんじゃ‥」
「大丈夫!うちから振るからヒルデママは気にしないで!」
「リリスさん‥あのお手柔らかにね?」
モリガンは呆れていた、自分の悩みは何だったのかと。
「貴方ホントに軽いわね‥」
「だって、人生楽しまないと損じゃん!それでヘクトールってどんなやつ?」
ヒルデは気不味そうに答える。
「悪い人では無いのよ、私が再登用された時も手厚く支援してくれて、先見の明はある人よ‥唯‥その、独特な人?って言えばいいのかしら」
「???独特?」
「あの‥親の七光りで地位を得た者ですから‥どちらかと言うと武力はからっきしで‥その、これを‥」
予め用意していた資料を渡す。
「アハハハッ!!ナニコレ〜キモブタじゃん!ウケる〜アハハハハッ!」
「貴方‥その方が夫になるのよ?分かってる?」
「イイじゃんイイじゃん!それだけ鍛え甲斐が有るって事よ、私好みに徹底的に改造するわよ〜」
「そのポジティブさわたくしも見習いたいわ」
リリスにとっては懸念ですら無かった、楽しく生きると決めたリリスはある意味最強であった。
それから5日後 スローン城
新たな騎士団長の就任が終わり、ヘクトールはステラに騎士団長としての忠誠共に、リリスへ結婚を申し込んだ。
「リリスとの婚姻を認めます、ヘクトールよ騎士団長の名に恥じぬ活躍を期待する」
「有難き幸せ!王の御期待に答えてみせます!」
(フヒヒ!リリスたんが遂に僕の妻に!!やったやった!!)
「リリス挨拶を」
ドレス姿のリリスはヘクトールの前に立ち一礼する。
「ヘクトール様、末永くお側でお支えします」
(ドレス姿も美しい!!!でもいつもの姿も捨てがたい!あの太もも!!ムチムチしたあの太ももが僕の物に!!今夜リリスたんにアレを着てもらうんだ!!フヒー!!)
恙無く進む裏で、唇を噛み締めるルシウスが居た。
(クソッ‥クソッ‥あんな奴にあんな奴に!!)
その日の夜 ヘクトールの屋敷
「へぇ〜有力貴族だけあって、そこそこ凄いね〜」
「リリスたん!リリスたん!早く僕の部屋に行こうよ!」
ヘクトールは鼻息荒く今にも飛び付きそうだ。
「そんなに焦らなくても逃げないよ〜」
「妻は夫の言う事を聞かなきゃ駄目なんだぞ!」
「わかった!わかったから!ほらアナタの部屋はどこ?」
ヘクトールの部屋
部屋は所狭しとリリスグッズで溢れかえっていた。
「うっわ‥ホントにうちのファンなんだ‥えっぐ」
「リリスたんコレ!コレ着てよ!」
ヘクトールはドギツい衣装をクローゼットから取り出した。
「趣味悪っ!」
「コレとコレも!良いよね?良いよね?」
「下着も用意してるの〜?ホントにキモいわね」
ヘクトールは期待を込めた目で見つめる。
「も〜しゃあない!着てあげますか!」
リリスはヘクトールの用意した服に着替える。
「ああああああ!!!!!夢が!夢が叶ったあぁぁぁぁぁ!!!!!」
涙を流しその場で平伏するヘクトール。
「アハハ!何よそれ?うちにコレ着て欲しかったの?」
「そうだよ!僕の夢だったんだ!」
「で?コレ着て何して欲しいの?」
ヘクトールはキョトンとしていた。
「えっ‥何って‥??」
「はっ?ヘクトール、アンタ男でしょ?ほらあるでしょ色々!」
リリスはスカートを捲り下着を見せつける。
「だっ駄目だよ!結婚前のリリスたんとそんな事!」
「じゃあ何の為にうちを呼んだのよ?」
「僕のコレクションを見てほしくて‥」
「変わってるわねアンタ‥一応聞くけど、女性経験は?」
ヘクトールは急にオドオドしだす。
「ぼっ僕位の貴族になれば、女なんて選び放題さ!」
ヘクトールの目が泳ぐ。リリスが胸を少し見せると顔を真っ赤にし凝視している。
「アハハハハッ!おじさん初めてなの!?ウケる〜」
「なっ!ぼっ僕だって‥僕だって‥」
「うちに話してごらん?今まで何があったの?」
ヘクトールは自分の見た目で虐められた事、幾度となく結婚を申し込んでも、理由をつけられ逃げられた事、親も半ば諦めている事を話した。
「それで騎士団長になれば、うちと結婚出来るかもって権力使って頑張ったと‥なるほどね〜」
「リリスたんにまで嫌われたく無いんだ‥だから側に居てくれるだけで‥」
「ダメよ!夫婦なんだから!それともうちは愛せない?」
「愛してる!大好きだよリリスたん!」
リリスはヘクトールの頭を撫でる。
「なら大切にしてよね?うちが色々教えてあげるから、うちに相応しい男に‥皆に自慢できる騎士団長様になってよね!」
「うぅっ‥女神だ‥女神様は居たんだ‥」
「メソメソしない!顔上げてほらこっち向きな」
ヘクトールが顔を上げると。
チュッ! 唇に軽くキスをする。
「良いの?僕なんかで良いの??」
「うちが嫌って一度でも言った?ほらおいで、色々教えてあげるから‥ね?」
「おっお願いします!!」
「ダメ!やり直し!自分だけが満足するの?女を満足させるのよ?ほら!自身持って言いなさい」
「はいっ!愛してる‥リリスたんが欲しい!」
「おお〜ドキッとした、やれば出来るじゃん」
リリスはヘクトールの女性に対する恐怖を取り払いながら、男の征服欲を満たす様に導く。馬鹿げた話だが、男はコレに弱い「俺の女」だと。
この日を堺にヘクトールの人生は変わる、リリスに相応しい‥歴代最強の騎士団長を目指して歩みを始める。




