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        聖地 地下施設


「ぐぐぐ!!!離せぇぇ!!ぐぎぎ‥がああああ!!」


 そこにはメンテナンス用の椅子に拘束されたシグマが居た。アルファ達はモニター越しにそれを観測している。


「シグマとしての人格は残っているのか?」


 アルファが解析中のカイに問う。


「いえ殆ど同化してるわ、これからベルゼブブの人格を消すけど最悪の場合バックアップで上書きね」


 プシュー 扉が開き部屋にベータとガンマが入って来た。


「あ〜やっと終わったぜ」

「ホント災難だったな、まさか人格まで上書きされるなんてな」


 2人はベルゼブブの人格除去を終えたようだ。


「2人共問題は無いか?」


「ああ、俺達は進化型だったからそこ迄侵食されてなかったよ、酷いのは捕食型の奴らだな暴食の影響をモロに受けたみたいだ」


「パイなんてオネエ言葉すら忘れてたしな」


 2人は椅子に座るとモニターのシグマを見る。


「あ~コレはヤバいな‥間近で見てたけど、直接食べたシグマは完全に取り込まれたか?」


「アルファそろそろ始めるわ」


「ああ、始めてくれ」


 カタカタカタ キーボードを叩く音が響く。


「がああああぁぁぁぁ!!」


 頭を弄られシグマが咆哮を上げる。


「駄目ね‥残っていたシグマの人格への侵食が始まったわ、可哀想だけど一度消すしかないわね」


「なぁ人格を戻せば元に戻るのか?」


 ベータが問題は人格だけなのか、カイに問う。


「捕食時の記憶も消すわ、思い出せばまた人格への侵食が始まる可能性がある」


「でも辻褄合わせはどうするんだ?消去法で自分が喰った事に辿り着くだろ?」


 カイは別のモニターに画像を映す、そこにはベルゼブブが機械に繋がれていた。


「ベルゼブブ!?何で生きてる??」


「これはクローンよ、まあ再現出来たのは姿だけで中は空っぽだけどね‥コレとタウを使うわ」


 ベータはタウの名を聞き納得したようだ。


「なるほど、捕食型のタウの「吸収解析」で能力と魂だけを吸った事にするのか」


「ガンマそういう事だから、貴方の記憶にあるシグマの捕食は封印しておきなさい、同期した時に見られ無いようにね?」


「了解、あの気持ちワリィ記憶消せるなら大助かりだ」


「そんなにエグかったのか?」


「アイツ同化すればいいのにわざわざ口から喰ったんだぞ?」


「えっ?マジか‥お前よく見てられたな」


 突然部屋にアラートが鳴り響く、ナンバーズの死を伝える音が‥


「このアラートは誰か殺られたのか!?」


「カイ確認しろ誰が殺られた?」


 カイはナンバーズの反応を調べると‥


「不味いわね‥ラムダ達の反応が無いわ、シータとミューの信号は生きてるけど‥駄目ね応答が無いわ」


「近くに何がいる?目標の反応は?」


「観測していたウプシロンも死んでるから直前のデータだけど‥」


 送られて来た映像を見てアルファ達は絶句する。


「魔王‥」


「何だよこれ‥魔王の能力測定値振り切れてるじゃねぇか‥」


「恐ろしいな、モニター越しでも解るコイツはヤバい」


 恐れ慄く3人とは裏腹に、カイはモニター越しに見るルークに見惚れていた。


(凄い‥コイツが世界最強の生物‥欲しいコイツが欲しい‥)


「カイ‥カイ!聞いているのか?カイ!」


 ベータの声で我に返る。


「えっ?何?」


「シータとミューに自爆信号を送れ!捕獲されたら厄介だぞ!」


「そうね、可哀想だけど」


 カイは2人に自爆信号を送った。


「2人の信号は?ちゃんと自爆したか?」


「ウプシロンのドローン経由で送信は確認したわ、ただ‥」


「結果は分からないって事か」


 犠牲は予測されていたが全滅となると話が変わる。


「器の回収はどうする?魔王が連れて帰れば手が出せなくなるぞ?」


「ベータ無理だって!今の俺達じゃ勝てねぇよ!それにローのワープ無しじゃ間に合わねえ」


「お前達落ち着け、もし器が回収されたらパイに攫わせるだけだ」


「問題は5ヶ月後に四騎士達を食べる計画に狂いが生じる事ね、捕食型を3人も失うなんて‥」


「カイ、ローのコア製造を最優先しろ、フローラ様に再現可能か確認を取る」


 アルファは部屋を後する。


「何でローだけなんだよ!」


「しょうがない、足が無いと四騎士に奇襲が掛けられないからな」


 カタカタカタ カイは量産型のコア製造を止めローの再建を始める。


「ベータ暇ならシグマの人格をインストールしてあげて」


「あぁ、任せてくれ」


 2人は作業を開始する。



         ルーク達 


 ルークはシータの目を見て違和感を覚える。


「何だその目は?」


 シータは初めて心の底から震えていた、初めての恋に。


「貴方が魔王?」


「キサマ等と話す気はない‥し」

「待って!!!私ならその人を助けられる!」


 その言葉にルークは踏み止まる。


「時間が惜しい簡潔に話せ」

「私は「簡易同化」で相手を取り込める、勿論どんな怪我も治せるわ!」


「同化?‥それではライラでは無くなる、話にならない」


 ルークはシータに興味を無くし壊そうと魔力を高める。


「待って!「簡易同化」は何時でも切り離せるの!私を信じて!!」


 シータの必死な目を見て命乞いでは無いと感じる。


「‥他に手は無いか‥オイやってみろ」


「パパ!?コイツを信じるの!?」


「今のライラは俺の回復魔法でも再生しない、肉体はほぼ死んでいる」


 シータはライラを抱くと同化を始め体が重なって行く。


「間に合ったようね、肉体の再生が始まったわ」


「回復までどの位掛かる?」


「数週間位ね、目覚めるかは本人次第だけど」


 安心したのかリリスはポロポロと涙を流すと、ルークがそっと抱き寄せる。


「良かったママが助かる‥」


 ルークはシータが何故助けるのか問い質す。


「何故敵のお前がライラを助ける?」


「お願いがあります、貴方の側に置いて下さい」


 ルークは少し考える、女神 ライラ シータのあの目 目の前の少女の存在が見えてきた。


「お前女神から切り離された存在か?」


 シータはコクリと頷く。


「私達ナンバーズの女性は女神から産まれた存在、私は色欲から作られた、貴方の息子を引き込む為に」


「わかった良いだろう、ライラを助けた褒美だ何でも叶えてやる」


 その言葉にシータは心から歓喜しルークに抱きつく。


「嬉しい!生まれて初めてなのこんなにドキドキするの!」


「俺はルークお前の名は?」


「シータ!」


 ルークはシータを優しく撫でる。


「お前もお前の持つ情報も全て貰うぞ?」


「はい!何でも答えます!」


 ピピッ!! シータとミューに自爆信号が送られて来た。


(自爆信号?無駄よ同化中は保護が最優先、承認はされない)


 シータはミューの方を見る。ミューはガタガタ震えたままだ。


「何で‥何で自爆出来ないの!!ミュー何処か壊れたの?助けて!誰か助けて!」


 ルークを目の当たりにし、死を体験したミューはエラーを起こしていた。


「オイそこのお前!こっちに来い!」


「ひっ!たっ助けて‥」


「パパ、コイツどうするの?」


 ルークはミューの腕を掴む。


「俺達に協力するなら助けてやる、選べ!ここで死ぬか俺の物になるか」


 ルークは問う「生か死か」選べと。


「ミューアンタの物になる!だから壊さないで!」


 自爆も出来ずエラーを起こし、自己停止も出来ないミューに選択肢は無かった。


(偶然とはいえ機械人形の完全体が手に入るとは、コイツは研究素材にもなる‥機械人形が量産出来れば戦力不足も解決する、ハハハハハ!!)


「可愛がってやる裏切るなよ?」

「はっはい!」


 ルークが少し変わった事にリリスとエリザが漸く気付く。


「ルーク様どうしたんだ?らしく無い気がする」


「何時ものパパならママ達の事気に掛けるのに、どうしたの?」


 ルークは2人を見て答える。


「聞いてくれこの世界には敵が多過ぎる、家族を守る為に俺は変わろうと思う‥理想も誇りも要らない結果だけがあればいい、全て俺が背負う」


「ルーク様オレも手伝うよ!」

「パパ、うちもやるよ!敵は全て滅ぼしてやる」


 シータが気絶しているディアスを見る。


「ルーク様あのゴミどうされますか?」


 その言葉にリリスが反応する。


「アイツはうちが殺す!ママを殺しかけた‥絶対に許さない!」


「待てリリス」


「止めないで!」


「ソイツはタダでは死なせん、母を斬ったんだ相応の苦しみを与える‥もう我が子とは思わん」


 ルークはシータを抱き寄せる。


「シータ、同化前の姿になれるか?」


「はい‥これでどうですか?」


 シータは元の姿、若いステラに戻る。


「それで良い、ディアスの苦しむ顔が見れそうだ‥ハハハ」


 皆がルークの考えを察する。


「パパ悪趣味〜でもアイツの苦しむ顔が見れそう、アハハハ」


「起きろ‥何時まで寝てる!」


 エリザがディアスの顔を蹴る。


「うっ‥ここは‥俺は確か‥!シータ!」

「何?ディアス?」


 ディアスが体を起こすと声のする方を見る。


「シータ!無事だったんだな!」


「ええ、ルーク様のお陰でね‥」

「えっ??」


 シータはルークの側に立っていた。


「父上?どうして此処に???」


「ライラを助けに来てな‥覚えているか?」


「母上?‥」


 ディアスの脳裏にフラッシュバックが起きる。


「あっ‥俺が母上を‥ちっ違うんだ父上あれは!」


「思い出したか、そうだお前が「殺した」実の母親をな」


「違う‥違う違う!アイツがシータを殺したからだ!」


「私?生きてるわよ?」


 ディアスは呆然としている理解が追いつかない、シータは確かに死んでいた筈だ。


「お前には正直ウンザリだ‥力を失い錯乱して母親殺しまで、堕ちるとこまで堕ちたな」


「違う!何かの間違いだ!俺じゃない!そうだアンタなら助けられたんだろ?!」


 誰も答えない。


「シータ!シータなら分かってくれるよね?」


 シータはディアスに見向きもしない。


(ディアス、俺からライラを奪いかけた、その苦しみを味わえ‥)


 ルークはシータを抱き寄せる。


「シータは俺が貰う良いな?」

「はい!」


 ディアスは目の前の光景に叫ぶ。


「ヤメロォォォ!!!」


 ドゴッ!走り出そうとしたディアスを後からリリスが殴る。


「がっ!?」


「そこで寝てろクソ野郎」


 リリスの目は既に敵を見る目だ。


「リリス‥何で?」

「ママを斬ったお前を許さない!うちが殺してやる」


(このくらいで良いだろう、後悔して生きてゆけ‥)


「行くぞお前達!ソイツは放って置け」


 ルークの元に皆が集まる。


(!?ミューまで?何でだ!!)


「待て!!俺の仲間を置いていけ!!」


「這い蹲って言う言葉がソレ?ホント無様ね」


 シータがディアスを哀れみの目で見つめる。


(俺の女から仲間に変わった?そう‥ここまで来てもまだ仲間なのね)


「さようなら、もう会うことも無いわ」


「待ってくれ!シータ!シーター!!」


 ルークの転送陣で5人は消えた。


「ああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 ディアスは地面を掻き毟る。


「チクショォォォ!!アイツだ!全部魔王が悪いんだ!アイツらが来なければ戦いにならなかった!!」


 完全に思考を放棄し他責で自我を保つ。


「俺はシータを守ろうとしただけだ、俺は悪くない!‥シータ!そうだシータを助けないと!」


 さよならを告げられた事は既に記憶に無かった。


「今のままだと勝てない‥そうだ早く本当の母上の所に行かないと!女神にさえ会えば!」


 ディアスは剣を拾い歩き始める。


(俺は悪くない‥全部アイツのせいだ‥シータ‥シータ‥ううぅぅ)



       スローン城 上空


 ルーク達は転送陣から出て城を見下ろす。


「ルーク様の帰還だ!結界を解け!」


 城を覆う結界が解けルーク達は降下する。


「ルーク様何があったのですか!?」


 メフィスト達が集まって来る。


「その者達は?」


「この2人は機械人形だ、此方に引き込んだ」


「なんと!‥?ライラ様は?ライラ様は何処に?」


「メフィスト幹部達を集めろ、その説明も兼ねて話をする」


「はっ!」


 ステラやエキドナそれに大臣や幹部達も続々と集まる。


「挨拶は抜きだ、先ずはこの2人を紹介する」


 シータとミューに視線が集まる。


「この2人はあの機械人形だ、理由あって此方に寝返った!ステラに似た者の中にはライラが眠っている」


「「!?!?」」


 驚く一同だが、シータの口から経緯を説明されると落ち着きを取り戻す。


「ライラは無事なのですね、シータ貴方の協力に感謝します」


 エキドナが代表して感謝を述べた。


「私にも利があるので‥」


「ルークよそちらのミューはワシが預かって良いのか?」


「ああ、俺の女だ丁重に扱えよ?ミューから科学技術を全て教えて貰え」


「ホッホッホ!楽しみじゃわい!のうドレイクよ!」

「これであの腕の解析も出来るね!」


 エキドナが聞き逃さなかった「俺の女」と言ったのを。


「あなたどう言う事ですか?」

「後で話をする」


 いつにもない真剣な目にエキドナも察する。


「わかりました、覚悟があるのですね」


 ルークはこれから先の世界を見据えて動く事を伝える。


「敵は俺の居ない隙を突いてくる、今のままでは戦力が足りない‥10年は掛かるが魔石を使わない魔法の解禁や科学技術の普及を始める」


 科学技術の開放を願っていた大臣がルークに確認をする。


「本当に良いのですか?世界が一変しますぞ?」


「機械人形が敵になるんだ、今のままでは人間達が太刀打ち出来なくなる遅かれ早かれ‥な?」


「10年か、ルークよそれまで我等や人間達を守れるか?」


「任せろ俺が守り抜く」


 覚悟を決めた魔王に一同も思いを1つにする。


「ならば新たな魔法はルーク様、魔王が伝えた事に致しましょう、科学技術は人間からその方が双方のバランスが取れます」


「そうだな人間達の誇りにもなる、それで行こう」


 もう加減する必要は無いとばかりにルークは命令する。


「今の戦争に魔族を介入させる、サッサと終わらせるぞ。次いでにエルフの国も落とせ」


「はっ!次の騎士団の増援に悪魔や魔族を混ぜます」


「それとガブリエルとレヴィアタン2人にも頼みがある」


 2人は顔を見合わせる。


「頼みなんて珍しい、改まって何かしら?」


「正式に仲間になってくれ」


「ふ〜ん?そうね、お願いなら仕方ないわね」

「私は条件があるわ!アナタを跪かせ奉仕させる!」

「わかったレヴィアタンの望む事をする」

「えっ!?ちょっ‥ちょっと待って‥!?えっと、うっうん、偶に私の相手してくれたら良いかな〜って」


「何アナタ?急に日和るじゃない?」


「うっ五月蝿い!ルークに相手してもらえるって考えたら嬉しくて」


 ゴホンッ!! メフィストが大きな咳払いをする。


「御二人共仲間になるのですか?返答は?」


「「なるわ!」」


 メフィストは配下に指示する、ガブリエルとレヴィアタンの配下の監視を外せと。


「俺が前線に立つことも増えるだろう、メフィスト マモン ステラそしてガブリエルとレヴィアタンを独自の組織として、各自動ける様に体制を組み直してくれ」


 ガブリエルが手を挙げる。


「なら少数な私達堕天使は独自で動くわね」


「それ怪しまれない?」


「私が悪魔との子を作れば問題無いでしょ?」


「えっ?作れるの?」


「隠していたけどずっと研究してたのよ?だって悪魔も‥あっ説明は省くわね」


(危ない‥人間達に知られると不味い、悪魔が元天使だったなんて知ったら大騒動になるわね)


「それなら別に悪魔じゃなくても良くない?」


「まあそうだけど例えよ例え」


 ゴホンッ!! メフィストが又咳払いをする。


「一同今日はここ迄とする!」


 メフィストの解散の一声で各自退出して行く。


「あなた、ライラの事やこれからの事詳しく説明してくれる?」


「ああ、ステラにも聞いて欲しい家族で集まろう」


 ルーク達は家族会議で今後を話し合う、ライラの事ディアスの事、このままだと何れ敗れる可能性がある事を‥



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