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理想の女



      襲撃翌日 城の会議室


 一部を除いた幹部達が集められ。女神の勢力への対策会議が始まろうとしていた、時間になりルークが話を切り出す。


「皆手元の資料を見てくれ、昨日の事がまとめてある」


 各自資料に目を通すとドレイクが話始める。


「侵入者、見えない敵‥厄介だね、ルーク様何か対策は?」


「今朝フレアに聞いてみたんだが、不完全な[神隠し]は感情までは隠せないらしい、後は重さもだな」


「重さか‥なら絶対に通る要所に感圧板と、それに反応する警報装置を付けたらどうかな?」


 マモンが見通しの甘さを突く。


「床を歩くとは限らんぞ?壁や天井に張り付かれたらどうするんじゃ?」


「あっ‥そうか、う〜ん?」


「まぁ俺が城にいる間は問題無いだろう、対策はマモン達に任せる」


「ルークを此処に縛る為とも取れる動きじゃな‥資料にあるディアス坊っちゃんの髪、人質か或いは?」


 ステラが手を上げる。


「それに関係ある可能性の報告があります、近衛兵の1人が行方不明です。持ち場を離れた形跡も無く誰も見ていないと」


「あのパイと名乗った奴に襲われたと見るべきだな、消えたのは人間か悪魔か?」


「悪魔です、捕獲されたのでしょうか?」


「何のために?わざわざ城内で攫う意味が無い‥」


 マモンが可能性を示唆する。


「悪魔なら魔力補給の可能性があるのう、疑似神隠しが魔力を大量消費するなら?」


「まだ推測の域だな‥」


 ルークがパイの腕の解析状況を聞く。


「マモン、アイツの腕から何か判明した事はあるか?」


「アレか‥サッパリじゃ!ワシの科学技術では解析不可能、超高度な技術を使った腕としか‥」


「ルーク様、アレは細胞レベルで機械化された人間、と言っても間違いじゃ無いかも」


「機械?なら量産が可能なのか?」


「流石にこのレベルの量産は無理じゃろう、1人で来たのがそれを物語っておる」


「それもそうだな」


 話が途切れた所に、ルナがディアスの報告をする。


「ディアスを私の配下2人に監視させてるんだけど、4ヶ月程前からパーティーを組んでるわ。今はオルテア連邦の首都マルレーンに滞在してるわね、旅の目的地は最悪な事に聖地よ」


「パーティーか、この数日にその仲間に動きは無いのか?」


「報告には何も‥ただその3人の内1人が‥」


「どうした?」


 ルナは少し戸惑いながら話す。


「ステラそっくりで‥まるで生き写しらしいわ」


「えっ!?私にですか?」


 その報告を聞いたルークは頭を押さえる。


「そいつら確実に女神の仲間だな‥ディアス好みの機械人形を作ったか」


「監視の者達にディアス奪還の命令を出す?」


「その3人が機械人形なら不味いな、俺は動けない‥どうする?」


「私とケルちゃんは動けるわよ?」


「イヤ2人は当初の予定通り北の要塞に、四騎士の監視をやって欲しい」


 ルークは動けない、パイの見えない圧が効いている。マモン ドレイク ガブリエルは天使に対応する為待機。するとライラが名乗り出る。


「はい!は~い!なら私達親子で行きます!」

「えっ!?うちも?」


 ルークは懸念を伝える。


「ディアスは確実に反抗するぞ?覚悟の上なのか?」


「我が子の一大事よ、私達家族で解決しないとね!」


「えぇ〜兄様の彼女と会うのめんど〜しかも敵でしょ?」


「リリス、ディアスの選んだ子よきっといい子よ」


「ママそれは無い!絶対顔で選んでるよ?」


 ルークはそのやり取りを見て更に不安が増す。


(不安だ‥絶対に上手くいかない気がする)


「ルーク様!オレも一緒に行っても良いかな?」


 エリザが2人の護衛を買って出る。


「そうだな‥頼めるか?」


「任せてくれ!」


「エリーまた一緒に旅出来るね!」


「ライラ姉と旅か、なんだか懐かしいな昔を思い出すよ」


 ルークはライラ達にディアス奪還の指示を出す。


「やり方は3人に任せるが、ディアスの確保が最優先だ!もしもの時は俺を呼べ、ライラの居る所に飛んでいく」


「ルーク此処の守りはどうするの?見えない敵が見張ってるかもしれないよ」


 メフィストが緊急事態の時の対応を説明する。


「ライラ様ご安心を、短時間ですがルーク様が戻られる迄城を結界で覆います、例え見えなくとも侵入不可の結界は通過出来ない筈です」


「なら安全だね、分かったわ危なくなったら直ぐ呼ぶね」


 ルークが会議の終わりとルナとケルベロスに配置換えを伝える。


「会議はここ迄だ、それとルナとケルベロスは北の要塞に配置する必要な配下を選べ」


「それならレヴィアタンの配下を借りるわね」


「ん?私の配下を?」


「貴方の配下は便利な能力持ちが多いからね、居るでしょ覗きが得意なやつ?」


「ヴィネとグシオンね、まぁいいわ好きに使いなさい」


 会議が終わり部屋を皆後にする。


 ケルベロスがルナに会いに来ていた。


「ルナ〜!会議終わったのか?」


「あら、わざわざ迎えに来てくれたの?」


 ケルベロスは尻尾を振って喜ぶ。


「しっ城の警備交代したから、会いに来た!」


「ケルちゃん私達は北の要塞に配置されたから、明後日から移動よ」


「わっ分かった!ん?移動は転送陣?」


「他にも連れて行くし、補充や交代の兵士も考えたら移動は途中まで馬車ね」


 ケルベロスは不満そうにしている。


「どうしたの?」


「他のヤツ居たらルナ抱けない‥」


 ルナの顔が真っ赤になる。


「そうだけど、途中までだから2週間程度よ?我慢しなさい」


(こういう所はまだまだ子供なのよね)


「う〜〜!なら!なら!今日一杯したい!」


「わっ分かったから声!声が大きい!」


 ケルベロスは嬉しそうに飛び跳ねる。


(ケルちゃん若いから相手をするの大変なのよね‥)



      

        それから2週間後


 ライラ達がマルレーンに到着し4日が経っていた。


「ママ〜兄様達動かないね?どうする〜?」


「今は待つしか無いね、町中で戦う訳にもいかないし」


「うちがササッと攫っちゃ駄目?」


 リリスは影を自由に操れる、眷属達も普段は影に仕舞っている。


「う~ん‥他の3人の動きが読めないから、まだ様子見にしましょう」


「郊外に出たら気兼ね無く襲える、お嬢はそこでディアスを攫ってくれ」


 エリザの発言にリリスはビビっている。


「エリちゃんこっわ!襲っちゃうのね」


「まぁ敵だと確定してるからな、手加減する必要も無い」


「う~ん‥話し合いとか出来ないのかな?戦うのはその後でも」


 ライラはまだ疑っている、3人は人間ではないのかと。


「相変わらずライラ姉は優しいな、取り敢えず一発殴れば人間かどうか分かる‥話はそれからでも遅くない」



        ディアス 一行


 4人は夕食を取りながら明日の出発時間を相談していた。


「ディアス明日は朝から移動する、東の山を日中に超えたい」


「迂回せず直接山越えか、大丈夫かな?」


「何とかなるっしょ!うちら強いし」


 話をしているとシータが飲み物を運んで来た。


「皆お待たせ〜はい、ディアスはこれね」


「ありがとうシータ」


 シータは飲み物を配るが、勿論ディアスの物には体質を変える薬が混ぜられている。


(そろそろ体が変質し始める頃‥聖地への移動も明日から、着く頃には器が完成ね)


「ザザッーピッ!聞こえるか‥こちらロー」


 食事中に突然短距離通信が入る。


(こちらラムダ聞こえてる、今は食事中だ少し待て)


「すまない少し外すよ」


「兄貴トイレか〜?飲み過ぎだぞ〜」


「おい、食事中だぞミュー」


 ミューはケラケラと笑っている。ラムダは裏口から外に出る。


「こちらラムダ、外に出た緊急事態か?」


「!?外は不味い中に戻るんだ!監視がいる」


「了解」


 ラムダは酔った振りで軽く伸びをし深呼吸をすると中に戻る。


「ロー、相手の情報は?」


「他の2人も聞いてるな?絶対に警戒モードに移行するな勘付かれる」


「パイの餌で大物でも釣れたか?」


「ウプシロンの千里眼での観測情報だ、恐らく最上位、他にも2人近い力を観測した」


 ラムダの顔が険しくなる、最上位に加え更に近い力が2人‥今のラムダ達では対応出来ない。


「ラムダ予定変更だ、目標の移送を最優先に私とウプシロンで足止めをする」


 ラムダは席に戻るとディアスに先に休む事を伝え、ミューと2人宿に向かう。


「ね〜?相手が仕掛けてこないの変じゃない?」


「確かに‥ミューの言う通りね」


「今夜仕掛けて来なければ‥ロー罠を張れるか?」


「貴重だが高位悪魔用の拘束具が1つある、最上位を攫うんだな?」


「あぁ用意しておいてくれ、最上位を捕食型に食わせたい。女ならシグマが喜んで喰らうだろう」


 捕食型が強い者を食べると、進化型のラムダ達にも解析データ共有で飛躍的な強化が行われる。


「ね〜何でわざわざシグマに?」


「お前は知らなかったな‥アレは女なら細胞迄貪り尽くす、桁違いな解析能力で詳細なデータが取れる‥まぁ餌食になる女は哀れだがな」


「えぇアイツそんなにヤバいの?」


「ミューは知らない方が良いよ‥」


 シータの言葉に男達は黙ってしまった。


「皆黙らないで」


「すっすまない‥話が逸れたな、ロー罠の設置は任せる」


「あっあぁ、後で設置場所のデータを送る通信終了」


 ラムダとミューは部屋に入ると隠していた武装を取り出す。


「ヒートソードとバリアシールドどちらも問題な〜し」


「レールガン起動確認、異常無し」


「ね〜ラムダ〜コレ最上位に効くかな?」


「蝿で実証済みだ問題無い」


 2人は武装を折り畳みマントに隠れるように背負う。


「明日の為にシミュレートを朝までやるぞ」

「了解、直接神経ケーブルを繋ぐね」


 ミューは腕からケーブルとコネクタを出しラムダと繋いだ。


      シータとディアス宿への帰り道


 2人は並んで星空を見上げながら宿に向かっていた。


「わ〜見て見て!星がキレイだね〜」


「ホントだ今日は月が無いからよく見えるね」


(さて‥折角盛り上げてるんだから少しは反応しなさいよ)


 シータは振り向きディアスの顔を覗く。


「ねぇ‥ディアスは私の事どう思ってる?」

「えっ!?」

「ずっと聞きたかったの」

「俺は‥シータが‥」

「好き?それともミューが好みだったり?」


 ディアスは思い切って告白する。


「シータが好きだ!愛してる!」

「ホント!?嬉しい‥私も愛してるわディアス」


 2人は抱き合い唇を重ねた。


(ようやく男漁りの日々から開放されそうね‥永かったわ)


「ねぇディアス‥私の部屋に行かない?」

「だっ駄目だ!まだ早いよ!」


(は????女性からの誘いを断るの?あぁイライラする‥)


 シータはディアスの腕を取りアピールする。男を魅了する能力も全開で使う。


「駄目かな?」

「ほっほら明日は出発で朝早いし、そういうのは今度な?‥は‥はははっ」


 ディアスのその一言でシータは冷め切った。


(私は貴方を捕らえる為に作られた‥その私の誘いを断るのね、そうそんなに私に魅力が無いの‥)


 シータは女神から「魅了」「メタモルフォーゼ」「簡易同化」の能力を授かっている、男なら確実に虜になる力だが。ディアスの態度はそのプライドを傷付けた。


「そうだね、じゃあ先に戻るね!お休みなさい」

「あぁ、お休みなさい」


(許さない‥絶対に絶望させてやる‥)


 シータの顔が醜く歪む、ディアスへの仕返しとばかりに幾つもの計画を考える。



       翌朝 聖地地下施設


「ただいま〜パイ様のご帰還よ〜」


 右腕を無くしボロボロのパイが帰還した。


「お〜これはこれは酷いやられようだな、修理は手配してる直ぐに向かうぞ」


「あら〜シグマお久しぶり〜準備イイわね〜」


 2人は並んでメンテナンスルームに入る。


「パイよ魔王のデータをマザーに転送しろ、全体共有するぞ」


 パイは椅子に座りコネクタに接続する。


「今の所は‥取り敢えずこんな感じね〜」


 ルークとのやり取りや腕を千切られた時のダメージに、そこから予測されたルークの強さが数値化される。


「お前よく生きてたな?腕なんて小枝みたいに折られてるじゃねーか」


「もっと褒めても良いのよ〜」


 扉が開きカイがメンテナンスルームに入って来た。


「データ見たわよ、とんでもない化け物みたいね‥」


「カイよ、そう言いながら顔が笑ってるぞ?」


「あら?私としたことが‥でもしょうが無いわ、ここ迄唆られる研究対象はそう無いわよ?」

(捕食型の宿命ね、魔王の魔力を食べてみたいわ)


 また扉が開きアルファが入って来た。


「パイご苦労だった、次の作戦迄待機していろ」


「は〜い」


 シグマが以前パイに言っていた、ある事をアルファに切り出す。


「なぁアルファよ、あの蝿野郎喰っても良いか?」

「「えっ!?」」


 女しか食わないシグマが自分を曲げてまで行動しようとしていた。


「お前の「精密解析」なら貴重なデータが取れるが‥どんな風の吹き回しだ?」


「イヤ〜他にも最上位の女達が居るんだろ?喰ってみてぇよ、極上の女達を喰うためなら我慢するさ」


「良い覚悟だ、それならコレを見ろ」


 アルファがウプシロンから送られて来た画像を出すと、その画面にシグマが飛び付く。


「‥美しい‥まるで俺の理想を形にした様だ‥オイ!コイツは何処にいる!?」


 そこにはライラが写っていた。


「目標に食い付いた最上位だ、予定通りならコイツを捕まえる」


「オイオイオイ!コイツを喰っても良いのか!?ガハハハ最高だ!!くぅ~見れば見るほどいい女だ!」


 ゴクリ‥シグマの喉が音を立てる。


「シグマ涎が出てるわよ〜」


 シグマは涎を拭くとライラに見入る。


「コイツはどんな顔するんだろな‥あぁ〜楽しみだ!オイ!いつ送られてくる?」


「早ければ今日の昼頃だが‥現地のラムダ達ではまず勝てない、シグマあの蝿直ぐに食えるか?」


「任せろ!極上のディナーが待ってるんだ、生ゴミだろうが喰ってやるよ!」


「解析が終わったら直ぐにマザー経由でデータ共有しろ、ラムダ達の強化が間に合えば、あの女が手に入る」


 シグマは勢い良く部屋を出るとベルゼブブの元に走る。


「アルファはシグマの扱いが上手いわね」


「アレの能力は貴重だ、ヘソを曲げられる訳にはいかないからな」


「でも〜この女訳あり何でしょ〜?」


「ああ、目標の母親だ」


「なるほど‥序に魔王も誘き出すつもりね?」


 カイがため息をつく。


「はぁ、捕獲が成功したら怒り狂う魔王が相手‥ラムダ達は全滅するかもね、助かるのはワープ持ちのローだけ」


「そうだ‥目標と母親の回収が最優先だ、既にローには伝えてある」


「あ〜怖い怖い」


「カイ!もしもの時の為にシグマの緊急停止コードを発行しておけ」


「そうね、捕獲に失敗したら確実にシグマが暴れるわよね‥」


「コードを拒絶した時はお前の絶対命令権を使え」


「了解」


 ディアスを餌に誘き出されたライラ達、事態は最悪の様相を見せていた。



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