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動き出す天使達


    時は少し戻り強制転送されたルナ達


「ここは何処?明るいけど何も無い‥」


 2人は見渡す限り何も無い空間に転送されていた。


「なっ何か居るルナ気を付けて」


「出てきなさい!居るのは分かってるのよ!」


 目の前の空間から2人の悪魔が現れる。


「此処には入りたくないけど仕方が無いね」


「我の空間で死ねるのを光栄に思え」


 ルナ達は武器を取り出し戦闘態勢を取った瞬間。


「なっ何これ!?武器が‥」

「!?何もしてないのに壊れた!」


 2人が構えた瞬間武器は跡形もなく崩れ去った。


「ハハハ!無駄だ我の世界ではそんな物に価値は無い!」


「何をしたの?言いなさい!」


「冥土の土産だ教えてやろう」


 ニヤつく悪魔を隣の悪魔が釘を刺す。


「ベリアル能力の開示はいただけないね、足下掬われるよ?」


「フェネクスお前は慎重過ぎる例えバレても対応出来ん、この空間に入った時点で奴らの負けだ」


 ルナは思考を巡らせる2人の話から能力を推察するために。


「そんなに強力な能力なら死ぬ前に知りたいわね」


「我の空間ワースレスフィールドは価値が無いと認識されると物質は崩壊し魔力の行使も不可能になる、最強の能力だ!」


(今の言い回しはおかしい、価値が無いと認識?誰が?多分ベリアルと言ったアイツの価値観だ)


 フェネクスがヤレヤレと肩を竦める。


「話し過ぎだよベリアル、多分その女は答えに直ぐたどり着くよ」


「そうねお陰様でもう分かったわよ?」


「るっルナ凄い!」


 ルナは自分の服を摘みながら。


「私達の服が崩壊しないのはあなた達も能力の対象だから、魔力を使えないのもお互い様とすればあなたの価値観が判断基準ね」


「何故そこまで‥」


「あなた達此処には入りたく無いって漏らしてたでしょ?」


 ベリアルは悔しそうな顔で歯軋りをしていた。


「ベリアルこの女は危険だ」

「そのようだな‥」


(魔力も武器も使えないのはアイツの価値観‥なら!)


「良い事教えてあげる、この子は魔王の子よ?」


「「は?」」


 ベリアルがケルベロスを魔王の子と認識した途端。


「ルナ!魔力が使える!戦えるよ」


「しまった!クソッ!フェネクスアイツを抑えろ女は我が殺す!」


 フェネクスはケルベロスに飛び掛かる。


「なっ何だコイツ?戦う気が無い?!」

「そうだねあの女が死ぬ迄君を拘束出来ればいい」


 ケルベロスは全力でフェネクスの脇腹を殴り飛ばす。


「ぐふっ!?」


 フェネクスの右脇腹が吹き飛ぶ、魔力障壁が張れない以上ケルベロスの一撃は致命傷だ。


「はっ離れろコイツ!」


 ケルベロスは殴り続けるが拘束は解けない、それどころかフェネクスは直ぐに再生していた。


「無駄だよ僕は不死身死ねないんだ」

「離せ!ルナ!ルナー!」


 羽交い締めにされるケルベロスの視線の先でルナが弄ばれていた‥


「グハハ!さっきの威勢はどうした!?」


「五月蝿いわね‥この!!」


 ルナは魔力を込めて殴るが何も起きない。


「お前の魔力は無価値!何も出来ないまま死ね!」


 ベリアルは渾身の一撃をルナの腹に叩き込む。


「ガハッ!!」


 崩れ倒れたルナの足を持ち地面に叩きつける。


「ギッッ!!」


「グハハ!弱いな弱すぎる」


 ルナは倒れたままベリアルを睨みつける。


「何だその目は?自分の立場が分かってないのか?」


 ルナの頭を持ち上げ顔に近づける。


「プッ!!」

「キサマ‥ただでは殺さんぞ!」


 顔に唾を吐かれたベリアルは怒りに震えていた。


「仲間の目の前で耐え難い屈辱を与えてやろう」


 ベリアルはルナの服を両手で掴み破り捨てた。


「せめていい声で鳴け」


「嫌!離して!イヤッ!」


 ベリアルがルナに覆い被さろうとしていた。


「イヤ!助けて‥誰か‥」


 ケルベロスは何度もフェネクスを殺すが拘束は解けない。


「離れろ!邪魔だ!」


「諦めな?ほら見なよ仲間もベリアルに負けたようだ」


 ベリアルがルナに覆い被さろうとするのを見てケルベロスが咆哮を上げる。


「グオオオオオオオォォォォ!!!!」


(ルナを守らなきゃ!オレがオレが!)


 ケルベロスは父ルークの言葉を思い出す。


「お前は俺の力をまだコントロール出来ない、その首輪は力を抑える物だ必要無くなったら壊せ」


「と父さんどうやったらオレも力を上手く使える様になる?」


「俺の力は憤怒‥怒りだお前もそれを受け継いでいる、本能に従え目の前の敵を焼き尽くせ」


 ケルベロスは透明な首輪を握りつぶす、ルークの魔力で見えなくしていた枷が外れる。


「大人しくしなさいあの女の次は貴方ですよ」


 ケルベロスはフェネクスの顔を掴むと魔力を込める。


「無駄ですよ?僕は不死‥えっ?」


「死なないなら永遠に苦しむといい‥」


 フェネクスの体が漆黒の炎に焼かれる。


「何だこれ?熱い痛い!そんな僕は痛みを感じないはず‥嘘だ!嘘だ!アアアァァァ!消してくれ痛い熱い苦しい!!?」


 フェネクスは初めて味わう苦しみに悶え転がり続ける。


「イヤ!助けて‥誰か」


 ベリアルの顔がルナの胸に近づいたその時。


「何をしている‥」


「ガッッ!キサマどうして!?」


 ベリアルは頭を掴まれ後ろに投げ飛ばされた。


「ケルちゃん?」


 ルナは今にも泣きそうな顔でケルベロスを見つめる。


「ルナもう大丈夫オレが守るから」


 ケルベロスは脱いで左手に持っていた自分のコートをルナに渡す。


「その姿どうしたの?」

「これがオレの本当の姿みたいだ、生まれ変わった気分だよ」


 ケルベロスの髪は黒く燃え両手の甲には狼頭の紋様が浮かんでいた。


「フェネクス!何をしている!?」


 ベリアルが振り向くと、そこにはのたうち回るフェネクスが居た。


「助けてベリアル!この炎消えないんだ!助けて!」


「待っていろ‥[我の世界で炎は無価値]!」


 炎を無価値と定義したベリアルだが黒い炎は消えない。


「何故だ!?その炎は何だ?」


「消える理由無いだろ?それは憤怒の具現化だ」


 ベリアルは振り向きケルベロスを見るとその力の差に愕然とする。


「キサマその力は‥」


「お前のお陰で目覚めたよ魔王の力が」


「たっ助けてくれ!我はこんな所で死ぬ存在では無い!」


 その言葉にケルベロスの怒りが更に加速する。


「オレのルナを辱めて助けろだと?」

「女か?女が欲しいならいくらでも用意する!その女より美しい奴らだ!だから助けてくれ!」


 その言葉が最後だった。


「消し炭になれ‥[ダークインフェルノ]」


 ベリアルは黒炎に包まれた、動けず声も出せず魂まで焼かれる。


「ベリアル!ベリアルー!僕を助けろー!」


「お前も燃え尽きろ‥」


「あっ‥」


 フェネクスも黒炎に魂まで焼き尽くされ消滅する。


「ルナ!ごめん遅くなって」

「ケルちゃんありがとう」


 ケルベロスはルナを抱きしめる。


「今だから言うよルナ愛してる誰にも渡したくない!」

「えっ!私貴方から見たらおばあちゃんよ?」

「そんなの関係ない!」

「でも貴方に相応しい相手も‥」

「ルナが良い!守りたいって思ったら力が湧いてきたんだ!」


 ルナは少し困った顔をしている。


(ベルの事どうしよう‥でも6年経っても何も進展無いのよね)


「オレじゃ駄目かな?」

「そんな事無い!」

「ルナ愛してる!これからも一緒に居たい!」


 ケルベロスの真っ直ぐな瞳に嘘は無い。


「もう仕方がないわね、私を幸せにしてくれる?」

「約束する絶対に幸せにするよ!」

「これからよろしくねケルちゃん」

(さようならベル)


 2人はキスをし抱きしめ合うと足下に転送陣が現れ強制転送された。



「ここは?外に出られた?」


 2人は辺りを見渡すと突然空からベルフェゴールの声が木霊する。


「ケルベロスー!!その女は私のものだー!」


 2人は空を見上げる。


「ベル?」


 殺気を放ち襲いかかるベルフェゴールにケルベロスが立ち塞がる。


「どういうつもりだベルフェゴール?」

「黙れ犬ごときが!その女は私のものだ!」


 ベルフェゴールはルナを指差す。


「ルナは誰のものでもない!」

「ベルどうしたの!?」


「黙れ‥黙れ黙れ黙れ!!」


 ベルフェゴールの顔が醜く変貌する。


「その女を渡せ!今すぐ犯し尽くす!」


 その言葉にケルベロスが黙っている筈もなく‥


「死にたいのか?二度目はないぞ?」

「さっさと寄越せー!!」


 2人は睨み合っている。


「ベル落ち着いて!何があったの!?」

「五月蝿い!お前も私に惚れていただろ?さっさと股を開けよ!」


「二度目はないと言ったぞ!」


 ケルベロスの一撃がベルフェゴールの顔面を捉える。


「ガハッ!」


 そのまま殴り続け地面に叩きつける。


「ぐっゲホゲホ‥この犬が‥」


 ベルフェゴールはまだルナの方を見る。


「美しい私が女に傅くなどあってはならないんだ!だからお前がっ」


 ケルベロスの追撃が脳天から打ち込まれた。


「いい加減に黙れよ」


 ケルベロスは頭上に居る父に問う。


「父さんコイツ殺してもいいよね?」


「構わん好きにしろ、嫉妬に墜ちた姿など見るに耐えん」


「待ってルーク!ベルは混乱してるだけよ!」


 ルークはルナの方を向き首を振る。


「そいつはもう駄目だ良く見るんだ」


 頭を上げたベルフェゴールの顔を見て2人は絶句する。


「おんな!ギギ‥わだじはずっどまっだんだぞ!うづぐじいわだじが!」


 醜悪なその姿に以前の美しさはもう無い。


(これがベルの本性‥普段は押しが強い私がベルに奥手だったのは‥何処かでこうなると予感していた?)


 ベルフェゴールの姿が醜いゴブリンの様な姿に変わる。


「滅茶苦茶にしてやる!オレの子供沢山産ませてやる!ギギギ!ギギギ!」


「最上位としての格すら失ったか‥哀れだな」


 ベルフェゴールだったものはケルベロスに攻撃を放つ。


「ゲヘヘ!死ね!断空刃‥あれ?出ない?」


「消し飛べ!」


「あっ‥」


 ケルベロスの一撃で跡形も無く消滅した。


「うっうう‥ベルどうしてこんな事に‥」


 ルナは大粒の涙を流している。


「ごめん、ああするしか無かった」

「ケルちゃんは悪くないわ!形はどうあれ私達の関係を知ったら同じ事になっていたはずよ」

「こうなると知ってたらベルフェゴールを選んでた?」

「私が選んだのは貴方よ!」


 ケルベロスはルナを抱きしめる。



       上空ベルゼブブとルーク


「使えないゴミめ!性欲に負けゴブリンにまで堕ちるとは情けない」


「どうする?助けはもう来ないぞ?」


 ベルゼブブは戦闘形態に姿を変える、ベルフェゴールにさえ出さなかった形態を。


「相変わらず醜いな」


「黙れ!俺の全力なら今のキサマにも届く筈だ!」


 黒い外骨格に覆われ蝿のような外観に強大な魔力、周辺の環境にも影響を与え森の木々が枯れ始める。


「さあ始めようかサタン!!」



      教会から避難した天使達


「セシリア様準備が整いました!何時でも行けます」


 エルフ達は装備を整え戦いの合図を待っていた。


「目標は最上位魔族!サタンもしくはベルゼブブ2人の悪魔何方かを捕らえることよ!弱った方を狙いなさい!」


 味方に指示を出しルーク達の方を向いた瞬間。


「ご苦労様でした‥貴方は用済みです」


「えっ?」


 ドスッ! 背後から槍が突き立てられセシリアの体を貫通した。


「ぐふっ‥るっルシア?これは‥」


「ベルゼブブにはもう後がない、天獄への扉も開かれる貴方はもう邪魔なの‥ごめんなさいね」


「この私に逆らうの!?4大天使のこの私に!」


 ルシアは槍に理力を流しセシリアを葬る。


「アアアァァァ!消えるこの私が消える‥」


「貴方は私を元に創った存在なの実験の為にね」


 ルシアは光に包まれると真の姿を現す。


「この姿も久々ですね、ようやく羽を伸ばせますわ〜」


「ガブリエル様サタンの戦いに介入されますか?」


「放っておきなさい、それより西の魔王城に向かい天獄の門を開きます」


 エルフ達は次々に天使に姿を変えガブリエルを先頭に西に飛び立つ。



       ルークvsベルゼブブ


 戦いが始まり数分力は拮抗していた。


「殺れる!今のサタンなら殺れるぞ!」


「100%の力が出せないとはいえ舐めるなよ?」


 2人の力がぶつかり合う。


「砕け散れ!アトミックインパクト!」


「喰らい尽くせ!」


 無限の魔力と無限の暴食が拮抗する。


「くそ!埒が明かんな」


「俺の腹は満たされんぞ!もう終わりか!」


 膠着状態の2人はガブリエルの存在に気づく。


「なっ!天使それもセラフだと!?」


「天獄の門が開いたのか!?そんなはずは!」


 西に飛び立つ天使達を2人は見つけた。


「何が起きている?」


「しまった!俺が居ない間に門を開くつもりか!」


 2人は動けない不用意に動くとどちらかが死ぬ。


「サタンここは休戦にしないか?」


(どうする?魔王城にはマモン達が攻め込んでいる筈だ、そこに天使達が後から攻めたら全滅の可能性が‥)


「見逃せと?このチャンスに?」


「天獄の門が開けばミカエル達がやって来るぞ!」


(4大天使が集まれば今の戦力では太刀打ち出来ないか‥)


「良いだ‥」


 ベルゼブブの提案に同意しようとしたその時。


「強制転送!?ナニカ来る!」


 ルークの目の前に右上半身を失ったモリガンが転送された。


「ルーク様‥皆を助けて‥」


「モリガン!直ぐに治してやる」


 ルークはモリガンを抱きかかえる。


(今だ!)


「サタン!勝負は預ける次はその首頂くぞ!」


 ベルゼブブは超高速で戦場を離れた。


「何だ回復が遅い?モリガン誰にやられた!」

「てっ天使に6枚の羽の‥」

「馬鹿な!ガブリエルはまだ飛び立ったばかりだぞ」

「ルーク様お父様を助けて!このままだと皆殺される‥うっ‥げほっ」


 モリガンは大量の血を吐く。


「即死しなかったのが不思議な位だ‥モリガン俺の血を吸え!」

「でっでも‥」

「夫の俺が許す」

「はっはい!」


 モリガンはルークの首に齧り付き魔力を吸う。


「よし、回復してきたなもう大丈夫だ」

「ルーク様、プレゼントのチョーカーのお陰で助かりましたアレが無かったら‥」

「魔王城に向かわせた者達に俺と繋がりがある者を選ばなかった俺のミスだ」


 ルークはケルベロスの元にモリガンを下ろす。


「ケルベロス2人を守りながら城に戻れ!出来るな?それとディアスは捨て置け」

「任せて!」

「ん?ケルベロス見違えたな‥力のコントロールを覚えたか?」

「ルークこの子凄いわよ最上位にも引けを取らないわ」

「流石俺の子だ!」


 ケルベロスはルナの肩を抱く。


「オレ!ルナと結婚する!いいよね?」

「ちょっと!今それどころじゃ」

「大切にしろよ?ルナよりいい女は居ないぞ?」

「うん!幸せにする!」

「そんな事より早く向かいなさい!」


 ルークはモリガンを抱きしめる。


「城で待っていてくれ、皆を助けてくる」

「本当に?信じていいの?」


 モリガンは今にも泣きそうだ置いてきた家族が心配でたまらない。


「約束だ」

「んっ待ってる」


 モリガンを撫でるとルークは自分の影からリリスを引っ張り出した。


「パパ!いきなり引っ張らないでよ!」


「お前はケルベロス達と城に戻れ雲行きが怪しくなって来た」


「は〜い、ワンちゃんよろ〜」


 ルークは空に飛び上がり力を開放する。


「全力だ!間に合えよ!」


 音速を越えた爆音と共にルークの姿は地平線の彼方に消えた、西の地で何かが起きていた‥




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