強襲ベルゼブブ
翌朝ディアス一行
一夜明けディアス達は聖女に会う準備をしていた。
「ルナ私達は追われてる身だ、今聖女に会う必要は無いのでは?」
ベルフェゴールが疑問を呈する。
「ここが戦場になったら嫌でも会うしその前にディアスに現実を見せないとね、あの子聖女とかに憧れてるわよ」
話をしているとケルベロスが合流した。
「おっおはよう!」
「ケルちゃんおはよう、よく眠れた?」
「うっうん!」
ルナはケルベロスがお気に入りだ我が子のように可愛がっている。
「ルナ今日も可愛い!」
「フフありがと」
「‥‥」
ベルフェゴールはその光景が酷く気に入らなかった。
「おはよう皆早いな」
ディアスが部屋から出て来た。
「ディアス様おはようございます」
「ディアス準備が出来たら出発するわよ」
「いきなり押しかけて会えるのかな?」
ルナは過去の事を話していない。
「大丈夫よ私が居るから嫌でも会えるわ」
ディアス達は教会に向かう。
教会の応接室
ディアス達は聖女セシリアと対面していた。
「お久しぶりねルナ元気にしてる様で安心したわ」
「お互い様ね」
2人の顔は笑っていても空気は凍りついていた。
(こいつは天使だな他にも居る地上に残った残党か‥)
ベルフェゴールは隠れている天使達を警戒する。
「るっルナこいつ臭い!」
「「なっ!?」」
場が一気に凍りつく。
「今なんと仰ったのかしら?」
「この子鼻が良いのよあなた香水つけ過ぎじゃない?」
「この香りの良さが分からないなんて、育ちが悪いのね」
セシリアは自慢げに髪をかき上げる。
「あの始めまして!ディアスです聖女様に会えて光栄です!」
セシリアは緊張しているディアスを見て既視感を覚える。
「何処かで会った事あるかしら?」
「彼はルークの子よ魔力で感じない?」
セシリアは魔力を探る。
「確かにルーク様の魔力を感じる‥それに変質してるけどライラの魔力も、そうあの2人の子ね‥」
セシリアの表情が怒りに変わる、求めていた魔王の子を眼の前にして。
「あのセシリア様俺は‥」
「黙りなさい!私への当てつけですか?」
「その顔だと研究上手く行ってないみたいね」
聖女としての顔が見る見る剥がれていく。
「調子に乗るな小娘!私を誰と」
睨み合いの中突然ケルベロスが叫ぶ。
「敵が来る!」
「「!?」」
ドーン!!応接室の壁が建物ごと吹き飛ぶ。
数分前
「ベルゼブブ様魔王の息子を見つけました、天使と会っている模様です」
「この地には天使の残党が居たな‥まさか手を組むつもりか?そうはさせんぞ!」
「貴様らは魔王の息子を確保しろ!俺はベルフェゴールを殺る!」
「正体不明の敵の対応はどうされますか?」
「これだけ探して見つからんなら探しても無駄だ」
「はっ!目標の確保に向かいます」
ベルゼブブ達は教会に強襲をかけた。
教会応接室
壁が吹き飛び敵が一斉に飛び込むと共に各勢力が動き出す。
「なっ何だこいつら」
「ディアス様!私の側に!」
ベルフェゴールがディアスを守るように立ちふさがる。
「これは強制転送!?」
「ルナ!オレも一緒に!」
敵の強制転送に捕まったルナにケルベロスが飛び付き共に転送された。
「ベルフェゴール!!」
音速を超えた速さでベルゼブブがベルフェゴールを引き剥がす。
「ぐっ!!ベルゼブブか!ディアス様ー!」
セシリア達は一斉に退避していた。
「戦えるものは準備しなさい!最上位のサンプルも手にいれるわよ」
ディアスは破壊された応接室から外に飛び出す。
「皆何処だ!?」
「余所見してんじゃねぇぞ!!」
振り降ろされたハンマーを咄嗟に躱す。
ドゴーーン!!爆音と共に地面が隆起する。
「ちっ!躱したか」
ディアスの目の前に2人が降り立つ。
「何なんだお前達!?」
「俺様はバルバ」
「バルバトス!遊びに来たんじゃ無い!さっさと攫うぞ」
「オイ!フルフル自己紹介くらい良いだろ」
「時間の無駄ださっさと済ませるぞ」
2人は魔力を全開に高める。
「取り敢えず手足砕いて動けなくするか」
バルバトスが一気に距離を詰める。
「お前達の目的は俺なのか!?」
攻撃を躱しながらディアスは敵の強さを探ろうとしていた。
「時間稼ぎはさせん![アースサンダー]!」
地面から無数の雷が立ち昇る。
「ぐうぅぅ!?こんなもの」
ディアスは魔力障壁を張りながら範囲外に飛び出した。
「ハハ!!これでも喰らえ〜!」
バルバトスの渾身の一撃をまともに受けてディアスは地面に叩き潰された。
「ガハッ!」
「まずは足からだ!」
グシャ!ディアスの左足が踏み砕かれた。
「ああぁぁぁ!!!」
「ハハハ!弱いなお前本当に魔王の息子か?」
悶え苦しむディアスにフルフルがトドメの雷を打ち込んだ。
「[デッドリーサンダー]!」
「ぐっ!があぁぁぁ!!」
ディアスは全身から煙を上げ気を失った。
「予定通りにコイツを運ぶぞ、バルバトスお前が担げ」
「えぇオレかよ?」
「お前は飛ぶのが遅すぎる、さっさと担げ急ぐぞ」
「仕方ねぇなぁ」
バルバトスがディアスを掴んだその時、目の前の空間が割れた。
数分前異空間
ディアスを見ていたルークは幻滅していた、自分の息子の弱さに。
「情けない‥この程度の敵にも勝てないのか」
「あはは!兄様カッコ悪〜あんなのに負けちゃうの?」
ルークは腕を組み悩んでいた、助けるべきか。
「ねぇパパ?うちがアイツらやっちゃっていい?」
「ん?そうだなリリスの強さを見るチャンスか、ちゃんと殺すんだぞ?」
「任せて!行ってくるね!」
ルークは異空間をディアスの場所に繋げる。
空間に亀裂が入り中からリリスが現れた。
「なんだキサマは?」
「気を抜くなバルバトス!あの空間の奥になにか居るぞ」
「ああ!ヤバいのが居るなゾクゾクしてきた!」
2人の悪魔はリリスには見向きもせず空間の奥を見ていた。
「ちょっと〜?どこ見てるの?あなた達の相手はうちだよ?」
「は?小娘には用はない!邪魔するなら‥」
バルバトスが言い終わる前にリリスの一撃が顔面を捉えた。
「ブッ!!」
「バルバトス!?」
バルバトスは教会の壁を貫き民家に激突した。
「あはは!ダッサ!隙だらけだよ〜」
「コイツ![サンダーバイト]!」
無数の雷蛇がリリスに噛みつく。
「そのまま感電死しろ!」
「ん〜?ちょっとピリピリするかな〜?」
「なっそんな馬鹿な!?」
リリスの高すぎる魔力抵抗にフルフルの雷が負けていた。
「次はうちの番だね!」
「まっ待て!」
リリスの腕に闇が集まる。
「お返しするね![シャドウバイト]!」
フルフルの足下から闇の牙が全身を噛み砕いていく。
「ギィィアアアァァァ!!!!」
ドーーン! 瓦礫を吹き飛ばしバルバトスが戻って来た。
「フルフル!」
「遅いよ?もう死んじゃった」
「キサマ!ただで済むと思うなよ!」
バルバトスはハンマーを投げ捨てた。
「オレの肉体強度は最上位悪魔に迫る!勝てると思うなよ!」
「へぇ〜強かったらうちの眷属として可愛がってあげる!あっちのお世話もしてあげるよ〜あはは」
「巫山戯るなよ‥クソアマが!」
バルバトスは全力で殴りかかる。
「きゃっ!もう〜暴れすぎ」
リリスはバルバトスの攻撃を全て躱している。
「逃げるな!」
「当てて見なさいよ!ほらほら」
リリスは挑発的にお尻を見せる。
「クソが!」
バルバトスの攻撃は当たらない、スピードに圧倒的な差があった。
「もう飽きちゃった〜つまんないから死んでいいよ」
リリスは指を鳴らした。
「おいで!私の眷属!」
その言葉を皮切りに闇の中から悍ましい姿のナニカが数人現れた。
「なんだコイツら‥」
「どう?私のオキニだよ耐えられたらあなたも入れてあげるね」
黒い魔人がバルバトスに襲いかかる。
「グウウゥゥ!!アアアァァ!」
「離せ!クソ!オレに触るな!!」
バルバトスは魔人に押さえつけられ闇に引きずり込まれようとしていた。
「頼む!助けてくれ!オレはこんなのになりたく無い!!」
「え〜?何で?耐えられたらうちのオキニになれるのに〜?」
「助けてくれ‥頼む‥」
リリスはその情けない姿を見て興味を無くした。
「もういいよ殺して、冷めちゃった」
「まっ!」
魔人はバルバトスを八つ裂きにした断末魔さえ叫ぶ間もなく。
「流石俺の娘だな良くやった!」
「パパ〜見てた?うち強いでしょ!」
リリスはルークに飛び付いた。
「ご褒美欲しいな〜」
「全部終わったらな」
「やった!」
ルークはディアスに近づく。
「蝿共がこいつの情けなさを知ったらどんな顔するかな?」
「兄様の子を産んでも弱いって事?」
「まあなディアス自身潜在能力の1割も引き出せてないからな、それよりリリスが攫われたら不味い」
「兄様はどうするの?」
「置いていく役に立ちそうもないからな」
ルークは直ぐに異空間に潜り込む。
(見つけた‥妾と魔王の子‥)
「うっ‥俺は?敵!敵は何処に」
ディアスは飛び起き辺りを見渡すが周囲に何もいない。
「何が起きたんだ‥俺は助かったのか?」
現状が飲み込めないディアスの前に突如小さな女神像が現れる。
「これは‥女神像?」
(妾の声が聞こえるかの?答えよディアス)
「女神像から声が聞こえる」
(妾は女神フローラそなたの本当の母)
その声にディアスは衝撃を受けた。
「女神様が俺の本当の母!?」
(我が子よ聖地で待つ)
「聖地‥それに母‥」
ディアスが考えていると空の爆音で現実に戻された。
「アレはベルフェゴール!そうだ皆まだ戦っている」
首都上空
「ベルゼブブ!貴様はここで倒す!」
「ベルフェゴール!俺に勝てると思うなよ!」
空中で巨大な魔力がぶつかり合う。
「切り裂け!鎧袖一触!」
「喰らい尽くせ!」
ベルフェゴールの斬撃をベルゼブブはその言葉通り食べていた。
「俺は全てを喰らい尽くす!攻撃は無駄だと思え!」
「ならこれはどうだ?断空刃!」
ベルフェゴールの斬撃が飛ぶ。
「無駄だといっ!」
その斬撃は空間ごとベルゼブブを両断していた。
「ぐごががっぐううう!」
縦に2つに別れた体を強大な魔力で繋ぎ止める。
「はぁはぁはぁ‥この700年遊んでいた訳では無いと言う事か」
「そう言う事だ‥空間ごと切れば魔力障壁も貴様の暴食も関係ない!」
(ベルゼブブ様準備が終わりました)
ベルゼブブはニヤリと笑った。
「ベルフェゴールよ俺の仲間にならないか?」
「巫山戯るな‥貴様はここで死ぬ」
「まあ聞け、カイム出て来い!」
ベルゼブブの後ろからカイムが現れた。
「お初にお目にかかりますベルフェゴール様‥カイムと申しますお見知りおきを」
「今更雑魚が増えた所で!」
カイムは手を上げ降参の意識を示す。
「お待ち下さい戦う意思はありません、それより大切な話があります」
その言葉を聞きベルフェゴールは落ち着きを取り戻し戦闘態勢を解く。
(くくく‥馬鹿めカイムの術に墜ちたか)
「これから話す事は貴方に取って受け入れ難いものになりますが、真実でごさいます」
「言ってみろ」
「貴方の想い人ルナ様はケルベロスと愛し合っています」
「なっ!本当なのか!?」
「はい‥残念ながら」
「クソ!あの犬がルナに手を出しただと‥」
カイムの力は[真実]言葉を聞いた相手に全て本当だと思い込ませる、攻撃能力や生存能力を捨てた故に格上にも通じる力。
「彼処を見ろベルフェゴール!カイムの言葉が真実な証拠だ!」
ベルゼブブは転送陣で飛ばしたルナ達を呼び戻す。
「なっ‥ルナ本当に‥」
地上に転送された2人は抱きしめ合っていた。
「よくも私を裏切ったな!」
「ベルフェゴール様我々の仲間になればルナ様を独占出来ますよ、貴方のお望みのままに欲望のままに」
「俺のものに出来る‥俺の」
ベルフェゴールは最早まともな判断が出来ないでいた。
「ケルベロス!!!その女は私のものだーー!!」
ベルフェゴールはケルベロスに向かって襲いかかって行く。
「カカカ!墜ちたな!」
「ベルゼブブ様後は如何されまっ!?」
カイムは消し飛ばされていたルークによって。
「久しぶりだなベルゼブブ‥殺しに来たぞ」
「サタン!何故此処に!?」
ベルゼブブはベルフェゴールを呼び戻そうとするが、カイムが死に既にコントロール外になっていた。
「クソ!役立たずが!」
「さあ終わらせようか」
悪魔の頂上決戦が始まろうとしていた‥




