決着
ルナvsキマリス
ルナは墓場の様な場所に転送されていた。
「アナタが私の相手って事ね」
「そうだね僕はキマリス死霊使いだ、お前も僕のコレクションに入れてあげるよ」
「あら残念ねこんな所じゃ死体なんて何処にもないわよ?」
2人の魔力が高まる。
「ハハ!僕をネクロマンサーやリッチなんかと同じにするなよ、見せてやるこれが死そのものだ!」
キマリスが死霊を呼び出し合成していくそのおびただしい数にルナは驚いていた。
「どれだけ死霊を集めたのよ悪趣味ね」
「それだけこの世界に怨念が溢れているんだよ」
死霊達は1つの存在に生まれ変わる、死そのモノを感じさせるバケモノに。
「魂そのものをガードして無かったら見ただけで死んでたわね、さてどう戦おうかしら」
「ハハ!コレと戦う気でいるのか?コイツは死なない無駄だよ」
キマリスは既に勝者の笑みを浮かべている。
「それはどうかしら?」
「殺れ!そいつを呪殺せ!」
死霊から無数の手や鎌が生えルナに襲い掛かる。
「オオォォォォォォ!!」
「よっと!はっ!」
ルナは踊るように攻撃を躱していく。
「逃げろ逃げろ!それに触れたら終わりだぞ」
「落ちろ天雷!」
ドーーン!爆音と共に愉悦していたキマリスに雷が落ちた。
「ぐううぅぅ!?」
「アナタ馬鹿ね?自分は攻撃されないとでも思ったの?」
「何だと!僕は馬鹿じゃ無い!」
ルナは死霊を無視しキマリスだけに攻撃を始める。
「風刃乱舞!」
「クソッ!こんなヤツに!」
キマリスは無数の刃に斬り刻まれる死霊は助けに来ない。
「思った通りね‥この死霊アナタも攻撃対象になるみたいね、アナタに張り付くと全く動かなくなった」
「五月蝿い死ね〜!」
キマリスは鎌を出し襲い掛かるがルナも槍で受け止める。
「死霊だけに攻撃させて高みの見物なんて、攻撃に参加出来ませんって言ってる様なものよ?」
「くっ黙れ!黙れ!」
2人は接近戦を始めると死霊は完全に停止した。
「あら?自立型ですら無かったの?そうよね自分に向かって来たら怖いものね、フフフ」
「僕を馬鹿にするな〜!」
キマリスの鎌がルナを両断する、ルナは血飛沫を上げその場に倒れた。
「ざまあみろ!僕を馬鹿にした罰だよ!ハハハ」
「どうやら良い夢でも見ているようね‥」
ルナはキマリスの前に立っている死霊も消滅しその場に2人、キマリスは虚ろな目でボソボソと何かを呟いている。
「魔族のくせに幻術対策もして無いなんて馬鹿ね」
ルナは戦闘開始から強力な幻覚作用のある匂いを周囲に撒いていた透明で無臭な厄介な魔法、キマリスは接近戦でそれを大量に吸った時点で敗北していた。
「じゃあね」
ルナは槍でキマリスの首を跳ねる呆気ない決着だった。
「さて皆を探さないとね」
次の瞬間空間に衝撃が走る轟音と共にルークの魔力を感じた。
「ルーク見境なしに暴れてるわねダンジョンが崩壊しそう」
ルークの居る空間
「ハハハ!もう限界だな修復が間に合っていないぞ?それコイツも受け取れ!」
ルークは何度も何度も強大な魔力を撃ち出す、ダンタリオンの夢幻迷宮は崩壊を始めていた。
「サターーン!!もう止めだ我が直接相手をしてやる!」
「ようやくお出ましか」
ダンタリオンは姿を表しその力を開放する。
「中々の魔力じゃないか前の奴らとは大違いだぞ」
「直ぐに我を殺せたのにその余裕後悔するがいい!」
ダンタリオンの姿が変わっていくルークの姿に。
「何のつもりだ?」
「我は相手の能力そのものをコピー出来るのですよ!今の我は魔王そのもの!己の力に滅ぼされるがいい」
ルークの顔がニヤける自分が相手なら手加減しなくて良いと全開で魔力を開放する。
「直ぐに壊れるなよ!初めての本気だからな!」
「力が同じなら負けるはずは無い!」
魔王同士の魔力がぶつかり時空が悲鳴を上げる。
ライラ エキドナvsセーレ
薄暗い部屋に2人は転送されていた。
「ライラ様私の後ろに」
「皆とバラバラになっちゃったね」
2人の前に奥からセーレが現れる。
「ああつまらない!俺の相手がこんな雑こっ」
「爆ぜろ!」
ドーン!セーレの上半身が爆発するエキドナの先制攻撃が見事に決まった。
「舐めて掛かるからです後悔しなさい」
「エキドナさん相手まだ何か言ってたよ」
煙が晴れセーレの姿が見える、その表情は怒りに満ちていた。
「イライラさせやがって!なぶり殺しにしてやる」
「ライラ様は逃げる事を優先して下さいコイツは私が何とかします」
「駄目だよ!一緒に戦おう」
「逃がすわけ無いだろ?お前達を辱めて魔王を後悔させてやるんだよ!」
セーレは剣を何処からか取り出すとエキドナに向かって投げる。
「そんなもの!」
エキドナは簡単に避けた次の瞬間右の太腿に剣が突き刺さる。
「うぅああぁぁっ!!」
「エキドナさん!」
「フハハハ!さあドンドン行くぞ何処まで耐えられるかな!」
セーレは次々と剣を飛ばすまるで遊ぶように。
「だったら!」
ライラは剣に向かって走り出し消える前に叩き落とす。
「馬鹿では無さそうだな‥だが迂闊に近寄りすぎだ!」
セーレはライラの顔を蹴り飛ばす。
「グッッ!」
ライラは吹き飛び部屋の壁に激突するとその場で気絶した。
「確かお前が魔王の妻だったな‥そこで寝ていろ後で悲惨な目にあわせてやる」
「スネークバイト!」
エキドナの右腕が巨大な蛇に姿を変えセーレに噛み付いた。
「何かやったか?」
「そんな!牙が消えた!?」
蛇は確かにセーレを噛んでいたが牙が途中から消えている。
「俺は転送を自在に操れる攻撃は届かないと思え」
「くっそれでも!」
セーレが手を前に出すとエキドナの首を捕まえる距離は最早関係無かった。
「うぅっ!」
(この距離なら)
エキドナは左手を無数の蛇に変えセーレの腕に噛み付く、しかし牙は届いていない。
「だから無駄何だよ!ほらさっきの続きだ!」
セーレは剣を出しエキドナに投げる。
(剣を落とせば!)
エキドナの攻撃が届く前に剣は虚空に消えエキドナの腕に突き刺さる。
「ぐっあああぁぁ!!」
「良い悲鳴だ!もっと泣き叫べ!」
セーレは鬱憤を晴らすようにエキドナを甚振る、エキドナに無数の剣が突き立てられ無惨な姿になっていく。
ルークvsダンタリオン
「ハハハ!どうしたそんなものか!?」
「ぐっ何故だ!同じ力の筈だ!」
ルークをコピーした筈のダンタリオンは終始押されていた。
「そろそろ終わりだ!」
ルークはダンタリオンの腕を掴み渾身の一撃を放つ。
「アトミックインパクト!」
空間が裂ける程の一撃でダンタリオンの体が半分消し飛ぶ。
「グアァァァァ!!何故だ何故だー!」
「自分より強い力をコントロール出来ると思ったのか?お前が真似たのは上辺だけだ、所詮モノマネだな」
「クソッ!クソー!我がこんな所で負けるのか‥レヴィアタン様申し訳ありません」
「お前達アイツの配下か?」
「我が君を!この‥ブッ」
ダンタリオンは顔を消し飛ばされ即死している。
「黒幕が分かればお前に用はない」
夢幻迷宮が消えて行く‥仲間達の魔力を感じるとルークは激昂する、エキドナが死にかけている。
「エキドナ!今行く」
エキドナは全身に剣が突き刺さり鮮血に染まっていた。
「もう限界の様だなつまらないな」
「はぁはぁ‥ゔっっ」
エキドナは大量の血を吐く。
「お前はもういいあの獣人を辱めるか、魔王はどんな顔をするかな‥フハハ!」
セーレはライラに近付き服を破り捨てる。
「ヒヒヒ‥良い体してるじゃないか!楽しめそうだ!」
セーレがライラの体に触れようとした瞬間ダンジョンが崩壊するダンタリオンが死んだ証だ。
「なっ!ダンタリオンが死んだのか!?他の奴らは何を!」
相手を甚振っていたセーレは仲魔の確認をしていなかった。
「誰も居ない‥まさか殺られたのか?そんな馬鹿な!」
自分の置かれた状況が理解出来ず判断が遅れた次の瞬間辺りに結界が張られた、もう逃げられない。
「また合ったな‥」
悍ましい程の魔力にセーレは凍り付く後ろを振り向けない。
「あっあぁ‥はぁはぁ」
「2人をなぶって楽しかったか?」
ルークはエキドナを起こし回復魔法を掛ける。
「うっ‥ルーク様‥」
「良く耐えたな」
2人は抱きしめ合いエキドナの頭を撫でる。
「ライラ様が!」
「大丈夫だ間に合った」
ルークとエキドナはセーレの横を通りライラを起こすとコートを掛ける。
「あれ?ルーク?私‥きゃっ何で裸なの!?」
「間に合って良かった」
「ライラ様申し訳ありません私が居ながら」
「2人ともルナ達を探してくれこの辺りに居るはずだ」
「ルークはどうするの?」
「アイツに用がある」
ルークは後ろのセーレを親指で指す。
「殺すの?」
「当然だ、もう少し遅れていたらライラを汚されていた‥それに俺のエキドナを甚振ったお返しをしないとな」
「ルーク様!」
「もう隠す必要は無い!」
「やっぱり2人は‥」
「ああ隠していて悪かった後で話す」
「うん、色々聞きたいルークが最近変わった事も」
「気付いていたか」
「当然だよ!ずっと見てるもん!」
ルークはライラにキスをするとセーレの方を向く
「エキドナ後を頼む」
「お任せ下さい」
2人が離れ結界の外に出るとルークはその怒りを爆発させる、憤怒の化身と呼ばれたその力を示す。
「たっ助けて!めっ命令されてやっただけなんだ!」
「お前の死は確定している、これからゆっくり少しずつ死なないように殺す」
セーレは恐怖で失禁していた以前の魔王とは別人になっていた事そして助けは来ないことに。
「お願いじまず!ごろさないで!」
「勝手な事を‥散々エキドナを甚振っておきながら自分の番になると命乞いか!悪魔としての矜持は無いのか?」
セーレは平伏し許しを請う
「あの魔物と変わらんなお前達は」
ルークはミノタウロスの事を思い出していた
「さあ始めよう‥生まれてきた事を後悔するがいい」
「イヤだー!ぐるなー!」
セーレは子供の様に泣き喚くそこには魔族としての威厳すら無い、これから地獄そのものを味わう絶望に唯泣くしかなかった‥
1時間後
ルークは地下から外に出るとライラ達を見つける。
「皆無事の様だな」
「ルーク様!遅かったな〜何してたんだ?」
「貴方の事だから何か調べてたんでしょ?」
ルナとエリザが遅れてきたルークに何があったのか聞くと思わぬ返答に困惑する。
「いや?最後の1匹を拷問していた」
「「えっ!」」
「俺のライラとエキドナを甚振ったんだ死ぬまで後悔させないとな」
ルナがその言葉に反応する。
「エキドナ!?何でアイツまで俺のなの!?」
「言ってなかったなエキドナを妻に迎えた」
「「なっ」」
「どうしてそうなるの!?私やエリザじゃ駄目なの!?」
「俺は魔王だ配下達を安心させるために純粋な魔族から妻を娶る必要がある」
「私だってもう魔族よ!」
「仲間内で結婚しても魔族達は納得しない」
ルナは納得出来ず涙を浮かべ抗議する。
「ルナ様‥ルーク様は離反するものが現れない様に先手を打ったのです、この半年で魔族達は不満を貯め続けています、いつ爆発してもおかしくない位に」
「なぁライラ姉は良いのか?」
「良くないけど‥魔族達が不満を貯めてたの知ってるから反対はしないよ」
(やっぱりライラ姉は都合の良い女なのか?男達が願った存在なのか?)
「ここで言い合っても解決しない、戻ってから話そう」
ルークはライラ達とは別の馬車に乗ると王都に向けて出発する、少し経った頃エキドナから提案される。
「ルーク様ハーレムを作ってはどうです?」
「俺はアスモデウスとは違うぞ?」
「ルナ様達を愛していないのですか?」
少し考える。
「少し違うかな仲間だからな大切だが愛とは違う」
「そうですか‥難しいのですね」
「エキドナ俺のことは呼び捨てで良い」
「駄目です!そこを越えたらルナ様達が傷つきます!」
「そうか‥お前は本当に頭が良く回るな」
「それが私の役目でしたから」
力の弱いエキドナだがその賢さからメフィストに登用されていた、そして弱いからこそ誰からも相手にされなかったのも事実である、魔族は力こそ全てエキドナは強い子を産めないと長年1人だった。
「ルーク様今更ながら私で良いのでしょうか‥」
「不安になったか?」
「はい、弱い私で魔族達は納得するでしょうか?」
「なら強い子を産めば良い誰にも文句は言わせない、蝿共や天使と戦うためにもな」
「はい!必ず立派な子を産んでみせます!」
ルークは魔王としての自覚に目覚めていた、大切なライラを守る為にも先ずは魔族達を纏め上げる、仲間に非難されようとも‥




