順調な裏で
ルーク達が王国に着いてから1週間が経とうとしていた、ルークとライラの里帰りも終りエリザ達の魔族化も成功し順調だったある日。
「お嬢さん方体の調子はどうじゃ?」
「マモン爺!滅茶苦茶調子良いぞ生まれ変わったみたいだ!」
「私は大して変わらないわね‥魔力の総量が増えた位かしら?」
エリザとルナの魔族化が終り2人はマモンの診察を受けていた。
「そうかそうか問題無さそうじゃな、よし2人共ルークと会っても良いぞ」
「やった!」
「やっと会えるのね」
2人は魔力が安定するまでルークとの接触を禁止されていた感情が昂ぶると暴走する恐れがある為だ、診察が終わると2人はルーク達の下に報告に向かった。
「ルーク様〜!」
廊下からエリザの声がする。
「この感じは2人共成功したようだな」
コンコン!!部屋の扉が勢いよく開いた。
「ルーク様!魔族化終わったぞ!」
「エリザ見違えたな!その魔力凄いじゃないか」
「マモン爺が言うには始祖に近付いてるらしい‥よくわかんないけど」
「この単細胞が始祖なんてヴァンパイアも終わってるわね」
「何だと〜!もう1回言ってみろ!」
「2人共やめなさいルークが困ってるでしょ!」
「2人共元気そうで何よりだ」
4人は久しぶりに会い近況報告やこれからの話を始める。
「ライラ姉達は里帰りしてたのかオレ達ずっと研究所で退屈だったよ」
「そう?結構面白い所だったわよ、お馬鹿な貴方と違って私は色々勉強になったわ」
「ルーク様コイツムカつく!」
「まあまあ、これからも一緒に旅をするんだ喧嘩も程々にな?」
「まだ旅する気なの?今の貴方ならその力で何でも出来るでしょ退屈なだけよ?」
魔王に目覚めたルークには最早、最上位魔族や四大天使位しか敵がいないルナは旅の意味を指摘していた。
「そうだな強くなるより世界を見てみたい、それに女神の魂を持つ存在と女神そのものに会いたい旅の目的はそれかな?」
「私が女神の力に目覚めたから他の魂持ちも探せるよ!他の魂達もルークに会いたいはず」
「会ってどうするの?保護するって事?」
「皆でルークのお嫁さんになれば皆幸せになれる女神の魂もそう望んでるはずよ」
「ライラ姉はそれでいいのか?」
「??」
ルークとライラはその問いに何も疑問を感じていなかった、魔王と女神に目覚め2人が変わった事を感じるエリザとルナだった。
「ステラ女王と話し合ったんたが俺が救世主となった事を逆に利用する事にした、まだ顔は殆ど知られてないそこで魔族をルークとして騎士団に送り込む、人間達の拠り所にしようと思う」
「人間達を騙すのね魔王らしいわ」
「おいルナそれは言い過ぎだろルーク様だって‥」
「その通りだ人間は何かに縋らないと生きていけない、その為のシステムを作る救世主や勇者は皆好きだろ?」
「ルークどうしたの?私の愛した貴方はもっと人間臭かった!悩んだり後悔したりそれでも前を向いていた!今の貴方は達観しすぎてる」
ルークは魔王となり日が立つにつれて人間らしさを失っていた、ライラも同じ様に女神になりつつある。
「俺らしく無い?俺らしく‥」
「ルーク大丈夫私が居るから」
エリザとルナはその空気に耐えられず部屋から出る。
「2人共どうしたんだ?ライラ姉もおかしかった」
「ライラは仕方がないわ、アレは人から生まれた女神男達が願った都合の良い女そのものよ問題はルークね」
「ルーク様このままだとヤバいのか?」
「以前のルークをぶん殴ってでも起こさないと、このままだと魔王そのものになるわよ」
「どうしたら良い?」
「マモンに話を聞きましょう、ルークの事何か知ってるかも」
2人は地下の研究所に向かった以前のルークに戻すために。
「どうした2人共血相変えて何かあったのかの?」
「マモン爺聞きたい事があるんだ!」
「ルークがまるで別人よ?アレは何」
「おやもう影響が出おったか」
「何か知ってるの?」
マモンは魔王サタンについて話しだした。
「アレは魔族の頂点!力の象徴!憤怒の具現化とまで言われた存在だったが女神に触れた事で別人になってしもうた」
「それがあの達観した人格?」
「まあそうじゃな、アレはルシファーとも呼ばれておったな」
「以前のルーク様には戻せないのか?」
「戻せるぞ?なんじゃそんな事かホレこれを飲ませると良い飲み物にでも混ぜるんじゃな、それにあの女神にも効果があるぞ」
「それ大丈夫な物なの?」
「眠っている元になった人格を呼び起こすだけじゃ、酷く不味い位で体には影響無いぞ」
「ありがとうマモン爺!大好きだぜ!」
「ホッホッホ照れるわい、それにワシもあんなサタンは見たくないからの‥あのままだと何れ求心力も無くなるじゃろう」
薬を貰った2人はお茶に混ぜルーク達の部屋に戻って来た。
「さっきはごめんなさいルーク、お茶を淹れてきたの仲直りしましょう」
「気にしていないよありがとう」
以前の2人ならバレていたが今は上位魔族感情も読まれない上手く隠せている。
「メフィストから美味しいお菓子も貰ってきたわ」
「ルナちゃん私もいただくね」
2人は薬の入ったお茶を飲んだ次の瞬間。
「「うっ何だこれ不味い!」」
(何だ頭がチカチカする感情が湧き上がってくる)
「ルナ!何だこれ何飲ませた!滅茶苦茶不味いぞ!」
「ルナちゃんこれ舌が痺れるよ〜」
「2人共気分はどう?目が覚めたんじゃない?」
ルークとライラは顔を合わせる。
「あれ?2人共魔族化はどうしたんだ?」
「もう終わったの?」
「どうやら戻って来たようね」
「良かった!いつもの2人だ」
ルナは今までの事の説明を2人にする、ルークとライラはここ数日の記憶が無いらしい。
「俺達にそんな事が‥」
「その薬で戻ったのね」
「2人がまた変わったらこの薬を飲ませたら良いのか?」
「いや大丈夫だ、人格を守る為に魂と精神をガードする変質しないように出来るはず」
2人は目を閉じ自分に魔法をかける何者の影響も受けない様に、その時自分の中に外との繋がりを見つけた。
(何だ?この先に誰か居る?誰だ)
繋がりを辿ろうとしたが途中で切られてしまった。
「これでよし、俺は俺のままだ」
「良かった!ライラ姉は?」
「私も大丈夫!」
「ほんと貴方達世話が焼けるわね」
ルークはメフィストを呼び最近の自分の事を聞いて驚いていた、内政を任せると言ったはずが何から何まで指示を出していた、流石のメフィストもおかしいと感じ話は進めていなかった。
「ルーク様の変わりように不審な点があったので話は止めておりました、やはり何かの影響を受けていたのですね」
「お前を選んで正解だった、アレは俺の意思ではない誰かの意思だった」
「調べますか?」
「向こうから繋がりを切られた、もう手は出して来ないだろう」
「それでは人間達を扇動するのでは無く協力して行く方向に話を纏めます」
「ああその方針で頼む」
「救世主に関してはどうされますか?」
「暫く俺が救世主をやるよ、上級魔石が流通すれば勇者や英雄も増えて救世主も埋もれていくだろう、後言い忘れたが魔剣や聖剣も放出する」
「良いのですか?パワーバランスが崩れる恐れが」
「時を見て上位の魔物を出し始めてくれ、人間達を鍛え上げる」
「マモン様に伝えておきます、それとご報告が」
「何かあったのか?」
「いえ、改造サイクロプスですが処分しておきました」
「あぁアレか、構わないがあの回復スピードはヤリ過ぎだもう少し考えないとな」
「申し訳ありません!」
あのサイクロプスはストレスの溜まった時に代わりに暴れさせていたらしい迷惑な話だ。
メフィスト達との会議が終りベルフェゴールに呼ばれたエリザ達に会いに行く。
「2人にはルーク様を命懸けで守る義務がある!その為に装備を用意した、本来なら私が付いて行くべきだがここの守りもある私の代わりだと思え!」
「言われなくてもルークは私が守るわよ」
「マモン爺と違ってこの人五月蝿いんだよな」
「聞いてるのかお前達!それにあの女神だルーク様の妻など私は認めない!2人共あの女神の邪魔ならいくらしても許す!」
「コイツ殴って良いか?」
「言われなくてもルークは私が頂くわ」
「おい!」
コンコンコン!
「ベルフェゴール入るぞ?」
「ルーク様!わざわざ御出にならなくても」
「帰りのついでだ2人を見に来た」
エリザとルナは新たな装備をルークに見せる。
「どう?惚れ直したんじゃない?」
「ルーク様見てくれカッコいいだろ?」
「2人共似合ってるよ見違えたな」
ルナがルークの前で説教をする。
「ルーク!纏めて褒めないで私を見なさい!失礼よ」
「お前怖いな、ルーク様困ってるぞ」
「エリザはルークを諦めたのなら黙ってて!」
「そっそれは‥」
ルナの真っ直ぐな強い瞳に思いの強さが込められていた。
「そうだな失礼だった、ルナ思いは変わらないんだな」
「当たり前よ、貴方から告白させて見せるわ」
「ずっずるいぞ、オレだって‥」
ベルフェゴールの顔が見る見る強張っていく。
「お前達までルーク様を狙ってるのか!何たる事だ!許されんそんな事は、ルーク様が汚される!」
「フフン!私はもう一線超えてるのよ!何を今更」
「なっズルいぞお前!」
「あああぁぁ悪夢だ!ルーク様どう言う事ですか!」
ルークが大好きな3人によるお馬鹿な会話に頭が痛くなるルークだった。
西の果て魔王城
「上手くいくと思ったけど失敗しちゃったよベルゼブブ」
「ルシファー様の支配から逃れるとは」
「サタンと女神に残ってた繋がりも今回ので消えちゃった残念だ」
ベルゼブブの提案で2人の精神操作を試みたがマモンの薬で失敗に終わった。
「地下の研究所も結局見れなかったよ、マモンの用心深さは変わらずだね」
「奴は昔から隠し事が多い、目覚めたばかりのサタンは信用していないか?それとも気づいたか?」
「変な飲み物飲んでから精神支配が解けたからどうだろうね」
「カカカ!やはり小細工は面倒だサタンを攫った方が早いな!」
「わかりやすくて良いね、そういう所好きだよ」
「ルシファー様にはアレを開いて貰わなければな、我らの悲願の為に」
「その為にはサタンの魔力を手に入れないとね」
「俺の配下は温存しておきたい、レヴィアタンの下僕を使うか‥」
自分を取り戻したルークとライラ、背後にルシファーが居たとは知らずルナ達のお陰で切り抜ける形になった、そして4人は新たな旅の準備を始めようとしていた。




