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戻らない時間

 ルーク達が捕まり7日が過ぎようとしていた、セシリアは3日程でルークに飽き今は拘束されていた。


「俺に飽きたのならもう開放してくれないか」


「申し訳ありません10日間の約束なので」


「何でそこまでアイツに尽くす?」


 ルナはルークの耳元で小声で話す。


「今はセシリア様に監視されています、飽きれば自室の実験室に籠もるはずです、今は我慢して下さい後でお話します」


(あのクソエルフ覗きの趣味まであるのか最悪だ)


「わかったその言葉信じるよ」


        セシリアの自室


「アハハハ!2人とも仲が良いわね!魔王の器に突然変異の異端児お似合いね〜」


 最早ルークに興味すら湧かなくなったセシリアは動物を見るかの如く眺めながら机を叩く。


「器じゃ満足出来なかった!魔王そのものを復活させないと私は満たされない!でもルークを実験には使えない‥失敗したら全てが台無しになってしまう!あぁそこに魔王が居るのに‥」


 ドス黒い魔力を帯びたセシリアに聖女の面影は無く魔族と何ら変わらない存在がそこにいた。


「あのライラって女を使う?嫌アレは取って置きたいもしもの保険になる」


 セシリアはブツブツ呟いては何かの計画を練りながらルーク達を覗いていた。


「アハハハ!無様ね〜アハハハ」


 セシリアは狂っていた言動はコロコロ変わり真剣に何かを考えるかと思えば、ルーク達を見ては興奮し笑いその目は狂気に染まっている。


「もう飽きちゃった、実験の続きに戻ろうかしら」


 セシリアは自室の実験室に入って行く。


「ルーク様監視は終わったようです」


「あのクソエルフ長々と覗きやがって体が痛い」


 ルークが回復魔法をかけようとするとルナが静止する。


「ルーク様魔力を使うとまた覗かれる可能性があります、疲れたフリをして横になって話しましょう」


「わかった、それで話って?」


 ルナは今までの事を説明するライラとエリザが安全な事、セシリアが言っていたライラとの感覚共有を止めさせた事どれもルークにとって吉報だった。


「良かった2人とも安全なんだな?」


「はい、私以外が部屋に入れない様に結界を貼っています2人に何かするのは不可能です」


「感覚共有をどうやって止めさせたんだ?」


「感覚共有はそこまで強い魔法では無いのですが、女神の魂で繋がっている2人の場合、もしかすると片方が死んだ場合死が共有されて2人とも死ぬ可能性を指摘しました」


「そうかライラは戦場に立つから死ぬ可能性が高い、セシリアはそれを恐れたのか」


 安心したルークだったがルナが何故ここまでしてくれるのか疑問に思っていた。


「何故ここまで良くしてくれる?」


「ルーク様にお願いがあります、いつかこの国を滅ぼして下さい私の願いはそれだけです」


 小柄なエルフから出た憎しみの籠もった言葉に驚きを隠せなかった。


「ここは君の故郷だろ?どうして滅ぼすなんて」


「私にとってはここは牢獄でした」


 ルナは自分の事を話し始める、強大な魔力を持つ突然変異として生まれその力を恐れた女王に地下牢に幽閉され約100年、魔力を封じられ死ぬ事も許されずセシリアに見つけられるまでこの国を怨みながら耐えていたと。


「そんな事が‥死ぬ事も出来ないなんて辛かったな」


(俺の10日間が可愛く見える約100年か)


「今も死ぬ事を許されていません、セシリア様もこの国を滅ぼす気は無いみたいで私の味方は誰も‥」


(100年の怨みを抱えたまま強大な魔力持ちが死ぬと確実にリッチ化する、死を司る存在になればここは死の国になるそれを恐れて自死出来ない様にしたのか)


「何故俺に?」


「ルーク様が魔王と聞いた時あなた以外考えられなかった、私の事を分かってくれると」


 ルナは期待を込めた目で見つめるとルークに軽い暗示をかける。


(ここで拒絶するとこの子は壊れてしまう)


「わかった、ただし条件がある」


「私に出来ることなら何でも」


「俺の仲間になる事、この国を一緒に滅ぼそう」


(何だ?俺は今何と言った?)


 一方ルナは感動で涙を流している、初めて自分の理解者が出来た事そしてこの国に復讐が出来る事に。


「はい!何処までもご一緒します」


「それと頼みがある、ルナの魔力操作は超一流だ俺の師匠になってくれないか?」


「私なんかで良いのですか?」


「ああ、それに俺の中の魔王も屈服させたい協力して欲しい」


 ルークは魔王を自分の支配下に置くことを決めていた、この力に翻弄される位なら力毎食ってやると。


(俺が器なら魔王の魂を丸ごと飲み込めるはずだ、その上で魔王の力だけ頂くその後は‥)


「わかりました、では明日から指導させて頂きます」


「俺達は共犯者だこの事は他の2人には秘密にな」


「はい、2人だけの秘密‥」


 ルナはもう一つだけ要求してきた。


「ルーク様最後に1つだけお願いがあります」


 その目を見てルークはルナの強力な支配と魅了の魔法にかかる油断した所を突かれた、ルークは何も気付かない。


「私も愛して下さい」


 魔王との度重なる接触に女神の魂との繋がりでルークの魂は穢れ始めている欲望に抗えなくなっていた。


(何だ上手く思考が回らない‥)


「わかった愛してるよ可愛いルナ」


「あぁ嬉しい‥フフ‥アハハ」


 

       それから数日


 約束の10日間が過ぎライラ達も目覚めようとしていた、ルークはセシリアと最後の面会をしていた。


「ようやくここから出られる、お前の顔も見なくて済むな」


「あらあら連れないわね〜あんなに楽しんだくせに?」


(思い出すだけで吐き気がする)


「それにルナがお気に入りになっちゃうなんて、ライラちゃん泣いちゃうよ〜?アハハハ!」


「ルナは俺が貰って行くいいな?」


「いいわよその玩具にももう飽きちゃったし、処分に困ってたのよ〜」


 ルナは自分を押し殺しじっと耐えていた、隣のルークにはその怒りが伝わってくる。


「ルナに使った契約の魔法を破棄してくれ」


「いいわよ〜次はあなたが御主人様になるのかしら?」


 セシリアはルナと交わした契約の破棄をする、制約から開放されたルナが叫ぶ。


「セシリア!いつかあなたを殺す!覚えていなさい!」


「キャハハハ!いいわ何時でも来なさい、相手になってあ〜げ〜る〜」


 ルークは今にも飛び掛かりそうなルナを抱き止める。


「ルナ!今はまだ我慢するんだ」


「でも!でも!」


「俺達の目的は何だ?!」


 この国を滅ぼすそれを思い出し怒りを何とか抑えてルナは落ち着きを取り戻す。


 コンコン!扉を叩く音が聞こえてきた、セシリアが指を鳴らすと扉が開く‥この屋敷は見えてはいないがセシリアの力でダンジョン化している何をするにも自由自在。


「ルーク!会いたかった!」

「ルーク様!無事か」


 2人の元気な姿を見て安心すると共に守ってくれたルナに感謝していた。


「2人とも無事で良かった!」


 ライラを抱きしめるがルークには強い嫌悪感が纏わりつく。


(何だコレは‥ライラを抱いてるのに不快だ気持ちが悪い)


「フフフ‥アハハハ!ルーク〜大変ねお大事に〜」


(そうか女神の魂か!クソッ!ライラからセシリアを感じる‥この不快感はソレか)


「ルーク?どうしたの?」


「なっ何でもない!大丈夫だ」


 ルークは怒りでどうにかなりそうだった、自分が汚された事はまだいいが愛するライラまで汚されたようで‥咄嗟にセシリアを睨みつける。


「そんなに怖い顔しても無駄よ?嫌なら捨てればいいのに!アハハハ」


「捨てる?なんの事?」


「ライラは気にしなくていい!」


 もうこんな所には居たくない、3人を連れ外に向う。


「ルーク様もういいのか?ここに用があったんだよな?」


「もう十分だ、2人が眠らされてから10日経ってる聞きたい事も聞けた」


「オレ達そんなに眠ってたのか」


 4人は外に出ると一緒に付いてきたルナに2人の視線が向く。


「その子は?」


「あぁ、この子はルナ俺が引き取った今日から仲間だ」


「「えぇー!」」


 宿を新しく取り2人に今までの事を一部隠しながら伝えた。


「そんな事が私達ルークが救世主になった後の記憶が無くて、2人とも大変だったね」


 ルナが頷く、救世主に指名された後の記憶を消したようだ。


「でもルーク様これからどうするんだ?女神に会いに行くのか?」


「いや、それは出来るだけ避けたい女神の魂の一部であの邪悪さだ、本体となったらどんなバケモノか想像出来ない」


「女神って神聖な存在じゃ無かったのね」


 ライラから感じる女神の力は確かに神聖なものを感じるが、最初のセシリアもその感じだった何か切っ掛けがあるのだろうかルークは明確な答えを出せずにいた。


「ライラ様は確かに神聖な力を宿しています、セシリアはそれを上回る邪心と穢れた魂を持っていました」


「ライラ姉の魂の一部だから穢れてないのもあるって事か、ややこしいな」


「俺には見抜けなかった、ルナはどうだ?」


「私なら見分けが付くと思います」


「頼りにしても良いか?」


「はい!」


 信頼し合っている2人に他の2人はヤキモチを焼く。


「2人とも仲が良いんだね‥」

「ルーク様浮気か!?」


「2人はセシリアの事見抜けなかっただろ?」


「「それはそうだけど」」


 痛い所を突かれて納得したようだ。


「これからの事だけど、エルフの国を出て北の黒い森を目指すその先にある武装都市マーロが目的地だ」


「ルーク本気!?あそこはまだ魔獣のいる危険地帯だよ」


「俺達は今のままだと弱すぎる‥あそこはまだ森に潜む魔獣と戦っている鍛錬には丁度いい」


 黒い森は数少ない魔獣の巣窟腕試しに挑んだパーティーが全滅する程だ、その先のマーロは猛者たちの鍛錬場でもある。


「エリザ!そこで吸魔のコントロールを覚えてもらうそれが出来ないならお別れだ」


「そんな!ルーク様待ってくれ!」


「エリザ様今すぐ捨てられないだけ感謝すべきです」


「なんだと!」


「エリー落ち着いて!ルークもどうしたの急ぎ過ぎよ?」


 ルークは深呼吸をする、確かに焦り過ぎだと思うがエリザの事までカバーする余裕もルークには無かった。


「すまない、正直かなり焦っているこのままだと取り返しの付かない事になりそうで不安なんだ」


「大丈夫だよ!皆で乗り越えていこ?私達パーティーだよ」


 ライラはルークを優しく抱きしめる。


(ライラが愛おしいのにこの不快感‥クソッ!)


 女神の魂がルークにとって完全にトラウマになっていた。


 皆で話し合った後出発の日を決め各自部屋に戻る。


「ルークなんだか久しぶりに会って変わった気がする」


「そうか?ずっと寝てたからじゃないか」


「う〜んそうなのかな?」


 ライラは感がいい薄っすらルークの変化に気が付いているようだ。


「ルーク今日は甘えていい?」


「あっああ」


 ライラとキスをするとライラはそのままベッドに倒れ眠りについていた。


「えっ?コレは‥」


「ルーク様勝手ながらライラ様を眠らせました、幸せな夢を見るように幸福感を高める魔法も合わせています」


 ルークはその場に崩れ落ちる、助かったと安堵していたセシリアの魂その不快感で吐きそうだった。


「クソッ!クソッ!アイツのせいで、俺はライラを」


 悔しさのあまり涙を流すその姿を見てルナはルークを抱きしめた。


「ルーク様には私がいます、私が支えます」


「ルナ‥」


(どうしてこうなった‥あぁ何もかも壊したい)


 時間は戻らないやり直しなんて出来ない、当たり前の事だ世界はそして運命はそんなに甘くは無い、力なき者は受け入れるしか無いそれが嫌なら強くならなくては。


「俺は強くなる誰にも邪魔させない為に」



        エリザの部屋


「定期的に通信しろと言ったはずだ何をしていた?」


「すみません強制的に眠らされていて‥」


「本当に使えないな、それにルーク様が救世主とはどういう事だ?」


「聖女の差し金です、救世主になれば魔王様であることがバレないと」


「あのお方はお怒りだ、救世主になれば嫌でも魔族と戦う事になる直ぐにバレるぞ」


「オレはどうすれば」


「次の指示を待てこちらも対応に追われている」


「はっはい」


 通信が途切れた。



         別の何処か


 メフィストは部下からの報告を聞いていた。


「報告します、エリザとの連絡が戻りました」


「続けろ」


「救世主になったのは聖女の指示だったようです」


「聖女か‥奴の一部と見るべきか、ルーク様を最前線に立たせ覚醒を促すつもりか」


「これからどう動きますか」


「もう隠し通せはせんいずれバレる‥何もかも早すぎる」


「エリザの処遇はどうされますか」


「あのゴミはもう使えん処分しろ」


「はっ!」


「ルーク様を保護する場合の事も考えなくてはな‥蝿共に動きが無いか監視を続けろ」


「はっ!」


 ルークを中心に世界が動こうとしている、聖女に会うと軽く思い立った自分を恨みながら後悔の日々を過ごしたが、ルナとの出会いで何かが変わろうとしている悪い方向に‥




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