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気になる噂

 完全回復してから4日ルークは新聞を買い部屋に戻って来た、飲み物片手に新聞を読んでいると王国が隠していた事件が書かれている。


「この記事は‥騎士団が敗北し村が1つ滅んだ事を隠蔽してたのか、あの騎士団が負けた一体何に?」


 記事を読み進めると事件のあったその村の名前と魔物の名前に驚く。


「場所はニール村!巨大なサイクロプスに敗走した!?アイツに間違いない、これはいつの事だ?」


 内容を詳しく読む時期は約1ヶ月前、丁度ジーバ村近くの森で戦った後だ。


「その後、騎士団長レオン率いる主力部隊により鎮圧、魔禍も浄化されたと‥サイクロプスの事は書いて無い戦わなかったのか?」


「ん〜ルーク?どうしたの?」


「ごめんな起こしたか」


「顔色悪いよ大丈夫?」


「ああ大丈夫だ」


 どうするべきか悩んでいた1ヶ月前ならもう何も手掛かりは残っていないだろう。


(休むと言ったが毎日遊ぶ訳にはいかないなギルドや情報屋で最近の出来事だけでも知っておくか、ライラに心配は掛けたくない1人で行くか)


「ライラ今日は自由行動にしよう」


「それなら新しい服買いたい!毎日同じ服は飽きちゃった」


「良いなそれ、暫くは戦うこともないから好きなの買っていいよ」


「やった!何買おうかな」


(可愛い姿が見られるなら奮発するか)


「はいお小遣い」


 金貨を2枚渡す。


「えっこんなにいいの?沢山買えちゃうよ?」


「可愛い姿を沢山見たいなぁ」


「ありがとう!期待しててね!」


 ライラは支度を始めたルークは忘れていた繋がりの指輪の説明をする。


「そうだライラ大事な事を言い忘れてた」


「な〜に?」


「結婚指輪だけどもう一つ使い道があるんだ、指輪に魔力を込めて相手の事を思うと場所がわかるんだ」


「へぇ〜本当に繋がっているんだこれ」


「ああ、わかるのは近いか遠い位だけどね大体の方向も何となくわかるよ」


 ライラは指輪に魔力を込めてみると。


「ホントだルークの方に魔力が流れてる」


「もし迷子になったらそれを使うといい」


「迷子って私もう子供じゃ無いよ!」


「ははっそうだな」


 2人は一緒に宿を出る。


「それじゃルーク行って来るね〜」


 ライラは元気に走って行った、ルークは取り敢えずギルドに向かう。


 ギルドに入ると掲示板を覗くクエストは少なく人も少ない受付に話を聞く。


「おはよう、今日は冒険者少ないんだな何かあったのか?」


「おはようございます、今まで冒険者達に出していたクエストが兵団の方に集まってまして‥」


「英雄クリフ様にお願いしたいって訳か」


「ええ、兵団に出してもクリフ様が来られる訳では無いのですが、一目会いたいと依頼が殺到してるらしく、ギルドはこの有り様です」


 一躍時の人になったのだから仕方が無い、暫くはクリフフィーバーが続くだろう。


「大変な所申し訳ないが、最近変わった話や噂なんかは無いか?何でもいいんだ」


「最近ですか?少しお待ち下さい」


 受付の男性は手元のノートを確認する、色々な事を記録しているようだ。


「最近だと古い女神像が変色した騒ぎがありますね、それと東のエルフ領で聖女が現れたとかですね」


「聖女?って昔話とかに出てくるあの?」


「ええ、何でも奇跡を起こせるとか、回復魔法でも治せない病気を治したらしいですあくまで噂ですが」


 回復魔法は所詮回復魔法、傷や体力後は状態異常くらいしか治せない、病気や疾患は逆に活性化する恐れがある。


「聖女はエルフなのか?」


「はい、とても美しいとの噂です」


 エルフは森の民、自然に愛された種族だ容姿端麗と長寿でよく知られているが選民思想を持っている過激派がいる。


(聖女か気になるな‥ついでに調べてみるか)


「ありがとう、後は変色した女神像か‥」


「女神像は教会が回収したそうですよ」


「変色した時何か変わったことは?」


「聞いた話だと見てるだけで悍ましく感じたとか、女神像が怖くなったとかですね」


 変色した女神像、坑道にも黒い女神像があった。


(そういえばあの黒い女神像はどうなったんだ?確か回収していたが)


 ルークは当時の事を思い出すと驚愕した。


(顔が思い出せない性別も‥どうなってる認識阻害か!?いやただ覚えて無いだけかどっちだ?)


 ひと月前だ忘れている可能性も大きい合ったのも数時間坑道を出るまでだ。


(性別まで思い出せ無いのは‥)


「教会で聞いてみるか‥」


 ルークはぼそっと呟くと男性が静止する。


「止めたほうがいいですよ、この事に関しては口外しないように言われてます」


「いいのか?既に俺に教えてるが?」


「ルークさんは特別ですよ、クリフ様から良くするように言われてます」


 クリフは様々な手を使い今回のルークの事を隠し通した、それだけでは無く様々な配慮もされていた。


「クリフには直接お礼を言わないとな、世話になりっぱなしだ」


「暫くすると英雄人気も落ち着くと思われますので、その時にでもお会いになってください」


「そうするよ、ありがとう」


 ルークはギルドを出て図書館に向かう事にした。


(ここは昔から栄えていた鉱山都市、古い資料もあるはずだ図書館で調べてみるか)


 案内板を探すが見つからない、大きな街だ地図を買い忘れたのが痛い。


(街中で魔法は使いたく無いが)


「天空より見渡せ[フィールドサーチ]」


 周辺を見ようと探索魔法を使うと今までと違う効果に驚く、魔力の玉は遥か上空今までの3倍は見渡せる。


「なっ!どうなってる‥以前より遥か彼方まで見透せる、しかも魔力感知まで」


(魔力の性質が変わったとはこの事か?)


 強くなったと感じる一方あのナニカに近付いてる気がした。


「喜べないな自分の事も、もっと知らないとな」


 自分が他の人と違うのは先祖があの大魔法使いな位だ、それも調べるために図書館に向かう。


「ここか、思ったより大きいな」


 中に入ると受付に入館料を払う。


「ごゆっくりどうぞ」


 ルークは 女神関係の本 魔族に関する本 魔王と戦った英雄達についての本 そして気になった聖女についても調べる事にした。


(やっぱり新しい情報なんて無いよな‥)


 王立魔法学校に無いものがここにあるはずも無く、空振りに終わるかと思われたが聖女に関してはある一文が目についた。


「聖女は女神と同一視されていた時代があった?あの教会が許すとは思えないが‥」


(しかも聖女は確認されただけでも700年で50人を越える?何だこれこんな話聞いたこと無いぞ)


 何となく手に取った本だが作者が気になり巻末を見る。


(何も書いてない作者不明か)


 詳しく読んでみると荒唐無稽な内容だった、聖女が人間や亜人と結ばれると病気や事故で死ぬなどオカルト全開の内容だ何だこれは。


「真剣に読んで損した気分だ、そろそろ出るか」


 ギルドに情報屋の事も聞いたが今は休んでいるらしい、冒険者も少ないから暫くは待つしか無い。


(結局何もわからないままか)


 次の旅の目的地は気になる聖女の居るエルフの国にするか何かの切っ掛けになるかもしれない。

 

 暫く時間を潰すことにした、公園のベンチに座りゆっくり過ごす。


(ん~~平和だな)



   ルークを遠くから監視する人物が2人いた


「特定が遅れましたがアレがミノタウロスを倒した魔法使いです」


「見覚えがある‥確かジーバ村にいたな、しかもこの魔力は‥あぁ懐かしい、あのお方を感じる」


「ニールでの実験が失敗に終わったのも納得だ、既に目覚めておられたとは」


「どうされますか?捕らえる事も出来ますが」


「黙れ‥貴様如きにどうにか出来る相手では無い!思い上がるな」


「もっ申し訳ありません」


 以前メフィストと呼ばれたデーモンがルークを見つめ一礼する。


「いずれお迎えに上がります、我が主は貴方様のみ!あのまがい物等ではない‥警護を付けておけ!奴らには気付かれるなよ」


「はっ!直ぐに手配します」


 2人は闇の中に消えて行った。


(何か居たな‥隠しきれない強烈な魔力を感じる)


 ルークは気付かないフリをして様子を見ていた、得体のしれない魔力に汗が滲み出る。


「ふ〜行ったか、とんでもないバケモノだ見逃されたと見るべきか」


 ルークの能力は桁違いに上がっていた、以前ならこの監視には気が付く事も無かっただろう、ルークは暫く様子を見た後宿に戻ることにした。


「ただいま〜」


「おかえり!待ってたんだよ!」


 ライラが可愛いワンピースを着てくるくる回る。


(おおおお!可愛い!)


「どう?似合ってるかな?」


「凄く良く似合ってるよまるで天使だ!」


「それは言いすぎだよ〜」


「他にも見せてくれないか?」


 ベッドには沢山の服が並べてあった、買い物は満足出来たみたいだ部屋で小さなファッションショーが始まる。


(あぁ幸せだこの時間が何時までも続いたら良いのに)


 ルークは自分が何か大きな流れに呑み込まれている事を自覚している、この大切な時間を大事にしよういつ何が起きるかわからないから‥




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