表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/122

全ては闇の中

 ルークが歩き出すとミノタウロスがこちらを向く、何かに反応したようだ。


 コイツを倒す(コロス)覚悟ノロイを決めた瞬間自分の中に何か得体の知れないものを感じた。


「フゥー!フゥー!ヴァァァァ!」


 ミノタウロスは大声で威嚇するが何も感じない俺はどうしたんだ?


「何をボーっとしてるんだ!やられるぞ!」


 ドワーフ達が盾になろうと前に出る。


「魔法使いなんだろ!足止めをする何とかしてくれ!」


「なんで邪魔をするんだ、俺の前に立つな‥イライラするコイツらも‥一緒に」


(駄目だ!俺は何を考えている!)


 必死に自分を抑える、宿り木を握りしめ拘束魔法を使おうとイメージした瞬間ミノタウロスが拘束されていた。


「今だ!攻撃を‥」


「邪魔だ下がれ!」


 ルークが言葉を発するとドワーフ達が吹き飛ばされた。


(何が起きてる!?言葉だけで魔法が発動してるのか!?)


 ミノタウロスが絡み付いた木を砕き抜け出そうとしている、このままだとまた暴れ出す。


「吹き飛べ!!」


 ミノタウロスは拘束状態のまま壁に叩きつけられ止まない衝撃波に悲鳴を上げる。


「グゥゥゥァァァ!!」


 その異様な光景にドワーフ達は逃げ出した。


 自分の中に桁違いな魔力を感じながらルーク自身もその光景を理解出来ずにいた。


(俺に何が起きた!この力は何だ?)


「ハハハハハハ!!いい気味だ!」


 貼り付けになった敵を見ながら自分が笑っている、ルークは必死に抵抗をしていた。


「ああああ!忌々しい!俺のーーラーーーラを!」


 自分の中に真っ黒な感情が湧いてくる、これに飲まれたら終わりだと直感する。


(自分を見失うな!この力を使っては駄目だ!)


 衝撃波が止むとミノタウロスが地面に落ちる、ルークはゆっくりと近付いて行く。


(この距離はヤバい一撃貰ったら即死する!)


「グオォォォォ!!!」


 ルークは両手で鷲掴みにされた。


(潰される!?)


 死を覚悟したがその時はやって来ない。


「グッゥゥゥアァァァ!!!!」


 ミノタウロスは全力で潰そうとしているがルークの体は何も感じていなかった。


(まさか‥身体強化だけで対抗出来てるのか?相手はミノタウロスだぞ!)


 身体強化の強化値は20%程だそれが桁違いに強化されていた‥あり得ない程に。


「どうした?終わりか?」


 ミノタウロスに勝ち目は無かったそれを自覚すると手を離し地面にひれ伏す‥


「何のつもりだ?」


 それを見た瞬間ルークの怒りが爆発した抑えていた力が溢れ出す。


「散々ドワーフ達を殺しておいて‥殺されそうになったら許しを請うのか!!」


 ミノタウロスは戦意を喪失しただ嵐が過ぎるのをじっと耐えていた。


「醜い!醜い!なんて浅ましい!許されると思うな!」


 頭を掴み地面に何度も叩きつける、その巨体が宙を舞う再生も既に使い切っていた。


「はぁはぁはぁ」


 ミノタウロスを倒し(コロシタ)ルークは自分の中の何かが落ち着くのを感じた。


(今なら体を取り戻せる!)


「うっ‥ああああぁぁぁ!!」


 その叫び声を聞いたのかクリフ達が助けに来たようだ。


「ルークさん今助けに‥えっ‥」


 素手でミノタウロスを倒した光景に兵士達は化け物を見たような顔をしていた。


「嘘だろ‥まさか殴り倒したのか?!」

「そんな馬鹿な!」

「あり得ない何かの魔法よね?」


 駄目だ取り繕え無い何も言い出せない。


「はぁはぁ、俺は‥」


「ルーク!」


 ライラが飛び付いてきた。


「良かった!生きてる!ルーク!」


「ライラ‥勝ったよ」


(ライラが無事ならそれでいい)


 2人が抱き合ってると強烈な視線を感じた、近くに転がっている黒い石像からだ。


「そこで見ているのは誰だ!」


「誰だとは‥助けてやったのをもう忘れたのか?そなたの闇を起こしてやったというのに」


「この力は何だ?」


「ルークこれ誰の声?」


「ほう!妾の声が聞こえるとは、ん?そなた妾の一部か‥あやつの一部に妾の一部惹かれ合うのは定めか」


「一体何の話をしている?」


「今は気にしなくてよい、その時が来たら嫌でも会う事になる楽しみにしておるぞ」


 声は聞こえなくなった、2人が惹かれ合ったのが定めと言っていた。


「2人とも大丈夫ですか!?」


 クリフの声で我に返るドワーフの救護班が集まって来た。


「コレから声が聞こえてたよね?」


 ライラが拾ったのは黒い女神像だった、救護班の1人が声を上げる。


「女神像を黒く染めるなんて誰がこんな事を!コレは回収して教会で直さないと」


 ドワーフの女性は女神像を回収して行った。


 まだ息のある兵士達を探す捜索も始まった。


「酷い被害だけど終わったね」


「ああ、帰ろう」


 歩き出そうとするとルークはそのまま気絶した。


「ルーク!?ルーク!」



        それから数日後


 ルークは宿で目を覚ます、起きようとするが体が動かない。


「ここは宿か?俺は勝ったんだよな」


 誰かが部屋に入って来た頭を少し動かすとライラが見える。


「ライラ!良かった無事なんだな」


「やっと目が覚めた!」


 あの日から何があったのかライラから詳しく聞いた。


「犠牲者は42名ダンジョンを見逃した事で騎士団や教会から保証の話が来てて、私達も対象らしいよ」


「クリフはどうなった責任を取らされたのか?」


「クリフさんは大丈夫!冒険者達が逃げ出した事も考慮されて、ドワーフ単独でダンジョンを攻略した英雄として迎えられてるよ!」


(ん?ドワーフ単独?!)


「もしかして俺達戦って無い事になってる?」


「うん!そうだよ」


 ライラは何故か嬉しそうだ、あの戦いが記録にすら残らないと聞き頭が痛くなる。


「どうしてそうなったんだ?」


「あの後皆で話し合ってね、ルークのあの力は秘密の方が良いって結論になって‥ミノタウロス殴り倒しましたなんて誰も信じないよ?」


「それはそうだが‥騎士団や教会の保証対象ならそっちには話をしたって事か?」


「私達は協力はしたけど後方支援してたって事になったよ、じゃ無いと報酬が貰えなくなっちゃう!」


 口止め料も入ってるとして相当貰えたはずだ気になったので聞いてみた。


「ライラさん、いくら貰えたのかな?」


「聞いたら驚くよ!なんと金貨100枚!それにギルド報酬の金貨10枚!」


 桁違いの額に驚くと共に夢が膨らむ。


「ライラ!何処かに家を買おう!金貨100枚なら王都に豪邸が買えるぞ!」


「えっと‥実は‥欲しい物があってそれ買っちゃった!」


「多少減っても問題無い!」


 ライラは何やらゴソゴソと取り出した見覚えがある‥


「それはまさか‥」


「うん、ドランさんの最高傑作!」


 買ったのか?これは値段が付いてなかったよな、嫌な予感しかしない。


「いくらだ?」


「えっと、金貨100枚!えへへっ」


 気が遠くなる、ライラって金遣い荒かったのか‥


「返してきなさい!」


「嫌です〜!」


「使いこなせるのか?宝の持ち腐れにならないか?」


「今回の戦いで分かったの私には強い武器が足りないって」


(咆哮で気絶したんだから武器は関係無いだろ)


「仕方が無い‥大切に使ってやれよ」


「うん!大事にするね!」


 話してた間も体を動かそうとしたが全く動かなかった。


「今の俺の体どうなってるんだ?全く動かないのに痛みもない」


「お医者さんが魔力事態が変質してるって、それに慣れて動ける様になるのに2週間リハビリ含めて1ヶ月かかるって言ってたよ?」


 魔力の変質?体質が変わったって事か、これは暫くこの街で暮らすことになるな。


「ここまで連戦続きだったからしっかり休むか」


「起きたばかりで悪いけど、私はもう寝るね」


「ああ、おやすみ」


 ライラがもぞもぞと隣に潜り込み顔を出す。


「まさかここで寝るのか?」


「そうだよ?1ヶ月も2部屋借りるの勿体ないし、それにトイレとか食事はどうするの?」


「それって俺の世話をライラがするって事か?!」


「それはそうでしょ?他に誰が居るの?」


「少し恥ずかしい‥」


「今更何言ってるの!もう数日お世話したのよ?」


 ルークの顔が真っ赤になる。


「ライラは大丈夫なのか?」


「妻を舐めないでよね!それじゃもう寝るねおやすみルーク」


 ルークは感謝と尊敬の眼差しでライラを見ていた。


「おやすみライラ」


(ライラと出会ったのは定めなんかじゃ無い、あの謎の声の事は信じない)


 ルークは隣のライラを見るとある問題に気が付く目の前にライラの顔があるのに全く動けない。


(何だこの状態は‥触りたいのに!撫でたいのに!動けない)


 この状態が少なくとも2週間続く。


(ああ!いい匂いがする!)


(寝顔可愛い!息が!寝息が聞こえる!)


(耳がピクって動いた!可愛い!)


 ルークは自分の煩悩と戦う日々が暫く続いた。



     1ヶ月後リハビリを終えて


「医者の許可も出た!完全回復だ!」


「おめでとうルーク!」


「これからどうするの?何処かに旅に出る?」


「いや‥もっと大事な事がある!」


 ライラを見て言う。


「もう1ヶ月休む!」


「えっ?まだ休むの?」


「毎日食事管理にリハビリ辛かった‥だから自分へのご褒美に遊ぶ!そして夫婦生活を楽しむ!」


「も〜体鈍っちゃうよ?」


「たまにクエストをやれば大丈夫だ」


 休みもだがルークは自分に起きた事やライラの事、黒い女神像や魔禍らしきもの調べる事が山積みだった。


(クリフが英雄になったのならその権力も頼らせて貰う)


 しかしこの1ヶ月で世界も動こうとしていた、ルーク達はまだ何も知らない‥




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ