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少ない手持ちを消費していく

「実は、その近隣で多数の通報が届いてます」

 いきなりそう言われて驚いた。

「不審者に襲われたという通報が届いてます。

 警察からも出動してるんですが、連絡を絶ってる者も多数出てます」

「それは、かなりまずいのでは」

「はい、ですから速やかに最寄りの交番までお願いします。

 警察も動いてるんですが、状況が状況なので」

 どういう状況なのかは聞くまでもなかった。

 少年が見た、既に死んでいた二人の警官。

 それが答えだろう。



「分かりました、急いで交番までむかいます」

 そして、途中で出会った不審者に発砲した事も伝えた。

「すいません、ナイフを使ってきたので」

「それは、正当防衛にはなると思いますが。

 状況を撮影した動画などはありますか?」

「ええ、あります」

「それなら、後で提出お願いします。

 確認をするので」

「はい、お願いします。

 それと、今後も襲われたら銃を使ってもいいですか?」

「おすすめはできませんが、やむをえないならば」

 歯切れが悪いが、これは仕方ないと納得する事にした。

 バンバン撃ってくださいとは言えないのは少年にも分かる事だった。

 ただ、悲惨な状況なのは分かってるのだから、もう少し融通をきかせてもらいたかった。



 その後も不審者を避けながら進む。

 とはいって、逃げる方向を塞ぐように出て来るのだ。

 排除するには、銃を撃って倒すしかない。

 次の遭遇で、少年は銃を使った。

 不審者は倒れた。

 死んでるとはおもう思えなかったが、それでも一応は倒れて。

 しばらくは起き上がらないと思いたかった。



 ついでに、手にしたナイフも蹴り飛ばす。

 無くなれば攻撃手段も消えるだろうと。

 不審者から離れたところで手にとり、そのまま持っていく。

 拾われたら厄介だ。

 もっとも、刃渡り30センチを超える物騒なシロモノだ。

 警察に見つかったらいいわけできない。

 この状況だから、多少は理解はしてくれるかもしれないが。



 だが、行く手にはやはり不審者があらわれる。

 どういうわけか、奪ったナイフまで持っている。

 なお、少年が手にしたナイフは少年の手元にある。

 それとは別のナイフを持ってきてるようだった。

「どうなってんだよ」

 疑問を持ったがすぐに頭を切り替える。

 今は目の前の脅威をどうにかしないといけない。



 銃弾を撃ち込む。

 倒れたところで逃げる。

 逃げた先でまたあらわれる。

 そんな事を何度も繰り返す。

 だんだんと弾丸が心許なくなってきた。

 交番も近づいてきたが、たどり着くまでに銃弾が切れるかもしれない。

 そうしたらどうするのか。

 考えても答えは出てこない。



 連絡がとれなくなった、おそらくは殺された警察官を探すという手もある。

 拳銃を確保すれば、逃げるやすくなる。

 探してる時間はなかったが。

 警察官がどこで死んでるのかなんて分かるわけが無い。

 探してる間にも不審者に追いかけられる事にもなる。

 そこまでして銃弾を集める必要があるのかどうか。

 集めても不審者から逃れる事ができるのか。



 そもそも、安全な場所があるのか。

 逃げても逃げてもついてくる。

 そんな不審者がやってこない場所があるのか?



 そう思いつつもひたすら逃げる。

 無駄な努力でも続けていく。

 まだ死にたくはない、ただそれだけで。

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