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不審者を銃で撃つ

 不審者がいる可能性もあったが、それでも家に入っていく。

 最悪、いたとしても何とかなる。

 あまり使うべきではないだろうが、拳銃があればどうにかなる。

 そう思って家に入り、玄関で靴を履く。

 携帯電話も回収し、外に出る。

 警察に電話して、現状を伝える。



 通話に出てくれた警察官に事情を伝える。

 大きなナイフをもった不審者がいること。

 そいつがやったと思われる警察官の死体があったこと。

 身の安全のために、拳銃と警棒を手にしてること。

 隠してもあとで問題になるだろうから、事情は包み隠さず伝えた。



 ついでに、死んだ警察官のところに戻り、画像撮影。

 それを警察に送って状況を伝える。

 さすがにそういう事ならと、拳銃と警棒の所持と使用も認めてもらえた。

 ただし、可能な限り使わず、出来るだけ交番に急ぐよう伝えられた。

「それと」

 さらに警察は情報を伝えてくる。

「その二人以外にもそちらに向かった者達がいるんだが。

 連絡がつかなくなってる。

 襲われた可能性がある」

 少年の肝が更に冷えた。



 殺人事件が起こってるのだ。

 調査の為にそれなりの警察官がやってくる。

 それが到着してないという事は、おそらく不審者が何かしたのだろう。

 殺されていた二人の警察官のように。

 それを考えると恐ろしくなる。

 相手は警察ですらためらう事無く殺すのだと。



 回りを確かめながら進む。

 武器があるとはいえ、できるなら使いたくない。

 使ったら後が面倒になりそうだからだ。

 相手が不審者ならためらわず使いたいのだが。

 現代日本ではそう簡単に武器は使えない。



 一応、証拠になるように動画は取っているのだが。

 それもどこまで通用するか分からない。

 なので、基本は隠れて移動する。

 警戒しながら進む。

 これが最適となる。



 一番良いのは不審者が消えてる事だが。

 それは考えられない。

 ここまでしでかしてる奴なのだ。

 簡単に引き下がるとは思えなかった。

「出て来るよな、絶対」



 その言葉通り、不審者はあらわれた。

 少年の前に。

 そんな不審者に、少年はためらわず向かっていく。

 何もしてこないならそれで良い。

 何かしてくるなら銃を使うだけ。

 むしろ、変に何もしないでいるよりは、何かしてくれた方が良いとも思う。

 銃を使う理由ができるからだ。



 距離が縮まる。

 不審者が動く。

 手にしたナイフを振りかぶってくる。

 それは動画として撮影している。

 証拠にはなるはず、正当防衛の。

 少年は拳銃を構えて引き金を引く。

 銃弾が不審者にあたった。



 思ったより反動はなかった。

 衝撃もなかった。

 人間を殺すというのはかなりの覚悟が必要と聞いた事もあるが。

 それもあまり必要なかった。

 身を守るためである。

 自分の命がかかってるのに、能書きなんざこさえてられない。

 生きていたい、死にたくない。

 それだけで充分だった。

 危害を加える輩を殺すのは。

 そこに何一つ躊躇いはなかった。

 後悔なども。

 ただただ安心感があった。



 これで大丈夫。

 そう思って倒れた不審者の横を通る。

 動き出したりしないか心配だった。

 だが、ホラー映画のように起き上がってきたりはしなかった。

 暫くは不審者のほうを見ながら進んでいったが。

 距離があいたところで一気にかけ出す。

 動き出さないと分かっていても、不安がどうしてもつきまとった。

 それを振り切れるまで前を向いた。



 その後ろで不審者が起き上がる。

 少年の姿は既に見えない。

 だが、彼が進んだ方向へと足を向けていく。

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