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不審者に理由も分からず襲われる話  作者: よぎそーと


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理由も無く追いかけられる

「なんなんだよ……」

 警戒心から、そして疲れから叫ぶ事もなく呟く。

 少年のその声は現状の全てに向けられている。

 そう言いたくなるほど異様な状況だった。



 電車に乗り遅れ、いつもより少し遅く帰宅した。

 その家の中で、母親と弟の死体が転がっていた。

 呆然とそれを見ていた少年は、気を取り直すと警察に通報した。



 それから警察の到着を待っていたのだが。

 どれだけ待ってもやってこない。

 時間がかかるのは仕方が無いにしても、それにしても異常に思えた。

 既に通報から一時間経っている。



 おかしいと思ってもう一度通報する。

 相手も戸惑ってるようだったが、連絡を入れて警察官を送ると言ってくれた。

 それからまた暫く待つ事になった。

 しかし、警察は到着しない。



(おかしい)

 さすがにそう思った。

 いくら何でもこんなに待つ事があるのかと。

 最初の通報をしてから二時間後、再び電話を入れる。

 そうしたら、今度は慌てた調子で指示を出してきた。



「今、危険な状況です。

 家の中で待機していてください」

「え?」

 いったい何事かと思った。

「ただ、あぶなくなったら逃げてください。

 できれば、最寄りの交番まで。

 あなたの住所からだと、駅前が一番近くです」

「あの、どういう事……」

「申し訳ありません、あまり詳しい事は言えなくて。

 ですが、とにかく今は家の中で安全を確保してください」

 そう言うと電話は切れた。

 いったい何の事だと思った。

 ただ、ただならぬ事が起こってるのだけは伝わった。



 それから、サイレンが聞こえてきた。

 比較的よく聞く救急車のものとは違う。

(警察の?)

 たぶんパトカーのものなのだろうと思った。

(何かあったのか)

 電話で言われた事と合わせて、事件が起こってるのだろうと思った。

 というより、まさにこの家で事件が起こっていた。

 その調査にもまだ来ないのかと思った。



 それからさらに時間が経過する。

 二時間ほどして玄関の方で音がした。

 父親が帰ってきたのだろう。

 そう思って玄関の方を見る。

 そこで少年の動きが止まった。



 玄関にいたのは父親ではなかった。

 見知らぬ男だった。

 顔は仮面で隠してる。

 右手には大ぶりのナイフ。

 左手には人間を引きずってる。

 それが誰なのか考える暇もなかった。

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