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♧3

誤字報告、ブクマ、感想をありがとうございます!

王太子殿下の後に続いて歩いていたら、医務室に到着した。

王太子殿下が事情を話し、治療された私。

掴まれた手形が痣になっててホラーだった!肩と腕も痣になってて地味に痛い。

治癒魔法で治療されたので痛みもアザもすぐに無くなったけど。

治療が終わったら王太子殿下の執務室に戻り、尋問を受けております!


「あの時何て言ったの?」


「あん人が国境の街にいがねば、他のご令嬢が側妃様に選ばれでたんでねーかと思って、そう言いますた」


「え?それはどう言うこと?」


「あん人は、母親がなぐなった直後に、態々国境の街に行ったって言ってたんで、何で王都の街に住んでた平民の娘が、国境の街に側妃様が行ぐこどを知ってたんだべな~と思って」


「確かに。一平民の娘が国境付近の街に滞在する側妃殿の行動を知ってるのはおかしい!だがその情報を誰かが彼女に流したのか?何のために?王家の罠の存在を知っていて?それでも確実に側妃殿に選ばれるとは限らない。そもそも国境付近の街には元々母上が行く予定だった。体調を崩した母上の代わりに側妃殿が急遽行かされたのだから、予想も何も出来る筈が無い。ならどうやって?狙いはランディか?母上を狙ったのか?クソッ!全くわからない!」


見てわかるくらい王太子殿下の顔色が悪くなってる!

ごめんなさい!前世の記憶とか乙女ゲームの事を説明するのが面倒だな~と思って、大元の切っ掛けを疑問として投げ掛けてみたら、有るかもわからない誰かの陰謀説が持ち上がってしまった!

近衛騎士でもあるカイエン様も交ざって怪しい人をピックアップしてる!


「あとあの女は何と言っていた?」


「転生者?がどうの、お前のせいで失敗した、と叫んでいたように思います」


王太子殿下が思い出すように聞いて、カイエン殿が答える。

そして二人して私を見て、


「あの女の言っていた転生者とは何か知っているか?」


「さあ?あん時は身を守るのに精一杯で、ろくに話ば聞いてながったんで」


「ああ、それはそうだな。あんなに突然豹変して暴力を振るうとは思わなかったものな」


「はい」


「この件は母上にも報告をしよう。側妃殿にももう一度あの女を選んだ経緯を確認する必要があるな」


何だか大袈裟な事になってしまったけど、どうしよう?ここは知らぬ存ぜぬを通すべきか?正直に謝って前世の話でもするべき?

モヤモヤと悩んでる内に、今日は休め、と部屋を出されてしまった。

うん、休もう!たぶん調べても黒幕は居ないだろうし、もし万が一王妃様が狙われてるなら、事前に調べるのは良いことだし?


部屋でボ~ッとして食堂でご飯を食べて、一日中何時でも入れるように用意されてる贅沢お風呂に入ってソファで就寝。


翌朝もメイドさんに起こされて起床。

何故ベッドで寝ないのかを聞かれて、フカフカ過ぎて落ち着かないと訴えたら頷かれたけど、ベッドに慣れて下さいねって言われてしまった!

朝食を頂いたら身嗜みのチェックをされてちょっと直されてから見送られた。

執務室には秘書官二人は既にいて、挨拶をして軽い書類整理を手伝って、王太子殿下、侍従のダンテ、護衛騎士のカイエン様が3人揃って来て挨拶して。


補佐官とは言われたけど、この執務室では雑用のような仕事しかない。

書類を仕分けたり簡単な計算のチェックをしたり。

私の主な仕事は記録係。

王太子殿下が部屋から出て人と会ったり会議に出たりした時に、くっついて行って話した内容や、場の雰囲気、相手の顔色等をメモしたり覚えていて後から書類にして報告したりするのが仕事だそうです。

今まではダンテがやっていたそうだけど、ダンテは場の空気を読んだり、人の顔色を窺うのは苦手らしく、それが私に回ってきたそうな。

あとダンテは馬に乗るのも苦手。

私は田舎者なので馬は友達です!

子供の頃から羊を追いかけて馬には乗り慣れてるし、何なら紐が1本有れば裸馬にも乗れます!乗馬技術だけなら、王太子殿下よりもカイエン様よりも上ですよ!


王太子殿下の仕事は多岐に渡り、視察にもしょっちゅう行く。

私が馬に乗れることが判明してからは、視察にはダンテが同行しなくなった。

近場なら馬車を出すより馬で行った方が早いし楽だしね。


忙しくも予想外にブラックではなかった職場に安心して働いて、その日も朝から近場の町に視察に行って、午後は執務室で書類をまとめていたら、バターーン、ゴンと勢いが良すぎて跳ね返るほど豪快にドアを開けて入ってきた人が。


「レンガストルム様!わたくしもう2週間もあなた様のお顔を拝見しておりませんけれど!何がそれ程お忙しいのかしら?それとも近頃噂になっている底辺貴族の令嬢とお楽しみなのかしら?」


目にも眩しいキラッキラのお姫様が現れた!

この方は王太子殿下の婚約者様で、筆頭伯爵家のご令嬢シンシア・ダグレンティス様。

入ってきたと同時に部屋をグルッと見回し、部屋の隅に居た私を見てギロッと殺人光線みたいな視線を向けてくる!こっっっっわ!!


「シンシア嬢、仕事場に先触れもなく訪問してくるのは失礼じゃないかな?いかに婚約者と言えど、節度は必要なものだろう?」


「ですがわたくしは婚約者であるのに、2週間もあなた様のお顔を見ていないのですよ!それなのにそこな底辺貴族の令嬢は、毎日毎日何時間もレンガストルム様とご一緒に居るとか?婚約者であるわたくしよりも長い時間を共有する女など許せるものではありませんわ!」


「彼女は優秀な私の補佐官だ。仕事以外の会話等ほとんどしたこともないし、何時だって他の仲間も同席している。二人きりになったこともない。君の許可を取る必要もないのだけどね?」


「ですが!異性を身近に置くなど!女性としては嫉妬するのも当たり前です!城内でも噂になっております!」


「噂?噂ねえ?婚約者を捨てて身分の低い令嬢を召し上げる、だっけ?私にそのつもりは無いけれど、それはシンシア嬢にも責任は有るよね?一方的に責められるのは納得がいかないな~?」


「わたくし?わたくしにも責任がある?!何故ですの?わたくしは異性を無闇に近寄らせたりは致しておりません!」


「シンシア嬢も知っているだろう?彼女が来る前から囁かれていた噂を。王太子殿下の婚約者様は、少しでも結婚を先延ばしにしたくて妃教育を真面目に受けていない、と。事実シンシア嬢貴女の妃教育は、学園を卒業して3年経つのに未だ終わってはいない。妙な噂を立てられるのも仕方ないとは思わないかな?」


「わた、わたくしだって必死にやっております!」


「その割には先週は2件のお茶会に参加して、観劇にも買い物にも行っていたそうだね?貴女の言うたまの休憩には多すぎると思わないかな?」


「そ、それは、次期王妃として顔を広げておくのも務めですし!それに!そう、寂しかったのですわ!レンガストルム様が中々会ってくださらなくて!婚約者を放っておいて、他の女を側に置くなんて!」


「話にならんな」


「ただわたくしは!婚約者として悪い噂の立つような底辺の者を、レンガストルム様の側から排除して頂きたいだけですわ!」


「私の仕事に貴女が口を出す権利を与えたことは無い、婚約者だからと私の選んだ部下をこれ以上愚弄するのは許さない。出ていきなさい。今後は私の執務室に入る事は禁ずる!」


「レンガストルム様!」


王太子殿下に目で合図されてカイエン様が丁重だけど強引に執務室からシンシア様を追い出してしまった。

室内は微妙な空気になっている。

秘書官の1人ムクチャード公爵子息が、


「良いんですか?また大騒ぎされますよ?」


「はぁぁ。そろそろ考え時だな」


「では?」


「ああ。母上と父上には既に話はしてある。最近では次期王妃だからと言って、横暴な振る舞いも目立つようになってきた。これ以上は見逃せんからな」


え?どゆこと?ド田舎者でボッチ生活の長い私にはさっぱり意味が分からなかったんだけど、ダンテがこそっと教えてくれた事によると、王太子殿下の最初の婚約者は同盟国のお姫様だったらしいのだが、そのお姫様は、護衛騎士と駆け落ちしてしまい破談に。

急いで次の婚約者を探し、何人かの候補の中から学園での生活を通してより親しくなった令嬢と婚約する話になったのだが、例のハニートラップ騒ぎで次々と候補の令嬢達が脱落していき、残ったのは二人だけ。

その二人の内より成績優秀で品行方正な方が選ばれ、シンシア様が婚約者になった。

のだが、王太子殿下の正式な婚約者になった途端、周りが掌を返したように自分にちやほやしだして、シンシア様も最初は戸惑っていたし、妃教育でいっぱいいっぱいになっていたのだが、一年経ち二年経ちする内に、妃教育の厳しさから逃げだし、自分をちやほやしてくれる人の言葉に気持ち良くなったのか、ドンドン我が儘になり傲慢になり他人を見下す発言をするようになっていったんだとか。

流石にこのまま王妃にするわけにもいかず、そもそも学園を卒業してから3年も経つのに未だ王太子妃教育も終わっていないので、婚約を白紙に戻す話が出ているのだとか。

ただ、次の婚約者に相応しい人が見付からないそうです。

高位貴族のご令嬢は既に婚姻したり婚約者が居たりして、王太子妃を下級貴族から選ぶわけにもいかず、色々と大変らしい。


身分が高いってのも大変ね!

うちなんか、長男以外は皆平民と結婚してるし、めっちゃ子供居るし、いたって平和で仲睦まじいけどね。

私だってその仲間に入る気満々だったんだけどね!


そんな騒ぎがあった一週間後。

王太子殿下とシンシア様の婚約は破棄された。白紙ではなく破棄。

シンシア様の婚約者予算の使い込みが発覚して!あの目にも眩しいキラッキラの衣装やキラッキラの宝飾品は、王太子殿下の婚約者用に用意されてた予算を使い込んでたらしい。

本来は王太子殿下と一緒に参加する外交とか、他国の来賓の接待とかの時用に相応しいドレスを作ったり、接待相手の国の宝飾品を買うための予算だったらしいんだけど、そもそも王太子妃教育が終了してからじゃないと使えない筈の予算を私欲の為に使ってたんだから、そりゃ駄目だね!普通に犯罪じゃん!伯爵家が全額返金して多額の慰謝料も払ったので裁判沙汰にはならなかったそうだけど。

ただ王太子殿下との婚約破棄ってのは、相当な醜聞なので、シンシア様の今後は真っ暗だろう、とメイドさん達が噂してた。

メイドさん達も少なからず被害に遭っていたそうなので、皆さん悪口の言葉が止まらない止まらない!

婚約当初は穏やかで真面目って評判の令嬢だったそうなのにね~?

権力って人を変えるんだね!


そんなバタバタもあったけれど、日々の仕事は忙しく過ぎていき、3ヶ月後。


王太子殿下の婚約者が決定した。

ただし訳有の婚約者が!

二つ国を挟んだ先にあるその国は、近隣国の中では一番の大国で、同盟は組んでいるものの、我が国とはそれ程親しくもない国と言う位置付けだったのに、その大国の正妃様の第一姫様がこの度王太子殿下の婚約者となりました。

しかもかなり我が国に取って有利な条件を提示した上での婚約。

そんな婚約の裏には、当然公に言えない訳がある。

大国のお姫様は、子供の頃に患った病のせいで子供が生めない身体になってしまったそうで、それを不憫に思った大国の王様と王妃様は破格の条件で我が国の王太子殿下に婚姻の申し込みをしてきたそうな。

その条件は我が国としても無視できない破格の条件だったので、一度お会いして相性が良ければ、との前置きをしてお見合いし婚約となったそうです。


新たに王太子殿下の婚約者となられた大国のお姫様は、それはそれは美しい人で、一目見ただけで高貴なお生まれであると分かるくらい気品に満ちた方だった。

王太子殿下の補佐官として執務室にご挨拶として来られた時に直接お目に掛かる機会があったんだけど、もう!他の仕事仲間よりも先に鼻血出るかと思った!それくらい美人だった!所作も美しく、指先一つ取っても美人だった!

ついつい、


「殿下やべ~でねすか!あったら美人をお嫁さんに出ぎるなんて!殿下は三国一の果報者だべ~」


「プフッ、ウ、フフフフフフフ!ウフフ、フフフフフフフ、ごめっ、ごめんなさい、ちょっと!フフフフフフフ」


思ったことを言っちゃったら、姫様を爆笑させてしまった!

王太子殿下には後頭部を軽く叩かれた!


「フフフ、わたくし、こんなに人前で笑いを堪えられなかったのは初めてだわ、貴女面白い方ね?これから仲良くして頂けると嬉しいわ!」


「勿体ね~お言葉で、光栄に存じます」


下位貴族の私にまで気さくに声をかけて下さるお姫様に、一番最初にメロメロになったのは王太子殿下よりも私の方が早かった。

仕事を調整してなるべくお姫様との時間を作るのに協力し、二人はドンドン親密になっていって、大国のお姫様、リューレイア様は、シンシア様が3年かけても終わらなかった王太子妃教育を何と!半年で終了してしまう程の才女でもあり、一年後には結婚式を挙げる予定も立って、大国も我が国もお祭り騒ぎになった。


方言はどこの地方と言う訳ではなく、適当に色々混ぜてなまってんな~と思える言葉にしてるつもりです。

なのでなまりに関する突っ込みはナシでお願いします。

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― 新着の感想 ―
[一言] 姫様が笑ったところで笑い、読み直して笑い、もっかい読み直して笑い…なんかツボった。
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