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書き溜めていた最後の作品です。
1日1話更新の7話終了です。
コメディです。
よろしくお願いします!
「カレン・プードゥル侯爵令嬢!貴様との婚約をこの場をもって破棄する!貴様の悪行は捨て置けん!貴様には修道院行きを命じる!」
「わたくしの悪行?それはどの様な行動の事でございましょう?ハッキリと仰って頂かないと分かりませんわ?」
「自覚もなく数々の悪行を行うとは、見下げ果てた性根だな!」
煌びやかな会場のど真ん中で突然始まったのは、乙女ゲームやその関連の小説や漫画などでもお馴染みの婚約破棄の場面。
一時期ブームになっていた、悪役令嬢のざまぁ展開とも言える。
それをボケ~ッと見ている私は転生して前世の記憶も朧気に覚えているだけのモブです。
前世の記憶を思い出したのはたぶん3歳くらいの時。
思い出したと言っても、自分が前世でたぶん交通事故で死亡した事と、親と兄弟がいたかな?くらいを朧気に覚えていて、あとは自分の事を少し覚えている程度。
剣と魔法の世界に違和感を感じて、部屋の明かりがロウソクしか無いことに困惑して、トイレの中にいたスライムに尻を撫でられて悲鳴を上げて、自分の知識が何処から来ているのかを思い出しただけの事。
ド田舎の貧乏男爵家の三男三女の末っ子として生まれ育ち、ウッカリ魔力が多かったのを、偶々父上の同級生が遊びに来た時に見付かって、推薦されて王都の学園に入れられて、王都の全てにビクビクしながらも前向きに、将来は少しでも良い職場に勤められる様に必死に頑張って、勢い余って一年飛び級しちゃう程頑張って、やっと卒業迎えたのに、貸衣装とは言え人生初のドレスなんか着て浮かれた気分で卒業パーティーに参加したのに、それをぶち壊しにしてる人達を見て初めて、この世界が乙女ゲームの世界なのかも?と思ったくらい。
前世の私は程々にゲームや漫画や小説もプレイしたし読んでたけど、この乙女ゲームがどんなゲームかは全く知らない、と言うか覚えてないだけかも知れないけど。
ただ、たぶんあまり性質の良くないヒロインなのだろう事は見てれば分かる。
確かに顔は可愛いし小柄なくせにオッパイだけは人より大きいけど、第二王子殿下の腕にしがみついてるヒロインは、無駄に煌びやかで露出の多いドレスを着ているし、装飾品もギラギラしてるだけで趣味が悪いし、悪役令嬢を見る顔が優越感でニタニタしてるのを隠しきれて無いし。
対する悪役令嬢役のプードゥル侯爵令嬢は、きつい顔立ちではあるけど美人だし、こんな場面なのにビシッと姿勢良く立つ姿はマナーのお手本のよう。
第二王子殿下は聞いた所によると、成績優秀で剣の腕も立ち、王族なのに気さくに下位の貴族にも声を掛けてくれる正義感の強い王子殿下と評判だけど、猪突猛進なところがあり、思い込んだら人の話を聞かないと言った面もあるらしい。
今回はそれが悪い方に出ている模様。
自称ヒロインに簡単にコロコロ転がされてる感じがしてならないし、王子の取り巻きも転がされてる気配が濃厚。距離感が貴族令嬢にはあるまじき近さだし。
かといって、悪役令嬢役のプードゥル侯爵令嬢も完全に冤罪と言う訳でもない。
本人はシラを切り通すだろうけど、明らかに取り巻きの令嬢達を促して、自称ヒロインにチクチクと嫌がらせをしていたし、多人数で囲んで文句言わせてたし、そんな場面を何度も目撃したし。
まあ苛められてた自称ヒロインは、令嬢達が去った後一人でニヤニヤしながら独り言言ってて全然堪えて無かったけど!
ただ、本人は直接関わってはいないので明確な証拠は無いし。
ワーワーと言い合いをしてるけど、どちらも決定的な証拠が無いので、グダグダな水掛け論になってるし。
これは誰がどうやって収拾つけるんだろう?
私には関係がないので、会場の隅っこから眺めて、滅多に食べられない豪華パーティー料理を堪能してるんだけど、そろそろコルセットで絞められたウエストが限界っぽいので、美味しかったデザートをあと何個か選んで終わりにしようと吟味していたところ、第二王子殿下の、
「貴様が悪辣な苛めを行っていたのはリーディアにだけではないだろう!それも調べは付いているのだぞ!まだシラを切るのか?!」
「でしたらその苛めを受けていたと言う方をここに連れていらして下さい。ご本人の口からわたくしが直接苛めていたとの証言があれば、認めないこともありませんわ」
「そんな!苛めを受けていた人が、苛めていた人の前に出てこられる訳ないじゃないですか!貴女に苛めを受けて酷く傷付いているかも知れないんですよ!怯えて声もあげられないでしょう!何て心無いこと言うのかしら!酷いわ!」
「それならばその者の身の安全は私が保証しよう!誰か!勇気を持ってこの者の罪を証言してくれる者はないか?!」
第二王子殿下が会場中を見回して、プードゥル侯爵令嬢に苛められてた人は居ないかの確認をしている。
誰も名乗り出ないけど。
そもそも第二王子殿下の身の安全の保証って何時までよ?と思ってしまう。相手は腐っても侯爵令嬢、もし万が一罰を受けたとしても、プードゥル侯爵令嬢が犯した罪とは、領地で数年謹慎するくらいの罪でしかない。
そんな令嬢にこんな場で苛められてました!とか言っちゃったら、謹慎が解けた後に何をされるか分かったもんじゃない。
その辺の事をまるで考えてない辺り、第二王子殿下もまだまだ考えが浅い。
もし億が一、プードゥル侯爵令嬢を第二王子殿下が言うように修道院に行かせられたとしても、こんな公の場で娘が恥をかかされたと知れば、堂々とは出来なくても侯爵家が何かしらしないとも限らないし。
無理無理無理無理、苛められてたとしても名乗り出るなんて無理!
と思うんだけどね?
「皆さん!今勇気を振り絞る時ですよ!この横暴なご令嬢を共に糾弾致しましょう!罪を犯した者には正当な罰を与えないと、わたくし達の様に虐げられた者は何時までも虐げられ続けるのですよ!今ならランディ王子が味方に付いてくれます!またとないチャンスなのです!」
声を張り上げて周りを鼓舞しようとしてるけど、グランディス王子殿下を愛称で呼んでるし、確りと王子殿下と恋人繋ぎの手を掲げてるし、何これ、仲良しアピール見せられてんの?
そして王子殿下と共にコロコロ転がされた王子殿下の取り巻き達も、何やら持ってた資料をガサガサして王子殿下に耳打ちしてるし。
そして王子殿下が周りを見回して…………………………気のせいだと思いたいんだけど、今確実に目が合ってるね?ビカッと白い歯を見せて笑った王子殿下はそのにこやかな笑顔のまま自称ヒロインに何か言って、こっちに来た。
ソロ~ッと逃げようとしてんのに、微妙に軌道修正しながら真っ直ぐにこっちに来る王子殿下。
もう顔を上げてられないんですけど!ソソソと後ろ歩きしてるんですけど!どうしてロックオンされてるの私?!
そして敢えなく攻防は終わり、目の前に立ってエスコートするかのように見せ掛けて、ガッチリと逃げられないように私の手を掴む王子殿下。
流れるように私の持っていた皿をその辺の生徒に押し付けて、空いた手で私の腰をグイグイ押して中央の開けた場所に連行していく王子殿下!
もう!私ただの田舎者ですよ!モブ中のモブですよ!
こんな大勢の注目するなか連行されたらチビりますよ!
と心の中では盛大に叫んでいるのに、口からは呻き声一つ出ない。
「この者で間違いないか?」
「ええ、ミミリー・クレッシェル男爵令嬢ですね。間違いありません」
「ミミリー・クレッシェル嬢、そなたの身は私が必ず守ると約束しよう!安心してカレン嬢に今までされてきた仕打ちを告白して欲しい」
私は必死に勉強した甲斐があって、成績はかなり良いがモブ中のモブなので、今までプードゥル侯爵令嬢に何かをされたことはただの一度も無い。
モブ中のモブなので、侯爵令嬢の目には映らなかった可能性もあるのかも知れない、と思える程ガン無視されてきた。
なので必死に何もされてないと首をモゲそうな程横に振ってるのに!
自称ヒロインが私の手と腕をガシッと爪が食い込む勢いで掴んで、
「ミミリーさん、大丈夫ですよ!怖いかも知れないけど勇気を持って告白して下さい!今ならランディ王子が付いてます!ねえ、ほら!」
ギリギリと爪が食い込む腕が痛い!
訳あって学園ではあまり人と話さないようにしていたのに、今にも悲鳴が漏れそうに痛い!
「まあ、貴女こそそのミミリーさま?を苛めていらっしゃるじゃない?貴女が掴んでいるそのミミリー様の腕、とても痛そうよ?」
本人無意識だったのか、言われてハッと力を緩めた自称ヒロイン。
私の腕と手の甲にはハッキリと自称ヒロインの手形が着いてる!しかも手の甲と腕の内側には爪が食い込んで血が滲んでる!
どんだけ力入れてんだよ!血が滲む腕を取り戻し少し距離を取ろうと後ずさったら、直ぐ側に王子殿下が居てそれ以上下がれないし!
本当にこれこそが苛めだよね?!
「グランディス殿下、そうやって身分の低い女性を、高位貴族の子息や殿下が取り囲んで逃げ場を塞ぐ行為こそ、苛めでは無いのですか?そちらのマッカラン男爵令嬢はミミリー様の腕に爪を立て、傷を負わせる程握りしめておられたようですし?貴方様はご自分の立場をご自覚なさっておられますか?」
「む、確かに傷を負わせてしまったのはリーディアのやり過ぎだったが、リーディアもそれだけ必死になって恐怖に耐えているのだ!お前の悪行を告発するのはそれだけ勇気のいることなのだ!」
王子殿下の後ろからコソッと現れた、確か神官長の子息だと言う取り巻きが魔法で私の腕にあった爪痕の傷を治してくれた。
そしてまた別の人物がズイッと前に出てきて、
「ええ、その通りです。クレッシェル男爵令嬢は貴女を恐れて声も出せない様子ですが、貴女はこちらのクレッシェル男爵令嬢を日頃から居ないものとして扱い、近くに居ても目も向けなかった!その態度を見ていた貴女の取り巻きによって、何度も呼び出しを受け囲まれては暴言を言われていたのですよ!男爵令嬢であまり裕福ではない彼女の私物を壊され、捨てられ、暴言を書かれた手紙を何度も送り付けられ、同じ家格のお茶会にも呼ばれなかった!全て貴女を恐れた他の令嬢達の仕業です!それでも貴女は無関係だと仰るのですか?!」
「はあ、イズミール公爵子息、なら貴方は後ろに居る生徒の名前をご存知?親しく話した事は有るかしら?」
そうそうイズミール公爵のご子息。
何時も嫌味なほど眼鏡を光らせて、上から目線で偉そうに話す人。
聞かれて後ろを見たイズミール公爵子息は、よく知らない人だったのか、
「彼の事は知りませんが、それが何か関係有るのですか?」
「分かりませんの?わたくしは確かにミミリー様を存じ上げなかったし、話したことも無かったけれど、それが何だと言うのです?貴方だってその後ろの方とは話したことも無いし名前もご存知じゃないじゃない。わたくしがミミリー様を知らなかったことと何が違いますの?グランディス殿下の婚約者なら、全校生徒と話をして親しくなれとでも?そんな馬鹿な事は仰いませんよね?それにわたくしが命じてミミリー様を苛めていたように仰いましたけれど、わたくしが命じた、との確たる証拠はありますの?」
言い返されてイズミール公爵子息はグヌヌッとなってる。
そしたら王子殿下が下から私を覗き込む様にして、
「ミミリー・クレッシェル嬢、確かにこのような場で大勢に見られて発言することは恐ろしいかもしれない。だが大切な事なのだ、悪を許せばこの国は腐敗や悪行が罷り通る国になる。そして今、カレン嬢を裁かなければいずれ彼女が王子妃となってしまう。悪行を犯した者が王子妃になるなどあってはいけないことだ、頼む、勇気を出してくれ!」
「そうよ!思い出したけど、クレッシェル男爵って私の住んでた領地のすぐ隣じゃない!同じ田舎から出てきた者同士助け合いましょう!大丈夫!何があってもランディ王子が助けてくれるわ!ね!」
またもやギュウギュウに腕を掴まれてる!加減!馬鹿力か?!
流石に耐えられなくなった私は、
「いで、いでででで、いでぇつってるべ!」
勢い良く自称ヒロインの腕を振り払って距離を取った。
そして思いの丈を叫んだ!
「おめぇの言ってるこどは、嘘っぱちだべ!ゴーリンデ地方出身で訛りの無いもんなんか居ねーベ!おら、王都さ出てきで訛ってるこどを散々からかわれで、喋るのが怖ぐなったど!そんなペラペラ流暢に標準語喋ってるおめぇが、ゴーリンデ地方出身なわげねーべ!王都に居るゴーリンデ出身の人も何人か知り合ったども、皆訛りを隠すのに必死で無口になってだべ!訛りも無くペラペラ喋るおめぇはなんだべ?どごの男爵令嬢だべ?うぢの隣の男爵はマッサラックス男爵だべ!気の良いおっちゃんとのんびり屋の奥さんと可愛い赤ん坊の居る男爵家だべ!同年代の令嬢なんか居なかったベ!」
シーーーーーーーーン
誰も言葉を発しない会場は、私のゼイゼイ言う息遣いくらいしか聞こえない。
やっちまったと頭を抱えたいが、空気が微妙すぎて身動きが出来ない。
そんな中、最初に言葉を発したのは、プードゥル侯爵令嬢。
「フッ、フフフフフフ、アハハハハハハッ!クク、ウフフフフフ……………ハフゥ、ごめんなさい、あまりに予想外の事だったのでビックリしてしまって!貴女の訛りを笑ったのではないのよ?わたくしの侍女もゴーリンデ出身なので訛りには慣れているもの。訛りではなく、その内容に笑ってしまったのよ。ねえ?リーディア・マッカラン男爵令嬢、本当に貴女は誰なのかしら?ミミリー様の隣の領地の方では無いそうだけど、では何処のご出身なのかしら?ゴーリンデ地方だけでなく、他の地方にもそれぞれ訛りが有るそうだけど。そう言えば、貴女は礼儀も言葉遣いも全くなってはいないけれど、王都出身の貴族と同じイントネーションで話をしていたわね?田舎出身だからいまいち礼儀がなっていない、との事だったんじゃなかったかしら?王都出身でも礼儀がなっていない者は居るけれど、貴女は田舎出身だから、人と人の距離感が近いのだと言っていたわね?ミミリー様はそんな素振りは見えないけれど?」
コテンと首を傾げて可愛く聞いてくるプードゥル侯爵令嬢。
隣を見れば、顔色悪くダラダラと汗を流す自称ヒロイン。
そしてそれを囲む王子殿下達が一歩下がっている。
それでももう既に後には引けないところまで来ているので、ちょっと吃りながらも、
「だ、だからと言ってお前の悪行が無かった事にはならないだろう!」
「あら、どうしてですの?もしそちらの自称男爵令嬢が偽者の上に身分を詐称してこの学園に入学してきたのなら、わたくしはその詐欺師を追い出そうとした功績を称えられこそすれ、お咎めを受ける謂れは有りませんわね?」
「だ、だが!こちらのミミリー嬢を苛めていた事には代わり無い!」
「ミミリー様は先程の発言で、一言でもわたくしに苛めを受けたと仰ったかしら?わたくしにはミミリー様がそちらの自称男爵令嬢を糾弾したように聞こえましたけれど?」
「そ、それは。ミミリー嬢、正直に話してくれ!実際に君はカレン嬢から苛めを受けていたのだよな?!」
圧の強い目で見られてますけど、嘘はついたらいけないよね?
「お、おらプードゥル侯爵令嬢とは話をしだこどもありませんし、目を合わせだこどもありません。嫌味を言われだのは他の令嬢ですし、物を壊されだのはたまたまです。そのあどにすぐ謝ってもらって、弁償もしでもらいました」
「な!隠す事は無いのですよ?苛めを受けていたなら、そう言えば良いのですよ!」
イズミール公爵子息までこっちを焦った様に見ながら言ってくる。
調査が半端だった事を認めたくないんだろうか?
「お、おら、嘘なんかつがねー!そっちの令嬢と一緒にしねーでくろ!」
「え、あ、いや」
思わず大声で否定してしまったら一歩下がられた。
どうすんの?この微妙な空気。
悪役令嬢のざまぁ展開完了で終わるの?
と疑問に思ってたら、爆笑と共に新たな人物が現れた。
「ブフゥ、アッハッハッハッハッ!グフッ、ブフゥ!アッハッハッハッハッ、ハ~ッハッハッハッハッ!」
抱腹絶倒なこの人は、この国の王太子殿下その人。
爆笑してるけど、王太子殿下ご本人なので、会場に居る全員が貴族としての礼を取る。
「グフッ、頭を上げて!フハッ!アハハハハハハ!あ~久々にこんなに笑わせて貰ったよ!あ~面白かった!」
「兄上!どうしてここに?!」
「父上が来られないから代理でね。で?この面白い催しの始末は誰がつけるんだい?」
「それは、その…………………」
「実は面白そうだから最初からこっそり聞いてたんだけど、ランディ、明確な証拠は出せないんだね?」
「うぐっ」
「その上お前達は素性の定かでもない、何処の誰かもわからない詐欺師の女にコロッと騙された、と?そして婚約者である侯爵令嬢を貶め、その名誉を傷付けた。はぁ~、だから以前から言ってるだろう?後先考えず突っ走るのでは無く、周りを見て客観的な視点を持て、と?お前には軽くない罰が下されるだろうね、覚悟しておくように!」
「………………はい。申し訳ありませんでした。皆も、はれの日を台無しにして済まなかった」
「うん、その通りだね、これは後で埋め合わせをしないといけないだろう。後日改めてパーティーのやり直しを行うので、地方出身の者は少し帰省の日程を遅らせてくれるかな?学園の寮も少し猶予を貰えるように言っておくから」
そう言って王太子殿下は何故か私にバチコンとウインクを寄越した。
いや、見間違いに違いない!決して私にだけではないはず!
「ではわたくしは先に帰らせて頂きますわね?」
「ああ、とんだ茶番に付き合わせて悪かったね?お詫びは後日届けさせるよ」
「ありがとうございます。では御前失礼致します」
プードゥル侯爵令嬢は綺麗な見本のようなカーテシーをしてから会場から出ていった。
そして隙を窺ってこっそり逃げ出そうとしてたらしい自称ヒロインは、会場から出る寸前で王太子殿下の護衛騎士に捕まって、何処かに連行されていった。
出落ち感半端ないけど続きます!
少しでも楽しんで頂けると嬉しいです!