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5/5

3 でも幸せなのでOKです

 その後もスライムの消化液で半裸にされ続けたエルは、ついにリペア・ポーションを切らしてしまい、ようやく攻略を諦めたらしい。


「仕方ない、帰ろうケイン」

「ああ。……はあ、良かった」


 俺は安堵の表情を浮かべ、半裸のエルを抱きかかえて新居に戻った。

 帰宅後はそのままシャワールームに向かったはずなのだが。


 メイドに案内されたのは、甘い香りが満ちたベッドルームだった。

 何というか、高級娼館の一室に似ている。


 今、エルは隣のシャワールームで鼻歌を歌っていて、俺は彼女を待つようにベッドに腰掛けていて。


(な、なんだこれ……どういう状況なんだ……?)


 緊張と混乱、恥ずかしい気持ちが絡まりあった俺の顔は、真っ赤に染まっていた。

 結婚式を上げてから状況に振り回されっぱなしだ。

 何とか思考をまとめようと、両手で顔を抑えて目をつむっていると、


「ケイン」

「はいッ!?」


 シャワールームからわずかに顔を出したエルが、こちらに来いと手で呼んでいた。


「ななな、なんでしょう?」

「一緒に風呂に入らないか? 背中を洗ってやる」

「自分で出来るよ!?」

「それでも私が洗いたいんだ。早く来い。じゃないと怒る」

「は、はい」


 恐る恐る近づくと、タオル姿の妻に部屋の中まで引き込まれ、そのまま押し倒された。

 ポタポタ、と雫がエルの前髪を伝って落ちてくる。


「何を――」

「あれだけ誘っても襲わないなんて、お前は鈍感で奥手だな」

「どういう……?」

「でもそういうところが大好きだぞ」


 エルから優しく深い接吻が送られる。

 言葉を遮るように、求めるように。

 俺も昂りが耐えきれなくなって、求め返した。

 男女の長い一夜が始まった。



 俺は、ベッドの上で冒険者活動を再開するに至った事情を聞いた。

 どうやら彼女は外でするのが性癖だったらしく、ずっと誘っていたらしい。

 ついでに『お仕置き』も大好きだともわかり、俺は彼女に激しいお仕置きを施した。


 朝日が登る頃にはとても従順な子になっていたが、軽く寝て、目が覚めた時には普段の強気な彼女に戻っていた。


「ケイン! 今日もダンジョンに行くぞ!」

「……ああ、分かった」


 妻の冒険者活動には反対だけども、そういうのがお好きならしょうがない。

 これからはソッチ方面の教育係として頑張っていくと決めた。

完結……?

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