第001話 オオハラさん、会社を辞める。
いつかは書きたいと思っていた話です。
ちなみにクロスオーバー先は私の過去作や小説仲間の作品の、予定。
――というワケで課長、今までお世話になりました。
そう言ってボクは、今まで勤めていた会社を後にした。
いきなり退職届を課長の机に叩き付けて出てきたワケではなく。ちゃんと社会のルールに則って。半月前から退職すると予告し。難癖付けようとしたら弁護士を間に挟んで捻じ伏せた上でだ。
本当は退職届を叩き付けてきたかったけど、これでもボクは社会人だ。
そういうのを本当にやると、後々さらに面倒臭い事になると分かっている。
先輩の中には失踪した人もいたけど、これは社会的には完全にアウトだね。
そういえば失踪した先輩の一人……オオイシ先輩は元気にしているだろうか。
なかなか就職先が決まらなかったボクを誘ってくれたオオイシ先輩は……高校の相撲部の先輩でもあった。
最初は誘ってくれた事に感謝していた。だけど誘われて、ついさっき辞めてきた会社は、パワハラ・モラハラは日常茶飯事。残業手当は出ないし休日出勤はあるわでブラック企業の典型例とでも言うべき酷い所だった。
おかげで趣味に時間を割けない。
ボクと同じ趣味を持っているオオイシ先輩が逃げるのも納得だ。けどだからってボクを置いて逃げるのは……今度見かけたら殴ろう。うん。
「まぁそれはともかく……お腹、空いたなぁ」
もう十時過ぎ。ボクにとっては……趣味の食べ歩きの時間だ。
転職するにせよオオイシ先輩を殴るにせよ、とにかく何か食べねば力は出ない。
とりあえずそう理由を付けて、僕は辞めた会社の近くにあるラーメン激戦区へと足を運んだ。
というかこの激戦区があるから、先輩はあの会社に今までいたのだろうか。
まぁボクも……激戦区が近くにあったから先輩の誘いに即OKしたんだが。
激戦区まで、あと百メートル。
ラーメンの香りが漂ってきたので、遠慮なく思いっきり鼻孔に吸い込む。
う~~ん、美味の予感!!
食欲を誘うなかなかの香り。どうせなら先輩じゃなくて食べ物の匂いに誘われた方が良かっただろうか。料理人の道に進むとか。でもボクは不器用だしなぁ。でも料理関係の道も捨てがたい。というか転職先は絶対料理関係のヤツにしたいなぁ。
そんな事を思っていると、いつの間にか激戦区まであと十メートル。
目の前の十字路を右に曲がったらすぐの所まで迫っていた……のだが、
「おい!! 待て食い逃げ野郎!!」
「……は?」
そんな声が聞こえた直後。
ボクの体――腹を中心に衝撃が走り、そのままボクは背後に立っていた電柱に頭をぶつけた。
いったい何が起こったのか。
そう思ってボクは正面に目を向けたけど……目が霞む。ボクを吹っ飛ばしたヤツが見えない。打ち所が悪かったのかな。
ああ、というか……意、識まで……もが遠……のい、て…………。
とりあえず3話まで書く予定。
そして、相撲部だった彼を吹き飛ばせるのは……あとは、分かりますね(ォィ
ちはやれいめいさん。
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