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赤い切符  作者: 渡辺正巳
22/27

5-5

 シンさんが店の仕込みを始めないといけないというので、観光はそこまでにして東部宇都宮駅へ帰った。二人は駅の改札口まで私を見送ってくれた。二人は口々に、

「じゃあ、元気でね」



「もう来ちゃだめだぞ」


と笑顔で見送ってくれ、しんみりした感じもなく、私は満ち足りた気分で電車に乗った。


 電車に揺られながら、私は父のことを考えた。父はどうして成仏できないのだろう。自分で言うのはおこがましいが、父は私と会いたいがために、成仏せずに浮遊霊になってしまったのではないのだろうか。それならば、私と父はもう三回も会っていて、父はとっくに成仏できていてもおかしくないように思える。


 父やシンさんが、いつまでも成仏できずに、オリオン通りで見たおじいさんみたいにぐずぐずに腐っていって「アラヤマ」行きになってしまうのは嫌だった。なんでお父さん、成仏できないんだろう。車窓をのぞきながら、私はもう一度考えた。

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