本当の出逢いって?
ある程度性格を知っている相手なら、断るもよし。付き合ってみるのもよし。
でも、断る場合もなるべく傷つけないように、言葉を選ぶ。
そしてその断り方にも気を使う。
あまり深刻になりすぎないように、でも意思はハッキリと伝える。
少ししてから笑顔も忘れず、そしてこれからもいいお友達でいてくれると嬉しい、とひと言つけ加える。
相手のこころに余地を残すのだ。
お互い、ひとつの告白の結果で良い友人関係が終了してしまうのは忍びない。
その後は大体の場合、それまで以上に良い友人関係になることができている。
でも、一度付き合ってしまったら、お別れした後にそんな友人関係になれるのだろうか。
別れ方にもよるのだろうか。
私の場合は大抵、相手のイヤなところに目がいってしまって。
きっと自分にもイヤなところはあって、相手も我慢してくれているだろうとは思うけれども。
最初は我慢するんだよ。
好きになって付き合い始めるわけだから、イヤなところも可愛いな、なんて思ったりして。
でも、そのうちその可愛いところが目につき鼻につく。
いよいよ我慢も限界になって……。
「さよなら……」
「え……」
「じゃあね」
いくら相手に考え直してほしいと言われても、一度離れたこころは元には戻らない。
そんなこんなを繰り返し、また寂しいおひとり様生活が始まるわけだが。
それなら、次ができるまでキープしておけばいいのにって?
それができない性分なので。
今日もまた友人ののろけ話に付き合って。
まあ、それも悪くないかな、なんて。
私にとっての本当の出逢いじゃないから、きっと今までの彼とは上手くいかなかったんだって思うことにしている。
じゃあ、私にとっての本当の出逢いって?
いつのことなんだろう。
そもそもそんなに都合良く出逢いが転がっているわけでもなく。
またいつものように、いつものごとく時間だけが過ぎてゆく。
ああ、今年のクリスマスはひとりかぁ……なんて。
お読み下さりありがとうございました。
次話「弱気な自分」もよろしくお願いします!
明日更新します。