少年は何を願う
普段、現実にありえそうな、学園ラブコメ(?)しか書かない人が気分転換に書いた、異世界者物です
結構進みが無理やりですがお許し下さい
「ははは、村人の坊主が魔王討伐したいって?無理無理、勇者でも倒せねぇんだから。」
夢を見た、現実ではあり得ないけれど、僕が、村人のボクが魔王討伐隊に参加している夢を。
「その年で職が決まっちまったんだから仕方ねぇよ、無理せずに農業で生きていこうぜ?」
それでも諦めたくなかった。戦闘職でも、商売職でもない村人は戦えない。そう言われてきた。家でも、学校でも、そして、ここの酒場でも
「まぁ悪いこととは言わねぇ。しかしな?まだ8歳でレベルだって表示されないんだから筋力パラメーターも皿を持つくらいが限界だろう?」
それでも・・・
「だったら僕に戦う方法だけでも教えて!」
それでも僕は、諦めない。夢で見るということは現実でもできるかもしれないのだから。
「あれから10年か、約束は果たせた」
今でも魔王討伐は諦めてない
あの日約束したことも、守ってきた
「おうよ、10年ぶりだな、坊主」
「お久しぶりです、ガルトおじさん。約束は果たしましたよ」
「お、おう?もしかして10年後にって言ってたやつか?まだ諦めてなかったのかよ村人で魔王討伐」
無論諦めてない、諦めるはずもない。
自分の夢は、夢で終わらせたくないから。
「それで?教えて下さるんですよね。」
約束は『10年後、18になった時に、レベルが3になっていたら』ということだった。
現在のレベルは10
パラメーターは
攻撃力10
防御力80
俊敏力20
状態異常耐性100
職業適応率 EX
運 EXマスター
「はぁ?!もうそれ村人のレベル通り越して勇者並み、しかもレベル100(MAX999)のS級勇者並みだぞ?・・・まぁ攻撃力は魔法使いにも劣るがな」
そう、通常の勇者のステータス(Lv10)は以下の通りなのだ
攻撃力50
防御力10
俊敏力5
状態異常耐性10
職業適応率100
運 10
(ちなみにEXというのはステ値はMAX100その100倍でEX、EXの10000倍でEXマスター)
「んで?魔力はどのくらいあるんだ?」
「それが・・・」
見て見ても表示がバグっているのか『???』と書かれている
「はは、お前さん、魔力ないんじゃねえの?」
そういうわけではない、実のところ、魔法だったら何度も使っている。
集中力が切れて長続きしないが、飛空魔法を2時間ほど続けていたことがあった(通常村人は10秒と持たない)
「・・・まぁちょっくら知り合いの勇者パーティー連れてくるよ。今の俺が坊主と戦ったら死にかねねぇからな」
そうして10分もしないうちに、よく酒場にくる勇者パーティーがきた。
「まっさか、村人の訓練をしてくれだなんてなぁ。俺らも舐められたもんだぜ」
と、勇者『Lv18」
「まぁ、1ヶ月タダで飲み食いしていいって言ってるし軽くあしらっておけば諦めるんじゃない?」
と、魔女『Lv28』
「どうせやるからには、本気で相手してあげないとねー」
と、妖狐『Lv40』
「俺はいつも通り、壁になるだけ」
と、槍使い『Lv35』
勇者一行が歩いてきた。
「今日は、よろしくお願いします。勇者ベルザさん、魔女シルフさん、妖狐アリスさん、槍使いテミットさん」
「ふぅん、ボクたちのこと知ってるんだ。よろしくね、カイル君。んで、ついでにかわいいから」
なんて言いながら突然抱きついてナニカされた
一瞬当たったような気がした
「何か、しました?」
「さぁ?」
「オッホン、さて、じゃあまず君のステータスを見せてもらおうか」
(どうせ村人でしかもまだ18だ、どうせ低・・・い・・・)
「「「「勇者のステ値超えちゃってるぅぅぅぅ?!」」」」
愕然とする勇者一行
「ステ値が高くても、戦い方がまだわかってないんです。剣や弓の使い方、そして何より魔法を教えてほしいです。」
「魔力はどのぐらいあるの?」
でた、またこの質問だ
「わかりません。魔力切れになったっことはないですが」
どうせ、また大声だして、驚くんだろうな
「「「魔力切れを経験してないっ?!」」」
やっぱり・・・ってあれ?魔女の人は驚いてない・・・?
「ふぅん、まぁ、ステ値聞いた時点で、おかしくはないと思ってたけど、上限なしだったかぁ・・・」
「どういうことだ?シルフ」
「魔女はね?人間の魔力量がどのくらいなのか、見れるスキルがあるのよ。私はこれ手に入れたのは昨日のダンジョンでだけど。まぁ、異常な程の魔力は、遠目からでも見てわかってたけど、間近で見るとすごいのよね。もう、この魔力量は、一種の殺気よ。」
「もしかして、さっきからスライムの一つもわかないのって・・・」
「多分、この子の魔力量がハンパ無さ過ぎて、湧き場所を失っているんだと思う」
「え・・・?そんなに多かったんですか?」
「多分、世界一といっても過言じゃないわ。今は『味方』として判断してくれてるからいいと思うけど、多分キミが、私たちを『敵』としてみなしたら、魔力のほとんどが、殺気として襲って私たちでも死んでしまうと思うわ。」
そこまで魔力があったとは・・・それに魔力って殺気になるし、殺気って人殺せるんだ・・・
「魔王が強いのはそれが原因。私たちを『敵』としてみなしてるから、魔力が殺気になって、動けなくなるの」
魔王の話を始めた途端、勇者が震えだした。
あぁ、そうかそういえばこの人たちって、魔王に挑んだパーティーの補佐をしてた人たちだっけ
だから、魔王のこと知ってるんだっけ
「聞いていいのかわからないですけど、魔王との戦いのことって、聞かせてもらえますか?」
無理だと思う。それは、彼らは、少なからず見方の〝死″を見たんだし、なにより、魔王との戦いから逃げてきた人たちで、魔王討伐から離れるために、こんな辺境の村の護衛をしてる勇者パーティーなわけだし。
「別にいいよー」
「え?」
予想外の返答に、戸惑いを隠せなかった
「大丈夫・・・なんですか?」
「ん?何を心配してたの?みんなはどうかわかんないけど、ボクはもうとっくに整理ついてるから問題ないよー」
「いや、お前だけじゃない、多分全員整理はついている・・・はず」
そう・・・だったのか。
まだ初級パーティーって言ってたけどさすがは勇者一行か、強い
「んで?何を知りたいの?」
聞きたいことは一つ
「どんなやつだったの?」
その瞬間、妖狐を除いた全員が肩を抱えて震えだした。やはり、まだ恐怖は完全に消えていないようだ
「うーん、一言で言うと〝圧″かな」
「圧?」
「そう、〝圧″。奴の放つ殺気の前では、Lv.60の勇者でも立っていることさえ出来なかった。」
魔王ってそんなに強いんだ
「じゃあ今度は、こっちが質問するばーん」
え?質問されても答えれることないと思うんだけど
「キミ、魔王の血、引いてるでしょ?」
さて、いかがだったでしょうか。
どんな続きになるかはわかりませんが、お楽しみに!(但し期待はしないでください)
このストーリーは、毎日投稿を目標にして書いております。
それでは次回、〝妖狐は少年に何を強いる″(仮)もよろしくお願いします