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全中覇者

 今、俺は走っている。大きく腕を振り、脚を動かし、力強くタータンを蹴る。かなりのハイペースだ。前には誰もいない。後ろを一瞥すると、たくさんの選手が俺を追いかけ走っていた。


 先頭だ。俺は今、先頭を走っている。不思議と息は乱れていない。周りの応援や歓声は全て俺に向けられていた。



『先頭の江口くん、残すところあと1周! 4600mの通過は13分48秒!』



 残り1周を知らせる鐘が鳴り響き、アナウンサーが俺の通過タイムを知らせる。



「江口くん頑張って! 14分台が出るよ!」



 ミケちゃんが応援してくれている。もう1周しかないんだ。全力で戻ってくる……と言いたいけど、急に息が苦しくなってきた……まるで鼻をつままれているような……くっ苦しい苦しい!



「ぶはあっ! はあー死ぬかと思った……」


「なはは、江口くんごめん! やりすぎちゃった」



 試合当日。陸上部員の朝は早い。試合自体は9時頃から開始なのだが、場所取りのために7時頃には競技場近くに集まらなければならない。


 競技場の最寄駅に到着するまでの間、どうやら電車に揺られながら眠っていたようだ。



「ミケちゃん、さっきのは洒落にならないって」


「いやー江口くん、楽しそうな夢見てるような眠りっぷりだったから、ついイタズラしたくなっちゃって……」



 ごめんと舌を出して謝るミケちゃん。うむ、カワイイから許す! もし瑞樹や伊東がしていたら絶対に許さなかったけどな!



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