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008学校初日001

ほいのほい!

朝、大きな欠伸をしながらゆっくりと体を起こした。朝の日差しと涼しい風が丁度いい春うらら、新しい生活を始めるにはいいスタートになりそうな朝だ。

んーっと背伸びをして眠気眼を擦りながらベッドに腰を掛ける、湊の服装は昨日のままの制服姿だった。余り動いていないといっても少し気になるな。


(んー、制服のストックはあるからまだ大丈夫だけど、私服を早めに手に入れたいかな、洗濯もどうしたらいいかわからないし・・・)


自分の着ている制服の袖を鼻に近づけ少し匂いを嗅いでみたが、汗のにおいはしなかった、いや自分の匂いだから気づけないだけなのかもしれないが・・・


(ウォルウィルが覚えている魔術で何か使えるものはないだろうか・・・)


改めて自分が使える魔術を思い返してみると、そういえば便利な魔法があることを思い出した、それは全職業が共通して使うことができる、生活術だ。

簡単に説明すると、空腹時に硬いパンや飲み水をだしたり、小さな火種をだしたり、服装や体の汚れを落としたりできる、生活を楽にすることができる術だ、職業に合ったステータスを消費し使うことができる、俺の場合は魔力だ。詠唱も簡単で、今から使う魔術は体を魔力で覆い、意識して短い単語を詠唱すれば発動する。


(まぁ学生だし、いつも同じ服装でも大丈夫だろう、お風呂に疲れる場所も探さないとな!とりあえず今は)


「オールクリーン」


自分の周りにこう、ムムムっと力を溜め詠唱する、自分の体が一瞬ふわっと発光したと同時に、ゾワゾワっと少し気持ち悪い身震いを体が襲ったがその後、さっぱりとした感じが体をめぐった。


「不快感の後に来るこのさっぱり感、これがクリーンか、ゲームだと序盤とか見た目にこだわる奴等しか使わないからな、すこし気になってた寝汗もなくなってる、ゲームだと返り血とか雨で濡れた時の汚れ?を元に戻すだけなんだがな、さすがリアルって所か?」


早速クリーンの魔術で体と服を綺麗にした後、よし何をすればいいんだろうか、とりあえず今日から学校だ、学校といったら自分のクラスがあるはず、確か生徒手帳に俺のこの世界での個人情報が書いてあったはずだ、よし確認してみよう・・・・・・・・・・・


とりあえず、俺は魔術科1年のヘンっていうクラスらしい、教室の場所も生徒手帳に記されていた、時間割も書いてある、一番最初からか、よし行くか。

生徒手帳を見ながら学校内を歩き回る、最初から土地勘なんて物は存在しない湊さんは案の定迷った、広すぎるんだよこの学園!とりあえず現在位置をしっかり把握しないと、うん此処がどこだか分からない、とりあえず近くの扉開けてみて、人がいたら突然の訪問に謝りながら今いる場所と道を教えてもらうか。

湊は少し歩いた先にあった扉にとりあえずノックをして「すみませーん」と言いながらドアノブを回し部屋へと入っていく。部屋の中はいっぱいの本と、その独特な匂いが充満した場所だった。そして、視線の左奥に、真っ赤に燃える様な赤色の髪に白い眼鏡をかけた色白な美人さんが、一冊の本を読みながらマカロンを頬張っていた。

本に集中しているところ申し訳ないと思ったが、ゆっくり近づき二人が手を伸ばせば手が届く距離で声をかけた、此処まで近づいても気づかないってことは本当に集中しているんだな、更に申し訳なくなってきた、まぁでも本が沢山あるということは、共用スペース的な場所なんだろう、まぁ大丈夫さ。


「すみません・・・・・あの・・・、おーい、おーーい?アレ?聞こえてないの?」


いくら呼びかけても今の位置で手を振ってみても気づかないので、肩に手をかけ少し揺すってみることにした。

ゆさゆさゆさゆさ。おっ!

にゅっと手が伸びると隣のテーブルの上に置いてあるマカロンを掴みそれを口に放り込んだ、むぐむぐ。


「・・・・・・えっと」

「ん、まだいたんだ」

「本を読んでるところを邪魔して悪いんだけど」

「うん、邪魔、はやくどっかいって」

「そうだよね、邪魔だったよね、ごめん。でも此処がどこだか、それとできれば魔術科1年のヘンってクラスの場所を教えて欲しいんだけど、お願いできないですか?」

「ん」


そう彼女は呟くと、読んでいた本に栞を挟むとパタリと本を閉じ、マカロンが載っている机の上で、持っていた本の角トントントンと三度叩き俺が入ってきた扉を指差し「出てって」そう言い放つと、栞を挟んだ本を開き読書を再開した。


(出てってか・・・・・・一度本を閉じて机を叩いたあの動作に何か意味があったのだろうか?、でもまぁこれ以上話しかけても何も返事は帰ってこない気がする、ふむ・・・言われたとおりにするか、また別の部屋で聞いてみればいいか)


部屋から出るときに「ありがとう」と言ってから扉を開けた。


部屋に残った彼女は湊の背中を見つめ「彼が?」そう呟きマカロンを1つ頬張り、読書を再開するのであった。

もっちっとしたマカロンよりサクッとしたマカロンのほうが好みです、でもサクっとしてるのってマカロンなのかな?

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