24.激突!魔王城 その2
■■24.激突!魔王城 その2
「おい、この壁を壊すぞ!」
斉藤は千葉や永倉と突然現れた壁を必死に壊そうとしていた。
「静岡! 最大火力でやってみてくれ!」
「了解です。離れてください。」
全員が離れるのを確認すると、静岡は最大火力をその壁にぶつけた。
しかし、その壁は傷一つつかなかった。
「ダメです。結界のようなものかもしれません。」
「沖田!聞こえるか! 聞こえたら返事しろ!」
斉藤は壁を叩きながら、沖田に懸命に呼びかける。
しかし、壁の向こうから反応は無かった。
「俺としたことが、失態だ・・・」
「いや、これは不可抗力ですよ。」
永倉が斉藤に声をかける。が、永倉も珍しく、その顔が青ざめていた。
「いずれにせよ、戻れない以上は前に進むしかなさそうですな。」
千葉が前方から来るスケルトンウォーリアーを見ながら、そうつぶやく。
「戦闘準備だ。千葉、永倉、前を頼む。」
斉藤達はスケルトンウォーリアーへと向かっていく。
スケルトンウォーリアーを全滅させ、前へと進むが、分岐することもなく進んでいった。
「沖田達は大丈夫だろうか。」
「まあ、あの3人が一緒であれば、魔王ですら倒しても不思議はないですけどね。」
そういう永倉の顔には、普段の顔色が戻り始めていた。
「たしかに、そうかもしれないな。」
「まあ、あの3人ですしね。」
「今ごろ、うるさいのが居なくなったって、ピクニック気分かもしれませんよ。」
静岡や埼玉も思い思いのセリフをはく。といっても、表情は硬いが、そう思わないと気持ちが保てないのだろう。
それに、花子の動揺が大きかった。花子にしてみれば、こちら側に居たのが幸いしていたのだが、突然沖田や赤坂、サスケという一緒にいたメンバーと別れてしまい、その安否が不明という状況であれば動揺してもしょうがないだろう。
「よし、まずはこのまま進む。魔王との戦闘も勝てばいい。むしろ俺達が勝たないと、沖田達3人にやらせることになるかもしれない。それだけは避ける。」
斉藤の言葉に、一斉にうなずき、先に進んでいく。
◆◆
「止めだ!」
土方達は順調に進んでいた。途中幾多の戦闘があったが、ブラックシャドウにとっては、ザコに過ぎない。
「結構進みましたし、そろそろ来るんじゃないですかね。」
表情にはまったく疲れが見えていない。むしろ、ウォーミングアップでもしているような気楽さが伺えた。
そして、角を曲がると、そこには頑丈そうな扉があった。
「こっちが当たりだったようだな。」
土方はその扉を見ながら、にやりと笑った。
「開けますよ。」
一斉に戦闘態勢に入る。
「よし、開けろ!」
その扉が開けられると、一斉に部屋へとなだれ込んだ。
「なに?!」
そこには、グールやスケルトンウォーリアーの集団と、3mほどのガーゴイルが居た。
「ガーゴイルは俺がやる。ザコどもを始末しろ!」
土方が指示を飛ばすと、隊形を作り魔物達へ一斉に襲い掛かる。
「ガーゴイルとはな。」
土方は剣を鞘に納めながら、ゆっくりとガーゴイルに向かい歩き始める。
ガーゴイルも土方を睨みながら、ゆっくりと歩き始めた。
突然、ガーゴイルが羽ばたきながら、右手を大きく振りかぶって土方に襲い掛かる。
「ザクッ」
鞘に収められていたはずの土方の剣がきらめき、ガーゴイルの体は真っ二つになっていた。
そして、土方はそのまま魔物の群れに襲い掛かった。
「ガーゴイルが魔王ってことは無いですよね。」
「居合いの一撃で沈む魔王が居てたまるか。」
あっさりと魔物を全滅させたものの、その表情は暗かった。
「ちっ、こっちはハズレだ!戻るぞ!」
「「了解!!」」
土方達は、その装備の重量もものともせず、来た道を全力で戻り始めた。
「スケルトンの野郎ども発見」
「かまわん!ひき殺せ!」
先頭の二人が盾を構えて、そのまま魔物の群れに突っ込んでいく。盾に弾かれて魔物が吹っ飛び、剣を交えることもなくそのまま踏みつけられていった。
◆◆
花子は力の限り、魔物を叩きのめしていた。早く先に進まなくては。
ここまで順調に来ていたが、まだ沖田達とは合流できていなかった。
おそらく、あの罠を発動させたのは私だろう。迂闊に前に進みすぎた。ある程度まで進んだところで、退路を塞ぐ罠だったようだ。
もし、このまま合流できなかったら・・・
「三村さん、あせってもしょうがないですよ。」
永倉が三村の肩を叩く。一体何度目だろうか。
花子が振り向くと、みんながやれやれという顔をしていた。
・・・みんなは沖田達を信用している。私だけが信用していなかったのか。
自分が一番、沖田達を理解していると思っていた。でも、それは恐らく思い込んでいただけ。
花子は涙ぐむが、ひたすら我慢した。
「この先の部屋で休憩できそうです。ひとまず休憩にしましょう。」
先行していた埼玉の声に促されるように、進んでいく。
その部屋は、一見これまでの部屋と同じようだったが、3つの通路が繋がっていた。
「さて、どっちでしょうね。」
千葉が腰を下ろしながら、斉藤に話しかける。
「さあな。どっちでも全滅させるまでだ。」
斉藤は水筒を取り出すと一口飲み、千葉に渡そうとするが、その手が止まる。
「来るぞ!」
一斉に立ち上がり、戦闘準備を整える。
「よう、斉藤。」
「え?土方課長?」
音の主は、土方達だった。
「ん?斉藤達も魔王の部屋には辿り着いていないのか?」
「ええ、まだです。そっちは。」
「こっちはハズレだ。ガーゴイルがいやがった。」
「それは、さすがにハズレですね。」
「沖田達はどうした?」
「途中の罠で分断されました。
斉藤は土方達に、これまでのいきさつを説明した。
「その罠は怪しいな。」
「いずれにしろ、この部屋から出るには、そこから進むしかなさそうです。」
そういって、斉藤は最後の出口を指差した。
◆◆
「ちょっと、この臭いはなんとかなりませんか。」
赤坂がご機嫌斜めである。
俺達は隠し扉の通路を進んでいるが、ここはグールがよく使っているらしく、グールの臭いが充満していた。
幸いなことに真っ暗で、暗視ゴーグルをつけて進んでいるため、壁が良く見えていないのが不幸中の幸いだった。
もし、光をつけていたら、その壁の状況で、さらに気持ちが落ち込んでいただろう。
「しょうがないっす。がまんするっす。」
「それは分かってますけど、それにしても我慢には限界があるんです。」
「あ、出口っぽいぞ」
前方に、部屋らしきものがあり、そこから光が差し込んでいた。
「ようやく抜け出せたか。」
でも、俺達の装備はなんか黒いタールのようなものが大量についていた。
「気持ち悪いので、掃除します。」
赤坂がクリアの魔法を唱える。すると、黒いタールのようなものが消えてしまう。
「ついでに、デオドラント」
消臭の魔法なんかあったっけ?と思ったら、家庭用の消臭スプレーをかけ始める。
「なんでそんな物もってるっすか。」
「女性の身だしなみです。」
そうなのか? まあ、案件によっては1週間ぐらい風呂に入れなかったりするから、そういうのも便利ではあるけどな。
そういえば、赤坂は風呂はいってんじゃないか?って思うことがたまにあったが、これがその秘密だった訳か。
「とりあえず、斉藤課長達に合流できるかどうかは分からないけど、先に進むか。」
「ガーゴイルだ。石化に注意しろ。」
沖田は盾を構えながら、ガーゴイルに突進する。しかし、ガーゴイルは縦横無尽に飛び回る。
「フリーズ」
沖田の突進を避けたガーゴイルの回避コースを読んだ赤坂が、ガーゴイルの動きを止めた。
「もらったっす。」
サスケがガーゴイルの羽を切り裂く。
「止めだ。」
動きの止まったガーゴイルに沖田が剣を突き刺すと、ガーゴイルは崩れ落ちていった。
「よし、先に進むぞ。」
その部屋の入り口の扉は開かれていた。そして、膨大な量の瘴気が流れ出しているのが感じられる。
「魔王だな、おそらく。」
「そうですね。この感じは今までにはなかったものです。」
「よし、行くか。」
赤坂とサスケがうなずく。
部屋の中には、巨大なハエのようなものがいた。
「ベルゼブブ!?」
まずい、この戦力で倒せるのか。
沖田は二人に目を向けると、赤坂とサスケは沖田にうなずく。
「うおぉぉぉ。」
盾を構えた沖田がベルゼブブの前に立ちはだかった。
ベルゼブブはゆっくりと顔を上げ、沖田を見るとその羽を羽ばたかせ、沖田に向かっていった。
「ちっ。」
ベルゼブブの足が沖田を狙うが、沖田は盾でそれを受け流した。
「なんだと。」
掠めただけだったが、沖田の盾は大きく傷つけられていた。
「足の攻撃はやばいぞ、注意しろ。」
その隙を狙って、サスケが切りかかる。
が、複眼を持つベルゼブブはサスケの動きを把握しており、あっさりとその攻撃をかわす。
「死角がないっす。」
サスケの顔にあせりが見られる。
「ウィンド」
赤坂がベルゼブブに放つが、その羽が巻き起こす風で相殺されてしまう。
さらに魔法を放つ。
「フリーズ」
しかし、あっさりと避けられてしまった。
「魔法が・・」
「落ち着け。」
沖田は二人に声をかける。しかし、沖田にも攻める手は思いつかなかった。
沖田とサスケは、ベルゼブブにしきりに切りつけるが、ぜいぜいかする程度であった。
「サスケ、同時に行くぞ。」
「了解っす。」
タイミングを合わせ、切りかかる。
サスケの剣が、ベルゼブブの足の1本を切り落とした。
「見えるのと、それが避けられるのは別物のようだ。いけるぞ。」
赤坂の魔法で動きを牽制し、沖田とサスケがタイミングを合わせて切りかかると、攻撃が当たり始めた。
「いけるっす。」
サスケが次の攻撃を仕掛けようとするタイミングで、突然ベルゼブブの体に黒い霧がまとわりつき始める。
初めて見たはずだが、沖田にはなぜか分かった。
「これは・・・デスミストだ!俺の後ろに隠れろ。」
サスケは盾を構えた沖田の後ろに即座に移動する。その瞬間に沖田の体に結界が張られる。
「赤坂?!」
沖田が後ろの赤坂に目を向けようとした瞬間に、ベルゼブブから黒い霧のような光が放たれた。
「ううっ。」
「赤坂、大丈夫か。」
うずくまった赤坂の半身に、黒い霧のようなものがまとわりついていた。
赤坂は沖田に結界を張るために移動が遅れ、その半身にデスミストを受けていた。
「赤坂さん、しっかりするっす。」
サスケは赤坂にポーションを振りかける。しかし、赤坂は気絶しており、その顔色は生気を失いかけていた。
「サスケ、赤坂を連れて逃げろ!」
沖田はそう叫ぶと、サスケに手持ちのポーションを投げる。
サスケは一瞬戸惑うが、覚悟を決める。
「了解っす。」
サスケは沖田の投げたポーションを赤坂に振り掛けると、赤坂を背負い全力で駆け出した。
逃げるサスケを、ベルゼブブが追うべく向かおうとする。
「行かすか。お前の相手は俺だ!」
沖田がベルゼブブの前に立ちはだかる。
「頼むぞ、サスケ。」
ベルゼブブを睨み剣を構えると、沖田の体が光始めた。
◆◆
土方達は、怒涛の進撃を繰り広げていた。盾を構えたまま、魔物に突っ込んでいく。
そして、グールの臭いの立ち込める穴を進んでいた。
「光が見えます。出口でしょう。」
「急げ、この臭いはたまらん。」
そして、その穴を抜けると、見た記憶のある通路にいた。
「どうやら、戻ってきたようですね。」
埼玉が周りの状況を確認しながら、土方達に伝える。
「さて、どっちだ。」
「静かに。」
埼玉が気配と音を探り始める。
「何かきます。」
埼玉が弓を構えると、黒い何かがものすごい勢いでこちらに向かってきた。
「サスケ?!」
黒いものは、赤坂を背負ったサスケだった。
「赤坂さんが重傷っす。沖田さんはベルゼブブと戦闘中っす。」
サスケは息も絶え絶えに伝える。
静岡と永倉がサスケから赤坂を受け取り、症状を確認する。
「なんだこれは。」
「ベルゼブブのデスミストを受けたっす。ポーションは使ってるっすけど、あまり回復はしてないっす。」
「デスミストだと・・・ 」
静岡が一応の処置をし始めるが、赤坂の顔色は一向に戻らなかった。
「千葉、お前のチームで赤坂を頼む。永倉、三村、援護しろ。」
「「了解。」」
「サスケ。沖田のところに案内しろ。」
「了解っす。」
サスケは赤坂に一瞬目を向け、静岡や永倉にうなずくと、走り出した。
その後を土方達が追う。
「じゃあ、こっちも早急に動くよ。」
永倉はそういうと、赤坂を背負い、千葉達と走りだしていった。
土方は後悔していた。サスケがこんなに早いとは。
サスケは赤坂を背負っているにもかかわらず、信じられないスピードで走ってきていた。
冷静にみれば、この結果は予想できたはずたっだのだが。
幸いなことに?サスケといえども疲れており、いつもほどのスピードは出ていなかった。
とはいえ、ブラックシャドウでもついていくのがやっとだ。
どこまでいくんだ・・・ もつのか・・・
◆◆
「そろそろまずいな・・・」
ベルゼブブの攻撃を、かろうじて盾でかわすが、その盾もいたるところに穴が開き、所々欠けているような状態だった。
そして、盾だけでなく、その装備も致命傷すらないものの、傷だらけでもはや防御力は殆どうしなっている状態だ。
装備に仕込んだチューブから、最後の一口のポーションを飲む。
しかし、それは沖田だけではなかった。ベルゼブブも少なからずダメージを受けていた。
羽こそまだ致命的なダメージは受けていないものの、足は残すところ1本だけとなっていた。
飛び回れる分、ベルゼブブに有利な状態とはいえ、双方瀕死に近い状態であった。
「赤坂達は無事に逃げ切れたかな。」
朦朧とする意識の中で、沖田はふと微笑む。
そして、その時運命が動きだした。
「沖田さん、大丈夫っすか。」
「サスケ?」
「赤坂さんは、千葉さん達が救出しているっす。」
サスケが沖田の脇に並ぶ。
「なぜここに?」
「一緒に戦う為っす。決まってるっす。」
「おう、沖田。待たせたな。」
土方課長や斉藤課長達も来てくれたようだ。
「後は任せろ。いくぞ。」
土方の号令にて、一斉にベルゼブブに襲い掛かる。ベルゼブブは動きが遅くなっているので、その剣や魔法を避けきれず、ダメージを受けていく。
後方に下がり崩れていく沖田に、サスケはありったけのポーションを振りかけていた。
「大丈夫っすか。」
「ああ、サスケ。すまん、助かった。」
「羽を狙え、足を止めれば勝ちだ。」
土方達の攻撃は、ベルゼブブを押していた。
しかし、押されながらも、ベルゼブブは羽への攻撃を巧みにかわし続ける。
そして、一瞬の隙をつき、土方達に攻撃を仕掛けていた。
「ぐふっ」
「大丈夫か、下がれ。」
そして一人、致命傷ではないが、重傷を負い戦線を離脱していた。
「このままではジリ貧になる。一気に詰めるぞ。」
「「おう!」」
「今だ!」
土方の号令で、一斉にベルゼブブに剣を突き立てる。そして、ベルゼブブの動きが止まる。
「何っ?!」
動きを止めたベルゼブブの体に、黒い霧のようなものがまとい始めた。
「ううっ・・・」
その黒い霧は、剣を伝って土方達の体にまとわりついてダメージを与えていく。
「剣を放してください!」
沖田は叫ぶが、あたかも感電しているかのように、剣から手が放せないようだった。
「デスミストくるっす!」
一度受けたその技を、サスケは覚えていた。しかし、土方達は回避行動をとれない。
「うりゃ。」
沖田が盾をベルゼブブの頭めがけて投げつけた。そして、そのままサスケと沖田はベルゼブブに向かってダッシュしていた。
沖田の投げた盾を、ベルゼブブは避けようとするが、剣に刺されて身動きが取ない。
「ぎゃあああ!」
盾がベルゼブブの片目をつぶし、その痛みでベルゼブブが一瞬黒い霧を止める。
その瞬間に、土方達は解放されるが、霧によるダメージで動けず、その場にうずくまる。
そして、黒い霧はデスミストを放つため、再度まとわり付き始めた。
「やらせるかよ!」
サスケの刀が、もう一方の目を潰す。
そして、沖田の剣はベルゼブブの頭に刺さった。
「ぐふっ」
沖田が口から血を吐く。見ると、ベルゼブブの最後の足が、沖田の胸に刺さっていた。
そして、沖田の刀とその突き刺さった足を伝い、黒い霧が沖田の体を蝕んでいく。
もうちょっと、あと数センチ押し込んでいれば、ベルゼブブはその動きを止めていた。
しかし、沖田には、もうその力は残されていなかった。
サスケはその足を刀で切り落とそうとするが、沖田の目が、止めを刺せといっている。
「止めっす!」
サスケは沖田の剣を握ると、ベルゼブブの頭を貫通させるべく、全身の力をこめて押し込んだ。
「ぎゃあああああ!」
ベルゼブブの叫びとともに、その体は霧とともに消えていった。
「勝ったっす。沖田さん、勝ったっすよ!」
サスケは崩れていく沖田を支えながら、沖田に声をかけるが、沖田は目を開けなかった。
「沖田さん、沖田さん!」
サスケは沖田の体をゆすりながら、沖田に声をかけ続けた。
「沖田!」
ようやく動けるようになった土方達が、沖田に駆け寄り回復処置をするが、その効果は見られなかった。
ゴゴゴゴゴ・・・
「この音は・・・ まずい、城が崩れるぞ!」
サスケは斉藤の手を借りて沖田を背負い、出口に向かって走り出す。
それをサポートするように、一斉に走り出した。
「ダメです。通路が崩れ始めています。」
先行したメンバーが戻りながら、通路を指差す。その指の先には、天井が崩れ始めていた。
「万事休すかよ。」
土方は、苦笑した。
「土方か・・土・・ 聞こえ・・」
「土方だ。真田か?!」
「城が崩れは・・・ 強制送・・ 」
「頼む!」
一斉に土方を見る。
「魔王が死んで、どうやらインカムが復活しはじめてますね。」
斉藤がインカムの動きを確認しながら、土方にうなずく。
「ああ、そうみたいだ。真田が強制送還をするようだ。もうちょっと耐えとけ!」
「「了解。」」
盾を頭上に並べて、その下に全員が集まる。しかし、盾にも天井から落ちてくる石が当たり始めていた。
「こんちくょう!」
盾を支える手が、装備の上からも分かるぐらい、膨れ上がっていた。
「準備完・・ 開始!」
インカムから聞こてくる真田の声に合わせて、全員の体が光に包まれていった。
遅くなりましたが、ようやく更新です。
次回、最終回になります。
果たして、沖田の運命は!?
って、2章?とかいっていたので、いまさら感があるようですが、
沖田が主人公とはいっていない!
どっちかっていうと、サスケの方が主人公っぽいしw
次回、「24話 戦いの傷跡」
君は、刻の涙を見る・・・ ってやってみたかったw




