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23.激突!魔王城 その1

■■23.激突!魔王城 その1



 翌日、近藤部長や、土方課長をはじめとする1課のブラックシャドウの面々が到着した。

 斉藤課長も一緒に来ていた。斉藤課長はブラックシャドウの装備をしている。一緒に突入するのだろう。

 

 千葉さんが状況の説明をしている間に、ブラックシャドウの設営を手伝う。

 

「やあ、沖田君。久しぶりだね。」


 永倉さんが手をふりながらやってきた。

 

「お久しぶりです。あれって魔王の城なんですよね。」


「だね。さすがにあの規模は初めてみるけど。」


「やっぱり、結構やばいんですか。」


「まあ、やばくない魔王はいないんじゃないかな。」


 それはそうだ。

 

「でも、あれは流石に類を見ないヤバさだろうね。大体、このフィールド型ダンジョンだって、あの魔王の城の影響の可能性があるね。だとすると、フィールド型ダンジョンすら作ってしまうほどの魔王って類をみないんじゃないかな。」


 とんでもない経験をしたようだ。まあ、流石に中には入らないので良しとする。

 

「ってことで、背中貸して。」


「え?」


 永倉さんが俺の背中に、見慣れない機器を取り付ける。

 

「封印解除するから。」


「はあ? 封印? ちょ、ちょっと待って。」


 赤坂とサスケはニヤニヤ見ていた。こいつら、なんか知っている。花子は興味丸出しだ。

 永倉さんは、俺の背中になんか機器を取り付けて、ボタンを操作し始めた。

 

「真田課長、永倉です。こちらは準備できました。」


 真田課長だと・・・ いやな予感しかしない。

 

「よし、沖田くん始めるよ。動くと危険だから、動かないように。」


 動くと危険ってなんだよ・・・

 俺の背中でピコピコ音がし始める。特に変わった感じはないが、しばらくして音が止んだ。

 

「もうちょっと待ってて。」


 いやな予感しかしないが、動くと危険とか言われているので、迂闊に動けない。

 

「おー、まじかよ。」


「なんなんですか、永倉さん!」


「いや、沖田君って魔法の素質あったんだね。」


「はあ?初めて聞きましたけど。」


 背中につけられた機器は、封印とやらの解除システムと、身体能力の検査機とのことだった。

 で、検査の結果、俺にはどうやら魔法の素質があったらしい。

 

「入社の時の検査では、素質なしだったんですけどね。」


「経験とともに素質が開花したとかって、かなりレアケースかも。」


 通常、素質というのは、経験や訓練でどうにかなるものではない。素質があるかどうかは、かなり生まれつきのものだ。しかし、素質さえあれば、多少能力が低くても訓練しだいで伸ばすことができるのである。ただ、ないものは何をやっても伸びないのだが。

 

「ってことは、沖田さんも魔法仕えるってことっすか。」


「今すぐは無理だけどね。訓練すれば使えるね。」


「じゃあ、沖田さんには魔法仮面のカッコしてもらえますね。」


「いや、しないから。」


「何でですか!絶対似合いますから!」


 魔法仮面は、お仕置き系のシリーズ物に出てくる、タキシードを着たお兄さんである。まず、俺にはタキシードは似合わないし、サスケ以上に浮きまくること間違いなし。つうか、タキシード着て戦うとかなんの罰ゲームだよ、それ。

 

「よし、終了。これでブラックシャ・・ いや、なんでもない。」


「え?今ブラックシャドウって言いかけませんでした?」


「いや、言ってない。気のせい。空耳だと思う。」


「そうっす、気のせいっす。」


「そんなことより、魔法仮面ですよ、沖田さん。」


 もう、どうでも良くなってきた。

 

 

「よう、終わったか。打ち合わせやるぞ。」


「はい、今行きます。」


 斉藤課長達に呼ばれたので、打ち合わせに向う。

 

 

 俺達がいくと、近藤部長を中心とした全体打ち合わせが始まる。

 

「では、始めるか。まず、今回は3チーム体制とする。Aチームは突入経路と入り口の確保を行う。」


 突入経路の確保は、突入チームへの負担を減らすため、1チームが専属で対応する。また、特に今回のようにフィールド型ダンジョンに隣接している場合、ダンジョンの魔物達が城に入ってくるのを防ぐ必要もある。恐らく、俺達はこの担当だろう。でも、下手すると1000とかの魔物と戦う可能性があるので、魔王と戦うのとどっちもどっちなような気がする。

 

「そして、BチームとCチームで突入を行う。」


 突入は1チーム10人の2チーム体制だ。よくゲームなんかでは勇者が4人パーティとかで魔王と戦うが、あれはリスクが多すぎる。そもそもゲームと違い疲労もするわけで、4人とかだと間違いなく魔王にたどり着く前に全滅するだろう。かりに辿り着いたとしても、魔王と戦えるほどの気力も体力も残ってないと思う。なので、ローテーションしながら疲労と損害を抑えつつ、なるべく少ないリスクで進んでいく必要がある。

 

「チームの割り振りは、俺のところがAチームを受け持つ。Bは土方のところ、Cは斉藤のところとする。突入は土方の指揮で進めてくれ。以上だ。」


 げっ、俺達は突入チームになってしまった。でも、CチームはBの温存のための途中の経路確保がメインになりそうだから、魔王と戦う可能性は非常に低いだろう。それに永倉さんもこっちのチームにくるそうだ。なので、俺達Cチームは斉藤課長、千葉さん、静岡さん、埼玉さん、永倉さん、赤坂、サスケ、花子、俺の9人となる。

 

 

 早速ポーションなどの追加を受け取り、魔王の城に向かうことにする。途中、ゴブリンとダークウルフが結構いた。これは偵察を目的としているのだろう。魔王側も、俺達の戦力を把握しきれていないようだ。ということは、戦力の配置がうまくいっていないことによる穴があり、コースによっては少ない戦闘で城にたどり着ける可能性があると考えていいだろう。


 そして偵察の効果もあり、かなり少ない戦闘でほぼ無傷のまま城にたどり着くことができた。

 しかし、城の入り口付近には、ホブゴブリンやスケルトンの大群が配備されていた。さすがにこれはAチームだけでは対応しきれないので、総力戦となる。

 とはいえ、突入がメインであるため、Aチームを先頭として入り口までたどり着くことが優先される。またたどり着くまでに敵戦力の1/3ぐらいを削れれば御の字だ。あとは入り口を固めながらAチームが持久戦に持ち込むことになる。その間にBとCは突入するわけだ。

 

「行くぞ!」


 近藤部長の掛け声とともに、俺達は一斉に城に向かって進んでいく。戦闘が始まるとすぐに周りを囲まれるが、それは織り込み済みだ。無理に倒す必要はない。先頭が進んでいくのに防御メインで着いていくだけでいい。

 しばらくして、城の入り口にたどりついた。多少の損害はあるが、すべて軽症のためここまではうまくいったと考えていいだろう。

 

「突入開始!」


 間髪いれずに土方課長の号令が飛び、俺達は城への突入を開始した。

 

 

 この魔王の城は大きく3つの建物で構成されていた。つまり魔王は一番奥の建物に居る可能性が高い。

 まずは、俺達Cチームが先頭になって進んでいく。

 

「埼玉、サスケ、先行を頼む。」


 斉藤課長の指示が飛び、埼玉さんとサスケが先行していく。

 俺達のフォーメーションとしては、千葉さんと永倉さん、俺の3人が盾になる。そして斉藤課長、花子がその後ろにつく。サスケも先頭が始まるとここのパートに入る。後衛は静岡さん、赤坂で、埼玉さんも戦闘時にはここに入る。

 本来なら、隠し扉とかがあり挟み撃ちにされることなども想定して、後ろにも盾を置くのが正しいのだが、後ろにもう1チームいるので、前面にまとめて置くことができた。

 

 慎重に進んでいくが、思ったよりモンスターは多くないようだった。とか思うと、やはり出てくる出てくる。

 

「スケルトンウォーリアーの団体さん来た。」

 

 いきなりスケルトンウォーリアーがやってきたようだ。埼玉さんが弓から対スケルトンの武器に持ち替えつつ戻ってくる。俺も剣を仕舞い、メイスに持ち替えた。

 幸いなことに、この通路はそれほど広くなく、3人が横に並ぶとほぼ壁ができる。よって、3人で壁を作りながら少しずつ誘導して叩く、というのを繰り返せばいい。モンスターの数は多くとも、こちらの戦力も十分であるため、たいした被害もなく最初の戦闘が終了した。

 

 その後も、何度か戦闘を繰り返し、ちょっとした大広間のようなところに出たので、一旦休憩することになった。

 

「さすがに魔王がいるだけあって、豪華な城ですね。」


 まだ余裕があるので、それなりに会話がでる。

 

「でもちょっと豪華すぎるかな。これは結構大物かも。」


 永倉さんと斉藤課長が回りを気にしていた。大物とかちょっとやめてほしい。

 花子は流石に緊張して口数が少ない。が、赤坂とサスケは通常運転だ。しかも赤坂は静岡さんのみならず、土方課長の方のメンバーとも和気藹々だった。あれは絶対魔法少女ネタだろう。

 

「斉藤、永倉、ちょっと来てくれ。」


 埼玉さんと話をしていた土方課長に呼ばれて、何人かで話をしている。なにかあったのだろうか。

 

「さて、困ったな。この城の中はレーダーはともかく、インカムも使えん。」


「変な結界でも張ってるんでしょうね。」


「とりあえず、今のところは問題ないが、注意してくれ。」

 

 斉藤課長から説明されるが、迷子になったら終わりということだ。まあ、ならんけどな、花子以外は。

 

 休憩も終わり、土方課長のチームが先頭に変わる。

 正直、ブラックシャドウをなめてました。あれは脅威以外の何者でもない。

 相変わらずスケルトンウォーリアーがわらわら出てくるのだが、ブルトーザーか戦車のごとく進んでいく。

 

「あのスケルトンウォーリアー達って紙とかで出来てないか?」


「いや、それはないっす。」


「だって、あの殲滅スピードはおかしいだろう。」


「きっと、赤坂さんに良いところを見せようと張り切ってるんだよ。」


 永倉さん、さらっと凄いこと言った。よく見ると、装備に赤坂ファンクラブのステッカー貼ってる人がいる・・・

 

 結局、俺達と変わらないぐらいの時間で、距離は倍近く進んでしまった。

 

 

 また俺達が先頭に変わって進んでいく。

 埼玉さんとサスケの足が止まった。罠でもあったのだろうか。後ろから、土方課長のチームの人がかけていった。そして、床に何か処理をしているようだった。そして、しばらくして戻ってくる。


「転送魔方陣だそうだ。」


「踏んだらどっかに飛ばされるってことですか。とんだ先に魔物の大群とかいたら、終わりですな。」


 話の内容はとてもシュールなのだが、斉藤課長も千葉さんもまったく普通に話していた。

 

「こういう罠って結構あるっすか。」


「まあ、そんなには無いね、普通は。あっても、結構後半のほうだし。」


「つまり、前半からあるのは結構珍しいと。」


 やっぱりこの城の魔王は大物ってことなのだろうか。

 

 魔方陣は無効化されているとのことで、通るときに見てみると表面に硬い膜のようなものがあった。

 これで魔方陣を覆って、起動させないようにしたらしい。一部を削っても無効化できるらしいが、削ろうとすることに対する罠もあるそうで、このやり方が一番安全だそうだ。

 

 さらに進んでいくと、あちこちで罠が見つかり始める。落とし穴だったり、壁から矢が飛び出す仕掛けだったり、埼玉さんやサスケが居なかったら、とっくの昔に全滅してそうだ。

 

 

 それは、スケルトンウォーリアーと戦闘中に起こった。

 

「隠し扉だ。」


 斉藤課長の声で後ろを振り向くと、壁にぽっかり穴があいており、更にスケルトンウォーリアー達がその壁から出ようとしていた。しかも、丁度俺達と土方課長たちの間で、かつ俺達の真後ろ。で、当然全員が前面の敵と絶賛戦闘中。

 

「後ろに回ります!」


 俺は、千葉さんと永倉さんに声をかけると、壁から出てくるスケルトンウォーリアーに向かっていく。

 壁の穴の前に立ち、盾で出てくるスケルトンウォーリアーを押さえ込む。直ぐに後ろから土方課長達も戦闘に加勢してくれたので、壁から出てきたスケルトンウォーリアーは土方課長達が対処しなんとかなった。

 

「これは厄介だな。分断されるときつい。」


 土方課長も顔をしかめている。今回は土方課長達が対応できる位置に出てきたのでそのまま押さえ込めたが、静岡さんや赤坂が直撃を受ける位置だと防御力が低いので、俺達がフォローに回るまでに崩れることもありうる。といっても対策は無く、せいぜいフォロー可能な間隔に気をつけるぐらいだろう。つまり、俺達には有効な不意打ちである。

 

 若干進むスピードが遅くなってくる。隠し扉への注意に加え、罠の数も増えてきていた。そういえば、この城に入ってからどのくらいの時間が経ったのだろうか。周りを見ると、流石に花子や赤坂は疲労が眼に見えるようになってきた。

 そして、いいタイミングで先ほど休憩したのと同じぐらいの広さの部屋に出たので、ようやく休憩になった。

 

 埼玉さんやサスケ達が部屋の様子を確認していく。特に隠し扉のような仕掛けなどはなさそうだ。といっても、調べても分からない仕掛けも当然あり、まったくないとはいえないのだが。

 

「よし。ここで一泊しよう。」


 土方課長の号令の下、俺達は準備を進める。寝床については、そのまま床に寝て問題なさそうだが、防犯のため謹製テントを張る。これなら襲撃があっても、多少は耐えられる。また、今回は赤坂や花子の女性もいるため、気を使うという意味もあった。まあ、花子が女というのにはかなり反論もあるかとは思うが。

 あと、今回の謹製テントには、瘴気除去効果を追加してあった。これはあまり経験の無い花子のためである。魔王の城は結構な瘴気が存在するため、本来なら花子は外すべきであったが、戦力として期待できるという判断で、急遽謹製テントに瘴気除去の機能を追加することで対応したらしい。真田課長恐るべしである。もっとも、四次元バックがなければ到底持ち運びはできなかったのだが。

 

 赤坂を中心に、食事の準備が進んでいた。途中、スケルトンが大量にわいていたので、今日はスケルトンのスープらしい。もっとも、食材は大量に持ち込んであるので、別にスケルトンをわざわざ使う必要はないのであるが、赤坂いわく勿体ないし新鮮な?素材は使うべきだそうだ。むしろ、こんなにスケルトンが居るなら、ラーメンできたのに、というのは聞かなかったことにする。

 

 食事が始まると、1課の反応がすさまじかった。

 

「なんだ、お前らはこんな食事してたのか。」


 土方課長や斉藤課長の目が怖い。そういえば、千葉さん達は食べたことがあったが、斉藤課長は食べてなかったな。

 なんか、土方課長が斉藤課長に赤坂を1課にくれ、とか言ってるし。そこまでして食いたいかと。俺は食いたいが。

 

 まあ、赤坂とサスケについては、ブラックシャドウ入りは間違いないだろう。この二人の戦力はずば抜けている。

 早ければ次の人事異動あたりだろうか。おそらく花子が戦闘職にきたのも、赤坂とサスケが抜けたあとの俺のチームの補強という意味もあるのだろうと思う。まあ、正直花子はいらんが。

 

 食事が終わり、あとは寝るだけとなるが、なんとブラックシャドウが見張りをしてくれるそうだ。一応、うちからもサスケを出しておく。どの道ブラックシャドウにいくのであれば、交流を深めておくのにデメリットもないだろう。赤坂はすでに胃袋をがっちり捕まえてあるので、いまさら交流も不要だろうし、寝かせることにする。

 

 

 翌朝。俺達が寝ている間も何度か戦闘があったようだが、ブラックシャドウの面々はぴんぴんしていた。俺は絶対ブラックシャドウにはならんと思った。まあ、なれないけどな。

 

 朝食を済ますと、攻略再開である。

 朝食も、昨晩の夕食同様、大盛況だったのは言うまでもない。

 

 今日も、俺達が前で進んでいく。相変わらず、スケルトンウォーリアー中心であったが、たまにグールも出るようになった。

 

「さすがにアレは食べれませんね。」


 いや、赤坂さん? 食べることを基準にするのは間違ってますよ?

 とりあえず、食べれない素材に興味はないかのごとく、グール達は赤坂の魔法で塵と化していた。

 

 

 しばらく進んでいくと、分かれ道があった。

 

「どっちかが当たりで、どっちかがハズレですかね。」


 斉藤課長が土方課長と相談している。

 たしか3つの塔で構成されており、3つの塔は直列で繋がっていると思っていたが、Y字のような接続をしていたようだ。よって、どちらかに魔王が居るということらしい。

 

「よし、じゃんけんだ。」


 おい!それでいいのかよ!

 

 土方課長と斉藤課長がじゃんけんをし始める。どうやら、土方課長が勝ったようだ。

 

「じゃあ、俺達は右にいく。」


「では左にいきますか。」


 なんか、ここで二手に分かれることになった。土方課長率いるブラックシャドウのBチームは右に、俺達Cチームは左に行くことになった。

 

 

「いや、それはダメですって。」


「そんなこと言わずに、な、な。」


「絶対ダメです。」


 なかなか出発しないと思っていたら、土方課長と斉藤課長が口論というか喧嘩していた。


「なんですか、あれ。」


 永倉さんに聞いてみると、

 

「なんかね、土方課長が赤坂さんをBチームにくれってさ。食事の質が落ちるのがイヤみたい。」


 結局、土方課長があきらめて事なきを得たが、もうね、こいつらバカかと。

 気を取り直して、左に進んでいく。なんか土方課長が恨めしそうにずーっとこっちを見ているが、それは無視。

 

 フォーメーションとしては、埼玉さんとサスケが交互に先行して、千葉さんと永倉さんが先頭。そのあとに斉藤課長と花子がつく。で、静岡さんと赤坂で、最後が俺。俺は後ろからの攻撃や、途中の隠し扉への対応のため、最後尾についた。

 

 こっちのほうは、相変わらずスケルトンウォーリアーだが、結構グールが多めになってきた。で、たまにリッチとかも出始めている。俺達だけならリッチとか勘弁してほしいが、このメンバーだとリッチすらザコ扱いになっていた。まあ、下手すればこのメンバーで魔王と戦うわけだから、リッチぐらいで苦戦してたら問題あるわけで。

 

「リッチは微妙ですね。」


 だから、食材として考えるのはやめろと。ちょっと土方課長に渡さなかったことを後悔し始めてきた。

 

 

 どんどん進んでいるが、なんか花子がふらつき始めてきたような気がする。瘴気酔いか?

 

「おい、サスケ。休憩できるところを探せ。」


 斉藤課長も花子の様子に気がついたようだ。しばらくして、サスケが場所を見つけてきた。

 俺達は休憩をとり、謹製テントに花子を寝かせておく。

 

「瘴気酔いかもしれませんね。一応、この後は酸素マスクさせます。」


 花子の状況を確認し、斉藤課長に報告する。斉藤課長達はこの後の作戦を練っていた。

 

「おそらく、こっちはハズレかもしれないな。」


「ちょっと弱すぎるようなきもしますね。」


 魔王に近づくにつれ、敵は強くなっていくため、現状の敵は弱すぎるようだ。まあ、俺にしてみればその方がありがたい。

 

「三村くんの回復をまって、そのまま進もう。」


 どっちみち、あたりでもハズレでも進むしかないわけで。ついでに、昼食も済ませてしまうことにする。

 

「ま、魔王がハズレでも、食事はあたりだから問題ないけどね。」


「永倉さん、それ他のブラックシャドウの人に聞かれたら、ただじゃすまないんじゃないですか。」


「大丈夫、大丈夫。ここには居ないし、インカムも使えないから。」


 そういう問題じゃないような気もするが。

 

 しばらくして、食べ物のにおいにつられた花子がテントからごそごそ出てきて、普通に食事をしていた。

 なんか、瘴気酔いではなく、単なる空腹だったのかもしれない。念のため、酸素マスクはさせておくが。

 

 食事も終え、花子の様子も問題ないので、埼玉さんの先行で進んでいく。

 

 

「ん?」


 なんでもない壁であったが、なぜか気になったため、足を止める。

 

「どうしました?」


 赤坂が足を止めた俺に気がついてこちらにきた。

 

「いや、ここ、なんか変じゃないか?」


 サスケもこちらに来て調べ始める。他のみんなはその場で警戒しながら待機だ。花子だけはうろうろしているが。

 

「あー、なんか仕掛けあるっぽいっす。よく分かりましたね。凄いっす。」


 まあ、通り過ぎても何も発生しなかったので、別に問題のある仕掛けではないのだろう。

 

 と、次の瞬間、俺達3人と斉藤課長達の間にいきなり上から壁が降りてきた。

 

「え?」


 気がついたときには、俺達3人は分断されていた。

 

「やべっ!!」


 さらにまずいことに、その仕掛けは隠し扉だった。そして突然崩れるように開くと、グールが10体ほどこちらに出てこようとしていた。

 

「マジかよ!来るぞ!」


 俺は隠し扉の前に盾を構えて立ちふさがる。その隙に、赤坂とサスケが戦闘準備をした。

 

 1匹づつ。

 細心の注意を払いながら、グールを通路に出していく。1匹なら赤坂とサスケには問題なく倒せる。おそらく2~3匹でも大丈夫だと思うが、今は慎重に進める必要がある。

 

 グールの腐ったような臭いは強烈だった。狭い隠し扉の通路なので、なおさら目にしみる。といっても、耐えるしかないのだが。

 なんとか、全てのグールを倒すことが出来たが、盾はべちゃべちゃだし、強烈な臭いで涙は止まらないし、しばらくは大変だった。

 

 盾を掃除して、なんとか落ち着いたので、どうするか考えることにする。

 まず、この壁は壊せないだろう。壊せるなら、とっくに斉藤課長達が壊しているはずだ。

 ということは、来た道を戻るか、進むとすればこのグール達がいた隠し扉の通路だけということだ。

 

 戻って土方課長達と合流するか、斉藤課長達と合流できることを期待して隠し扉の通路を進むか。

 俺達はその隠し扉の通路を進んでいくことにする。




なんとか23話まできました。

一応、ラストまではまとまってるので、後はひたすら書くだけ。

で、合わせてダンジョンコンサルタントの続きとか、これの2章のネタとかも考えてるわけですが、なんか仕事よりきつくなってきた感が・・・

職業作家の人って、マジすごいっす。


ということで、最後の落ちが分かってしまった人もいるかとは思いますが、超反則技でいきますw 禁手と分かっていて、わざとやるw それは、その程度の才能しかないからw すません・・・

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