表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/51

18.緊急案件~村を救え~

すみません、18話ぬかして19話UPしてました。

18話をUPしました。19話は内容に変更はありません。

以後きをつけます。

ついでに、18話は未チェックなので、誤字脱字多いかも。

■■18.緊急案件~村を救え~



 緊急呼び出しが来た時、俺達は飯を食っていた。

 大急ぎで食って部屋に戻ると、斉藤課長が真剣な顔で話をしていた。

 

「緊急案件だ、魔物の大群が押し寄せてきているらしい。用意できたものから、先に行ってくれ。」


 またまた緊急案件だ。最近なんか増えてるな。

 

 とりあえず、用意をして向かうことにする。

 

 30分後、俺達はローネシア大陸の東部にある、ロイメンという町に着く。今回は、俺達や千葉さん達を含む6チームが参加だ。

 東部は魔物が多いといわれているが、それでも大群というのは珍しい。

 今回は、他の会社も参加しているようで、かなりの人数になっている。

 

「冒険者諸君、ギルドのワインヒルだ。現在、町の西側から魔物の大群が押し寄せてきている。」


 ワインヒルさんは、冒険者ギルドの東部の責任者である。冒険者としてもかなり有名な人だ。

 状況としては、スケルトンを従えたリッチと、ゴブリン、オークを従えたオーガが確認されており、その数は掴みきれないぐらい多いいらしい。

 

 とりあえず、うちは斉藤課長と千葉さんが作戦会議に行く。

 

「今回は他も来てるみたいだね。」


「ですね。さすがにこの数は、うちだけとかじゃ無理ですし。」


 斉藤課長達が戻ってくるまで、埼玉さんと話をする。まあ、例によって赤坂と静岡さんは、魔法少女ネタで盛り上がってる訳で。

 でもね、なんか今回の赤坂は、メイド服みたいなデザインの、黒いプレートアーマー着てるんだよね。あれって元ネタなに? いやな予感しかしないんだけど。

 

「でも、リッチは厄介っすね。あれはさすがに近づきにくいっす。」


「ああ、弓も耐性持ってるから、やりにくいんだよね。」


 リッチは魔法が使えるアンデッドで、剣や槍、矢などに耐性を持っている。メイスなどであれば、ダメージを与えやすいが、スケルトンと違い、魔法で攻撃してくるので、近づくのが困難である。

 

「俺メイスとかハンマーとかは持ってきてないわ。まあ、持っててもメイスはともかく、ハンマーは使いこなせないだろうけど。」


「できれば、オーガの方がうれしいところだね。」

 

 俺は鞘をつけた状態の剣で殴れば、そこそこのダメージを与えられるが、スケルトンとリッチは、埼玉さんといえども弓では難いようだ。まあ、頭を狙って倒してしまいそうだが。

 

 そんな感じで話をしていると、斉藤課長と千葉さんが戻ってくる。

 

「毎度の事ながら、なんなんだ、あいつは。」


 千葉さんが珍しく、機嫌が悪い。

 

「まあ、千葉。あれは放っておけ。」


 斉藤課長も、むっとしている。

 どうやら、他の会社のやつが、好き勝手やらかしているようだ。

 問題になっているのが、最大手の一つであるグローバル社の、社長の息子の田吾沢、通称バカ王子。はっきり言って使えないのだが、社長の息子であるため、こういう時にしゃしゃり出てくるので有名だ。

 しかも、最近、うちの評判がいいので、難癖を吹っかけてくるらしい。田中が嘆いていた。

 

 そっちを見ると、取り巻き連中に囲まれているバカ王子が馬鹿笑いしていた。何しに来ているのだろうか。

 ただ、取り巻き含め、その装備はやたらと高級そうである。性能よりも見た目の派手さや細工に金をかけてます、って感じだけど。

 

「ところで、斉藤課長。1点確認したいのですが、なぜこの核弾頭がいるのでしょうか。」


 俺の後ろには、なぜか花子がいた。しかも、チャイナドレスみたいな、某格闘ゲームキャラのカッコをしている。

 

「ああ、今回は人手が必要だと思ったから、特例だ。沖田のところで面倒見てくれ。」


「お断りいたします。」


 即答してやった。が、花子に背中から蹴りを入れられた・・・

 

 

「今回の作戦を説明する。まず、全体の統制はワインヒルさん。俺がそのサポートに入る。お前達は千葉の命令に従ってくれ。正面はグローバルを中心に受け持つので、こっちは左翼を担当する。まあ、リッチとあたるな。 なので、弓の連中は、俺と一緒に来てくれ。」


 斉藤課長の作戦の説明が終わると、俺達は千葉さんに従って、左翼側に移動する。リッチやスケルトンだと、花子の格闘は結構相性がいいから、今回はありかも知れない。逆に俺やサスケの武器は、あまり相性が良くない。配置に着くと、サスケに状況を探りに行ってもらう。その間、ほかの冒険者達と、フォーメーションの確認を済ませておく。左翼側は千葉さんが全体の統制をとることになった。まあ、なんだかんだで、千葉さんはこの辺りでは有名人だ。

 

 サスケが戻ってくる。

 

「うじゃうじゃいるっす。ざっとリッチが50ぐらい、スケルトンは400ぐらいは居そうっすね。 あと20分ぐらいで団体様のご到着予定っす。」

 

 リッチがスケルトンを従えているのだろう。

 冒険者達が、一斉に青ざめる。まあ、リッチ50体とか、スケルトン400体とか、ちょっとおかしいな。俺達はせいぜい100人ぐらいしかいないのに。

 

「ちなみに、正面っすけど、オーク、ゴブリンとスケルトンの混合で2000はかたいっす。でも数でいえば、なんとかなるっすけど、あのバカ王子には無理そうっすね。」


 あ、グローバルは、サスケの親父さんの会社の商売敵でもある。なので、当然知ってるわけだ。

 

「じゃあ、とりあえず配置についてくれ。」

 

 俺達、前衛が一番前にでて、その後ろにアタッカーであるサスケや花子が着く。その後方に静岡さんや赤坂がつく。

 今回の作戦は、盾で壁を作るが、意図的に何箇所か穴を開ける。そして、そこから入ってくる敵をひたすら叩いていく。ぴっちり壁をつくると、アタッカーがうまく機能しないし、どこかに穴が開いた場合、その場所が予測できないのは、かなり危険なので、わざと穴を開けておく作戦だ。

 リッチがどのタイミングで出てくるかは分からないが、まあそんときは魔法職に頑張ってもらうしかないと思う。

 

「お待たせしました。」


 ん? 開発部の新人さんが、四次元バックをもって、駆け込んできた。

 

「おう、ご苦労。間に合ったか。」

 

 千葉さんが馬鹿でかいハンマーをバックからだしていた。対スケルトン用に、ハンマーやメイスを用意してもらっていたようだ。どんどん冒険者達にも配っていく。俺もメイスを受け取る。サスケは峰打ちで十分だそうだ。まあ、サスケの刀は特注品だから、切って良し、刺して良し、叩いて良しの万能武器なのだろう。しかも、サスケはそれを使いこなす。

 

 ちょうど準備ができたところで、団体様が到着した。俺達前衛とスケルトンがぶつかり合う。

 

 スケルトンは動きが単調だが、恐怖というものがなく、動けなくなるまで立ち向かってくる。なので、体力勝負だ。しかし、メイスがかなり効いており、こちらに有利に進んでいるようだ。なんとか耐えられそうな感じではある。

 

 サスケや花子のほうも、順調に対応できているようで、魔法職まで攻められることはなさそうだ。というか、花子がやたらと活躍している。どうも、花子の蹴りは、俺のメイスより破壊力があるような気がする。なにかおかしいような気がするが、それを気に出来る状況ではない。こっちも、若干余裕はあるものの、盾で必死にスケルトンの群れを抑えながら、頭や足をメイスで殴っていく。俺達前衛は止めを刺す必要はなく、止めるだけでいい。

 

 なんとか、第一波は抑えきったようだ。 と思った途端、ピンチになった・・・

 

 俺達前衛とサスケ達の間で倒れていたスケルトンが、いきなり復活した。どうやら、リッチがスケルトンの復活が出来るらしい。倒れているうちの半分、50ぐらいのスケルトンが動き出した。しかし、幸いなことに、完全な復活はしていないようだ。

 

「足を狙え。動けなくしたところで、まとめてファイアで焼き払え」


 千葉さんが全体に指示を出す。

 

 それにあわせて第二波が近づいてくる。

 

 俺達前衛は、第二波に備えて隊列を組む。サスケや赤坂達に、復活したスケルトンは任せる。後ろのリッチも気になるが、今は前のリッチの大群を押さえるのが重要だ。

 しかし、復活したスケルトンは、次々と足をやられて、横たわっていき、そのままファイアで焼かれて炭になっていく。炭になれば、さすがに復活はできないはずだ。

 

 第二波と接触する寸前で、復活したスケルトンはどうにか片付いたようだった。そのまま第二波との戦闘が始まるが、今回は、俺達の後ろで倒した分は、ファイアで炭にしていく。MPの消費が激しいが、復活されるよりはましだ。

 

 後方に、リッチが何体か見える。あのリッチが、指示と復活をしているはずだ。

 

「敵の右後方にリッチがいます。」


 あそこだと手が出せないだろうと思うが、とりあえず共有しとく。

 

 と、思ったら、後方からファイアがリッチに向かっていき、そのままリッチが燃え上がりながら崩れていく。とんでもない飛距離とコントロールだ。ちらっと後ろを向くと、静岡さんのようだ。さすがである。

 

「左後方にもリッチ発見」


 ほかのところからも、報告があがる。今度は馬鹿でかいファイアが飛んでいった。先ほどより外れているが、火力があるので、周りのスケルトンも巻き込んでいく。ファイアに巻き込まれたリッチやスケルトンが崩れていった。これは見なくても分かる、赤坂だ。精度を火力で補ってやがる。

 

 しかし、敵のリッチからも、ファイアなどの魔法攻撃も飛び始める。なんとか耐えているようだが、かなりの怪我人が出ているようだ。というか、花子が飛んでくるファイアを殴って消していたように見えたが、おそらく気のせいだろう。それは人間技ではない。もとい、花子は人間じゃなかった。ありうる。十分にありうる。 とりあえず、ポーションを一口飲んで、落ち着くことにした。まあ、その間も、盾でスケルトンを押さえているし、相変わらず殴りまくってる訳だが。

 

 第二波も、なんとか凌ぎきった。しかし、かなり損害もでているようだ。怪我人の手当てをしていく。先ほどの武器と一緒に、大量のポーションも持ち込まれているので、こちらの戦力は1割ぐらいしか減っていないし、死亡はファイア直撃を食らった数人だけのようだ。それに、復活可能なうちのメンバーだけだったのは、ちょっと幸いだ。まだいけるだろうと思う。

 

 第三波を待っていると、中央の方でなんかあったらしいが、そんなのを気にしている余裕もない。

 

 で、第三波もなんとか凌ぎきった。リッチもかなり確認されており、静岡さんと赤坂を中心に魔法職が次々と葬っていく。リッチの数がかなり減ったので、復活してくるスケルトンも大幅に減ってきた。しかし、いい加減、盾もボロボロになってきている。まあ、盾で防御する以外に、殴ってもいるので、しょうがない。

 ここまでで、大体300ぐらいは倒しているはずなので、次が最後だろう。しかし、ポーションでも戦闘可能なレベルに回復できない人たちも増えてきており、こちらも2割ぐらいまで戦力ダウンしているので、かなりきつい戦いになる。

 

 第四波と接触する。向こうも死に物狂いだ。といっても、スケルトンはアンデッドだし、表情は変わらないので、そんな気がするだけだが。

 双方の魔法の攻撃がさらに激しさを増していった。もう、気温が跳ね上がっている感じだ。相変わらず、ひたすらスケルトンを押さえるが、数が減ってきているので、意外と余裕が出てきた。ためしにファイアを盾ではじいてみたら、なんと弾き返した。やってみるものである。

 

 しかし、後方を見ると、MP切れがはげしくなって来たようだ。

 まずいな。スケルトンはともかく、リッチはまだ残っている。そしてリッチの魔法は脅威だ。

 

「サスケ、花子、いくぞ。」


 疎らになったスケルトン達の間をぬって、奥へ進む。目標はリッチだ。途中、邪魔なスケルトンは、メイスで叩きのめしていく。

 リッチがこちらに気がついて、ファイアを放ってきた。俺は冷静に盾で弾き返すと、弾かれた先にいたスケルトン達が燃えて崩れていった。その後のファイアも盾で弾き返していく。サスケとスケルトンを刈り取りながら進み、十分近づいたところで、花子がリッチに蹴りを入れる。リッチはその一撃で崩れていく。

 さらに次の獲物を探す。リッチ2体だ。こちらに気がつくと、ファイアを放ってくる。

 

「ヤバイ、避けろ。」


 2体同時のため、一発しか盾で弾ききれない。しかし、花子がファイアを殴って消した。さすがにリッチが驚愕の表情をした、と思う。少なくとも、驚いたように硬直した。サスケは、確実に驚いていた。その隙に、俺がメイスでリッチを葬っていく。もう一体は、真っ青な顔をしたサスケが真っ二つにした。

 

 のこりは30ぐらいまで減ったようだ。こうなると、物量的に決着がつく。10分後には、400程いたスケルトン達を全滅させていた。

 こちらの被害は、死者数名(ただし全員復活可能なうちのメンバーだったのは、不幸中の幸いだ)。 重傷はポーションのおかげで、即戦闘は無理な状態とはいえ0だった。上出来だろう。とりあえず、奇襲を警戒しながら、中央との連絡を取る。

 

 

 正面は、かなりヤバイことになっているようだ。まず、周りが止めるのも聞かず、バカ王子がご自慢の剣とやらで、総勢100人を引き連れて、先頭を切ってスケルトンに向かっていったが、1体も倒せずに大怪我をしたらしい。ポーションで治したものの、ブルって使い物にならなくなったようだ。

 それでグローバルの指揮が崩れ、グローバルはほぼ全滅状態のようだ。つうか、グローバルって、本気でバカ王子に指揮をとらせてたんだな。副官とかの交換要員も容易しないとか、バカすぎるだろう。ちなみに、グローバルはハンマーやメイスなどの打撃系の武器を用意していなかったようで、ゴブリンをちょっと倒したただけで、スケルトンは無傷で残っていたらしい。バカかと。結局、ワインヒルさんや斉藤課長を中心とした残りの戦力で、半分ぐらいまでは削ったようだ。

 

「半分に分けて、正面の援護に向かう。残りは側面からの奇襲に備えてくれ。」


 千葉さんの号令のもと、中央に向かう。回復待ちを中心に、残りは奇襲に備える。

 

 

 正面に駆けつけると、かなり押されていたが、崩れるにはいたっていない。

 

「ファイア(範囲)」


 赤坂が側面から攻撃する。どこに撃ってもあたるので、火力重視だ。こいつは、本当に無限のMPを持ってそうだ。まったく切れる気配がない。これをトリガーに、魔法が次々と放たれる。

 魔法の攻撃でひるんだところに、俺達が飛び込んでいく。魔物たちは真横から攻撃を食らったため、分断されていく。

 

 右翼側からも、援軍が到着した。

 右翼側は、トータルファイターという、中堅どころの会社を中心とした混合軍である。トータルファイターという会社は、結構堅実な会社で、規模はそこそこだが有名だ。今回は社長自ら参戦しているようだ。まあ、あの社長は普段からも最前線にいるけど。一緒に仕事したことがあるが、結構面倒見のいい、頼れる人だ。今の会社をクビになったら、俺もあそこで雇ってもらいたいものだ。

 

 左右から分断されたことで、隊列の崩れた魔物達が一旦退いていく。俺達に囲まれた魔物は、そのまま殲滅される。

 

 

「次が来る前に、隊列を作れ。迎え撃つぞ。」


 ワインヒルさんの号令が飛び、俺達もそのまま隊列に加わった。

 次の波がくると、いきなり飛び出して行った奴らがいた。

 

「なんだあれ?」

 

 隣の冒険者が、盾で防御しながら俺に聞いてくる。

 

「どっかのバカでしょう。」


 バカ王子が、名誉挽回とばかりに、50人ほどを引き連れて、こりもせずに突っ込んでいったようだ。マジ学習しない。

 

「ぎゃーーー」

「助けてーーー」

 

 しばらくして、突っ込んでいった奴らの悲鳴が聞こえた。

 

「ありゃ、すり潰されたな。」


「まあ、当然でしょう。」

 

 などと、隣の冒険者と話をしているが、こっちも気を抜くとすり潰されそうだ。

 

「すみません、本当に・・」


 なんか、隣の人がこっちに謝っている。 この人、グローバルの人か。

 

 そういえば、さっきから、矢が爆発している。なんか爆弾をつけた矢を放っているようだ。まあ、真田課長の発明品だろう。赤坂の本気にはかなわないが、下手な魔法より威力がありそうだ。そのおかげで、徐々にプレッシャーが減ってきている。

 しかし、この矢はどっかで見た記憶があるような・・・ ひょっとして、爆裂の矢?

 ちょっと振り返ると、矢を放つたびにポーズをとってる埼玉さんがいた・・・ や、やめてーーーーー。

 

 埼玉さんのポーズに、恐れをなしたわけではないだろうが、魔物達の軍勢が崩れ始めてくる。俺は、恐れをなしていたけど、なんとか崩れるのは防いだ。

 魔物達が崩れてくるタイミングで、追撃命令がでる。

 

「追撃開始しろ!!」

 

「よし、サスケ、花子、いくぞ!」


「「はい」」


 ん? サスケと花子はともかく、赤坂の声がしたんだけど?

 振り返ると、そこには死神みたいな大鎌をもった赤坂が、ニッコリ笑って立っていた・・・ やはり、そう来るか・・・

 見なかったことにして、追撃を開始する。

 

 もう、なんていうか、無双ってやつ? マジ、ゲームかよ?ってぐらいのシーンが目の前で繰り広げられました。

 俺の周りはみんな、唖然として3人の暴れっぷりを見てるだけですよ。

 

 そして、ようやく戦闘が終わった。最後は見てるだけだったけど。一部の魔物は取り逃がしたが、もう一度攻めてくるほどの数はないので、これで終了だろう。

 こちらの損害は、死亡が60名、殆どが、突っ込んで行ったグローバルのバカ王子達だった。俺達が到着するまでに、冒険者達にも被害がでていた。重傷も僅かで、ポーションのおかげで最小限に抑えられていたようだ。魔法攻撃などによる被害は結構あったが、ワインヒルさん達の的確な指示で、戦闘規模から考えると、非常に少ない損害だったといえるだろう。

 

 まあ、今回の一件で、装備がボロボロなので、またローンが始まるのがちょっと痛いか。あと、メイスの練習もしておこう。剣だけだとやっぱりきつそうだ。でも、メイスって高そうなんだよね。中古とかあると良いんだけど。

 

 

「そこを何とか!」

 

 あっちのほうで、異世界なのにスーツ着てる男が、ワインヒルさんにしきりに謝っていた。

 

「なんですか、あれ?」


 ニヤニヤしている斉藤課長と千葉さん達に聞いてみる。

 

「グローバルの営業だ。冒険者ギルド本部から、出入り禁止くらったらしい。」


 まあ、あれは命令違反だし、当然といえば当然だろう。つうか、異世界にスーツって浮きまくってるし。

 でも、さすがにバカ王子といえども、あの突撃はないだろう。グローバルは100人ぐらい参加していたようだが、結局俺達が到着するまでで、20人ぐらいの死者をだして、あのあと50人ぐらいが突っ込んで、合計70人ほどの死亡をだしたらしい。

 今回の死亡数は、全部で80人ぐらいなので、殆どがグローバルだ。うちは4人ぐらいだったから、うちの20倍とか、凄すぎるだろう。

 

「まあ、バカ王子はこれで死亡回数45回という、業界ダントツトップですから。」


「ん?赤坂、それってどこの情報?」


「春さんの女子会データベースです。」


「なんじゃそりゃ。」


「女子会会員のみが利用可能な、データベースですよ。ちなみに、女子評価もあり、バカ王子はランクDです。」


「怖っ。なんだそれ。 でもバカ王子って社長の息子だろ? なんでそんなに評価低いの? 分かる気がしないでもないけど。」


「グローバル社は、バカ王子が入社してから、年々業績が悪化していますので、それも含めた将来性も加味されています。あ、株価も下がってき始めたみたいです。これはFも時間の問題ですね。」


 なんなんだ、そのデータベースは・・ 四季報とかも超えてたりしねーか・・ 春さん絡んでるし、ありえる。

 

「ちなみにサスケ君はランクAだね。結構人気あるしね。」


 ああ、なんとなく分かる。サスケは優秀だし、優良企業の社長の息子だ。それに結構かっこいいし。でも、花子もデータベース見れるのが意外だ。

 

「へー、沖田はランクBか。」


「「え?!」」

 

 俺もサスケも驚いている。なんか、赤坂がサスケを睨んだのがなんか気にはなるが、せいぜい、良くてCだと思ってた。

 花子はふーんて感じだ。こいつが驚かないのがちょっと意外。何か「ありえない」とか言ってきそうな気がしていたのに。

 

 

「おう、斉藤。久しぶりだな。」


「トータルの社長。お久しぶりです。」

 

「お疲れさん。しかし、斉藤のところはバケモノがそろってるな。ありゃ。」


「いやいや、社長のところも、あの人数で対応するってのも、結構バケモノですよ。」

 

 こっちを見ながら、いろいろと言われてるような気もするが、気にしないでおくことにする。どうせ、赤坂とかサスケのことだろうし。

 

 

 こうして、今回の緊急案件も、なんとか無事に終わった。やはり魔王の動きが活発化しているのだろうか。1課も結構忙しく動いているらしいし。

 

 あとで田中から聞いたのだが、グローバルの参加者は、かなりの数が退社したらしい。で、それをトリガーに、反バカ王子派も、結構な数が退社したようだ。なんかやばそうな気配がする。

 ちなみに、グローバルを退社した人たちは、うちとか、トータルファイターに流れたらしい。まあ、あの戦場にいたら、グローバルと比べるまでもなく、まともだし。

 あと、グローバルは結構給料が安いらしい。かなりの大手だし、なんか高そうなイメージがあるが、実際には違ったようだ。

 そういう意味では、うちとかは働きやすいんだろうね。

 

 メイド服みたいなデザインの、黒いプレートアーマーなんだけど、ミランダとおそろいで作ったらしい。

 ついに、オリジナルキャラ?にも手を出し始めた赤坂であった。

 

 

 

 ガッ ガッ ガッ ガ ガ ガ ガ

 突然、ゆれ始めた。地震か?

 

「落ち着け!」


 トータルの社長や、斉藤課長が回りを落ち着かせる。異世界では地震はあまりないので、ワインヒルさんですら、顔が青い。

 こっちの冒険者にいたっては、うずくまったり、腰が抜けたように座り込んでいたりする。

 俺達は、「あ、地震だ」ぐらいで、平然としていたが。

 

 揺れが収まったところで、手分けして状況を確認する。おそらく震度5ぐらいであろう。

 町でちょっとしたボヤがあったようだが、すぐ消化される。しかし、倒壊まではないが、被害はそれなりにありそうだ。

 

 こうして、最後の力を振り絞って、状況の確認と救助活動を続けていくのであった。


震災とかの復旧の話でした。


話それますが、「ダンジョンコンサルタント」という話をUPしています。

よろしければ、こちらもよろしくお願いします。


これが18話です。申し訳ありませんでした・・・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ