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六話 繋がり

 サラとの生活も二週間が経過した。今では戦いの陣形もばっちりの状態だ。


 今日は採取系の依頼でも受けようかと思っている。ここ数日、討伐の依頼を受けばかりでなんだか気持ち的に沈む。たまには別の依頼を受けるかな。と、朝からロングソファーの上で寝転がりながら考える。言い忘れていたけど一週間前に部屋を換えた。ベッドが二つのね。


「あ、そうだ」


ふと思い出した。前にサラと復興作業の依頼をしようと約束したんだった。

じゃあ、今日の依頼はソレにしよう。ソファーから起き上がり、のんびり座って外を眺めているサラに声を掛けた。


「ねえサラ」

「はい」

「今日の依頼は前に行った復興作業の手伝いにしようと思うんだけど、どうだい?」

「問題ありません。私はコウキ様について行くのみでございます」

「分かった。じゃあ早速支度してギルドの方へ向かおう」

「はい」


 こうして俺とサラはギルドへと向かった。


 時間にして午前九時半。ギルドの掲示板には復興支援の依頼の紙がいくつもあった。


 その中で俺とサラで出来る物はないか探した。その中で目に入った依頼があった。


 『植林作業と瓦礫の破壊』と書いてある依頼があった。内容を簡単に説明すると、そこの地域ではいまだに森林の再生が難航していて、人手不足のため人員が必要のこと。瓦礫破壊作業は家屋などの建物が戦争で壊れてしまいその際、家屋だった瓦礫を処分しなくてはならないのだが、処分しきれないほどの量があるためそちらも人員が必要なそうだ。


 これできまりだな。別に変な条件もないし、それにここからそう遠くない。もとより1度行ったことのあるところだし。


 俺は早速カウンターへ行った。今回の依頼は討伐ではないためロケットアイは支給されない。その代り向こうで依頼完了の証としてゴブリン討伐の時と同じくサインをもらうかたちとなる。


「じゃ、行こうか。時間は何時でもいいと言っていたけど、早く行こうか」

「はい」


 俺達は建物の裏に回った。転移魔法を使うのだ。


「いざ、参ろう」


 魔法陣を展開した。魔法陣はゆっくりと飲み込んでいった。



 俺達が着いたのか俺達のいるところから東に位置する村だった。ここは町から十キロ程離れたところに位置する。辺りにはもともと家屋があったのだろうか、その名残の跡がいくつも見える。地面は陥没した所を修復した後がいくつもある。周辺の森も所々なくなりハゲている状況だ。


 前に比べれば幾分よくなったと言えるか。前に来たときはもっとひどかった。崩れた家屋はそのままで、地面の穴もそのまま。人々も何とか急場しのぎで作った家で暮らしていた。町の方から離れているため作業の進行度が遅れていた。別にここに限った事ではない。


 そんな村や町などこの大陸には山ほどある。でも、良かった。だいぶこの村も立て直してきている。


 俺達は村の役場へと向かった。


 役場は所々ヒビや壊れているところが目立つがそれでもよくなった方である。ここに来る途中でも以前と比べて木造の立派な建物が多くなった。しかし、石やレンガ造りの家は数件しか見られない。この世界では木造よりも石やレンガのような頑丈なつくりの建物が主流だ。理由はいくつかあるのだが一番の理由は外部からの攻撃を防ぐ役割を担っている。


 森などの自然が多いため魔物や原生動物が度々出没する。人々に被害が及ばないように俺らハンターがいるのだが、それでも身を守る術として一般の人々は石造りの家で住んでいる。この村は比較的森に近い村であるため木造の家屋は非常に危ない。もし魔物でも村に侵入したならば木造の家で住んでいる人はまず命に係わることとなる。


 俺達は役場に入り今回の依頼の紙を見せた。そして受付の男の人に案内され、村のはずれに着いた。そこにはすでに多くの参加者が作業に当たっていた。受付の男の人の説明によれば今回の作業に当たっている人は、ジハード軍の兵70人、ハンター20人、村人(役場関係者含め)30人の計120人となっていた。はっきり言ってこれは少ない。しかし、あちこちで復興作業を行っているため多くは集められない。贅沢は言ってられない状況なのである。


「それでは私は仕事があるので失礼します」


 受付の男の人が言った。


「はい、わざわざ案内ご苦労様でした」


 見送ったあと、コウキ達は早速作業に取り掛かった。筈も無く、ひとまず何をすればいいのか分からなかった。


 俺は役場関係者の男の人に声を掛けた。


「すみません、依頼を受けてきたサトウとレインアントですが、僕たちは何をすればいいのでしょうか?」

「ハンターの方ですか。本日はありがとうございます。仕事内容はご存知ですよね?」

「ええ、もちろんです」

「なら話が早い。まず、あなた様は今ここで行っている瓦礫の処分に当たってもらいます。そちらの方は向こうで植林作業を行っていますのでそちらに行ってください」

「解りました。サラ、解ったね?」

「はい」

「それではこちらへ」


 俺は役場の男の人に連れられた。サラの方は植林作業をしている森の方へと向かった。


 どうやら力のある男は瓦礫作業へ、女は植林作業か。でもどちらかと言うとサラの方が俺よりもあるんだけどね。



 着いた先には、数か所に集められた瓦礫山があった。よくここまで運べたよなあ、きっと相当時間と労力を費やしたにちがいな。俺は瓦礫の山を眺める。


 すると突然声を掛けられた。


「お、兄ちゃんも手伝ってくれるのか」


 声のする方を向くとそこには体格にいい四十代のおじさんがいた。いかにもガテン系な風貌だ。


「はい、この度ギルドの依頼で来ました」

「そうか、わざわざすまんな」

「いえ、そんなことありませんよ」

「申し遅れた、俺はダルだ、よろしく」

「サトウです。よろしくお願いします」

「おう!」


 ダルさんは握手を求めてきた。それに応える。


 イダダダダダダダダダ!!


 ダルは容赦なく握ってくる。俺はそれに耐えるように平静を装った。


「んじゃ、早速作業をしてもらおうか」

「はい」


 俺は羽織っているマントを脱ぎ、折りたたんで荷物が置いてあるところに置いた。


 腕まくりして準場は万端。さ、俺は何をすればいいのかな。


「俺達がやってる作業はこのままでは捨てることのできないこの瓦礫を壊すことだ。粉々にした後そこの穴に入れる。単純作業だ。で、壊すのはこのハンマーで叩き壊す」


 ダルさんは持ってるハンマーを見せた。こんな力仕事をしていたのか。


「大丈夫ですよ。僕には魔法があるので」

「お、兄ちゃん魔法使いか。そいつは珍しい。魔法使いなんてこの作業を避けるのに」


 そのことはよく知っている。魔法使いは魔法を使える分作業効率が上がるのだが使いすぎによる魔力不足になってしまうためあまりこういう力仕事はしない。元より力があまりないからだ。サラの様に接近戦を専門とする闘士たちが良く参加する。ここ数年俺も復興作業を通して分かったことだ。俺だってただふらついていたわけではないのだ。


「大丈夫ですよ。それでは準備をしたいのでイイですか?」

「おい、構わないが」


 俺はマントからロッドを取り出す。


「すみませーーーーんちょっとみなさん一旦作業を中止してもらえますかーーーーーー」


 作業している人たちに向かって叫んだ。皆イマイチ状況を把握していないみたいだがとりあえず避けてくれた。


「これからこの魔法使いの兄ちゃんが瓦礫を壊してくれんだとよ!!」


 ダルさんが言ってくれた。


 俺は瓦礫の前に立つ。周りの人たちは「何をするんだ?」といった目で俺を見る。


「そんじゃあ、少し派手にやるのでみなさん気を付けてください」


 ロッドを構える。すると瓦礫の山の下に魔法陣が展開した。すると突然竜巻が起こり瓦礫の山を呑みこんだ。この魔法は風属性の上位魔法で『大竜巻(テンペスト)』と言う特定位置魔法である。効果は対象物に対してその場で竜巻を起こし微塵切りにする攻撃魔法だ。


 今瓦礫は竜巻の中で粉々にされている。いわゆるフードプロセッサーのような物のため人間があの中に入れば一瞬でミンチになる。


 皆「おおおおお!!」と驚きの声を上げている。竜巻は徐々に威力を緩め次第に消えて行った。その場には石ころみたいに小さく削られた瓦礫の山が出来ていた。


「終わりましたので、みなさんあとはお願いします。僕は次の作業に移りますので」


 俺はそう言って次の瓦礫の山へと向かった。


 ここでダルさんから聞いた今の人員配分を説明しておこう。今回は二つの作業を同時に行う為人数はちょうど60人に分けられた。兵は35人の内10人は護衛にあたる。理由は何時襲われても対処できるように守ってくれている。ハンターは万が一の時のための補欠扱いとなるらしい。


 ちょうど6つ目の山を壊した時だった。突然ベルの音が聞こえた。


「なんですか、この音は」


 近くにいた兵士の人に訊いた。


「ああ、これは昼ごはんの相図だよ。行ってきな。俺達兵士はこの作業が終わった行くからさ」

「すみません、お先に」


 荷物のある場所へと向かった。


 多分そこで間違いない筈。


 やっぱり合ってた。そこにはコップとサンドイッチ、そしてタオルを持ったお母さんたちと子供たちの姿があった。


 皆ぞろぞろと並んで受け取っている。コウキもその列に並んでその3点を受け取った。


 サラを探したら彼女は既に数人の女性ハンターと女性の村人たちと一緒に食事をしてた。


 お、サラもうまくやっているみたいだな。なんだかほっとしたよ。


 内心心配していた。普段コウキとしか関わっていないからどうなることになるのかと心配していたけど、その必要もなさそうだな。


 コウキは適当に地べたに座りタオルで汗を拭き、コップのミルクを飲む。


「カァアア、うめえ!」


 ミルクの旨味は五臓六腑に染み渡る勢いだ。そのままサンドイッチに噛り付く。野菜とハムと調味料の旨味が口いっぱいに広がる。さすがに立て続けに上位魔法を放ったためかなり疲れた。チート能力を持っているとはいえ魔力は無限ではない。


 一息ついているとダルさんとその仲間がやってきた。


「お疲れ!!」

「お疲れ様です」

「一緒にいいか?」

「ええ、もちろん」

「ありがと」


 そう言ってダルを含めて5人は座った。


「しかし、すごいな。よくあんな魔法を出せるな。うらやましいぜ」

「ホントだよ、もっと早くから来てくれればよかったのに」

「はは、そうですねぇ」

「兄ちゃんはこういうのは初めてか?」

「いえ、過去にも何回か他の国でやってました」

「ほう、と言うことは旅人かい?」


 髭面のおじさんが言った。


「はい、旅人兼ハンターといったところです」

「いいねえ。俺の息子もハンターなんだよ」


 ダルさんは言った。


「へえ、そうなんですか」

「最近はあまり帰ってこないが、元気でやってるみたいだ」

「そうですかぁ。もし何かの拍子であったら伝えておきますよ」

「お、そうか。なら『早く嫁を貰って来い』って伝えておいてくれ」

「おいおい、ダル。それは単にお前が孫の顔を見たいだけだろ」


 白髪オールバックのおじさんが言った。


「うるせえ、いいんだよ!」


 その後笑いが起きた。その時一人の少年がコウキの事を見ていた。少年と目が合った時、コウキの元に寄ってきた。


「もしかして、コウキおにいちゃん?」

「あれ、まさかレイクか!」

「うん、そうだよ。おにいちゃん!!」

「おおおおお、大元気にそうだなあ!!あはは」


 少年の頭を撫でた。


「兄ちゃん知り合いなのか?」

「はい、依然―――――」

「こらレイク勝手に行かないの!!」


 女性の声が聞こえた。この声も俺は知っている。


「お姉ちゃんこっち――――!」


 レイクが呼ぶ。


「もう、何してるの」


 女性が駆け寄ってきた。


「ごめんなさーい」


 レイクが謝った時だった。そのとき女性は俺の顔を見た瞬間目を見開いた。

「・・・コウキ、さん?」

「久しぶり、レイナさん」

「コウキさん、いらっしてたの?!」

「ええ。あの、すみませんちょっと席外します」

「おう気にすんな!」


 ダルたちはにやにやして俺達を見ていた。「若さか」「若い」「若いのう」など聞こえたが無視した。

 

 レイクを戻した後、俺とレイナさんは、皆からすこし離れたところで腰かけた。


「驚きました。まさかコウキさんに会うなんて」

「はは、そうだろうね。今回たまたまギルドでココの復興作業の依頼があったから来たんです」


 この方、レイナさんは1年半ほど前に俺がお世話になった孤児院を経営している人だ。さっきのレイクはレイナさんの孤児院で暮らしている。

年齢は俺と同じ、25歳。綺麗なブラウンの髪を後ろで三つ編みにしていて、エメラルド色の瞳を持った美人さんである。


 コウキがこの人が経営する孤児院にお世話になったかと言うと1年半前、俺はろくに食事をとらずに☆5の上級討伐を3つ受け、なおかつ転移魔法を使いまくったせいで魔力不足と空腹で倒れていたところをたまたま通りかかった彼女たちに助けてもらったのがきっかけだ。魔力がなくなればただの人である。


 なんともお恥ずかしい。


 話は変わり、レイナさんの孤児院はこの村からすこし離れたところにある。この孤児院で暮らしている子供の大半が魔王軍との戦いで両親を失った子供たちで、さっきのレイクも生まれてすぐに両親がなくなってしまい、レイナさんが引き取った子供である。であった当時彼女の孤児院は存続の危機に瀕していた。孤児院は個人経営のため、基本その村や町から補助金などは一切支給されない。そのため彼女は何とか経営するためのお金を稼ぐために、ここから10キロもある、俺が今滞在している町のはずれの宿で毎晩娼婦としてお金を稼いでいた。それを知った俺は彼女に当時の全財産の半分を彼女に渡した。もちろん拒否されたが子供たちのため、彼女のため、それに助けてくれたお礼にと半ば強引に渡して孤児院を後にした。という分けなのである。


「どうです?その後は」

「はい。おかげさまで。そのせつはありがとうございました」


 彼女は頭を下げる。


「そんな、頭を上げてください。俺だってレイナさんに助けてもらわなければ今頃死んでました。」

「いえいえ、私の方こそ。色々ご迷惑をお掛けして........」

「いいんですよ。もうあんなことしないでくださいよ」

「ええ、分かっています」

「........しっかし、レイク、大きくなりましたね。」


 無理やり話題を変える。


「はい、すっかりあんなやんちゃに」

「あの歳の子供はあのくらいがちょうどいいんですよ」

「ふふっそうかもしれませんね。そういえば、コウキさんはまだお一人で?」

「いや、最近新しくできた仲間と来たんだ」

「そうですか。良かったですね」

「ええ」


 その後俺達は話に花を咲かせた。子供たちの話や、俺が立ち寄った地域の話など。


 ふとその時、再びベルが鳴った。


「このベルは?」

「終わりの相図です。この後も頑張ってください、コウキさん」

「頑張ります」


 俺は仕事場へと戻った。




 空は夕焼け色に変わった頃今回の依頼は終わりを告げた。瓦礫の山は意外と多く、結局12か所も回った。やはりさっきの休憩だけでは回復できる筈も無く、俺の魔力はカツカツの状態だ。思い足取りで俺はサラを探した。その時。


「コウキ様ー!」


 サラの呼ぶ声が聞こえた。声の聞こえた方を向くと笑顔で向かってくるサラの姿が見えた。


「お疲れさん。サラ」

「コウキ様こそ、お疲れ様です」


 サラの頬には土をこすった跡が付いている。きっと汗をぬぐった時に付いたのだろう。


 俺は持ってたタオルで頬を拭いてやった。


「こ、コウキ様、そんな、あぁ」


 一瞬驚いた表情をしたが、すぐに顔を真っ赤にして恥ずかしそうに俯いてしまった。


「これで良し。帰ったらまずは風呂だな」

「は、はい」

「んじゃ、早速役場に行ってサインをもらいに行こう」


 俺達は役場に向かった。当然タオルを戻し、ダルさん達にも挨拶をして。


 役場でサインをもらい村を出るとき、後ろから視線を感じた。振り向くと、レイナさんが俺達は見送ってくれていた。俺は一礼した。サラも訳が分からず一礼した。レイナさんもふかぶかと頭を下げた。


「あの、コウキ様今方は?」

「俺の知り合いさ」


 本当はこの依頼の他にもう一つ目的があった。それがレイナさん達に会いに行くことだった。たまたま見つけたとはいえ滅多にあの村に立ち寄ることもないため依頼が完了したら顔を出すつもりだったのだが、偶然彼女達も作業を手伝っていたため行く必要がなくなった。


「そうですか。あの、コウキ様」

「なんだい?」

「なぜ、あの人たちは笑顔でいられるのですか?」

「どういうことだい、それは?」

「あの人たちは、戦争で住む場所も家族や仲間を多く失ったと言っておりました。なのに、なぜ皆笑顔でいられるのですか?」

「それは、繋がり。じゃあ無いのかな」

「〝繋がり〟・・・・・・」

「そ、彼らは前の戦争で多くの大切な人を失った。きっと俺らじゃ考えられないほどの悲しみ、憎しみを覚えたに違いない。それでもね、彼らがああして笑顔でいられるのは仲間との繋がりなんだ。共に悲しみを乗り越えようと互いを励まし合い、それでもダメなときはまた別の仲間で手を取り合って互いを支え合っているのさ。すべては人と人との繋がりで出来ているのだと俺は思っている」


 だから、レイラさんだって子供たちの支がえ合ってこそ、これまで頑張ってきたに違いない。出なかったらあんな笑顔でいられる筈がないよ。あの子たち分かっていないようだけど、あの子たちの笑顔が見れるから頑張れる、とレイラさんは言っていた。彼女にとって子供たちが支えなんだ。そして、繋がりなんだ。


「そうなのですか」

「あくまでも俺の自論だけどね。実際はどうか知らないけど。」

「私は、今回の依頼で多くの事を学びました。コウキ様、また是非、今回のような依頼があれば受けましょう!!」


 サラは少し興奮気味に言った。この依頼を受けた意味があったと言うものだ。


「ああ、そうだね。そうしよ――――」

 突然足元がグラついた。倒れそうになったところをサラに支えられた。

「だ、大丈夫ですか!コウキ様!!」

「うん、今回は少し張り切り過ぎたよ。おかげで転移魔法を使うほど魔力に余裕がない」

「それに関しては大丈夫です。コウキ様、なんなら私がおんぶして差し上げますが」

「いや、いいよ。このまま支えてくれるだけでいいよ。ありがとう、サラ。」

「いえ。コウキ様に何かあれば問題です!!」


 サラは気付いているのかな、キミが今抱いている思いこそが、『繋がり』が引き起こす物だって。


 町に着いた頃には空はすっかり満点の星空に変わり、夜空に光る星々は二人を見守っているかのように光輝いていた。


少しずつサラは成長していますね。

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