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五十六話 乱戦

 それはある日の晩。


 不自然な揺れにある一人の男は目覚めた。


 こんな時間何事かと、寝ぼけ眼でベッドから降りると男は玄関を出て外へと出た。


 揺れはまだ収まっておらず、足元がおぼつかない中突然裏の山から一斉に鳥たちが飛び交う鳴き声に驚いた。


「な、なにさ起こってるだ?!」


 男は浦山を見上げたその時だった。


 目の前の恐ろしい光景にガタガタと体を震わせるとそのまま腰が抜けてしまった。


 月に照らされた山は一気に崩れ始め、中から巨大な人間らしきものが姿を現した。


 首のない巨体はその黒いカラダはゆっくりと山から這い出ている光景は、まるで母親の腹を裂いてくるかのような、この世のものとは思えない、おぞましいものだった。


 土砂が迫りくるなか、男は立ち上がることもできないまま、無常にもただ叫び声を上げただけで埋もれてしまった。


 生まれ出た黒い巨人は、ほの暗い地の底から響いてくるような唸り声を上げたのだった。





 ベルナデットとの再会から4日が経ったこの日、雅道は緊急会議を開いていた。


 円卓には騎士団長のフレイの他、多数の長たちが集まっていた。


 張りつめた空気の中、フレイは口を開いた。


「どうそうするおつもりなのです。このままではこの国はおろか、大陸全土にまで及びます」

「確かに、早急にあの巨人を始末するべきだ。早いとこ仕留めないと更に被害を拡大することになる」


 フレイの言葉に乗せて言ったのは、魔術士団の団長サイモンである。


「そうです。マサミチ様!!」


 そのとき、1人の衛兵がドアを叩き開けて入ってきた。


「何事だ!」

「は。た、たった今、上空に魔族のものと思われる魔法陣が出現しました!!」

「なに!?」


 フレイ達が声を上げる中、雅道だけは平静を保っていた。


「随分早いな。まあいい。これより僕達は迎撃に入る」


 まるで、予見していたかのような口ぶりで雅道は立ち上がり腰に差している剣を強く握った。





 2時間前、サンクチュアリ内中央広場。


 普段は多くの人でにぎわいを見せるこの広場も、緊急警報がなされた今人の気配一つすることはなかった。


 当然、一般市民の多くは城内に避難し、一部の市民は国外に避難した者もいた。そんななか、彼らだはその場にとどまっていた。


「皆避難を終えたようだね」

「はい。街の皆は王宮の方への避難は完了しました。あと残るのは私達だけだと思われます」

「まさか、ネフィルムが起動するなんて」

「確か、前に遺跡に言った時に聞いた話でしたっけ?」


 アリシアの問いにコウキは頷いた。


「そうだよ。オリュン山から離れている場所にあったらしいけど。なんでも昨晩突然動き始めて周辺の村を破壊しながらコッチに向かってきているらしいんだ」

「他国の方は無事でしょうか?」

「位置的には問題ないけど。恐らくこれは魔族の仕業で間違いない。それに雅道が他国に魔族との戦争に備えておくように伝達してくれていたみたいだから、いざ戦闘が始まってもそんなに慌てる事はないと思うよ」

「あの方は仕事が早いですね」

「そうだね。さあ、俺たちも備えよう」


 そのとき、カトレアは言った。


「しかし、なんでわざわざこんな回りくどいやり方をするかね。アタシだったら真っ先に攻め込むけどね」

「アッシもそれ思いました」

「アイツは宴と言ったんだ。だから今回のはその前座、前振り……一緒か。そう言うことだ。ただ、ちょっと行き過ぎてはいるけどね」


 苦笑いを浮かべる好機にサラは応えた。


「行き過ぎなもんですか。正々堂々と掛かってくれば良いのです」

「だからこうして俺たちはここにいるのさ。正面は俺ら、ネフィルムは彼らに任せておけばいい」

「あの、ワタシ達勝手に行動してもいいんですか?」

「問題ないよ。フレイからは邪魔にならない程度に動けってさ。結構無茶だよな」

「でしたら心置きなく、叩きのめすことができますね」


 コウキはサラを横目で見た。


 元は人間であるが今は魔人。


 魔人として生きてきた時間のほうが多いサラにとって元同胞を手にかけることに抵抗はないのだろうか。と思うコウキだった。


 しかし、心配するコウキとは裏腹にサラの目は覇気のある目をしている。


 心配するだけ無駄だかと思った時、アリシアはコウキに訊いた。


「本当に来るのでしょうか。なんだか、不安です。もしかしたらアッチの方がメインでコッチには来ないとも考えられるのですが………」

「はっきり言って明確な根拠は何もないよ。残念ながら……でも、なんだが来る気がするんだ。アイツの事だ、今頃俺らのことを笑ってみているに違いない」

「虫唾が走りますね」


 即答するサラにコウキ苦笑いを浮かべた。


 しばらく広場で待機すること2時間が経過した。


「――――ネフィルムとやらはそんなに強いのか?」


 よほど暇なのか、ツインブレイドを空中で回転させながらカトレアは言った。


「さあね。でも、古代兵器だからなあ、ボロボロかも」

「だったら楽勝かもな。何だってアタシらが相手だからな」

「油断大敵だよ………」


 そのとき、おもむろにコウキは空を見上げた。


 コウキだけではない、サラとカグラも同じく空を見上げていた。


「ど、どうした? 二人とも」


 困惑するカトレア。


「……みなさん、来ます」


 牙を剥き出しにしたカグラ隣では、サラは眉間にしわを寄せながら睨みつけていた。


「あの――――――ッ!?」


 アリシアが口を開いた瞬間、身体が急に重くなった。


 まるで風でも引いた時のように、節々が疼くようだった。


「こ、これは、一体、なにが……」


 空を見上げた瞬間アリシアは言葉を失った。


 快晴だった筈の空は一瞬で曇りはじめ、太陽があった場所には巨大な黒い魔法陣が現れたのだ。


「コウキ、これはまさか…」


 コウキは頷くと、ロッドを構えた。


「思った通りだよ。始まったんだ。宴が………」

「どうするんだ。アタシらは」

「俺が先手を取る。皆は俺が取りこぼした物を相手及び他の皆のサポートに回って欲しい」

「待ってください。でしたら私も一緒に行きます。私も空を飛べます」


 コウキは少し考えた。


 このままサラを連れて行っていいものだろうか。前回の件もそうだ。もし魔族側がまた変な策を講じてきたら、今度こそサラはやられてしまうかもしれない。もう、これ以上、サラが傷つくのは見たくない。


 コウキはサラを見つめる。


 紫色の瞳が強く訴えかけてきているのが分かった。サラは本気だ。


「……分かった。なら空を俺とサラ、地上はカトレアさん、カグラ、アリシアで。頼んだよ」

「任せな」

「任せてください」

「いっぱい斬りますッ!」


 3人は返事をすると、コウキに次いでサラも黒い鎧の姿に変身し空へと駆け上がっていった。





 雅道たちがネフィルムの方へと向かっているなか、フレイとサイモンは魔族の迎撃に備えて待機していた。


 多くの騎士たちが待ち構える中、それは姿を現した。


 黒い魔法陣の中から無数の魔獣の姿が出てきたのだ。


 その光景を見た騎士たちからは恐怖のあまり声が漏れる。


 かつての戦争を思いだしたか、騎士たちは震えていた。


 しかし、フレイは臆することなく剣を引き抜くと騎士たちへ向かって声を掛けた。


「これより、迎撃に入る。皆の者、臆するな、剣を持て槍をもて、貴様らはあの戦争を生き抜いた兵だ。国や家族、仲間を守るために身を挺しろ。そして勝って生きろ。行くぞ!!」


 フレイの言葉を聞いた騎士たちは、途端にやる気を出したかのように覇気が感じられるようになった。


「そ、そうだ。俺たちは、あの戦争で勝ったんだ」

「生きる。嫁と子供が待っているんだ!!」

「魔族だろうがなんだろうが、ぶっ殺してやる!!」


 騎士たちは剣を天に掲げた。


「「「ウオオオオオオオオオ――――――ッ!!!」」」


 雄叫びを上げた。


 その光景にサイモンは軽く息づく。


「血の気が多いな、お前のところは」

「ふん。それでなくては騎士が勤まらん―――――なんだ、アレは!?」


 そのときフレイの目に飛び込んだのは2つの影が魔法陣へ向かっている姿だった。


 隣でサイモンは首を傾げて見ていた。


「アレは誰だ?」

「まさか、コウキとサラ殿ではないか!?」

「コウキ……ああ、彼ね。てことは一緒にいるもう1人は彼の仲間か。なるほど、しかしいいのか。勝手に行かせて」

「問題ない。味方は多い方が良い。それに今更入ったところで上手く連携を取るのは難しいからな。なら初めから勝手に動いてもらった方が私としては楽だ」

「それは彼らを信用しているからでいいのか」

「……まあ、そんなところだ」


 少し沈黙のあとそう告げるフレイは剣を取った。


 空は彼らに任せ、自分たちは自分たちの戦場(しょくば)で全力を尽くすまでである。


「迎え撃て!!」


 騎士達の矢に混じり魔術士たちの魔法が天高くへと放たれるのだった。





 コウキとサラは二手に分かれて行動した。


 巨大な魔法陣からは異形の魔獣たちが地上へと降下していく。


 一度であんなに来られていては、いくら迎撃の準備をしていたとはいえ全てを相手にすることはできない。


 したがって、コウキとサラは空中での無防備な状態かつ飛行可能は魔獣を重点的に殲滅することに決めた。


 コウキは制止しロッドを魔法陣へと向けると、背後には無数の魔法陣が横に広がりを見せた。


「イケェ――――――ッ!!」


 魔法陣からはあらゆる属性の魔法が放たれる。


 乱射される無数の魔法は魔獣たちを次々と倒していく。


「まだだ!!」


 更に魔法陣を扇状に展開しその攻撃範囲を拡大していく。


 しかし、すべて倒しきれなっかたが、地上ではカトレア含む騎士達が待機しているため、それら一切は無視してただひたすら攻撃を繰り返すコウキだった。


 一方、サラはハルバートで縦横無尽に駆け回っていた。


 高速で移動をしながら、数体まとめて切り裂いていく。


 背後からの攻撃には尻尾型の多関節武器『スコルピオン』で迎え撃ちつつハルバートで攻撃を加える。


 しかし、いくら魔獣を殺していっても、その数は一向に減る気配はない。むしろ、多くなる一方だ。

 

 このままの状態では、らちが明かない。手数を増やさなければ。


「これで!」


 するとサラの周囲にはいくつもの黒いあの球が出現した。


 怪しくうねる塊にサラは命じた。


(ほふ)れッダークチェイサー!!」


 刹那、黒い玉―――ダークチェイサーはそれぞれ不規則な動きを見せながら魔獣を討って行った。


「オォオオオオオオッ!!」


 サラは巨大な鳥のカタチをした魔獣に向かい、スコルピオンで撃った。


 蛇行しながら、鳥型の足を掴むと一気に自分の元まで引き寄せた瞬間、右から来た魔獣にハルバートの先端で突く。しかし、目の前には鳥型が迫ってきた。


 引き抜くのに遅れてしまうと判断したサラは、空いた左手の指先を鋭利にし頭部へと突き刺す。


「死ねッ」


 爪先から放たれるエネルギーで鳥型は内部爆発を引き起こし、周りのサラを含め魔獣たちを巻き込んだ。かのように思えたがサラは寸前で後退したため直接の爆発に巻き込まれることは無かった。


 爆炎から飛び出したサラは武器を振るった。


 無数の敵をもろともせず討ち進む彼女が向かった先はコウキのもとだった。


 サラの気配に気づいたコウキは前を向いたまま彼女に言い放った。


「やっぱり来たか」

「はい、ドデカいのが来ますよ」


 2人の視線の先には巨大な熊型の魔獣の姿があった。


 全長は計り知れないがその大きさは4、50メートルは裕に超えていると思える。


「こんなのが降りてきたらひとたまりもない」

「一気に畳み込みましょう!!」

「応ッ!!」


 山斬剣(カラドボルグ)を発動し二手別れた。


 最大加速で移動し、左右からコウキとサラは他の魔獣をもろともせず。


「「ウオォオオオオオオ――――ッ!!」」


 2人は交差する。


「硬てぇ!」

「まだ!」


 何度も何度も切り刻む。


 コウキは渾身の力を込めて甲皮ともいえるその皮膚に切り込みを入れていくも、その前に山斬剣のほうのダメージが大きかった。


 この時、サラは分かっていた。


 いくらコウキとは言えどこれほどの大きさを誇る敵を一撃で倒すことは不可能であると言うことを。


 今の彼は魔力を封じられているため、全力で戦えない。


 だから彼女は少しでも彼に負担を掛けまいと思い、こうして一緒に空の中にいるのだ。


 コウキが考えていることはわかる。でも、少しでもこの人のために尽くしたい。


 もっと、一緒にいたい。


 ハルバートを握る手に力が入る。


「今ですッ!!」

神造火炎玉(プロメテウス)ッ!!」


 巨大な火の玉は熊型に直撃し、爆散した。


 今の爆発により多くの魔獣を巻き込むことに成功した。


「ハァ、ハァ、ハァ………」

「大丈夫ですか」

「問題ない、それよりも、地上は?」


 汗だくになりながら言うコウキの姿にサラは一瞬言葉を詰まらせた。


「―――ッ、大丈夫だと思います。今ので、大分数を減らしたかと…それよりもお身体のほうが心配です」

「俺はいい、いいから、いいから魔獣を!!」

「コウキさ―――……」


 サラを振り解くと魔獣の中へと向かってしまった。


「………クソッ。なんであの人は、もっとご自分を大切にできないのだ!!」


 サラは再びダークチャイサーを撃った。






 地上では騎士団たちが無数の魔獣を相手に悪戦苦闘していた。


 魔獣は家屋を破壊しながら無邪気にはしゃぐ子供のように、迎い出る騎士達を殺していく。


 腹を突かれ内臓を引き出され、鋭利な牙で噛み潰す。


 片足をもがれ地面を這うと後ろには真っ赤なラインが敷かれそれに沿って迫ってくる魔獣は、残った足を持ち上げると頭から豪快にカブリつく。


 瓦礫の下からはうめき声が聞こえて来る。


 地上はまさに地獄絵図だった。


 騎士、魔術士たちは迫りくる脅威にたいし、次第に戦意を喪失してく。


「だめだ、やっぱり全体に結界を張るべきだったんだ」

「俺は死にたくない!」

「クソ、数が減らねえ!」


 不平不満が飛び交う中、フレイは魔獣を斬った。


 目の前で部下が死のうが関係ない。


 今は目の前にある恐怖、脅威、死を断ち切っていくだ。


「総団長、なんとかならないんですか!?」

「狼狽えるな、我々がここで耐えなければ、もっと被害を被ることになる」

「ですが!!」


 部下の言葉にまともに耳を傾けていてはらちが明かない。


「魔族めッ!!」


 怒りを剣に込めて斬りかかるそのときだった。


「加勢に来ました!!」


 その声がした瞬間、騎士達は歓喜のこえが上がった。


「カグラちゃんか」

「カトレアお姉さまも!!」


 男性についで女性の声も聞こえる。


 カグラ、カトレアその後ろにアリシアの3人は駆けてきた。


 しかし、周りには魔獣たちが迫ってくる。


「アッシが、行きます!」

「任せた!」


 カトレアが応えるとカグラは加速した。


 桜華を強く握りと同時に全身に電気が帯びた。地面を蹴ってさらに建物の壁を駆けると1人で魔獣の群れの中に飛び込んだ。


「斬るッ」


 空中で電気を浴びた桜華を一振りすると、縦一直線に魔獣は消滅する。


「まだだ!」


 着地すると桜華を横に向かって180度に振ると、三日月状に放たれたエネルギーは魔獣たちを真っ二つに分離していく。


「上出来だ!」


 カグラが作った道をカトレアは駆け抜ける。


 視線の先には大型の魔獣が待ち構えていた。


「お姉さん、ちょっと本気出しちゃおうかな」


 ツインブレイドを手前に構えると、魔法陣が出現する。


「眷属魔法、コキュートス!!」


 すると、ツインブレイドの刃は一瞬で氷の刃へと姿を変えた。


 刃渡りを上げたことにより、これまで以上に攻撃の幅が広がる。


 片方を逆手に持つと、カトレアは跳躍し回転しながら降下する。


 回転が駆けられた一撃は重かったが、完全に討ち取ることはできなかった。


「フフッ」


 いじらしく瞳を細めた瞬間、魔獣の傷口から氷の刺が生えてきた。


 苦しみ始める魔獣は身体を捻らせながらもがき苦しみ、ついに身体の内部から突き破るように氷が出現すると同時に絶命した。


 氷苦(ひょうく)の魔法とも呼ばれる眷属魔法、コキュートス。


 カイナ、アンティノラ、トロメア、ジュデッカと段階を踏んで相手に苦痛を与える時間差魔法である。


 即効性では無いにしろその殺傷力は非常に高い。


 カトレアが持つ唯一の上位魔法である。


「ただで苦しめるとは思うなよッ!」


 カトレアの回転を駆けながらツインブレイドで魔獣を蹂躙していくのだった。


 背後から来る魔獣にカグラは気付かなかった。


「―――ッ!」


 振り返り、桜華を振った瞬間魔獣の上半身は削り取られた。


「姉さん!」


 視線の先には弓を構えるアリシアの姿があった。


 構え、そして射る。


 外すことのないその矢は確実に魔獣を仕留めていく。


 戦う前にコウキから教わったとおり、眷属魔法を駆使しながら丁寧に討つ。


 どんな状況にいようが平静さを失ってはいけない。


「ふうぅ………」


 息を整え、そして、腕を引き指を離す。


 2人の背中は必ず守って見せる。


 決して邪魔はさせない。


 彼女の信念が籠った目は真っ直ぐ敵を見据えていた。


「やるじゃないか。コウキの仲間にしては」


 僅かに表情に余裕ができたフレイは言った。


「貴様たち、後れを取るな、根性を見せて見ろ!!」


 フレイは真っ赤な剣を天にかざしたのだった。






 その頃、コウキたちが死闘を繰り広げているなか雅道率いる挺身部隊たちは国境付近でネフィルムを待ち構えていた。


 風邪で流れてくる爆音が鼓膜を僅かに響かせる。


 望遠鏡片手に雅道は口を開いた。


「見えた、準備はいいな」

「は。ではいけ、第一魔法トラップ、発動!!」


 サイモンの声に魔術師たちは術式を発動たのだった。


 サンクチュアリ離れたところに対ネフィルム用の魔法トラップが仕掛けれられいる。


 そこで足止め、あわよくば破壊さえすれば人間側にいくらか勝機は見える。


 地面を揺らしながらネフィルムは迫ってく。


 その見た目以上に早歩きで歩くネフィルムだったが次の瞬間足元が光出すと同時に大爆発を引き起こした。


「成功です」


 魔術師の1人が言った。


 誰もが倒したと思い声を上げるが雅道だけは険しい顔をしている。


「………だめだ」

「な、なんですと!?」


 雅道から望遠鏡を借りるとネフィルムは確かにあった。


 幸いにも下半身が埋まっているため足止めは成功することができた。


「ここから一気に攻め込む」


 つなげて雅道は言った。


「―――何としても、ヤツを破壊するんだ」


サラのあの尻尾の役割やカグラ、カトレアの得意魔法が判明しました。

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