表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
99.9%のスキ  作者: のん
6/8

第5話 夢が終わるとき

「ハルっ…なに――」



ギュッ、と締め付けられる身体からはハルのにおい。

理解できないまま、呆然となるあたしに笑う。


それがバカにした笑いなのか、心からの笑顔なのか、あたしには分からない。

分かれない。



ねえ、分かんないよハル。

あなたが何をしたいのか、分からない。




「俺はただ――」





あたしの心情を読んだのか、彼は手をゆるめ口をひらく。




だれもいない教室。

それは幸いととらえるべきなのか、理解するのにそう時間はかからなかった。



「ミユにユウを忘れさせたいだけ」



それだけ言うと、縛り付けられていた身体を開放させた。

ますます見失うハル。


あたしの知っているやさしいハルは、……どこ。




「はっきり言って、ユウはもう帰ってこない。

 ミユだって分かってんだろ」



――ユウはもう帰ってこない



グサリ、とあたしの心臓めがけて降り注ぐトゲ。

それは決して、抜けそうにない。



あたしはまだ、ユウが好きだ。



今になって実感させられるその気持ち。

知ってるよ、イヤというほど、あたしが一番よく分かってる。

ユウにとってあたしたちは何でもないということ。


好きな奴でもなければ、嫌いな奴でもない。

感情を入れるだけの価値もない仲。



そうじゃなかったら、黙ってどこかに行ったりしないよね?





予感が確証に勝手に変わるから、慌ててコクリ、と首を縦にふった。




「だったらなんで、今でも好きなんて思えるわけ」




責め立てるような声に、冷たい顔。

その横顔は、女の子に人気なのにも納得がいくような容姿からなっている。

あたしとは対照的な、容姿に性格。

そんな性格にいままで、どれだけ助けられただろう。


ユウと喧嘩した、あの雨の日だって。

ユウのことが好きな女の子たちによびだされた日だって。

ユウのことでひたすら不安になった日だって。



あたしの隣にはいつも、ハルがいてくれた。

ハルの言葉に救われた。

…はずなのに。


「どんなに裏切られても、きらわれても、好きなんだもん」


いまはその言葉が、トゲとなりあたしを壊す。


「なんで」



理由が分かればあたしだって簡単にユウを忘れられるだろう。

だけど、分からないんだ。

理由も、ユウも、ハルも。


ただもうすこしだけ、時間があればきっと。

傷も癒え忘れられるだろう。






こんばんゎ!あらためまして、のんです。

なんか、めっちゃ顔文字にどハマリですね→(☝ ՞ਊ ՞)☞

きもぃぃww

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ