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インド人を右に

作者: 本多優勝
掲載日:2026/02/04

最近はあまり行っていませんが、昔はよく行ってました。

「ゲームセンター」。

プリクラとかUFOキャッチャーばかりのところではなく、所狭しと平の筐体が置いているような。


・・・


私が大学生の頃、あたかも廃屋のようなゲームセンターがあった。正式な名前は知らないが、皆は「ナポレオン」と呼んでいた。


ゲームの明かりで照らされた薄暗い部屋に、汚い壁。使い古された筐体。どれをとっても素人を寄せ付けない雰囲気。

大学をさぼった先輩が今日もレバーを握る。

「ROUND 1 FIGHT!」

ゲームの声と操作音だけが木霊する。


大学の講義の合間、ここはまさに安息空間だった。

合間を見てはここに通い、達人の技を見、自分もまねてみるのであった。


だが、流石に古いところだったからか、そのゲームセンターは在学中に幕を閉じたのであった。

筐体を家に持ち帰る先輩たちもいた。

常連たちは明るい「アミューズメントパーク」に流れたのだろうか。それとも・・・。


今、自分の心にはもう「ナポレオン」はない。記憶だけが残っている。記憶はあのときのまま残っているが、いまではすっかりただの廃屋になっているのだろうか。


私は、この時以降「ナポレオン」というひとつの安らぎを失っただけではなく、モラトリアムに付随するすべての安らぎを失い、一人都会という暗闇に投げ出された。そこにはゲームの明かりすらない。


私が再度、もし「ナポレオン」を見つけられたら、また時は動き出すのだろうか。


「ROUND 1 FIGHT!」


-終-

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