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俺を異世界に召喚した悪い魔女の婆さんをロリババアにしたら何処までも粘着して来るようになったんですけど!?  作者: アステロイドV2
第一章

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ざーんねーんでした!

(しばし)の間、ワシは別行動を取る」


「んぁ?」


朝一番、ルル婆さんは宿でそんなことを言ってきた。


「何だって急に?」


「やる事が出来てのぅ」


「夜は帰って来るの?」


「分からぬ。遅くなるかも知れぬし、帰らぬ日があるやも知れん」


「ふーん。まっ、なんかあったらこれで知らせてよ」


俺はルル婆さんに貰った黒い指輪をチラリと見せる。


「ふん、それはワシの台詞じゃ。…………それで、お主はどうする?」


「そうだなぁ……取りあえずギルドで依頼でも請けてランクでも上げようかな」


「そうか」


「将来の大英雄様が何時迄(いつまで)も最低ランクのFって訳にはいかないでしょ!…………って、いねぇよ!」


あの婆さん、また人が話してる途中で居なくなりやがった。


「……はぁ~~~あ、俺もギルドにでも行こうかな」



ポートリス王国


内陸国であるこの国は、観光地になれるような目玉も無く、周辺モンスターも弱い為、ここには駆け出しの冒険者くらいしかいない長閑(のどか)な国である。


だがそんな国でも、いやそんな国だから、この国にも闇はある。


白昼堂々(はくちゅうどうどう)女の子を襲ってくるなんて、おじさん達は変態さんかな?」


「ば、バケモノ……!」


「それで?おじさん達は誰の指示で私を襲って来たのかな?」


街の中心部からは外れた暗い裏路地。


暗がりに入った途端、ルルは5人組の男達に襲われ、これを返り討ちにしていた。


襲ってきた男達は、ある者は地面に、またある者は壁に、まるで昆虫標本のようにルルが召喚した白金(はっきん)の剣で(はりつけ)にされていた。


磔になった男達はルルによって致命傷となる箇所を避けられていたせいで死なずに済んでいた。


「教えて欲し~いな~?」


「お、俺達は、ただの追い剝ぎだ……っ!お前が昨日から景気よく買ってるから狙っただけなんだ…………」


壁に(はりつけ)になっている男の一人がルルを襲った訳を白状する。


「ふぅん、そ~なんだ~」


もっとも、ルルに命を握られている事に変わりはない。


ルルは、その男に刺さっている剣に触れ、グリグリとゆっくり動かす。


「グギャァァァァ!!」


男は、あまりの激痛に(たま)らず絶叫する。


「それならそれで構わないんだけど~」


ルルは新たに白金(はっきん)の剣を一本追加で召喚する。空中に浮いた白金(はっきん)の剣は地面に(はりつけ)にされていた男の首を無造作(むぞうさ)に跳ね飛ばした。


「ヒッ!」


「正直に言ってくれるなら───貴様の命くらいは助けてやってもいいぞ?」


ルルというキャラを演じるのを止め、本来の姿を覗かせる。


「わ、分かった、言うから殺さないでくれ!!」


「最初から正直に話してくれればいいのに~」


「お、俺達はただの追い剝ぎだ……誰に指図された訳じゃなく金払いのいいアンタを狙っただけだ!……ただアンタは、その辺の女より容姿がいい。俺達はアンタから金目の物を奪った後、アンタを売っぱらおうとしただけなんだ!」


「へ~、一体何時(いつ)から、この国は人身売買なんて始めたの?」


「く、詳しくは知らねぇけど、多分20年……いやそれより前かもな」


「…………それで?私を何処に売るつもりだったの?」


「ここら一帯を仕切るマフィアさ……そいつらが人身売買組織と密接な関係にあるってんでアンタを持って行こうと思ったんだ」


「そのマフィアは何処にいるの?」


「く、口では説明しにくいから案内させてくれ…………」


複雑な場所にあるのは嘘ではないし、こう言えば自分の身の安全は保障されだろうと考えていた男だったが───。


「え~、そんなのいらないよぉ」


「え?」


男の思惑は外れることになる。


ルルは男の頭を右手で掴み魔力を流し込む。


「あ、あああああああ!?」


「ざーんねーんでした!私は相手の記憶を読み取る事が出来るの」


ルルは意地悪く言う。


相手の記憶を読み取る魔法。


以前、弟子であるサトウ・タロウに若返りの魔法を掛けられ、その情報を得ようとして使った事のある魔法だ。


「まあでも、こんな風に無理矢理魔力を流されて強引に読み取ったら廃人になっちゃうか───」


必要な情報を読み取り、ルルは男の頭から手を離す。


「死んじゃうんだけどね」


強引に記憶を読まれた男は涙と(よだれ)を垂れ流しながら絶命していた。


「さーてと、おじさんが正直に話さなかった時の為に生かしてたけど…………その必要もなくなっちゃた!」


「ひ、ひぃ!?た、頼む、みのが───」


(はりつけ)になっていた残りの3人の男たちは全て言い終わる前に己の身体に突き刺さっていた白金(はっきん)の剣によってバラバラに引き裂かれた。


「ワシを襲っておいて生かしておくわけがないじゃろ?」


ルルは今まで一度もタロウに見せたことがないような酷薄(こくはく)な笑みを浮かべていた。


「さて、世直しなぞする気は無いが、また襲ってきたら面倒じゃしのぅ…………」


ルルの足はマフィアの本拠地へ向かっていた。


「潰すか」


男達の遺体を捨て置き、ルルの姿は暗がりに消えた。

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