教えてルルちゃん先生
ゴブリン騒動の翌朝、ディザベルは約束通りプリアルとフィルメアに魔法を教える為、2人の家に出向いた。
ディザベルは2人の両親に挨拶をし、プリアルとフィルメアを家の外に連れ出す。
「2人共、昨日はよく眠れたか?」
「うん!」
「よく眠れました!」
「そうかそうか。では早速2人に魔法を教えようかのぅ」
ディザベルはアイテムボックスから水晶を取り出し、予めで出していたテーブルの上に置く。
何処からともなく道具を取り出すディザベルを見ていたプリアルが指を差して質問する。
「ルルちゃんのそれも魔法なの?」
「ん?……ああ、これか。勿論これも魔法じゃぞ」
「私もそれ使ってみたい!」
「う~ん……これは2人には、まだまだ難しいのぅ」
「そんなぁ……」
「だが気を落とすことは無い。ちゃんと毎日魔法の練習をすれば2人にも使えるようになるぞ?」
「ホント!?」
「うむ。ワシの魔法を使えるようになる為にも、まずは魔法の初歩から練習して行くぞ」
「「はーい!」」
「では……そうじゃな、プリアルよ、ワシが出した水晶に手をかざしてみよ」
「うん!」
プリアルは水晶が置かれたテーブルの前に進む。
「これって何するの?」
「これは2人の得意な魔法の属性を調べる為の物じゃよ」
「魔法の属性?」
「うむ。魔法には様々な属性があっての」
ディザベルは2人に分かりやすく右手に火球、左手に水球を魔法で作り出す。
「この様に火とか水とか様々な属性があってのぅ。その水晶は自分が最も得意とする属性が分かる優れものじゃよ」
「へ~!ルルちゃんは何が一番得意なの?」
「ワシか?そうじゃな……」
ディザベルは両手の魔法を消してから水晶に右手をかざすと透明な水晶は茶色に光り出す。
「色が変わった!これは何の属性?」
「これは地属性じゃよ」
「地属性!……地属性って何が出来るの?」
「そうじゃのぅ……」
ディザベルは土で作った大人サイズの人型のゴーレム、猫と犬のゴーレムを一体ずつ作る。
作り出されたゴーレムは独りでに動き出す。
「おぉ~」
「この様なゴーレムを中心に様々な物を作り出す事に長けた属性じゃな」
「土属性かぁ……よ~し!」
プリアルは水晶の前に立つ。
「右手?左手?」
「どちらでもよいぞ」
「はーい」
プリアルは水晶に右手をかざすと透明な水晶が真っ白に光り出す。
「おぉ、光属性か!珍しいのぉ」
光属性を得意とする人間は1000人に1人とされていて、得意とする魔法の性質上、冒険者としても国からも重宝されている。
プリアルの将来は明るいのぅ。
「えぇ~……ルルちゃんと一緒の属性が良かったのにぃ……」
「ふふ、嬉しい事を言ってくれる。じゃが光属性も便利じゃぞ?」
「便利ぃ……?」
「うむ。光属性は傷を治す事が出来る回復魔法が使えるぞ」
「ホント!?」
プリアルは食い気味にディザベルに聞く。
「う、うむ。本人の努力次第じゃが、どんな傷でも癒せるようになるぞ」
「やったぁ!!」
「さて、次はフィルメアの番じゃ」
「う、うん……」
フィルメアは恐る恐る右手を水晶にかざすと水晶は水色に光り輝く。
「フィルメアは水属性か。これまた便利な属性じゃなぁ」
「そうなんですか?」
「うむ。飲み水に困らなくなるし、戦闘面でも強いぞ」
ディザベルはプリアルとフィルメアを自分の後ろに下がらせると巨大で分厚い土壁を離れた位置に作り出す。
「見ておれ」
ディザベルは右の手のひらに作った水球を薄く薄く伸ばし極薄の円状にし、右腕を上から下へ縦方向へ振り下ろす。
右手に作られた薄い円状の水は細く、長く、鋭利で巨大な刃と化し、分厚い土壁を縦に真っ二つに切断してしまった。
「どぉ~じゃあ?」
「「すっごーい!」」
プリアルとフィルメアは一緒になって驚いている。
「ルルちゃん!光属性にもこういうの無いの!?」
「あるぞ」
ディザベルは右手に虹色の光の球体を作り、それを前方の土壁に向けて投げつける。
光の球体が土壁に命中すると虹色の光を放ち土壁を砂に変えてしまった。
「どぉ~じゃあ!?」
ディザベルはプリアルとフィルメアの反応を楽しみにしながら振り返ると、2人はディザベルの放った魔法のあまりの威力に言葉を失い、引いていた。
…………しまった、調子に乗ってやり過ぎてしもうた。
「……と、とにかく!ワシと一緒に魔法の勉強を頑張るぞ!!おーっ!!」
「「お、おー……!」」




