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俺を異世界に召喚した悪い魔女の婆さんをロリババアにしたら何処までも粘着して来るようになったんですけど!?  作者: アステロイドV2
第二章

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ディザベルの寄り道②

弱小モンスター、ゴブリン


1匹1匹の力は大した事は無いが、面倒なのは繁殖力に物を言わせた群れの数。


1つの巣に平均30~50匹程いるのだが、増えすぎると優に100匹は超える事があり、そこまで数を増やしてしまうと自分達の餌や性欲を満たすために人里を襲う事がある。


こうなっては町に幾らランクの高い優秀な冒険者が居ても数人程度では全てを守り切る事は、まず不可能であろう。


()()()()()()()()()


「ふむ、この感じだと200か?」


ディザベルは魔法の絨毯に乗りながら町の被害状況からゴブリン共の戦力を大まかに計算する。


「そんな……に…………」


「なあに心配はいらんぞ!この程度の数、すぐに倒して見せよう!」


ディザベルはプリアルの頭を撫でる。


「ホント!?」


「うむ。プリアルよ、下は危ないから此処で少し待っておれ」


ディザベルはプリアルを置いて絨毯から勢いよく飛び降りる。


「ルルちゃん!?」


「だいじょうぶじゃあぁぁぁ───」


ディザベルは落下しながらプリアルに心配ないと返事をする。


「さて、すぐに終わらせるかのぅ」


ディザベルは自分の周囲に大量の白金の剣を召喚する。その数200以上。


「さあ()け」


ディザベルの合図で大量の白金の剣は地上のゴブリン目掛けて降り注ぐ。


突如、頭上から降り注いだ白金の死の雨。


地上で暴れていたゴブリン達は、それに一切気付かず、一瞬の内に絶命していった。


「殺すのはすぐじゃが、この後が面倒なんじゃよなぁ……」


落下の勢いも重力さえも無視してディザベルは、町の中心にふわっと着地する。


「ほれ、そこのお主」


ディザベルは目の前に立っていた男兵士に声を掛ける。


「な、一体何が起こって……」


しかし声を掛けたこの兵士にディザベルの声は届いてはおらず、突然の惨劇にただ呆然と立ち尽くしていた。


「おい」


ディザベルは軽く身体強化を掛けて自分より体格の良い兵士を突き飛ばし尻餅をつかせる。


「うわっ!?」


勢いよく尻餅をついたお陰で兵士は正気に戻った。


「ボケっとするでない」


「えっ、き、君は?」


「ゴブリン共はワシが全て倒した、お主はこれを持って救助に向かえ」


ディザベルは自分のアイテムボックスから木箱に入った回復薬の山を木箱ごと兵士に渡す。


「え、え、え!?」


「早くしろ、蹴り飛ばされたいか?」


「え、あっ、はい!!」


兵士はディザベルから渡された回復薬を持って救助者を探しに向かった。


「ふん、すっとろい奴め。……おい、そこの木偶(でく)の坊。……貴様じゃ!」


今度は突っ立ってる冒険者の男を蹴り飛ばした。


「おわっ!な、なんだ!?」


「お前もさっさと救助に向かえ」


ディザベルは兵士の時と同じように木箱に入った回復薬の山を渡す。


「お、おう!」


「全く……役に立たない連中じゃなぁ。こんな事なら、あやつを連れて来るんじゃった……」


ディザベルはキョウの顔を思い浮かべるが、すぐにあの間抜け面を頭から振り払う。


後悔している時間も、無い物強請(ねだ)りをしている時間も無い。


ディザベルはアイテムボックスから(ほうき)を取り出す。


この箒はディザベルの持つ魔道具の中で最も速く移動出来る優れものだ。


「さて、この方向じゃったな」


ディザベルは箒に(またが)り高速で移動する。


目指すはプリアルの家。場所は先程プリアルの頭を撫でた時に彼女の記憶を見た事で分かっている。


「さて、間に合えばいいがのぅ……」


箒に乗ったディザベルは、人々の頭上を驚異的な速度で駆け抜ける。


「此処じゃな」


自慢の魔道具を引っ張り出して来た甲斐もあり、30秒も掛からずに町外れにあるプリアルの家に到着する事が出来た。


その代償としてディザベルのセットした髪は強風で完全に崩れてしまった。


普段なら気にしている所だが、そんな余裕は無い。


ディザベルは周囲を見渡すと家の近くで仰向けになって倒れている男性を発見した。


プリアルの記憶で見た顔だ、彼がプリアルの父親で間違いない。


間違い無いのだが…………彼は血の海に倒れ、身体は手足が千切れ、臓物(ぞうもつ)がはみ出している。


「……まあ頭が潰されていないだけマシじゃな」


ディザベルはプリアルの父親に駆け寄ると、アイテムボックスから回復薬を数本取り出し、それを身体中に振りかける。


すると見る見るうちに千切れた手足も切れていた腹も元に戻り、大量に血を失ったせいで土色のようなだった肌色も健康的な肌色に戻った。


普通の回復薬では、ここまでの回復力は無い。今使った回復薬は上級回復薬でそれなりに値の張る物だ。


そのお陰もあってか、プリアルの父は呼吸を再開した。


「一旦はこれでよい。後は母と姉じゃが……」


ディザベルは父親が転がっていた付近から家の中まで探すもプリアルの母親と姉を見つける事が出来なかった。


一応、ここに来るまでの間もプリアルの母親と姉を探してはいたが道中で見つける事は出来なかった。


見落としている可能性もあるかもしれないが相手はゴブリン。奴らの巣穴に連れ去られた可能性が高い。


その場合、うかうかしていると食料兼繁殖用の二つの意味で奴らの食い物にされてしまう。


「面倒な……」


ディザベルは上空にいる魔法の絨毯を操作し、こちらにプリアルを連れて来る。


「お父さん!」


1~2分程で絨毯が到着すると、プリアルは降りても安全な高さなのを確認してから父親に駆け寄る。


「ワシはこれからゴブリン共の巣穴に行き奴らに引導を渡して来なければならん。それまで父親の事は任せたぞ?」


「うん、任せて!」


「では行ってくる」


「気を付けてねー!」


ディザベルは箒に跨ってプリアルに手を振りながら空へと舞い上がった。

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